2016/07/23(土) - 18:51
アルプスの難関山岳ステージ1つを残して起こった大シャッフル。悪天候が翻弄した今年のツールで、突然降りだした雨が悪さをした。到来したチャンスに本能の赴くままにアタックした者、転んで全てを失った者、耐えた者。
冬季五輪開催の街アルべールヴィルがツールを迎える。前夜に出ていた雨予報は外れて太陽が顔をのぞかせた。そして蒸し暑い。
「朝から雨だと準備が大変なので助かりますね。でも雨は後半にきそうです。路上でのレインギアの受け渡しになるのはやっかいです」と話すティンコフの中野&宮島マッサーは、それぞれ補給&サポート部隊として路上の各地に慌ただしく出発していった。
チーム力を揃え、その動きに注目が集まるアスタナ。チームにはナス型サングラスをかけたアレクサンドル・ヴィノクロフが帯同し、ファビオ・アルのもとに近寄っては何やら耳打ちする。意味深にうなずくアル。
AG2Rラモンディアールのバスではロメン・バルデが、オリカ・バイクエクスチェンジのバスではアダム・イェーツがそれぞれひとりで黙々とウォームアップする。
4分にまで総合のリードを広げたことでひとまずの安全圏宣言をしたフルームとチームスカイだが、やはりそれでも油断はしていない。チームバスの前にローラーを並べ、チーム全員が揃ってウォームアップする。他にアタックを狙う選手は同様にアップするが、ここまで徹底して準備するのはさすがだ。これでは奇襲攻撃もできないというもの。バラバラではなく、全員横に並んでというのもチームの結束力の高さをアピールする意図があると感じた。
146kmのショートコースに難しい4つのカテゴリー山岳が組み込まれたステージ。いきなり周囲の山麓に登り始め、アルベールヴィルは眼下へと消えていく。前日のタイムトライアルで通ったコースも再びコースに組み入れられ、通過していくプロトンには既視感のある風景が流れる。山岳ポイント奪還を諦めないトーマス・デヘントとロット・ソウダルの攻撃にラファル・マイカ(ティンコフ)は確実に反応。強力な20人逃げはコンスタントなペースを刻んだ。
新城幸也(ランプレ・メリダ)は逃げたい・逃げるチャンスのあるステージだったが、キャプテンのルイ・コスタが逃げに入り込むことに成功。メイン集団待機となる。沿道で撮影しているこちらを見つけると、「逃げたかった、でもルイが前に行けたのでOK」と言いたげな表情で合図を送ってくれる。
マイヨアポア奪回に執念を見せたデヘントだったが、3つ目の超級山岳で先行したマイカが山岳賞を確定させた。2014年に続く2度めのマイヨアポアは、いずれもアルベルト・コンタドールのリタイヤ後の目標変更によるもの。もともとは山岳でのアシストのために来たツールで、代替案として獲得する2年連続のマイヨアポア。
チームはすでにペーター・サガンのマイヨヴェールも確定させているためシャンゼリゼでヴェールとアポアの2枚のジャージを授かることになる。総合優勝は逃したものの、チームとしては大成功。すでに今年度限りのチーム解散は移籍マーケットが動いている状況で避けられないが、気を良くしたパトロンのオレグ・ティンコフ氏にも自転車界でスポンサーを継続したいという考えも再浮上しているようだ。
アルプスの牧歌的な風景のなか決まった大人数の逃げ。状況としても平穏に思えたステージはフィニッシュのモンブランが近づくにつれ降りだした雨が状況を一変させた。
雨の降り出しは路上の泥やゴミが浮きはじめるため、降り続く雨のときよりもスリップしやすい条件をつくりだす。ピエール・ロランのスリップ落車を皮切りに、次々と選手が路上に叩きつけられることになる。
トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)は左橈骨を骨折したことが判明。リオ五輪出場、そしてメダル獲得という大きな目標に赤信号が灯った。ダニエル・ナバーロ(コフィディス)も落車し肩甲骨を骨折。ふたりともその場でリタイヤした。
