2016/04/15(金) - 11:31
クラシックの王様ことロンド・ファン・フラーンデレンを走ったプロバイクを紹介するVol.2。悲願のロンド初優勝を飾ったサガンのスペシャライズドS-WORKS TARMACをはじめ、BMC、モビスター、IAM、AG2R、キャノンデール、サウスイースト、ボーラ・アルゴン18のバイクをピックアップします。
ティンコフ【スペシャライズド S-WORKS TARMAC】
終盤に圧巻の独走を見せ、自身初となるロンド制覇を成し遂げたペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)。バイクはアルカンシェルをモチーフとしたスペシャルペイントの「S-WORKS TARMAC」を駆った。石畳対策はタイヤ以外に見当たらず、ほぼ通常通りのパーツアッセンブルのようだ。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で統一。パワーメーターはSRMとしている。世界王者の証であるアルカンシェルのストライプが描かれたホイールは、スペシャライズドがプロデュースするロヴァールで、サガンは40mmハイトのRapide CLX40をチョイス。タイヤは、スペシャライズドが北のクラシックのためだけに製造するスペシャルモデルで、同社のハイグリップコンパウンド「Gripton」に、振動吸収性に長けるFMB製コットンケーシングを組み合わせている。
ハンドル周りはサガンが特にこだわるポイントのようで、ハンドルはトラディショナルなシャローベントを使用。ステムは供給品よりも更に高い剛性を求めてか、スポンサーではないジップのフルカーボンモデルとしている。なお、シートポストはサポートを受けるFSAだ。その他、サドルはプロロゴSCRATCH 2 NACK、ペダルはルックKEO Blade、ボトルケージはタックスDeva。
BMCレーシング【BMC teammachine SLR01】
BMCレーシングは、グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー)をはじめ、全ライダーがメインバイクとして普段から使用する軽量オールラウンドモデル「teammachine SLR01」を駆った。パーツアッセンブルもほぼ普段通りで、石畳対策はタイヤとボトルケージのみ。
シマノからサポートを受け、コンポーネントはDURA-ACE Di2を、ホイールはシマノWH-9000シリーズを使用。タイヤは、今季ワールドツアー使用率No.1のコンチネンタルで、プロ供給専用のCOMPETITION PROLTDを履く。ハンドルとステムは3T、サドルはフィジーク、ボトル及びケージはエリートだ。
モビスター【キャニオン ULTIMATE CF SLX、AEROAD CF SLX】
石畳クラシックを得意としない傾向にあるスペイン人選手の中において、イマノル・エルビーティを7位に送り込んだモビスター。バイクサプライヤーはキャニオンで、ライダーの好みによってオールラウンドモデルの「ULTIMATE CF SLX」とエアロロード「AEROAD CF SLX」を使い分けた。
カンパニョーロのサポートを受け、コンポーネントにはSUPERRECORD EPSを、ホイールにはBORA ULTRAシリーズを採用する。パワーメーターはクランク式のPower2maxのカンパニョーロ4アームモデル。ホイールのデカールはチームカラーのグリーンに変更されている。
タイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデルCOMPETITION PROLTDで、サイドウォールがオレンジのものを使用。ハンドルは、キャニオンが製造するステム一体式モデルの使用率が高いようだ。サドルはフィジークのサポートを受け、各モデルをライダーの好みに応じて使い分けている。
IAMサイクリング【スコット FOIL、ADDICT】
IAMサイクリングは昨年に引き続きスコットのバイクを使用。石畳クラシックではメインバイクとして使用率が高い軽量オールラウンドモデルの「ADDICT」に加え、フルモデルチェンジにより快適性が向上したエアロロード「FOIL」を駆るライダーも多く見受けられた。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で統一。パワーメーターはクランク式のSRMだ。ホイールはスコットと同じくスイスに拠点を置くDTスイスで、多くライダーがリムハイト38mmのRC38Tをチョイス。組み合わせるタイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデルCOMPETITION PROLTD。ハンドル、ステム、シートポスト、サドルは、スコットの傘下ブランドとなったシンクロスで統一されており、ハンドルについては市販品にない形状の特別品が供給されているようだ。
