2016/03/10(木) - 09:28
雪が降りしきる98km地点の補給ポイントに到着した選手たちがストップ。UCIの悪天候時実施要綱が適用され、レースのキャンセルが決定するとともに選手たちはチームカーでそれぞれのホテルに向かった。
5つの3級山岳を越え、最後に2級山岳モンブルイイを2回登ってフィニッシュを迎える予定だったパリ〜ニース第3ステージ。しかし天候はスタートの時点から思わしくなく、やがて山岳地帯を進むうちに本降りの雪となる。
総合リーダーと33秒差の総合16位につけていたアレクセイ・ルトセンコ(カザフスタン、アスタナ)らが逃げグループを形成していたものの、あまりの雪によって98km地点の補給ポイントでコミッセールによって停止を命じられる。3分30秒遅れで到着したメイン集団も同じく停止し、レースは一旦ニュートラル状態となった。
一時は山岳地帯を越えた先の125km地点までチームカーで移動し、逃げグループがリードを保ったまま再スタートが切られると発表されたが、気象状況や路面状況を考慮してレースのキャンセルが決定。それまでに通過したスプリントポイントや3つの3級山岳の成績は反映されるもののステージ成績は無し。個人総合成績に変動はなく、マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がリーダージャージをキープ。選手たちは暖をとりながらフィニッシュではなくそれぞれのホテルに向かった。
レースのキャンセルはUCI(国際自転車競技連盟)の悪天候時実施要綱(エクストリーム・ウェザー・プロトコル)によるもの。これはUCIコミッセールや選手、チーム、主催者によって構成されるワーキンググループで、極端な気象条件の場合の行動計画の原則を取り決めている。
「選手の安全と健康を絶対的優先事項と考える」とする同要綱によると、みぞれや積雪、強風、極度の温度、視界不良、大気汚染が発生した場合、スタート地点や時刻の変更、フィニッシュ地点の変更、代替コースの使用、レースの部分的ニュートラライズ、レースのキャンセルを行うとしている。
砂嵐と灼熱の過酷なコンディションによりキャンセルとなった2015年のツアー・オブ・オマーン第5ステージをきっかけに試験的に導入され、2016年1月1日から本格的に導入された同要綱が適用されるのは今シーズン2回目。2月にスペインで行われたクラシカ・デ・アルメリアでは強風によってコース短縮が決まった。
今回の発表に関して大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏は「路面が極めて滑りやすく、選手たちの安全を保証できない状態にあった。残念ではあるが、これもパリ〜ニースだ。将来的にまた必ずモンブルイイにレースは戻って来る。明日からは変わらずレースを続行する」とコメントしている。
パリ〜ニースでは過去にもレースキャンセルが度々発生している。1960年と1995年、そして2004年には雪によるステージキャンセルが発生。2005年にも雪によるコース修正が行われている。
レース終盤にかけてフランスの自宅周辺を走る予定だった別府史之(トレック・セガフレード)は「モンブルイイのきついのは最後だけ。でも狭い森の中を抜けるので位置取りがとても重要。インターバルトレーニングはこの辺りで行っているので、かなりの頻度で使っているし、(2013年第3ステージ)ドーフィネの逃げた時と同じ道を通る」とコメントしていたが、その土地勘を発揮する機会はなかった。
「今日のレースはキャンセルになりました。山の頂上で一面真っ白に雪が広がり吹雪でした。個人的には雪が降るのが分かっていたし厚着していったから寒くはなかった。明日も走り慣れた地元スタートなので全開で行こうと思う!」と連日アシストとして忙しく走る別府は語っている。
パリ~ニース2016第2ステージ結果
ステージキャンセル
個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 9h41’46”
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +14”
3位 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール) +19”
4位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
5位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
6位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ) +24”
7位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、IAMサイクリング) +25”
8位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
9位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +27”
10位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
ポイント賞
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
山岳賞
1位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
チーム総合成績
1位 モビスター
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
5つの3級山岳を越え、最後に2級山岳モンブルイイを2回登ってフィニッシュを迎える予定だったパリ〜ニース第3ステージ。しかし天候はスタートの時点から思わしくなく、やがて山岳地帯を進むうちに本降りの雪となる。
総合リーダーと33秒差の総合16位につけていたアレクセイ・ルトセンコ(カザフスタン、アスタナ)らが逃げグループを形成していたものの、あまりの雪によって98km地点の補給ポイントでコミッセールによって停止を命じられる。3分30秒遅れで到着したメイン集団も同じく停止し、レースは一旦ニュートラル状態となった。
一時は山岳地帯を越えた先の125km地点までチームカーで移動し、逃げグループがリードを保ったまま再スタートが切られると発表されたが、気象状況や路面状況を考慮してレースのキャンセルが決定。それまでに通過したスプリントポイントや3つの3級山岳の成績は反映されるもののステージ成績は無し。個人総合成績に変動はなく、マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がリーダージャージをキープ。選手たちは暖をとりながらフィニッシュではなくそれぞれのホテルに向かった。
レースのキャンセルはUCI(国際自転車競技連盟)の悪天候時実施要綱(エクストリーム・ウェザー・プロトコル)によるもの。これはUCIコミッセールや選手、チーム、主催者によって構成されるワーキンググループで、極端な気象条件の場合の行動計画の原則を取り決めている。
「選手の安全と健康を絶対的優先事項と考える」とする同要綱によると、みぞれや積雪、強風、極度の温度、視界不良、大気汚染が発生した場合、スタート地点や時刻の変更、フィニッシュ地点の変更、代替コースの使用、レースの部分的ニュートラライズ、レースのキャンセルを行うとしている。
砂嵐と灼熱の過酷なコンディションによりキャンセルとなった2015年のツアー・オブ・オマーン第5ステージをきっかけに試験的に導入され、2016年1月1日から本格的に導入された同要綱が適用されるのは今シーズン2回目。2月にスペインで行われたクラシカ・デ・アルメリアでは強風によってコース短縮が決まった。
今回の発表に関して大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏は「路面が極めて滑りやすく、選手たちの安全を保証できない状態にあった。残念ではあるが、これもパリ〜ニースだ。将来的にまた必ずモンブルイイにレースは戻って来る。明日からは変わらずレースを続行する」とコメントしている。
パリ〜ニースでは過去にもレースキャンセルが度々発生している。1960年と1995年、そして2004年には雪によるステージキャンセルが発生。2005年にも雪によるコース修正が行われている。
レース終盤にかけてフランスの自宅周辺を走る予定だった別府史之(トレック・セガフレード)は「モンブルイイのきついのは最後だけ。でも狭い森の中を抜けるので位置取りがとても重要。インターバルトレーニングはこの辺りで行っているので、かなりの頻度で使っているし、(2013年第3ステージ)ドーフィネの逃げた時と同じ道を通る」とコメントしていたが、その土地勘を発揮する機会はなかった。
「今日のレースはキャンセルになりました。山の頂上で一面真っ白に雪が広がり吹雪でした。個人的には雪が降るのが分かっていたし厚着していったから寒くはなかった。明日も走り慣れた地元スタートなので全開で行こうと思う!」と連日アシストとして忙しく走る別府は語っている。
パリ~ニース2016第2ステージ結果
ステージキャンセル
個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 9h41’46”
2位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) +14”
3位 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール) +19”
4位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
5位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
6位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ) +24”
7位 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、IAMサイクリング) +25”
8位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
9位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ) +27”
10位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)
ポイント賞
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
山岳賞
1位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
チーム総合成績
1位 モビスター
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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