2016/03/11(金) - 14:20
5日間のツール・ド・台湾も最終日。2級山岳を2つ越えた後に1級山岳の頂上フィニッシュが待ち構える今大会のクイーンステージを制したロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ)が総合優勝に輝いた。日本勢は増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が総合13位に終わっている。
ここ数年はスプリントステージで閉幕するのが通例となっていたツール・ド・台湾。しかし、今年は最終日がクイーンステージであり、2級山岳を2つ越えた後に1級山岳の頂上フィニッシュが待ち構える起伏に富んだ146.3kmのコースが用意されている。沈黙を保ち続けてきたイランチームをはじめ、有力なステージレーサー達が大きく動くと予想された。
前日に続き雨が降る中、最終ステージをスタートしたのは90名のライダー。アクチュアルスタートが切られると早速アタック合戦が開始され、最初の2級山岳の登りで逃げが決まる。
先頭に入ったのは、前日も逃げたフランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブ・ドバイ)、総合7位のアレクサンダー・レイ(オーストラリア、チーム・イルミネイト)、総合で首位から1分以内につけているステファン・ウィリアムズ(イギリス、JLTコンドール)やロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ)ら11名。2級山岳に挟まれたスプリントポイントを通過するころには、メイン集団とのタイム差を7分にまで拡大することに成功する。
一方のメイン集団は、逃げに送り込めなかった宇都宮ブリッツェンが中心となってペースメークし、これに山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)が同調。そして、逃げ集団に入ったハッカーだけでは勝負できないと踏んだリーダーチームのアヴァンティも追走に加わる。
一旦大きく開いた先頭集団とメイン集団のタイム差はフィニッシュへ向けて定石通りに減少。残り30kmでは3分ほど、最後の1級山岳への登りが始まる残り20kmで1分30秒ほどに縮まった。
人数を減らし、後続とのタイム差が詰まってきた先頭集団からは、1級山岳への登りでマンセボがアタックし独走を開始。ベテランのスペイン人クライマーがその登坂力を遺憾なく発揮するも、メイン集団に吸収されることなく粘り続けたハッカーが後方から追い上げてくる。
そして残り4kmがマンセボを捉えると同時に追い抜いたハッカーはそのまま独走を開始。アジアツアーの強豪ステージレーサー達の追走を振り切り、プロ初勝利となるステージ優勝を飾ると同時に、総合優勝を果たした。14秒差の2位にはマンセボ、メイン集団のトップとなる3位にはアミール・コラドゥーズハグ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)が入っており、それぞれ総合順位を2位と3位に上げている。
今季ドラパックより移籍してきたハッカーは、「今年ここまで走ってきたレースで最も難しかった。雨が振っていて、コースプロファイルが少し変わっていたから、とてもチャレンジングだったね。今日のチームの目標は総合リーダージャージを獲得すること。誰が獲得するかは重要では無かったけど、自分が勝つことができてうれしいよ」とコメント。ちなみに、ハッカーは最終ステージ3日後の3月13日に26回目の誕生日を迎える。
第5ステージ終了時点での日本勢の総合最高位は増田成幸(宇都宮ブリッツェン)の15位。増田は自身のブログで「台湾の危険な道に、命をすり減らすような2日連続の雨。仲間に守られ運んでもらい、最後の1級山岳でイラン人やコロンビア人などのクライマー達とやり合い、完全に出し切ってフィニッシュ。」とコメントを残している。
ツール・ド・台湾2016第5ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
マルコ・カーノラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
山岳賞
ペーター・シュルティング(オランダ、パークホテル・ファルケンベルグ)
アジアンライダー賞
アミール・コラドゥーズハグ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
チーム総合成績
アヴァンティ
text:Yuya.Yamamoto
photo:tourdetw
ここ数年はスプリントステージで閉幕するのが通例となっていたツール・ド・台湾。しかし、今年は最終日がクイーンステージであり、2級山岳を2つ越えた後に1級山岳の頂上フィニッシュが待ち構える起伏に富んだ146.3kmのコースが用意されている。沈黙を保ち続けてきたイランチームをはじめ、有力なステージレーサー達が大きく動くと予想された。
前日に続き雨が降る中、最終ステージをスタートしたのは90名のライダー。アクチュアルスタートが切られると早速アタック合戦が開始され、最初の2級山岳の登りで逃げが決まる。
先頭に入ったのは、前日も逃げたフランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブ・ドバイ)、総合7位のアレクサンダー・レイ(オーストラリア、チーム・イルミネイト)、総合で首位から1分以内につけているステファン・ウィリアムズ(イギリス、JLTコンドール)やロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ)ら11名。2級山岳に挟まれたスプリントポイントを通過するころには、メイン集団とのタイム差を7分にまで拡大することに成功する。
一方のメイン集団は、逃げに送り込めなかった宇都宮ブリッツェンが中心となってペースメークし、これに山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)が同調。そして、逃げ集団に入ったハッカーだけでは勝負できないと踏んだリーダーチームのアヴァンティも追走に加わる。
一旦大きく開いた先頭集団とメイン集団のタイム差はフィニッシュへ向けて定石通りに減少。残り30kmでは3分ほど、最後の1級山岳への登りが始まる残り20kmで1分30秒ほどに縮まった。
人数を減らし、後続とのタイム差が詰まってきた先頭集団からは、1級山岳への登りでマンセボがアタックし独走を開始。ベテランのスペイン人クライマーがその登坂力を遺憾なく発揮するも、メイン集団に吸収されることなく粘り続けたハッカーが後方から追い上げてくる。