AG2Rラモンディアール【フォーカス IZALCO MAX】
フランスを拠点とするAG2Rラモンディアールは、フォーカスのバイクを駆る。ここ数年、AG2Rはロンドにエンデュランスモデルの「CAYO」やシクロクロスバイク「MARES CX」を投入してきたが、今年は他チームの多くと同じように、ロンドでも全ライダーがメインバイクの軽量オールラウンドモデル「IZALCO MAX」を使用した。
パーツアッセンブルも普段通り。コンポーネントは無線変速採用のスラムRED eTapをメインに、一部ライダーは機械式のREDを使用した模様。パワーメーターはスラムグループのクォークを搭載している。ホイールはスラムで、45mmハイトの303がメイン。タイヤサプライヤーは今季よりコンチネンタルにスイッチしており、サイドウォールがオレンジ色のCOMPETITION PROLTDとしている。
ハンドルとステムは、ホイールと同じくジップを採用。大きな開口部によって振動吸収性を高めたシートポストは、フォーカスが製造するコンセプトCPXプラス。サドルはチームカラーのフィジークだ。その他、ボトル及びケージはエリート、ペダルはルックKEOとしている。
キャノンデール【キャノンデール SUPERSIX EVO Hi-Mod】
キャノンデールが駆るのは、フルモデルチェンジを果たした「SUPERSIX EVOHi-Mod」。ここ数年はエンデュランスモデル「SYNAPSEHi-Mod」をロンドにも投入していたが、今年は他のレースと変わらないバイクチョイスとなった。アッセンブルされるパーツもほぼ普段通りだ。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、クランクのみキャノンデールのHollowgram SiSL2としている。ホイールはマヴィック CC40Tで、マヴィックロゴの貼られたタイヤは、マヴィックと協力関係にあるハッチンソン製だと思われる。ハンドル、ステム、シートポストはFSAで、サドルはフィジーク。唯一といってもいい石畳対策は、アランデールのボトルケージを普段使用するカーボン製の「Mandible」から、ステンレス製の「Stainless」に変更したことのみのようだ。
サウスイースト【ウィリエール Cento1 Air、Cento1 SR】
ロンドを得意とするフィリッポ・ポッツァート(イタリア)をエースに、ワイルドカード枠を得て出場したイタリアのプロコンチネンタルチーム、サウスイースト。バイクサプライヤーは今季よりM.チポッリーニからウィリエールへとスイッチしており、今回のロンドではエアロ系の「Cento1 Air」とオールラウンド系の「Cento1 SR」をライダーの好みに応じて使い分けた。
コンポーネントはシマノDURA-ACEで、Di2と機械式が混在していた。ホイールはイタリアンブランドのウルサスを採用。組み合わせるタイヤは、定番タイヤとして石畳クラシックでは多用されてきたものの、モデルチェンジにより廃盤となったヴィットリアのPave Evoだ。ハンドル及びステムはFSAで、サドルはチームカラーのセライタリア。ペダルはタイムExpressoシリーズで、ボトル及びケージはエリートとしている。
ボーラ・アルゴン18【アルゴン18 GALLIUM pro、Nitrogen Pro】
昨年に続きワイルドカードとしてロンドに出場したプロコンチネンタル登録のボーラ・アルゴン18。チーム名の通り、バイクサプライヤーはカナディアンブランドのアルゴン18だ。ロンドではオールラウンドモデル「GALLIUM pro」の使用率が高かったが、エアロモデル「Nitrogen Pro」をチョイスしたライダーも存在した。
アッセンブルでの特徴はFSAのパーツを多用すること。メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2ながらも、クランクはFSA K-Force Lite(Power2maxのパワーメーター装備)、ブレーキはFSA K-Forceとしている。ホイールはFSAの系列ブランドであるヴィジョンのMetronシリーズで、ヴィットリアの新型CORSAタイヤを組み合わせている。もちろんハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。サドルはプロロゴ、ペダルはスピードプレイZERO、ボトル及びケージはタックスだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
