2015/12/28(月) - 15:58
滋賀県の烏丸半島で開催された関西シクロクロス第8戦。世界選手権出場が決まったU23シクロクロス全日本チャンピオンの沢田時(ブリヂストンアンカー)がU23ロードレース全日本チャンピオンの中井路雅(京都産業大学)を下した。
滋賀県立琵琶湖博物館やハスの群生地として知られる烏丸半島。琵琶湖の対岸に比良山系を眺めるコースは草地の平坦区間とキャンバー(土手の斜面)区間が組み合わされたもの。平坦を踏み抜くパワーとスピードはもちろんだが、滑りやすい土や泥のキャンバーをどうスムーズかつスピーディーにこなすかが勝負の鍵を握る。
名物のキャンバーに向かって先頭で飛び出して行ったのは前年度の同会場で優勝している沢田時(ブリヂストンアンカー)。1周目から先頭に立ったU23シクロクロス全日本チャンピオンに追いついたのは、後方スタートのU23ロードレース全日本チャンピオンの中井路雅(京都産業大学)だった。
同じ1994年生まれ、同じ滋賀県出身の沢田と中井が先行し、その後ろでは大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)や伊澤優大(岩井商会RACING)、村田憲治(tacurino.net)らが3番手パックを形成する。先頭2名のリードは周を重ねるごとに広がった。
レース中盤に差し掛かると中井が徐々にポジションを下げ、沢田のリードが5秒、10秒と広がり始める。残り3周で沢田がペースを上げると両者の距離はさらに広がり、食い下がる中井を20秒引き離した沢田が勝利した。
沢田は前週日曜日の関西シクロクロス第7戦と水曜日のクリスマスクロスinくろんど池に続く勝利。「1週間に3レースを走ったので、疲労も溜まっていて辛かったです」と、3連勝を飾った沢田は語る。
「キャンバー区間と踏む平坦区間に分かれている今回のコースの中で、自分に有利なのはキャンバー区間。平坦区間で踏みすぎるとキャンバー区間でミスしてしまうので、平坦区間で休んでキャンバー区間で引き離す走りに徹し、残り3周から平坦区間を踏む作戦が成功しました。こうしてジャンルの違う選手が同じレースを走るのでシクロクロスは楽しいですね」と、中井とのレースを振り返る。
沢田はベルギー・ゾルダーで開催されるシクロクロス世界選手権にU23男子の日本代表として出場する。2011年の世界選手権ジュニアレースで16位に入っている沢田の目標は15位以内。「ジュニア時代に出した記録をU23で塗り替えたいという思いがあります」と沢田は語る。「世界選手権まで1ヶ月。調子は良いのですが、1ヶ月後にどうなっているか分かりませんし、コースも別物。調子が良いのは必須で、あとは気持ちをどれだけ盛り上げていけるかですね。高速コースでうまく流れに乗れればチャンスがある。(世界選手権と同じコースで行われた)昨日のワールドカップを見たので寝不足です(笑)U23の全日本チャンピオンとしての自覚を持って挑みたいです」。
CL1は全日本チャンピオンの坂口聖香(パナソニックレディース)が追いすがる宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam)を振り切って勝利。沢田と同じく坂口も日本代表として世界選手権のU23女子レースに挑む予定だ。
三船雅彦(株式会社マッサエンタープライズ)も出場したCM1は、キャンバーでリードを広げた藤井修(きゅうべえsports)が勝利。毎週土曜日に設営完了後のコースでシクロクロススクールを開いている三船は、キャンバーをバイクを担ぎながら驚異的なスピードで駆け抜けて観客を盛り上げた。
C2は奥村英示(662-496部)と抜きつ抜かれつの戦いを繰り広げた徳田匠(北桑田高校)が勝利。兄の徳田鍛造(CCT p/b ChampionSystem)はC3で3位に入った。
関西シクロクロス2015-2016第8戦 烏丸半島結果
C1
1位 沢田時(ブリヂストンアンカー)1:00:51
2位 中井路雅(京都産業大学)+0:20
3位 大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)+1:56
4位 伊澤優大(岩井商会RACING)+2:18
5位 村田憲治(tacurino.net)+2:38
6位 伊澤広大(岩井商会RACING)+3:28
7位 中井唯晶(京都産業大学)+3:30
8位 菅原成典(662-496部)+3:45
9位 藤川正人(岩井商会RACING)+4:09
10位 比護任(PAXPROJECT)+4:16
CL1
1位 坂口聖香(パナソニックレディース)37:57
2位 宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam)+0:22
3位 豊岡英子(パナソニックレディース)+2:07
4位 唐見実世子(弱虫ペダルシクロクロスチーム)+2:29
