2016/03/22(火) - 22:09
平塚競輪場そばの河川敷で開催された湘南ベルマーレシクロクロス最終戦は、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)と武田和佳(Liv)がC1とL1でそれぞれ優勝し、ジャイアント勢の男女アベック優勝となった。
湘南ベルマーレが主催するCXシリーズ戦の最終・第6戦は、相模川が太平洋に注ぐ河口に近い河川敷を会場として開催された。昨年も開催された会場は、まったくフラットなプロフィールで、路面は一部の砂利区間を除き大多数が芝。前日に雨が濡らしたため少々スリッピーだが、難易度という面では設定されたコースの「クネクネ度」が左右する程度。
芝生の河川敷に迷路状にコーステープが張り巡らされ、細かなハンドル操作を強いられる。コース上に4連の低いシケインが打ち込まれ、バニーホップで越えることを誘うセクションが追加された。
すぐ隣の平塚競輪場ではこの日、湘南バイシクル・フェスが開催され、両方を楽しむ参加者も居たようだ。雨は降らずとも、気温は9℃以下とやや低めのこの日。曇り空の中レースは細分化したカテゴリー別に進行した。
最高峰カテゴリー1には19人がエントリー。日本のシクロクロスのメーンイベント的なシクロクロス東京が終わってから約1ヶ月。もはや3月も終盤ということ、かつ前日にはMTB XCO系レースのCSC Classicが修善寺の日本CSCで開催されたことでオフロード系トップライダーがそちらにも流れ、顔ぶれがやや寂しいのは否めない。
しかし強豪の不在は、いつもなら表彰台に届かない選手たちにチャンスの多いレースだ。スタートから飛び出したのは下馬評通り斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)。今までのレース順位から予測できたこととはいえ、他を寄せ付けないペースで順調に差を開く。
後続はパックとなり、直線路では長く伸びながらも連なって集団で展開する。テクニカルな区間が多いとはいえ、風よけを利用しながら走るのが有利に働くコースだ。斎藤以下はほとんどすべての選手が入る集団となり周回を重ねる。
ひとり、集団より10秒程度速いラップを刻む斎藤。差は順調に広がり続ける。後続は週を重ねるごとに脱落者が出て、人数を減らす。斎藤は最終的には39秒の差をつけて逃げ切り、独走優勝を飾った。
今までAJOCCレースでは2位が最高位だった斎藤のカテゴリー1での優勝はこれが初めて。メジャー大会では2015年全日本選手権CXでの9位がベストリザルトとしてある。
「東京CXからオフに入っていたため体重が3kgほど増えていたのでカラダの動きは良くなかったですが、最後まで集中して走れました。今日は特にパンクで落としたくなかったので空気圧を高めにしましたが、バイクの高性能に助けられました。パンク注意報に関しては、観戦に来てくれた池本選手のアドバイスもあったので(笑)無難に走れました。
今期の最終レースで、AJOCC初優勝できて、さらに武田和佳選手とGIANT & Livで完全勝利できたのがめちゃ嬉しいです!」と喜ぶ。
斎藤はフルタイムで働くジャイアントの社員で、マーケティングや車種決定の要職にあるため普段の業務はかなりの忙しさだと聞く。この週末前まで中国出張に出ており、帰ったばかりでの参戦だった。
斎藤はかつては1998年から2000年までの3年間、MTBカントリーのプロ選手として活躍し、シドニー五輪代表選考会では(メカトラブルに見舞われた)鈴木雷太選手を破って勝利し、話題をまいたことがある。13年のブランクを経てシクロクロスに参戦。
今は自社バイクのテストを兼ねた趣味の範囲で走るが、大会への参加時はサポートするジャイアントチームの選手のケアやメーカーブースの仕事を兼ねながらの半プライベート参戦だ。
女子L1はマスターズ1と同時出走でのレース。優勝候補の武田和佳(Liv)は先行するマスターズの強豪選手の先頭集団パックに食らいつき、ラップを重ねた。 武田と争った小田島貴弘(maillot SY-Nak)と瀬戸幸正(ベーグルワン)。ときに武田が前を行きながら3人で2周目から7周目まで走り切ったが、最後は小田島と瀬戸が意地を見せ、武田に先着。ガッツポーズでゴールした武田も「走りながらふたりのスキルから学べた」とレースを振り返る。
結果的にはジャイアントがサポートする2人がアベック優勝というかたちになった。
レース後は湘南バイク・フェスに移動し、表彰式をイベントステージで行った。登壇者は大勢の観衆に見守られながら晴れ晴れした気分で記念写真に収まった。
今年で3シーズン目。全6戦を重ねて関東の主要レースとして人気を博している湘南ベルマーレシクロクロス。新たな会場も開拓し、来年もまた楽しませてくれるだろう。
各クラスの勝者たち
リザルト
C1
1位 斎藤 朋寛 RIDELIFE GIANT
2位 横山 徹 HADANO Cyclocross team
