2016/04/13(水) - 09:22
職人による高い組立精度とコストパフォーマンスで人気を集めるオランダのホイールブランドFFWD(ファストフォワード)。今季よりラインアップに加わった30mmハイトのフルカーボンホイール「F3R」シリーズより、クリンチャー仕様の「F3R-FCC」をインプレッションした。
今年よりファストフォワードのラインアップに加わった「F3R」シリーズは、リムハイト30mmのフルカーボンホイール。従来モデルにあたる「F2R」の軽量性を維持しつつ、リムハイトを高め、その断面形状を台形からU字へと変更することで空力性能と剛性の向上を図り、よりオールラウンドなモデルへと進化させている。対応するブレーキやタイヤ、ハブによって数通りの組み合わせが用意される中で、今回インプレッションしたのは、リムブレーキ/クリンチャー仕様「F3R-FCC」のFFWDオリジナルハブモデルだ。
フルカーボン製のリムには、ブレーキ面に「CBT(Confidence Brake Technology)」という新テクノロジーを採用。フルカーボンクリンチャーの弱点である強度や耐熱性を高め、同社の従来型のフルカーボンクリンチャーと比較して30%の制動力向上を実現した。また、リム幅を22.4mmとし、近年主流となっている25Cタイヤに最適化。タイヤが持つグリップ力や衝撃吸収性を最大限に引き出すことを可能とした。
FFWDオリジナルのハブはDTスイス製。パワー伝達と抵抗のバランスを考えた3つ爪/24歯のラチェットシステムを採用し、メンテナンス頻度を下げるべくベアリングシールを強化している。また、ハブについてはDTスイスのベーシックモデル240Sや軽量モデル180Sも選択可能だ。
スポークは堅実性と軽さを兼ね備えるDTスイスAeroliteを採用。スポーキングはフロントが20本のラジアル組、リアが24本の2クロス組(左右共に)と、信頼性を重視したオーソドックスな仕様となっている。また、入手性の高いJベンドスポークを採用しているため、スポーク折れが発生した際にも修復に時間がかかりにくいのも嬉しいポイントである。
リムフラップ込みの実測重量は、フロントが637g、リアが803g、前後で1,440gとほぼカタログ通り。リムのカラーはRedとWhiteの2タイプから選択可能だ。税別価格は256,000円となっている。早速インプレッションに移ろう。
ー インプレッション
「ソフトで振動吸収性に長けたホイール ロングライドや普段使いに適する」早坂賢(ベルエキップ)
全体的にソフトというのが、F3R-FCCをテストしてみての印象です。踏み込んだ時やダンシング時の反応性、登りでの軽さは、比較用としてテストしたチューブラー仕様のF4Rに分がありますが、振動吸収性はF3R-FCCのほうが優れています。日常使いやロングライドに加え、快適性を上げるために硬めのフレームと組み合わせるのも良いですね。
他社のカーボンクリンチャーホイールと比較すると、剛性は決して高いとは言えず、走り方やライダーを選びます。ただ、下りの高速コーナーなどで、不安を感じるほどでもありません。制動力は充分に高く、ファストフォワードが行ったというブレーキ面の改良が的確に結果となって表れているのでしょう。
登りは、ケイデンスを高めにして、シッティングで登ってあげたいですね。高いトルクを掛けるとたわみが大きくなってしまい、出力をスポイルしてしまいますから。体重が軽めのかたであれば、ヒルクライムレースで使用しても良いでしょう。
エアロ効果については、ロープロファイル系のホイールと比較すると多少空気抵抗が少ないように感じました。重量は前後セットで1,440g(リムフラップ込み)と、重量的には際立って軽くないものの、30mmハイトのカーボンクリンチャーとしては妥当なところ。FFWDオリジナルのハブですが、回転性能は可もなく不可もなくといったところですが、DTスイス製とあって耐久性は期待できそう。
そして、性能とは関係のないところですが、大きなグラフィックも特徴ですね。一般的にディープリムのほうが見た目に迫力がありますが、F3R-FCCの場合は30mmハイトながら、ホイールに存在感がありますし、バイクが戦闘的な雰囲気になりますね。
総じて、ロングライドや日常使い用にフルカーボンクリンチャーを探していて、体重が軽めというライダーに3R-FCCはオススメですね。256,000円(税別)とライバル機種が多い価格帯ですが、用途や好みに合えば、それだけの価値が有るホイールです。
ファストフォワード F3R-FCC FFWDハブ仕様(リムブレーキ用)
リム形式:クリンチャー
リム高さ:30mm
リム幅:22.4mm
スポーク:DTスイスAeroliteか同等品で組立
フロントスポーク:ラジアル/20本
リアスポーク:2クロス(左右共に)/24本
ハ ブ:FFWDオリジナル(DTスイス製)
カラー:Red、White
実測重量:1,440g(リムフラップ込み)
価 格:256,000円(税別)
※ハブはDTスイス240Sもしくは180Sにも変更可能(価格は異なる)
インプレライダーのプロフィール
早坂賢(ベルエキップ)
欧州のプロチームでメカニックとして活躍した遠藤徹さんがオーナーを務める宮城県仙台市のプロショップ「ベルエキップ」のスタッフ。趣味として始めたスポーツサイクルの魅力にどっぷりはまり、ショップスタッフになりたいとベルエキップの門を叩いて今年で6年目。現在は店長代理を努め、主にメカニック作業やビギナー向け走行会を担当する。普段は美味しいものやコーヒーなどを求めグルメライドを楽しむ一方で、ヒルクライムイベントに参加することも。平坦よりも登りが得意で、快適性が高くバネ感のあるソフトな自転車が好み。現在の愛車はボーマRapid-R。
CWレコメンドショップページ
ショップHP
ウェア協力:リオン・ド・カペルミュール
ヘルメット&アイウェア協力:SH+