5位 坂口楓華(パナソニックレディース)+4:42
CM1
1位 藤井修(きゅうべえsports)43:46
2位 石田純之(美山CC)+0:10
3位 羽鳥和重(cycleclub3UP)+0:37
4位 倉橋孝太郎(チーム泥んこプロレス)+0:57
5位 國分圭二(Mt.HASE321)+1:00
C2
1位 徳田匠(北桑田高校)37:24
2位 奥村英示(662-496部)+0:00
3位 木村是(SalataBiancaKobe)+0:51
4位 久保田理友 +0:55
5位 川辺史朗(ボナペティ)+1:07
CJ
1位 梶鉄輝(市立伊丹高校)42:14
2位 大西秀典(グランデパール播磨)+3:13
3位 島添優真(瀬田工業高校)+3:40
CL2
1位 石田唯(美山CC)26:33
2位 川崎麻美(バルバクラブフクイ)+0:40
3位 清水友恵(京都MTB朝ライド/CSヤマダ)+1:23
CM2
1位 内田晃央(KAZAMIDORI)31:56
2位 横井良成(SSRT自転車部)+0:03
3位 戸梶創(自転車工房エコー)+0:17
C3
1位 坂本章 30:03
2位 所司純一(モジュマArea075)+1:12
3位 徳田鍛造(CCT p/b ChampionSystem)+1:31
U17
1位 出羽秀多(チーム36隊)29:39
2位 山口創平(WESTBERG/ProRide)+0:37
3位 妻木祥太郎 RIOGOROAD 4 +2:30
CL3
1位 久保田珠実(妄想自転車店CXTEAM)13:57
2位 久木田紗代子(Teamスクアドラ)+0:19
3位 山脇輝枝(チームてるぞう)+0:28
CM3A
1位 萩原英樹(大垣ピストンズ)32:46
2位 内田晴康(FUKADAまじりんぐ)+0:30
3位 山下禎一郎(怪速ゾルゲ隊)+1:00
CM3B
1位 Claus Kevin 33:45
2位 別府敬司(ナカガワAS.K’デザイン)+0:01
3位 池田知広(ヴィルベルヴィント)+0:03
C4A
1位 寺本俊介 31:33
2位 クラーク・アンディ(CKCX)+0:10
3位 福島一樹(同志社サイクリングクラブ)+0:12
C4B
1位 森田正徳(ナカガワAS.K’デザイン)32:00
2位 石井晋也(zippy cycle club)+0:09
3位 越山和幸(ダイモンレーシング)+0:23
CM4
1位 副島真二(OK)12:43
2位 菅野純司(サイクルロードエイト)+1:06
3位 盛岡豊(MORICO WAVE)+1:26
text&photo:Kei Tsuji
滋賀県立琵琶湖博物館やハスの群生地として知られる烏丸半島。琵琶湖の対岸に比良山系を眺めるコースは草地の平坦区間とキャンバー(土手の斜面)区間が組み合わされたもの。平坦を踏み抜くパワーとスピードはもちろんだが、滑りやすい土や泥のキャンバーをどうスムーズかつスピーディーにこなすかが勝負の鍵を握る。
名物のキャンバーに向かって先頭で飛び出して行ったのは前年度の同会場で優勝している沢田時(ブリヂストンアンカー)。1周目から先頭に立ったU23シクロクロス全日本チャンピオンに追いついたのは、後方スタートのU23ロードレース全日本チャンピオンの中井路雅(京都産業大学)だった。
同じ1994年生まれ、同じ滋賀県出身の沢田と中井が先行し、その後ろでは大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)や伊澤優大(岩井商会RACING)、村田憲治(tacurino.net)らが3番手パックを形成する。先頭2名のリードは周を重ねるごとに広がった。
レース中盤に差し掛かると中井が徐々にポジションを下げ、沢田のリードが5秒、10秒と広がり始める。残り3周で沢田がペースを上げると両者の距離はさらに広がり、食い下がる中井を20秒引き離した沢田が勝利した。
沢田は前週日曜日の関西シクロクロス第7戦と水曜日のクリスマスクロスinくろんど池に続く勝利。「1週間に3レースを走ったので、疲労も溜まっていて辛かったです」と、3連勝を飾った沢田は語る。
「キャンバー区間と踏む平坦区間に分かれている今回のコースの中で、自分に有利なのはキャンバー区間。平坦区間で踏みすぎるとキャンバー区間でミスしてしまうので、平坦区間で休んでキャンバー区間で引き離す走りに徹し、残り3周から平坦区間を踏む作戦が成功しました。こうしてジャンルの違う選手が同じレースを走るのでシクロクロスは楽しいですね」と、中井とのレースを振り返る。