3位 水竹 真一 チームウォークライド
4位 辻 陽介 HEART VIEW
5位 政井 亮一 TEAM 轍屋
6位 増田 謙一 パインヒルズ
7位 児玉 敬介 オンザロード
8位 清水 和宏 team tamagawa
9位 一森 広大
10位 佐宗 広明 FRIETEN
C2
1位 江越 岳也 Team VAPOR
2位 加藤 健悟 臼杵レーシング
3位 村岡 優年 梅しば ごんじり
4位 大倉 壮 TEAM YOUCAN
5位 山本 挑
6位 南島 康一 team12so
C3
1位 吉元 健太郎
2位 松宮 玄 SUCC 5
3位 越澤 友一 竹芝サイクルクロスレーシング
4位 宮原 篤 ERATEH
5位 南陽 隆浩 T-serv
6位 石川 正道 じて吉
C4A
1位 高山 祐次郎 TEAM AGRI
2位 長谷川 翔一 メイドさん学科自転車部
3位 阿部 浩
4位 倉持 聡 ERATEH
5位 岡 尚志
6位 鈴木 亨
C4B
1位 吉田 悠之介 CYCLE WITCHES
2位 渥美 雄介 25LAS BICYCLE WORKS
3位 Lamb Robert Allied World Racing
4位 塩川 千年 TEGA CSC
5位 柴木 史行
6位 岩佐 英敏
CM1
1位 小田島 貴弘 maillot SY-Nak
2位 瀬戸 幸正 ベーグルワン
3位 綾野 真 チバポンズ川口農園シクロワイアード
CL1
1位 武田 和佳 Liv
2位 西山 みゆき Toyo Frame
3位 辻 瑞穂 HEART VIEW
CM2・3
1位 野崎 鉄雄 パインヒルズ ’90
2位 合田 毅 RCC
3位 服部 達男 Team ARI
4位 千葉 丈樹 チーム埼玉県人
5位 佐野 修司 cycleclub3up
6位 島村 芳人 cycleclub 3UP
CL2
1位 武藤 優奈 TEAM YOUCAN
2位 根本 静 オンザロード
3位 横山 木綿 パインヒルズ90
ジュニアJCF
1位 江越 海玖也 横浜高校自転車競技部
2位 槐 野明 湘南ベルマーレ
3位 江越 昇也 WESTBERG/ProRide
U15
1位 鈴木 皓士 WESTBERG/ProRide
2位 綾野 尋 cycleclub3up
3位 佐藤 大智 さといち恐竜博士とわくわく君
小学3〜4年生
1位 高橋 翔 cycleclub 3UP
小学2〜3年生
1位 佐竹 清亮 アラスカワークス
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Hiro.AYANO
湘南ベルマーレが主催するCXシリーズ戦の最終・第6戦は、相模川が太平洋に注ぐ河口に近い河川敷を会場として開催された。昨年も開催された会場は、まったくフラットなプロフィールで、路面は一部の砂利区間を除き大多数が芝。前日に雨が濡らしたため少々スリッピーだが、難易度という面では設定されたコースの「クネクネ度」が左右する程度。
芝生の河川敷に迷路状にコーステープが張り巡らされ、細かなハンドル操作を強いられる。コース上に4連の低いシケインが打ち込まれ、バニーホップで越えることを誘うセクションが追加された。
すぐ隣の平塚競輪場ではこの日、湘南バイシクル・フェスが開催され、両方を楽しむ参加者も居たようだ。雨は降らずとも、気温は9℃以下とやや低めのこの日。曇り空の中レースは細分化したカテゴリー別に進行した。
最高峰カテゴリー1には19人がエントリー。日本のシクロクロスのメーンイベント的なシクロクロス東京が終わってから約1ヶ月。もはや3月も終盤ということ、かつ前日にはMTB XCO系レースのCSC Classicが修善寺の日本CSCで開催されたことでオフロード系トップライダーがそちらにも流れ、顔ぶれがやや寂しいのは否めない。
しかし強豪の不在は、いつもなら表彰台に届かない選手たちにチャンスの多いレースだ。スタートから飛び出したのは下馬評通り斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)。今までのレース順位から予測できたこととはいえ、他を寄せ付けないペースで順調に差を開く。
後続はパックとなり、直線路では長く伸びながらも連なって集団で展開する。テクニカルな区間が多いとはいえ、風よけを利用しながら走るのが有利に働くコースだ。斎藤以下はほとんどすべての選手が入る集団となり周回を重ねる。
ひとり、集団より10秒程度速いラップを刻む斎藤。差は順調に広がり続ける。後続は週を重ねるごとに脱落者が出て、人数を減らす。斎藤は最終的には39秒の差をつけて逃げ切り、独走優勝を飾った。
今までAJOCCレースでは2位が最高位だった斎藤のカテゴリー1での優勝はこれが初めて。メジャー大会では2015年全日本選手権CXでの9位がベストリザルトとしてある。
