2015/12/19(土) - 00:24
地域密着型チームの先駆けとして好調なチーム活動を続ける宇都宮ブリッツェン。活動8年目となる2016年シーズンに向けての体制発表会が開催された。ブランクを経て飯野智行がプロ復帰。雨澤毅明と小野寺玲を那須ブラーゼンから迎える。
発表が行われたのは栃木県庁内の記者クラブ。全メンバーも集結し、新デザインのウェアも発表された。
宇都宮ブリッツェンの9人の選手たち photo:Makoto.AYANO
2015シーズンからのメンバー変更は、8選手から2選手が引退・退団し、新たに3選手を迎えた9人の選手体制に。新たに迎える選手は飯野智行(26)、雨澤毅明(20/U23)、小野寺玲(20/U23)の3人。各選手たちはこの発表の当日にチームとの契約を済ませたばかり。継続の6人は、鈴木真理、増田成幸、鈴木譲、阿部嵩之、大久保陣、堀孝明。
2016年に加入する小野寺玲(左)、飯野智行、雨澤毅明(右) photo:Makoto.AYANO
飯野智行はブリッツェンで2012年にプロキャリアを歩み始め、いきなり全日本4位、ツール・ド・北海道個人総合6位などの成績を挙げたものの、2013年限りで引退。競艇選手になることを目指していたが、その道を断念。2015シーズンは夏よりブラウ・ブリッツェンのジャージでJBCFのE1レースを走っていたが、再びプロ自転車選手としてカムバックすることになった。
雨澤毅明と小野寺玲はいずれもブリッツェンの下部育成チーム「ブラウ・ブリッツェン」でロードレースを始め、栃木県那須町を本拠地とする育成型チーム「那須ブラーゼン」で経験を積んだ選手だ。
チーム下部組織から育った雨澤と小野寺、そして3年ぶりのチーム復帰となる26歳の飯野、そして既存メンバーの23歳の堀孝明もブラウ・ブリッツェン出身であることから、チームの若手4人が地元またはブリッツェン出身となる。つまりチームが掲げる「地域密着型チーム」の色合いがより一層濃くなったと言えそうだ。
清水裕輔監督 photo:Makoto.AYANO
キャプテンの鈴木真理 photo:Makoto.AYANO
メンバー補強の意図について 清水裕輔監督のコメント
「不足している戦力の補強という面と、地域密着型チームとしての活動に見合ったメンバーという観点で人選した。エースである増田は本来外国人選手と対等に戦える力があるものの、チーム力不足の面で勝負どころの上りに入るまでに自らの脚を使ってしまう状況が多かった。飯野は上りやハードコースに強く、今まで増田、鈴木譲にかかっていた負担を軽減してくれるだろう。
雨澤は20歳と若いがポテンシャルのある選手。小野寺はスピードが持ち味で、大久保とのペアでスプリントを魅力あるものにしてくれるだろう。
来季もジャパンカップ、全日本、Jプロツアー団体総合優勝の奪還、そしてUCIレースを目標にしていきたい。国内レースも外国人選手が増えて厳しい状況だが、そこを崩さないとチームも勝てない。勝って国内レースの底上げを図りたい。若手を加入させたのは、短期的というよりも2、3年というスパンで力の底上げをしたいと考えているから。チーム全員で勝てるレースをしていきたい」。
来季もキャプテンをつとめる鈴木真理のコメント
「ジャパンカップでの表彰台を狙えるよう、チームとして走りたい。国内の外人選手の台頭は大歓迎。世界に行かなくてもレベルの高いレースができるから。彼らを恐れない若者の勢いに期待したい」。
再びブリッツェンで復帰する飯野智行 photo:Makoto.AYANO復帰する飯野智行のコメント
「競艇選手を目指していて、試験に向けてのトレーニングを行い、自転車にも時々は乗っていました。おもにランニングやウエイトトレーニングをしていたが、1年で結果が出ず、諦めと同時に、自転車の魅力をまた実感しました。
廣瀬さんや柿沼さんにはいつも心配してもらい、『また戻ってこい』と、電話をもらっていました。いつしか自転車に戻りたいなと思うようになった。