沢田はベルギー・ゾルダーで開催されるシクロクロス世界選手権にU23男子の日本代表として出場する。2011年の世界選手権ジュニアレースで16位に入っている沢田の目標は15位以内。「ジュニア時代に出した記録をU23で塗り替えたいという思いがあります」と沢田は語る。「世界選手権まで1ヶ月。調子は良いのですが、1ヶ月後にどうなっているか分かりませんし、コースも別物。調子が良いのは必須で、あとは気持ちをどれだけ盛り上げていけるかですね。高速コースでうまく流れに乗れればチャンスがある。(世界選手権と同じコースで行われた)昨日のワールドカップを見たので寝不足です(笑)U23の全日本チャンピオンとしての自覚を持って挑みたいです」。
CL1は全日本チャンピオンの坂口聖香(パナソニックレディース)が追いすがる宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam)を振り切って勝利。沢田と同じく坂口も日本代表として世界選手権のU23女子レースに挑む予定だ。
三船雅彦(株式会社マッサエンタープライズ)も出場したCM1は、キャンバーでリードを広げた藤井修(きゅうべえsports)が勝利。毎週土曜日に設営完了後のコースでシクロクロススクールを開いている三船は、キャンバーをバイクを担ぎながら驚異的なスピードで駆け抜けて観客を盛り上げた。
C2は奥村英示(662-496部)と抜きつ抜かれつの戦いを繰り広げた徳田匠(北桑田高校)が勝利。兄の徳田鍛造(CCT p/b ChampionSystem)はC3で3位に入った。
関西シクロクロス2015-2016第8戦 烏丸半島結果
C1
1位 沢田時(ブリヂストンアンカー)1:00:51
2位 中井路雅(京都産業大学)+0:20
3位 大渕宏紀(DECOJARACINGTEAM)+1:56
4位 伊澤優大(岩井商会RACING)+2:18
5位 村田憲治(tacurino.net)+2:38
6位 伊澤広大(岩井商会RACING)+3:28
7位 中井唯晶(京都産業大学)+3:30
8位 菅原成典(662-496部)+3:45
9位 藤川正人(岩井商会RACING)+4:09
10位 比護任(PAXPROJECT)+4:16
CL1
1位 坂口聖香(パナソニックレディース)37:57
2位 宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam)+0:22
3位 豊岡英子(パナソニックレディース)+2:07
4位 唐見実世子(弱虫ペダルシクロクロスチーム)+2:29
5位 坂口楓華(パナソニックレディース)+4:42
CM1
1位 藤井修(きゅうべえsports)43:46
2位 石田純之(美山CC)+0:10
3位 羽鳥和重(cycleclub3UP)+0:37
4位 倉橋孝太郎(チーム泥んこプロレス)+0:57
5位 國分圭二(Mt.HASE321)+1:00
C2
1位 徳田匠(北桑田高校)37:24
2位 奥村英示(662-496部)+0:00
3位 木村是(SalataBiancaKobe)+0:51
4位 久保田理友 +0:55
5位 川辺史朗(ボナペティ)+1:07
CJ
1位 梶鉄輝(市立伊丹高校)42:14
2位 大西秀典(グランデパール播磨)+3:13
3位 島添優真(瀬田工業高校)+3:40
CL2
1位 石田唯(美山CC)26:33
2位 川崎麻美(バルバクラブフクイ)+0:40
3位 清水友恵(京都MTB朝ライド/CSヤマダ)+1:23
CM2
1位 内田晃央(KAZAMIDORI)31:56
2位 横井良成(SSRT自転車部)+0:03
3位 戸梶創(自転車工房エコー)+0:17
C3
1位 坂本章 30:03
2位 所司純一(モジュマArea075)+1:12
3位 徳田鍛造(CCT p/b ChampionSystem)+1:31
U17
1位 出羽秀多(チーム36隊)29:39
2位 山口創平(WESTBERG/ProRide)+0:37
3位 妻木祥太郎 RIOGOROAD 4 +2:30
CL3
1位 久保田珠実(妄想自転車店CXTEAM)13:57
2位 久木田紗代子(Teamスクアドラ)+0:19
3位 山脇輝枝(チームてるぞう)+0:28
CM3A
1位 萩原英樹(大垣ピストンズ)32:46
2位 内田晴康(FUKADAまじりんぐ)+0:30
3位 山下禎一郎(怪速ゾルゲ隊)+1:00
CM3B
1位 Claus Kevin 33:45
2位 別府敬司(ナカガワAS.K’デザイン)+0:01
3位 池田知広(ヴィルベルヴィント)+0:03
C4A
1位 寺本俊介 31:33
2位 クラーク・アンディ(CKCX)+0:10
3位 福島一樹(同志社サイクリングクラブ)+0:12
C4B
1位 森田正徳(ナカガワAS.K’デザイン)32:00
2位 石井晋也(zippy cycle club)+0:09
3位 越山和幸(ダイモンレーシング)+0:23
CM4
1位 副島真二(OK)12:43
2位 菅野純司(サイクルロードエイト)+1:06
3位 盛岡豊(MORICO WAVE)+1:26
text&photo:Kei Tsuji
フォトギャラリー
Amazon.co.jp