2016/04/10(日) - 18:47
高低差400mの登りを含む16.5kmの最終個人TTで総合が逆転。誰よりも速くコースを駆け抜けたアルベルト・コンタドールがステージ優勝と共に4度目の総合優勝を手に入れた。
クイーンステージを終えたブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIワールドツアー)は最終日の個人タイムトライアルに到達。雨に濡れた16.5kmのコースが総合成績を揺り動かした。
個人タイムトライアルといっても、コースが設定されたのは山がちなバスク地方、アラーテの街を表すかのような山岳路。コース前半には距離5kmで高度差400mの登りと下りが用意され、ところどころにはこのレースの名物として定着した激坂も登場する。ただでさえテクニカルなダウンヒルは雨に濡れたため、ほとんどの選手がノーマルバイクを選択し、ホイールもディスクではなく、ミドル〜ローハイトリムが多く選択されることとなった。
序盤にトップタイムをマークしたのは、31’03”でゴールに飛び込んだダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)。しかしアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)が最終的にステージ4位に食い込む30分06秒でゴール。23歳の若手クライマーは総合優勝争いメンバーがゴールするまで長くホットシートに就くことになる。
そして総合3位ティボー・ピノ(フランス、FDJ)、2位アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)、1位セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)らも次々とスタートしていく。
すると序盤の登りで好ペースを刻んだナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は登りの頂上付近でノーマルバイクからTTバイクに交換する作戦を実行。しかし、コンタドールがキンタナを23秒上回るヒルクライムを披露し、中間計測でトップタイムに。次出走のエナオモントーヤはこの時点で遅れを喫し、総合優勝に黄信号が点灯した。
TTバイクで飛ばしたキンタナの最終タイムはイェーツを50秒近く上回る29分18秒。総合4位のティボー・ピノ(フランス、FDJ)が大きく遅れを喫する一方、下りでリスクを冒さずに走ったコンタドールのタイムは、キンタナを5秒上回る29分13秒。最終走者のエナオモントーヤは18秒遅れでフィニッシュしたため、コンタドールが総合タイム差を逆転しての優勝を決めた。
「今日は必要ないリスクを冒さないよう細心の注意を払いながらステージを走った」とは、08年、12年、14年に続く4度目の総合優勝を決めたコンタドール。「最終ステージではファンがクレイジーなほど応援してくれたし、彼らは間違いなく世界最高のファンだよ。アマチュア時代からバスク地方にはゆかりがあるし、パイスバスコを走って優勝できるなんて自分にとってはとても誇らしいことなんだ。このレースはどんなことだって起こり得るからコントロールが難しく、だからいつも以上に嬉しく思っている。今回の勝利は全てのファンと、情熱を持ってサポートしてくれるティンコフ氏のものでもある」と感謝を語った。
一方逆転負けを喫したエナオモントーヤは「100%の力を尽くした上での負け。今日は序盤に抑えて、後半にプッシュするといういつもと違う作戦を取ったんだ。でもコンタドールはとても強かったし、彼の優勝を讃えたい。チームは1週間を通して良いパフォーマンスを発揮したし、満足して良いと思う。各選手がそれぞれの仕事をやり遂げてくれた。チーム総合成績で優勝できたことがそれを表しているよ。ポイント賞はオマケで付いてきた」とコメントを残した。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2016第6ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
1位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
山岳賞
1位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ)
チーム総合成績
1位 チームスカイ
text:So.Isobe
photo:Bettini
クイーンステージを終えたブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIワールドツアー)は最終日の個人タイムトライアルに到達。雨に濡れた16.5kmのコースが総合成績を揺り動かした。
個人タイムトライアルといっても、コースが設定されたのは山がちなバスク地方、アラーテの街を表すかのような山岳路。コース前半には距離5kmで高度差400mの登りと下りが用意され、ところどころにはこのレースの名物として定着した激坂も登場する。ただでさえテクニカルなダウンヒルは雨に濡れたため、ほとんどの選手がノーマルバイクを選択し、ホイールもディスクではなく、ミドル〜ローハイトリムが多く選択されることとなった。
序盤にトップタイムをマークしたのは、31’03”でゴールに飛び込んだダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ)。しかしアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)が最終的にステージ4位に食い込む30分06秒でゴール。23歳の若手クライマーは総合優勝争いメンバーがゴールするまで長くホットシートに就くことになる。
そして総合3位ティボー・ピノ(フランス、FDJ)、2位アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)、1位セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)らも次々とスタートしていく。
