カレラのエントリー〜ミドルグレードに2つの新モデルが登場した。千葉、館山で開催されたプレゼンテーションで披露されたエンデュランスロード「ER-01」と、ミドルグレード「SL7」の詳細をレポートする。



1989年にダビデ・ボイファーバ氏が中心となってスタートしたイタリアのカレラ。かのクラウディオ・キアプッチやマルコ・パンターニらと共に育ち、革新的なアイディアや設計を投入することで短期間に一流ブランドとして知名度を得たブランドだ。

そんな同ブランドが千葉県は館山市で開催されたカレラキャンプ(イベントの模様はこちらから)にて、全世界に先駆けて2017年モデルを発表。軽量を売りにしたSLシリーズの後継機である「SL7」と、フレームセット9万8千円という衝撃的なプライスを実現したブランド初となるエントリーエンデュランスモデル「ER-01」がデビューを飾った。

カレラ SL7(A7-124 GLOSSY)カレラ SL7(A7-124 GLOSSY) (c)ポディウム
「オーソドックスな乗り味を好む方に贈るバイク」というコンセプトを持つミドルグレードモデル、SL7。グランフォンド向けとしてラインナップされていたSL950を引き継ぐ後継機であり、楕円や角断面形状を組み合わせたシンプルなルックスは先代モデルから色濃く受け継いでいる。

使用するカーボンは各社のハイエンドモデルに多用されるT-800HM-HS60TとSHM XN60の2種類で、繊維の編み方を変えることで剛性と軽量化を両立したという。フレーム重量はSL950よりも50g減の900gを達成した。フォークについても使用するカーボン素材や、上1-1/8、下1-1/4という上下ヘッドベアリング径などは共通だ。

徐々に断面形状が変化していくトップチューブ徐々に断面形状が変化していくトップチューブ ワイヤーやケーブル類は全て内装式。Di2バッテリーはシートポスト内に収まるワイヤーやケーブル類は全て内装式。Di2バッテリーはシートポスト内に収まる

フォルムは現行のSLシリーズと瓜二つ。シートステーは幅広かつ扁平だフォルムは現行のSLシリーズと瓜二つ。シートステーは幅広かつ扁平だ ボトムブラケット規格はBB86ボトムブラケット規格はBB86


直線で構成されたシートステーは衝撃を緩和させるために扁平形状で、左右の間隔を広げることでねじり剛性を上げ、ダイレクトな加速性能に繋げているという。来日したカレラ社のセールスマネージャー、シモーネ・カンパニャーロ氏曰く「SL730同等の性能を実現できた」というSL7の価格は、フレームセット25万円(税抜)。品質を落とすことなく製造工程を簡略化できたことで、SL950よりも1万円のプライスダウンを見た。

軽量なカレラオリジナルのFDバンドを使用する軽量なカレラオリジナルのFDバンドを使用する 力強いチェーンステーは左右非対称設計だ力強いチェーンステーは左右非対称設計だ

カレラ SL7(A7-121 GLOSSY)カレラ SL7(A7-121 GLOSSY) (c)ポディウムカレラ SL7(A7-123 GLOSSY)カレラ SL7(A7-123 GLOSSY) (c)ポディウム


フレームは電動/機械式に両対応しており、カラーはレッド、ホワイト、ブルーの3種類。エアロロードバイクや様々なギミックを投入したバイクが増えた現在のカーボンロード市場において、ロードバイク然としたフォルムに人気が出そうなモデルだ。

カレラ SL7(フレームセット)
サイズ:XS(410)、S(440)、M(470)、L(500)、XL(530)
フレーム:T-800HM-HS60T/SHM XN60 special nano
フォーク:FF43 カーボン 60HM 1K
BB:BB86
フレーム重量:900g(サイズM)
シートピラー径:31.6mm
税抜価格:250,000円



そしてもう一台がE(エンデュランス)R(レーシング)という頭文字を組み合わせたブランド史上初のエンデュランスロードであるER-01。フレームセット9万8千円というプライスタグながら、カーボンコラムフォークの投入や、塗装の仕上げにもこだわった世界戦略モデルとしてデビューした。

カレラ ER-01(A7-104 GLOSSY)カレラ ER-01(A7-104 GLOSSY)
艶やかな2カラーバリエーションが揃う艶やかな2カラーバリエーションが揃う 首や肩周りの疲れを軽減するエンデュランスジオメトリーを採用首や肩周りの疲れを軽減するエンデュランスジオメトリーを採用


長いヘッドチューブや、大きくスローピングした短めのトップチューブ、長いシートステーといったエンデュランスジオメトリーが採用されていることに加え、直進安定性を高めるべくホイールベースは長め。T700ベースのカーボン素材は剛性を落としつつ、耐久性を上げることで長期に渡る使用にも向く。長距離ライドでのストレスを減らすべく28cのワイドタイヤまで装着可能なクリアランスも特徴だ。

ヘッドベアリング下側はSL7よりもワイドな1-1/2インチ径であり、ダウンヒルでの安定感を重視しているという。ボトムブラケット規格は安心のスレッド式であり、整備に関しても不安が少ない。エントリーモデルながらフレームは機械式/電動式両対応式だ。カラーブラックとホワイトの2カラーが用意され、いずれも鮮やかな差し色が入るなど、10万円以下と思えない艶やかな仕上がりだ。

ER-01を試すクラウディオ・キアプッチ氏ER-01を試すクラウディオ・キアプッチ氏 (c)ポディウム
カレラキャンプでER-01に乗ったクラウディオ・キアプッチ氏も「初めてテストしたが、BB周りの硬さが抑えめなのでとても乗りやすい。ジオメトリー的にもレーサー向きではないが、踏み込んだ時のウィップの効いた加速感はとても優秀だ。決してただ乗り心地が良いだけではない」と太鼓判。フレームサイズもXXSが新たに登場しており、エントリーバイク戦線に殴り込みを掛けるカレラ渾身のモデルと言えるだろう。

カレラ ER-01(フレームセット)
サイズ:XXS(370)、XS(410)、S(440)、M(470)、L(500)、XL(530)
フレーム:カーボン プリプレグ T-700 SC HM M30J HS 60T
フォーク:カーボン FF06 SC SHM
BB:BSA
フレーム重量:1150g(サイズM)
シートピラー径:31.6mm
税抜価格:98,000円

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