落車したFDJの選手に巻き込まれたのはリッチー・ポート(BMCレーシング)。チームメイト3人のアシストを受けて集団復帰を果たした。そして総合2位バウク・モレマ(トレック・セガフレード) 、マイヨ・ジョーヌのクリス・フルーム(チームスカイ)と相次いで落車した。
白線でスリップして路面に叩きつけられたフルームだが、周りには忠誠を尽くすアシストがいた。ゲラント・トーマスから受け取ったバイクですぐに走り出し、その周囲にアシストが寄り添いながら復帰を目指す。フルームにバイクを差し出したトーマスは「フィニッシュラインに向けて走ったりしなかった」が、慌てたチームカーは一旦トーマスの元を素通りしてしまい、数百m先で停車。トーマスも代車を受け取れた。
もとのグループに復帰したフルームは、弱りながらもライバルたちに遅れること無く付いて行く。しかし下りでアタックしたバルデの姿はそこに無かった。
モレマにもアイマル・スベルディアとピーター・ステティナの2人がアシストについていたが、3人は再び落車に巻き込まれ、スベルディアもコースアウト。ステティナひとりの尽力で牽引された後、モレマは独走で復帰するための努力を続けることに。そしてモレマは2度とマイヨ・ジョーヌ集団に追いつくことはできなかった。
フルーム、モレマともに集団前方に位置して下りを攻め、後方のライバルたちに差をつけようとしていたときの落車。アスタナらがハイペースを刻む集団にはマイヨジョーヌを待つという選択肢はなかった。マイヨジョーヌの落車は待つという紳士協定は、争いが無い状況でしか発令されないようだ。
総合2位とマイヨジョーヌの落車というカオスを上手く利用することになったバルデ。下りアタックの先鋒をつけたミカエル・シェレルとともに逃げに出た。ふたりが下りで仕掛けた時、すぐそばにいたモレマはそれに着いていこうとして落車した。千載一遇のチャンス到来を嗅ぎつけた二人は狂ったようにペースを上げ、有力集団から逃げ出すことに成功した。
「ただ、自転車選手としての直感に従った。作戦を立てていたわけではまったくなく、ミカ(シュレル)の『下りで抜け出そう!』という言葉に従って本能のままにアタックしたんだ。ミカは何度もプッシュしてくれた。最初は総合のことを考えた。でも、コスタに追いついてからはステージも勝てると思った」。
サンジェルヴェ・モンブランの頂上まで逃げ切ったバルデを、沿道の観客が大きな声援で迎えた。巻き起こるバルデコール。バルデもそれに応えるかのように、フィニッシュではステージ優勝を味わいながら大きく手を挙げた。総合争いにおけるタイムロスは気にしなかった。
「フィニッシュラインまでの独走中は感情が湧き上がってきたよ。沿道の観客を眺めながら、彼らと感情を共有しながら走った。計算なんてせずに、感情に任せて走ったんだ」。
ドラマチックな展開の末の自国のヒーローの勝利。ここまで今大会はフランス人のステージ勝利が無く、このまま行けば1926年と1999年の2大会に続く史上3度めのフランス人無勝のツールになるのではないかと心配されていた。その心配を覆すステージ優勝と、総合2位の獲得。
バルデの後方のフルーム集団では激しいアタックが続いた。弱ったフルームに遅れているモレマ。大シャッフルの可能性に、落車から復帰したばかりのリッチー・ポートもアタックした。ファビオ・アルのラスト2kmのアタックでグループは崩壊。フルームにはセルジオ・エナオモントーヤとワウト・ポエルスが、ナイロ・キンタナにはアレハンドロ・バルベルデが護衛につく。
抜け出しに成功したのはホアキン・ロドリゲス。人生最後のツールでステージ勝利を狙った「プリト」だが、バルデが前に逃げていたことには気づいていなかった。