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
今年よりファストフォワードのラインアップに加わった「F3R」シリーズは、リムハイト30mmのフルカーボンホイール。従来モデルにあたる「F2R」の軽量性を維持しつつ、リムハイトを高め、その断面形状を台形からU字へと変更することで空力性能と剛性の向上を図り、よりオールラウンドなモデルへと進化させている。対応するブレーキやタイヤ、ハブによって数通りの組み合わせが用意される中で、今回インプレッションしたのは、リムブレーキ/クリンチャー仕様「F3R-FCC」のFFWDオリジナルハブモデルだ。
フルカーボン製のリムには、ブレーキ面に「CBT(Confidence Brake Technology)」という新テクノロジーを採用。フルカーボンクリンチャーの弱点である強度や耐熱性を高め、同社の従来型のフルカーボンクリンチャーと比較して30%の制動力向上を実現した。また、リム幅を22.4mmとし、近年主流となっている25Cタイヤに最適化。タイヤが持つグリップ力や衝撃吸収性を最大限に引き出すことを可能とした。
FFWDオリジナルのハブはDTスイス製。パワー伝達と抵抗のバランスを考えた3つ爪/24歯のラチェットシステムを採用し、メンテナンス頻度を下げるべくベアリングシールを強化している。また、ハブについてはDTスイスのベーシックモデル240Sや軽量モデル180Sも選択可能だ。
スポークは堅実性と軽さを兼ね備えるDTスイスAeroliteを採用。スポーキングはフロントが20本のラジアル組、リアが24本の2クロス組(左右共に)と、信頼性を重視したオーソドックスな仕様となっている。また、入手性の高いJベンドスポークを採用しているため、スポーク折れが発生した際にも修復に時間がかかりにくいのも嬉しいポイントである。
リムフラップ込みの実測重量は、フロントが637g、リアが803g、前後で1,440gとほぼカタログ通り。リムのカラーはRedとWhiteの2タイプから選択可能だ。税別価格は256,000円となっている。早速インプレッションに移ろう。
ー インプレッション
「ソフトで振動吸収性に長けたホイール ロングライドや普段使いに適する」早坂賢(ベルエキップ)
全体的にソフトというのが、F3R-FCCをテストしてみての印象です。踏み込んだ時やダンシング時の反応性、登りでの軽さは、比較用としてテストしたチューブラー仕様のF4Rに分がありますが、振動吸収性はF3R-FCCのほうが優れています。日常使いやロングライドに加え、快適性を上げるために硬めのフレームと組み合わせるのも良いですね。
他社のカーボンクリンチャーホイールと比較すると、剛性は決して高いとは言えず、走り方やライダーを選びます。ただ、下りの高速コーナーなどで、不安を感じるほどでもありません。制動力は充分に高く、ファストフォワードが行ったというブレーキ面の改良が的確に結果となって表れているのでしょう。
登りは、ケイデンスを高めにして、シッティングで登ってあげたいですね。高いトルクを掛けるとたわみが大きくなってしまい、出力をスポイルしてしまいますから。体重が軽めのかたであれば、ヒルクライムレースで使用しても良いでしょう。
エアロ効果については、ロープロファイル系のホイールと比較すると多少空気抵抗が少ないように感じました。重量は前後セットで1,440g(リムフラップ込み)と、重量的には際立って軽くないものの、30mmハイトのカーボンクリンチャーとしては妥当なところ。FFWDオリジナルのハブですが、回転性能は可もなく不可もなくといったところですが、DTスイス製とあって耐久性は期待できそう。
そして、性能とは関係のないところですが、大きなグラフィックも特徴ですね。一般的にディープリムのほうが見た目に迫力がありますが、F3R-FCCの場合は30mmハイトながら、ホイールに存在感がありますし、バイクが戦闘的な雰囲気になりますね。
総じて、ロングライドや日常使い用にフルカーボンクリンチャーを探していて、体重が軽めというライダーに3R-FCCはオススメですね。256,000円(税別)とライバル機種が多い価格帯ですが、用途や好みに合えば、それだけの価値が有るホイールです。
ファストフォワード F3R-FCC FFWDハブ仕様(リムブレーキ用)
リム形式:クリンチャー
リム高さ:30mm
リム幅:22.4mm
スポーク:DTスイスAeroliteか同等品で組立
フロントスポーク:ラジアル/20本
リアスポーク:2クロス(左右共に)/24本
ハ ブ:FFWDオリジナル(DTスイス製)
カラー:Red、White
実測重量:1,440g(リムフラップ込み)
価 格:256,000円(税別)
※ハブはDTスイス240Sもしくは180Sにも変更可能(価格は異なる)
インプレライダーのプロフィール
早坂賢(ベルエキップ)
欧州のプロチームでメカニックとして活躍した遠藤徹さんがオーナーを務める宮城県仙台市のプロショップ「ベルエキップ」のスタッフ。趣味として始めたスポーツサイクルの魅力にどっぷりはまり、ショップスタッフになりたいとベルエキップの門を叩いて今年で6年目。現在は店長代理を努め、主にメカニック作業やビギナー向け走行会を担当する。普段は美味しいものやコーヒーなどを求めグルメライドを楽しむ一方で、ヒルクライムイベントに参加することも。平坦よりも登りが得意で、快適性が高くバネ感のあるソフトな自転車が好み。現在の愛車はボーマRapid-R。
CWレコメンドショップページ
ショップHP
ウェア協力:リオン・ド・カペルミュール
ヘルメット&アイウェア協力:SH+
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
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