ジャイアントが、CXバイク「TCX」シリーズの2017年先行モデル4車種を発表した。カーボン製の「TCX ADVANCED PRO」には2車種、アルミ製の「TCX SLR」とそのレディースモデル「Liv BRAVA SLR」に1車種が登場。いずれも12mmスルーアクスル&フラットマウントを新たに採用している。



ジャイアント TCX ADVANCED PRO 1、PRO 2

「TCX ADVANCED PRO」は、ジャイアントが持つテクノロジーの粋を結集し開発されたレーシングシクロクロスバイク。世界選手権で2位に入ったラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)が使用するプロユースのフラッグシップモデルだ。

ジャイアント TCX ADVANCED PRO 1(ライム)ジャイアント TCX ADVANCED PRO 1(ライム) (c)ジャイアント
フロントシングル仕様のクランクFSA SL-Kが採用されているフロントシングル仕様のクランクFSA SL-Kが採用されている (c)ジャイアントジャイアント TCX ADVANCED PROを駆るラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン)ジャイアント TCX ADVANCED PROを駆るラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:Tim de Waele


昨年に引き続き、2017年モデルでもマイナーチェンジが図られており、ディスクブレーキ搭載ロード/CXバイクの標準規格と目される12mm径のスルーアクスルを前後に採用。そして、ブレーキキャリパーの取り付け台座を、MTBでポピュラーなポストマウントからシマノが開発したフラットマウントに置き換えることで、よりスマートなルックスとなった。

ディスクブレーキの高い制動力を受け止めるべく、フロントフォークにはジャイアント独自の超大径ステアリングコラム「OVERDRIVE2」を採用。左右非対称設計のチェーンステーや、BB86規格のワイドなBBシェル、ねじれ剛性に優れる長方形断面のダウンチューブは、優れたペダリング剛性に貢献している。

フレーム素材は、T-700グレードのカーボン原糸から製造され、剛性と柔軟性のバランスがCXバイクに適する「ADVANCED」グレード。積極的にしなりを生み出すD型断面の専用シートピラー「D-Fuse」などと共にトラクション性能と快適性を高めた。

ジャイアント TCX ADVANCED PRO 2(カーボン・オレンジ)ジャイアント TCX ADVANCED PRO 2(カーボン・オレンジ) (c)ジャイアント
「TCX ADVANCED PRO」の2017年先行発売モデルは"PRO 1"と"PRO 2"という2種類の完成車。いずれも共通のフレーム及びフォークを採用しており、サイズは500mm(S)、525mm(M)、545mm(ML)の3種類が用意される。

「PRO 1」は電動シフト/油圧ブレーキのシマノR785/ULTEGRA Di2をメインコンポーネントに採用。他にも、40TシングルチェーンリングのFSA製カーボンクランク「SL-K」やチューブレスレディのオリジナルアルミホイール「P-CXR1」など、即レース参戦可能なスペックだ。カラーはネオンの1色展開で、完成車重量はMサイズで8.2kgとなっている。

「PRO 2」はスラム RIVAL 1をフルセットで採用。油圧ブレーキにフロントシングル仕様のクランクと、現代CXバイクのトレンドを押さえた仕様となっている。カラーはカーボン・オレンジの1色展開で、完成車重量はMサイズで8.6kgだ。

ジャイアント TCX ADVANCED PRO 1、PRO 2
フレーム:Advanced-Grade Composite OLD142mm、D-Fuse SL Composite Seat Pillar
フォーク:Pro-Spec、Advanced-Grade Composite、Full Composite OverDrive 2 Column 12mm Axle
メインコンポーネント:シマノ ULTEGRA Di2(PRO 1)、スラム RIVAL 1(PRO 2)
クランク:FSA SL-K(PRO 1)、スラム RIVAL 1(PRO 2)
ブレーキ:シマノ R785/RS805(PRO 1)、スラム RIVAL 1 HRD(PRO 2)
ローター径:140mm
ホイール:ジャイアント P-CXR1(PRO 1)、ジャイアント PX-2
タイヤ:シュワルベ X-ONE EVOLUTION 700x33C
サイズ:500mm(S)、525mm(M)、545mm(ML)
Mサイズ重量:8.2kg(PRO 1)、8.6kg(PRO 2)
カラー:ライム(PRO 1)、カーボン・オレンジ(PRO 2)
税抜価格:450,000円(PRO 1)、280,000円(PRO 2)