すると序盤の登りで好ペースを刻んだナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は登りの頂上付近でノーマルバイクからTTバイクに交換する作戦を実行。しかし、コンタドールがキンタナを23秒上回るヒルクライムを披露し、中間計測でトップタイムに。次出走のエナオモントーヤはこの時点で遅れを喫し、総合優勝に黄信号が点灯した。
TTバイクで飛ばしたキンタナの最終タイムはイェーツを50秒近く上回る29分18秒。総合4位のティボー・ピノ(フランス、FDJ)が大きく遅れを喫する一方、下りでリスクを冒さずに走ったコンタドールのタイムは、キンタナを5秒上回る29分13秒。最終走者のエナオモントーヤは18秒遅れでフィニッシュしたため、コンタドールが総合タイム差を逆転しての優勝を決めた。
「今日は必要ないリスクを冒さないよう細心の注意を払いながらステージを走った」とは、08年、12年、14年に続く4度目の総合優勝を決めたコンタドール。「最終ステージではファンがクレイジーなほど応援してくれたし、彼らは間違いなく世界最高のファンだよ。アマチュア時代からバスク地方にはゆかりがあるし、パイスバスコを走って優勝できるなんて自分にとってはとても誇らしいことなんだ。このレースはどんなことだって起こり得るからコントロールが難しく、だからいつも以上に嬉しく思っている。今回の勝利は全てのファンと、情熱を持ってサポートしてくれるティンコフ氏のものでもある」と感謝を語った。
一方逆転負けを喫したエナオモントーヤは「100%の力を尽くした上での負け。今日は序盤に抑えて、後半にプッシュするといういつもと違う作戦を取ったんだ。でもコンタドールはとても強かったし、彼の優勝を讃えたい。チームは1週間を通して良いパフォーマンスを発揮したし、満足して良いと思う。各選手がそれぞれの仕事をやり遂げてくれた。チーム総合成績で優勝できたことがそれを表しているよ。ポイント賞はオマケで付いてきた」とコメントを残した。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2016第6ステージ結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
4位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
5位 サミュエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
6位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
7位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
9位 ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ)
10位 ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
4位 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
5位 サミュエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
6位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
7位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
9位 ミゲルアンヘル・ロペスモレーノ(コロンビア、アスタナ)
10位 ペッロ・ビルバオ(スペイン、カハルーラル)
29’13”
+05”
+18”
+53”
+1’04”
+1’09”
+1’16”
+1’21”
+1’26”
+05”
+18”
+53”
+1’04”
+1’09”
+1’16”
+1’21”
+1’26”
個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
2位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
5位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
6位 サミュエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
7位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
8位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
9位 ローソン・クラドック(アメリカ、キャノンデールプロサイクリング)
10位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
2位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
5位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
6位 サミュエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
7位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
8位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
9位 ローソン・クラドック(アメリカ、キャノンデールプロサイクリング)
10位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
22h44’43”
+12”
+37”
+1’13”
+1’22”
+1’29”
+2’19”
+2’47”
+2’52”
+3’14”
+12”
+37”
+1’13”
+1’22”
+1’29”
+2’19”
+2’47”
+2’52”
+3’14”
ポイント賞
1位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
山岳賞
1位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ)
チーム総合成績
1位 チームスカイ
text:So.Isobe
photo:Bettini
Amazon.co.jp