今日も引き続き不調に苦しんだというキンタナは、プリトらの3秒後にフィニッシュ。アルの攻撃も大きな実を結ばず、キンタナに3秒遅れてフィニッシュ。自らのアタックで脚を削ったポートはさらに遅れてフィニッシュした。メカトラに苦しみグループから脱落しかけていたイェーツも遅れた。イェーツにはその後チームメイトの手押しアシストがあったとして、さらにペナルティタイム10秒を課されている。イェーツがこのツールで初めて陥ったバッド・デイ。
試練を受けても結局は崩れなかったフルーム。落車のその瞬間を放送していた大型スクリーンの映像には、心ない観客たちから歓喜する声が挙がっていた。ワウト・ポエルスに引き連れられてフィニッシュへと辿り着いた弱り切ったマイヨ・ジョーヌに、暖かな声援とともにブーイングも飛んだ。同時にそのブーイングをやめろと批判する声も挙がる。ツールの動いた大一番に、複雑な空気が流れた。
ツールにおいて「強すぎる者」は常に批判の対象となるものだが、そのブーイングはフルームがもっと悪い状況に陥ればバルデのツール優勝もあり得たという思いからだろう。フランス人の活躍に、愛国心が歪んだかたちで露呈したのは残念なことだ。
表彰式に登壇したフルームは脚にアイシングを施し、やや脚を引きずるようにゆっくりと歩いた。「幸い落車による大きなダメージはない。背中に擦過傷を負って、膝を軽く打った程度で済んだ。パリのフィニッシュラインにたどり着くまでツールは何が起こるか分からないということを再確認した。明日は落車の影響があるかもしれないけど、最後の力を振り絞って戦いたい」。
絶望的な遅れを喫したモレマは、それでも脚を緩めること無くフィニッシュ。総合2位から10位への失意の転落。チームバスでは詰めかけたメディアに対して憔悴しきって対応した。
近年のツールでは上位から徐々に下がり、6位(2013)、7位(2015)あたりが定位置となってきたモレマ。過去最高の体調で臨んだ今ツールで、またしてもポディウムは遠ざかっていった。
photo&text:Makoto.AYANO in MontBlanc,France
photo:Kei.TSUJI, TimDeWaele
冬季五輪開催の街アルべールヴィルがツールを迎える。前夜に出ていた雨予報は外れて太陽が顔をのぞかせた。そして蒸し暑い。
「朝から雨だと準備が大変なので助かりますね。でも雨は後半にきそうです。路上でのレインギアの受け渡しになるのはやっかいです」と話すティンコフの中野&宮島マッサーは、それぞれ補給&サポート部隊として路上の各地に慌ただしく出発していった。
チーム力を揃え、その動きに注目が集まるアスタナ。チームにはナス型サングラスをかけたアレクサンドル・ヴィノクロフが帯同し、ファビオ・アルのもとに近寄っては何やら耳打ちする。意味深にうなずくアル。
AG2Rラモンディアールのバスではロメン・バルデが、オリカ・バイクエクスチェンジのバスではアダム・イェーツがそれぞれひとりで黙々とウォームアップする。
4分にまで総合のリードを広げたことでひとまずの安全圏宣言をしたフルームとチームスカイだが、やはりそれでも油断はしていない。チームバスの前にローラーを並べ、チーム全員が揃ってウォームアップする。他にアタックを狙う選手は同様にアップするが、ここまで徹底して準備するのはさすがだ。これでは奇襲攻撃もできないというもの。バラバラではなく、全員横に並んでというのもチームの結束力の高さをアピールする意図があると感じた。
146kmのショートコースに難しい4つのカテゴリー山岳が組み込まれたステージ。いきなり周囲の山麓に登り始め、アルベールヴィルは眼下へと消えていく。前日のタイムトライアルで通ったコースも再びコースに組み入れられ、通過していくプロトンには既視感のある風景が流れる。山岳ポイント奪還を諦めないトーマス・デヘントとロット・ソウダルの攻撃にラファル・マイカ(ティンコフ)は確実に反応。強力な20人逃げはコンスタントなペースを刻んだ。