ティンコフ【スペシャライズド S-WORKS TARMAC】
終盤に圧巻の独走を見せ、自身初となるロンド制覇を成し遂げたペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)。バイクはアルカンシェルをモチーフとしたスペシャルペイントの「S-WORKS TARMAC」を駆った。石畳対策はタイヤ以外に見当たらず、ほぼ通常通りのパーツアッセンブルのようだ。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で統一。パワーメーターはSRMとしている。世界王者の証であるアルカンシェルのストライプが描かれたホイールは、スペシャライズドがプロデュースするロヴァールで、サガンは40mmハイトのRapide CLX40をチョイス。タイヤは、スペシャライズドが北のクラシックのためだけに製造するスペシャルモデルで、同社のハイグリップコンパウンド「Gripton」に、振動吸収性に長けるFMB製コットンケーシングを組み合わせている。
ハンドル周りはサガンが特にこだわるポイントのようで、ハンドルはトラディショナルなシャローベントを使用。ステムは供給品よりも更に高い剛性を求めてか、スポンサーではないジップのフルカーボンモデルとしている。なお、シートポストはサポートを受けるFSAだ。その他、サドルはプロロゴSCRATCH 2 NACK、ペダルはルックKEO Blade、ボトルケージはタックスDeva。
BMCレーシング【BMC teammachine SLR01】
BMCレーシングは、グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー)をはじめ、全ライダーがメインバイクとして普段から使用する軽量オールラウンドモデル「teammachine SLR01」を駆った。パーツアッセンブルもほぼ普段通りで、石畳対策はタイヤとボトルケージのみ。
シマノからサポートを受け、コンポーネントはDURA-ACE Di2を、ホイールはシマノWH-9000シリーズを使用。タイヤは、今季ワールドツアー使用率No.1のコンチネンタルで、プロ供給専用のCOMPETITION PROLTDを履く。ハンドルとステムは3T、サドルはフィジーク、ボトル及びケージはエリートだ。
モビスター【キャニオン ULTIMATE CF SLX、AEROAD CF SLX】
石畳クラシックを得意としない傾向にあるスペイン人選手の中において、イマノル・エルビーティを7位に送り込んだモビスター。バイクサプライヤーはキャニオンで、ライダーの好みによってオールラウンドモデルの「ULTIMATE CF SLX」とエアロロード「AEROAD CF SLX」を使い分けた。
カンパニョーロのサポートを受け、コンポーネントにはSUPERRECORD EPSを、ホイールにはBORA ULTRAシリーズを採用する。パワーメーターはクランク式のPower2maxのカンパニョーロ4アームモデル。ホイールのデカールはチームカラーのグリーンに変更されている。
タイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデルCOMPETITION PROLTDで、サイドウォールがオレンジのものを使用。ハンドルは、キャニオンが製造するステム一体式モデルの使用率が高いようだ。サドルはフィジークのサポートを受け、各モデルをライダーの好みに応じて使い分けている。
IAMサイクリング【スコット FOIL、ADDICT】
IAMサイクリングは昨年に引き続きスコットのバイクを使用。石畳クラシックではメインバイクとして使用率が高い軽量オールラウンドモデルの「ADDICT」に加え、フルモデルチェンジにより快適性が向上したエアロロード「FOIL」を駆るライダーも多く見受けられた。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で統一。パワーメーターはクランク式のSRMだ。ホイールはスコットと同じくスイスに拠点を置くDTスイスで、多くライダーがリムハイト38mmのRC38Tをチョイス。組み合わせるタイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデルCOMPETITION PROLTD。ハンドル、ステム、シートポスト、サドルは、スコットの傘下ブランドとなったシンクロスで統一されており、ハンドルについては市販品にない形状の特別品が供給されているようだ。