そして残り4kmがマンセボを捉えると同時に追い抜いたハッカーはそのまま独走を開始。アジアツアーの強豪ステージレーサー達の追走を振り切り、プロ初勝利となるステージ優勝を飾ると同時に、総合優勝を果たした。14秒差の2位にはマンセボ、メイン集団のトップとなる3位にはアミール・コラドゥーズハグ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)が入っており、それぞれ総合順位を2位と3位に上げている。
今季ドラパックより移籍してきたハッカーは、「今年ここまで走ってきたレースで最も難しかった。雨が振っていて、コースプロファイルが少し変わっていたから、とてもチャレンジングだったね。今日のチームの目標は総合リーダージャージを獲得すること。誰が獲得するかは重要では無かったけど、自分が勝つことができてうれしいよ」とコメント。ちなみに、ハッカーは最終ステージ3日後の3月13日に26回目の誕生日を迎える。
第5ステージ終了時点での日本勢の総合最高位は増田成幸(宇都宮ブリッツェン)の15位。増田は自身のブログで「台湾の危険な道に、命をすり減らすような2日連続の雨。仲間に守られ運んでもらい、最後の1級山岳でイラン人やコロンビア人などのクライマー達とやり合い、完全に出し切ってフィニッシュ。」とコメントを残している。
ツール・ド・台湾2016第5ステージ結果
1位 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ)
2位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブ・ドバイ)
3位 アミール・コラドゥーズハグ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
4位 クリス・ハミルトン(オーストラリア、アヴァンティ)
5位 ミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
6位 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チーム右京)
7位 ネイサン・アール(オーストラリア、ドラパック)
8位 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
9位 セバスティアン・バルダウフ(ドイツ、リンコウ・アドヴァリックス・サイクラング)
10位 ベン・オコナー(オーストラリア、アヴァンティ)
2位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブ・ドバイ)
3位 アミール・コラドゥーズハグ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
4位 クリス・ハミルトン(オーストラリア、アヴァンティ)
5位 ミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
6位 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チーム右京)
7位 ネイサン・アール(オーストラリア、ドラパック)
8位 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
9位 セバスティアン・バルダウフ(ドイツ、リンコウ・アドヴァリックス・サイクラング)
10位 ベン・オコナー(オーストラリア、アヴァンティ)
3h52'54"
+14"
+1'05"
+1'08"
+1'10"
+1'15"
+1'20"
+1'22"
+1'23"
+14"
+1'05"
+1'08"
+1'10"
+1'15"
+1'20"
+1'22"
+1'23"
個人総合成績
1位 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アヴァンティ)
2位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブ・ドバイ)
3位 ベン・オコナー(オーストラリア、アヴァンティ)
4位 ペーター・シュルティング(オランダ、パークホテル・ファルケンベルグ)
5位 アミール・コラドゥーズハグ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
6位 アレクサンダー・レイ(オーストラリア、チーム・イルミネイト)
7位 クリス・ハミルトン(オーストラリア、アヴァンティ)
8位 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チーム右京)
9位 ミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
10位 ネイサン・アール(オーストラリア、ドラパック)
2位 フランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブ・ドバイ)
3位 ベン・オコナー(オーストラリア、アヴァンティ)
4位 ペーター・シュルティング(オランダ、パークホテル・ファルケンベルグ)
5位 アミール・コラドゥーズハグ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
6位 アレクサンダー・レイ(オーストラリア、チーム・イルミネイト)
7位 クリス・ハミルトン(オーストラリア、アヴァンティ)
8位 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チーム右京)
9位 ミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
10位 ネイサン・アール(オーストラリア、ドラパック)
15h16'02"
+18"
+37"
+1'00"
+1'12"
+1'16"
+1'19"
+1'21"
+1'26"
+18"
+37"
+1'00"
+1'12"
+1'16"
+1'19"
+1'21"
+1'26"
ポイント賞
マルコ・カーノラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
山岳賞
ペーター・シュルティング(オランダ、パークホテル・ファルケンベルグ)
アジアンライダー賞
アミール・コラドゥーズハグ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
チーム総合成績
アヴァンティ
text:Yuya.Yamamoto
photo:tourdetw
Amazon.co.jp