新城幸也(ランプレ・メリダ)は逃げたい・逃げるチャンスのあるステージだったが、キャプテンのルイ・コスタが逃げに入り込むことに成功。メイン集団待機となる。沿道で撮影しているこちらを見つけると、「逃げたかった、でもルイが前に行けたのでOK」と言いたげな表情で合図を送ってくれる。
マイヨアポア奪回に執念を見せたデヘントだったが、3つ目の超級山岳で先行したマイカが山岳賞を確定させた。2014年に続く2度めのマイヨアポアは、いずれもアルベルト・コンタドールのリタイヤ後の目標変更によるもの。もともとは山岳でのアシストのために来たツールで、代替案として獲得する2年連続のマイヨアポア。
チームはすでにペーター・サガンのマイヨヴェールも確定させているためシャンゼリゼでヴェールとアポアの2枚のジャージを授かることになる。総合優勝は逃したものの、チームとしては大成功。すでに今年度限りのチーム解散は移籍マーケットが動いている状況で避けられないが、気を良くしたパトロンのオレグ・ティンコフ氏にも自転車界でスポンサーを継続したいという考えも再浮上しているようだ。
アルプスの牧歌的な風景のなか決まった大人数の逃げ。状況としても平穏に思えたステージはフィニッシュのモンブランが近づくにつれ降りだした雨が状況を一変させた。
雨の降り出しは路上の泥やゴミが浮きはじめるため、降り続く雨のときよりもスリップしやすい条件をつくりだす。ピエール・ロランのスリップ落車を皮切りに、次々と選手が路上に叩きつけられることになる。
トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)は左橈骨を骨折したことが判明。リオ五輪出場、そしてメダル獲得という大きな目標に赤信号が灯った。ダニエル・ナバーロ(コフィディス)も落車し肩甲骨を骨折。ふたりともその場でリタイヤした。
落車したFDJの選手に巻き込まれたのはリッチー・ポート(BMCレーシング)。チームメイト3人のアシストを受けて集団復帰を果たした。そして総合2位バウク・モレマ(トレック・セガフレード) 、マイヨ・ジョーヌのクリス・フルーム(チームスカイ)と相次いで落車した。
白線でスリップして路面に叩きつけられたフルームだが、周りには忠誠を尽くすアシストがいた。ゲラント・トーマスから受け取ったバイクですぐに走り出し、その周囲にアシストが寄り添いながら復帰を目指す。フルームにバイクを差し出したトーマスは「フィニッシュラインに向けて走ったりしなかった」が、慌てたチームカーは一旦トーマスの元を素通りしてしまい、数百m先で停車。トーマスも代車を受け取れた。
もとのグループに復帰したフルームは、弱りながらもライバルたちに遅れること無く付いて行く。しかし下りでアタックしたバルデの姿はそこに無かった。
モレマにもアイマル・スベルディアとピーター・ステティナの2人がアシストについていたが、3人は再び落車に巻き込まれ、スベルディアもコースアウト。ステティナひとりの尽力で牽引された後、モレマは独走で復帰するための努力を続けることに。そしてモレマは2度とマイヨ・ジョーヌ集団に追いつくことはできなかった。
フルーム、モレマともに集団前方に位置して下りを攻め、後方のライバルたちに差をつけようとしていたときの落車。アスタナらがハイペースを刻む集団にはマイヨジョーヌを待つという選択肢はなかった。マイヨジョーヌの落車は待つという紳士協定は、争いが無い状況でしか発令されないようだ。
総合2位とマイヨジョーヌの落車というカオスを上手く利用することになったバルデ。下りアタックの先鋒をつけたミカエル・シェレルとともに逃げに出た。ふたりが下りで仕掛けた時、すぐそばにいたモレマはそれに着いていこうとして落車した。千載一遇のチャンス到来を嗅ぎつけた二人は狂ったようにペースを上げ、有力集団から逃げ出すことに成功した。