AG2Rラモンディアール【フォーカス IZALCO MAX】
フランスを拠点とするAG2Rラモンディアールは、フォーカスのバイクを駆る。ここ数年、AG2Rはロンドにエンデュランスモデルの「CAYO」やシクロクロスバイク「MARES CX」を投入してきたが、今年は他チームの多くと同じように、ロンドでも全ライダーがメインバイクの軽量オールラウンドモデル「IZALCO MAX」を使用した。
パーツアッセンブルも普段通り。コンポーネントは無線変速採用のスラムRED eTapをメインに、一部ライダーは機械式のREDを使用した模様。パワーメーターはスラムグループのクォークを搭載している。ホイールはスラムで、45mmハイトの303がメイン。タイヤサプライヤーは今季よりコンチネンタルにスイッチしており、サイドウォールがオレンジ色のCOMPETITION PROLTDとしている。
ハンドルとステムは、ホイールと同じくジップを採用。大きな開口部によって振動吸収性を高めたシートポストは、フォーカスが製造するコンセプトCPXプラス。サドルはチームカラーのフィジークだ。その他、ボトル及びケージはエリート、ペダルはルックKEOとしている。
キャノンデール【キャノンデール SUPERSIX EVO Hi-Mod】
キャノンデールが駆るのは、フルモデルチェンジを果たした「SUPERSIX EVOHi-Mod」。ここ数年はエンデュランスモデル「SYNAPSEHi-Mod」をロンドにも投入していたが、今年は他のレースと変わらないバイクチョイスとなった。アッセンブルされるパーツもほぼ普段通りだ。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、クランクのみキャノンデールのHollowgram SiSL2としている。ホイールはマヴィック CC40Tで、マヴィックロゴの貼られたタイヤは、マヴィックと協力関係にあるハッチンソン製だと思われる。ハンドル、ステム、シートポストはFSAで、サドルはフィジーク。唯一といってもいい石畳対策は、アランデールのボトルケージを普段使用するカーボン製の「Mandible」から、ステンレス製の「Stainless」に変更したことのみのようだ。
サウスイースト【ウィリエール Cento1 Air、Cento1 SR】
ロンドを得意とするフィリッポ・ポッツァート(イタリア)をエースに、ワイルドカード枠を得て出場したイタリアのプロコンチネンタルチーム、サウスイースト。バイクサプライヤーは今季よりM.チポッリーニからウィリエールへとスイッチしており、今回のロンドではエアロ系の「Cento1 Air」とオールラウンド系の「Cento1 SR」をライダーの好みに応じて使い分けた。
コンポーネントはシマノDURA-ACEで、Di2と機械式が混在していた。ホイールはイタリアンブランドのウルサスを採用。組み合わせるタイヤは、定番タイヤとして石畳クラシックでは多用されてきたものの、モデルチェンジにより廃盤となったヴィットリアのPave Evoだ。ハンドル及びステムはFSAで、サドルはチームカラーのセライタリア。ペダルはタイムExpressoシリーズで、ボトル及びケージはエリートとしている。
ボーラ・アルゴン18【アルゴン18 GALLIUM pro、Nitrogen Pro】
昨年に続きワイルドカードとしてロンドに出場したプロコンチネンタル登録のボーラ・アルゴン18。チーム名の通り、バイクサプライヤーはカナディアンブランドのアルゴン18だ。ロンドではオールラウンドモデル「GALLIUM pro」の使用率が高かったが、エアロモデル「Nitrogen Pro」をチョイスしたライダーも存在した。
アッセンブルでの特徴はFSAのパーツを多用すること。メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2ながらも、クランクはFSA K-Force Lite(Power2maxのパワーメーター装備)、ブレーキはFSA K-Forceとしている。ホイールはFSAの系列ブランドであるヴィジョンのMetronシリーズで、ヴィットリアの新型CORSAタイヤを組み合わせている。もちろんハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。サドルはプロロゴ、ペダルはスピードプレイZERO、ボトル及びケージはタックスだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
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