「東京CXからオフに入っていたため体重が3kgほど増えていたのでカラダの動きは良くなかったですが、最後まで集中して走れました。今日は特にパンクで落としたくなかったので空気圧を高めにしましたが、バイクの高性能に助けられました。パンク注意報に関しては、観戦に来てくれた池本選手のアドバイスもあったので(笑)無難に走れました。
今期の最終レースで、AJOCC初優勝できて、さらに武田和佳選手とGIANT & Livで完全勝利できたのがめちゃ嬉しいです!」と喜ぶ。
斎藤はフルタイムで働くジャイアントの社員で、マーケティングや車種決定の要職にあるため普段の業務はかなりの忙しさだと聞く。この週末前まで中国出張に出ており、帰ったばかりでの参戦だった。
斎藤はかつては1998年から2000年までの3年間、MTBカントリーのプロ選手として活躍し、シドニー五輪代表選考会では(メカトラブルに見舞われた)鈴木雷太選手を破って勝利し、話題をまいたことがある。13年のブランクを経てシクロクロスに参戦。
今は自社バイクのテストを兼ねた趣味の範囲で走るが、大会への参加時はサポートするジャイアントチームの選手のケアやメーカーブースの仕事を兼ねながらの半プライベート参戦だ。
女子L1はマスターズ1と同時出走でのレース。優勝候補の武田和佳(Liv)は先行するマスターズの強豪選手の先頭集団パックに食らいつき、ラップを重ねた。 武田と争った小田島貴弘(maillot SY-Nak)と瀬戸幸正(ベーグルワン)。ときに武田が前を行きながら3人で2周目から7周目まで走り切ったが、最後は小田島と瀬戸が意地を見せ、武田に先着。ガッツポーズでゴールした武田も「走りながらふたりのスキルから学べた」とレースを振り返る。
結果的にはジャイアントがサポートする2人がアベック優勝というかたちになった。
レース後は湘南バイク・フェスに移動し、表彰式をイベントステージで行った。登壇者は大勢の観衆に見守られながら晴れ晴れした気分で記念写真に収まった。
今年で3シーズン目。全6戦を重ねて関東の主要レースとして人気を博している湘南ベルマーレシクロクロス。新たな会場も開拓し、来年もまた楽しませてくれるだろう。
各クラスの勝者たち
リザルト
C1
1位 斎藤 朋寛 RIDELIFE GIANT
2位 横山 徹 HADANO Cyclocross team
3位 水竹 真一 チームウォークライド
4位 辻 陽介 HEART VIEW
5位 政井 亮一 TEAM 轍屋
6位 増田 謙一 パインヒルズ
7位 児玉 敬介 オンザロード
8位 清水 和宏 team tamagawa
9位 一森 広大
10位 佐宗 広明 FRIETEN
C2
1位 江越 岳也 Team VAPOR
2位 加藤 健悟 臼杵レーシング
3位 村岡 優年 梅しば ごんじり
4位 大倉 壮 TEAM YOUCAN
5位 山本 挑
6位 南島 康一 team12so
C3
1位 吉元 健太郎
2位 松宮 玄 SUCC 5
3位 越澤 友一 竹芝サイクルクロスレーシング
4位 宮原 篤 ERATEH
5位 南陽 隆浩 T-serv
6位 石川 正道 じて吉
C4A
1位 高山 祐次郎 TEAM AGRI
2位 長谷川 翔一 メイドさん学科自転車部
3位 阿部 浩
4位 倉持 聡 ERATEH
5位 岡 尚志
6位 鈴木 亨
C4B
1位 吉田 悠之介 CYCLE WITCHES
2位 渥美 雄介 25LAS BICYCLE WORKS
3位 Lamb Robert Allied World Racing
4位 塩川 千年 TEGA CSC
5位 柴木 史行
6位 岩佐 英敏
CM1
1位 小田島 貴弘 maillot SY-Nak
2位 瀬戸 幸正 ベーグルワン
3位 綾野 真 チバポンズ川口農園シクロワイアード
CL1
1位 武田 和佳 Liv
2位 西山 みゆき Toyo Frame
3位 辻 瑞穂 HEART VIEW
CM2・3
1位 野崎 鉄雄 パインヒルズ ’90
2位 合田 毅 RCC
3位 服部 達男 Team ARI
4位 千葉 丈樹 チーム埼玉県人
5位 佐野 修司 cycleclub3up
6位 島村 芳人 cycleclub 3UP
CL2
1位 武藤 優奈 TEAM YOUCAN
2位 根本 静 オンザロード
3位 横山 木綿 パインヒルズ90
ジュニアJCF
1位 江越 海玖也 横浜高校自転車競技部
2位 槐 野明 湘南ベルマーレ
3位 江越 昇也 WESTBERG/ProRide
U15
1位 鈴木 皓士 WESTBERG/ProRide
2位 綾野 尋 cycleclub3up
3位 佐藤 大智 さといち恐竜博士とわくわく君
小学3〜4年生
1位 高橋 翔 cycleclub 3UP
小学2〜3年生
1位 佐竹 清亮 アラスカワークス
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Hiro.AYANO
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