「ただ、自転車選手としての直感に従った。作戦を立てていたわけではまったくなく、ミカ(シュレル)の『下りで抜け出そう!』という言葉に従って本能のままにアタックしたんだ。ミカは何度もプッシュしてくれた。最初は総合のことを考えた。でも、コスタに追いついてからはステージも勝てると思った」。
サンジェルヴェ・モンブランの頂上まで逃げ切ったバルデを、沿道の観客が大きな声援で迎えた。巻き起こるバルデコール。バルデもそれに応えるかのように、フィニッシュではステージ優勝を味わいながら大きく手を挙げた。総合争いにおけるタイムロスは気にしなかった。
「フィニッシュラインまでの独走中は感情が湧き上がってきたよ。沿道の観客を眺めながら、彼らと感情を共有しながら走った。計算なんてせずに、感情に任せて走ったんだ」。
ドラマチックな展開の末の自国のヒーローの勝利。ここまで今大会はフランス人のステージ勝利が無く、このまま行けば1926年と1999年の2大会に続く史上3度めのフランス人無勝のツールになるのではないかと心配されていた。その心配を覆すステージ優勝と、総合2位の獲得。
バルデの後方のフルーム集団では激しいアタックが続いた。弱ったフルームに遅れているモレマ。大シャッフルの可能性に、落車から復帰したばかりのリッチー・ポートもアタックした。ファビオ・アルのラスト2kmのアタックでグループは崩壊。フルームにはセルジオ・エナオモントーヤとワウト・ポエルスが、ナイロ・キンタナにはアレハンドロ・バルベルデが護衛につく。
抜け出しに成功したのはホアキン・ロドリゲス。人生最後のツールでステージ勝利を狙った「プリト」だが、バルデが前に逃げていたことには気づいていなかった。
今日も引き続き不調に苦しんだというキンタナは、プリトらの3秒後にフィニッシュ。アルの攻撃も大きな実を結ばず、キンタナに3秒遅れてフィニッシュ。自らのアタックで脚を削ったポートはさらに遅れてフィニッシュした。メカトラに苦しみグループから脱落しかけていたイェーツも遅れた。イェーツにはその後チームメイトの手押しアシストがあったとして、さらにペナルティタイム10秒を課されている。イェーツがこのツールで初めて陥ったバッド・デイ。
試練を受けても結局は崩れなかったフルーム。落車のその瞬間を放送していた大型スクリーンの映像には、心ない観客たちから歓喜する声が挙がっていた。ワウト・ポエルスに引き連れられてフィニッシュへと辿り着いた弱り切ったマイヨ・ジョーヌに、暖かな声援とともにブーイングも飛んだ。同時にそのブーイングをやめろと批判する声も挙がる。ツールの動いた大一番に、複雑な空気が流れた。
ツールにおいて「強すぎる者」は常に批判の対象となるものだが、そのブーイングはフルームがもっと悪い状況に陥ればバルデのツール優勝もあり得たという思いからだろう。フランス人の活躍に、愛国心が歪んだかたちで露呈したのは残念なことだ。
表彰式に登壇したフルームは脚にアイシングを施し、やや脚を引きずるようにゆっくりと歩いた。「幸い落車による大きなダメージはない。背中に擦過傷を負って、膝を軽く打った程度で済んだ。パリのフィニッシュラインにたどり着くまでツールは何が起こるか分からないということを再確認した。明日は落車の影響があるかもしれないけど、最後の力を振り絞って戦いたい」。
絶望的な遅れを喫したモレマは、それでも脚を緩めること無くフィニッシュ。総合2位から10位への失意の転落。チームバスでは詰めかけたメディアに対して憔悴しきって対応した。
近年のツールでは上位から徐々に下がり、6位(2013)、7位(2015)あたりが定位置となってきたモレマ。過去最高の体調で臨んだ今ツールで、またしてもポディウムは遠ざかっていった。
photo&text:Makoto.AYANO in MontBlanc,France
photo:Kei.TSUJI, TimDeWaele
フォトギャラリー
Amazon.co.jp