ジャイアント TCX SLR2

ジャイアント TCX SLR 2(ブラック・シルバー)ジャイアント TCX SLR 2(ブラック・シルバー) (c)ジャイアント
「TCX SLR」はジャイアントが誇る最高峰のアルミ素材「ALUXX SLR」をフレームに採用したシクロクロスバイク。D-FUSE SLシートピラーなど多くのテクノロジーをカーボンモデルから踏襲し、素材本来の優れた反応性と、オフロードで求められる振動吸収性を両立したことが特徴だ。上位モデルと同様に、2017モデルより12mmスルーアクスルを前後とも採用し、ブレーキ台座をフラットマウント化している。

先行販売モデルとして登場したのはシマノ105をメインコンポーネントとした「SLR 2」。対向ピストン仕様のTRP製機械式ディスクブレーキ「SPYRE」や、160mm径のローターにより、高い制動力を実現している。カラーはブラック・ホワイトの1色展開で、完成車重量はMサイズで10.6kg。シクロクロスデビューにはもちろんのこと、リアキャリアが装着可能なことから軽量ツーリングバイクのベースにもピッタリだ。

ジャイアント TCX SLR 2
フレーム:ALUXX SLR-Grade Aluminum OLD142mm、D-Fuse Composite Seat Pillar
フォーク:Advanced-Grade Composite、Aluminum OverDrive Column 12mm Axle
メインコンポーネント:シマノ 105
クランク:FSA OMEGA
ブレーキ:TRP SPYRE(ローター径160mm)
タイヤ:シュワルベ SUPER SWAN 700x35C
サイズ:475mm(XS)、500mm(S)、525mm(M)
重 量:10.6kg(Mサイズ)
カラー:ブラック・シルバー
価 格:155,000円(税抜)



Liv BRAVA SLR

シクロクロス世界選手権を6度制覇しているマリアンヌ・フォス(オランダ)にインスパイアされ開発されたディスクブレーキ搭載の女性用シクロクロスが「BRAVA SLR」だ。上記の「TCX SLR」をベースとし、スローピング設計や専用ジオメトリーの採用により、女性の身体に適したフィット感やコントロール性を実現している。2017モデルではマイナーチェンジが行われ、12mmスルーアクスルを前後とも採用し、ブレーキキャリパーの台座がフラットマウントとなった。

Liv BRAVA SLR(ブラック)Liv BRAVA SLR(ブラック) (c)ジャイアント
メインコンポーネントはシマノ105、クランクはFSA OMEGAという仕様だメインコンポーネントはシマノ105、クランクはFSA OMEGAという仕様だ (c)ジャイアント武田和佳(Liv)Liv BRAVA SLR武田和佳(Liv)Liv BRAVA SLR


フレームの素材にきわめて肉薄のアルミチューブALUXX SLRを採用することで、加減速を繰り返すCXに必要とされる軽量性と反応性を両立。一方で快適性にも配慮されており、衝撃を受けると積極的にしなり、振動を吸収するD型断面のシートピラー「D-Fuse」を採用。カンチブレーキ仕様と比較して柔軟性に優れるシートステーとあわせて未舗装路走行で必要とされる高い振動吸収性を実現した。

コンポーネントもアップグレードされており、シマノ105グレードの油圧ディスクブレーキシステムを採用。スムーズなブレーキ操作は、女性ライダーにさらなる安全性をもたらしてくれるはず。サイズはXSとSの2種類が用意されており、XSサイズの重量は10.1kgだ。

Liv BRAVA SLR
フレーム:ALUXX SLR-Grade Aluminum OLD142mm、D-Fuse Composite Seat Pillar
フォーク:Advanced-Grade Composite、Aluminum OverDrive Column 12mm Axle
メインコンポーネント:シマノ 105
クランク:FSA OMEGA
ブレーキ:シマノ RS505(ローター径140mm)
タイヤ:マキシス MUD WRESTLER 700x33C
サイズ:445mm(XS)、475mm(S)
重 量:10.1kg(XSサイズ)
カラー:ブラック
価 格:185,000円(税抜)

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