2年のブランクで、一番失ったものは筋肉です。競艇選手になるための3ヶ月の減量で10kgの筋肉を失い、すぐにリバウンドがあった。漫画に影響を受けて競艇選手を目指したが、身体能力的には瞬発力などが足りず、自分に向いていないことが分かった。
しかしこの2年間でケガも無かったので、すぐに元の自分に戻れると思っている。2年間は無駄ではなかったと思っています。練習して以前の実力を取り戻し、チームの総合優勝、全日本での増田さんの優勝に貢献したい。
『以前の自分に戻すことを考えるとツライから、今の自分の能力を高めるつもりでやったほうがいい』と周囲からはアドバイスをいただいています」。
那須ブラーゼンから移籍する雨澤毅明 photo:Makoto.AYANO
那須ブラーゼンから移籍する小野寺玲 photo:Makoto.AYANO
雨澤毅明のコメント
「若手に期待されている部分が多いので、それに応えられるように 全日本U23での優勝を目標に走ります。UCIレースにも出場したい」。
小野寺玲のコメント
「自分の脚質、特性を活かした部分で仕事をこなし、チームの勝利に貢献したい。今年の全日本選手権TTで落車してしまったので、そのリベンジを。そしてジャパンカップクリテリウムで勝利に絡む走りをしたい」。
廣瀬佳正GMとサイクルスポーツマネージメント株式会社の柿沼章 photo:Makoto.AYANO廣瀬佳正ゼネラルマネジャーのコメント
「あっという間の8年、いろいろあった8年でした。当初は続けていけるかな? という思いがありましたが、栃木県を愛している人、自転車を愛している人たちがみんなで支えあってここまでこれました。それは今も変わらないこと。それがいまだに広がり続けていて、宇都宮市も、地元の企業も、『自転車っていいよね』と声にしてくれる。各地にもだんだん地域密着型チームが増えてきたのは嬉しいですね。一緒に盛り上げていきたいと思っています」。
なお各選手がつづった来季の抱負はブリッツェンブログに記されている。
宇都宮ブリッツェン2016 チームジャージ photo:Makoto.AYANO宇都宮ブリッツェン2016
GM: 廣瀬佳正 (ひろせよしまさ/38)
監督: 清水裕輔 (しみずゆうすけ/34)
選手
鈴木真理 (すずきしんり/40/キャプテン)
増田成幸 (ますだなりゆき/32)
鈴木譲 (すずきゆずる/30)
阿部嵩之 (あべたかゆき/29)
大久保陣 (おおくぼじん/27)
飯野智行 (いいのともゆき/26) ※新加入
堀孝明 (ほりたかあき/23)
雨澤毅明 (あめざわたけあき/20/U23) ※新加入
小野寺玲 (おのでられい/20/U23) ※新加入
※年齢は2014年12月18日現在
宇都宮ブリッツェンが駆るメリダREACTO photo:Makoto.AYANO
photo&text:Makoto.AYANO
発表が行われたのは栃木県庁内の記者クラブ。全メンバーも集結し、新デザインのウェアも発表された。
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2015シーズンからのメンバー変更は、8選手から2選手が引退・退団し、新たに3選手を迎えた9人の選手体制に。新たに迎える選手は飯野智行(26)、雨澤毅明(20/U23)、小野寺玲(20/U23)の3人。各選手たちはこの発表の当日にチームとの契約を済ませたばかり。継続の6人は、鈴木真理、増田成幸、鈴木譲、阿部嵩之、大久保陣、堀孝明。
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飯野智行はブリッツェンで2012年にプロキャリアを歩み始め、いきなり全日本4位、ツール・ド・北海道個人総合6位などの成績を挙げたものの、2013年限りで引退。競艇選手になることを目指していたが、その道を断念。2015シーズンは夏よりブラウ・ブリッツェンのジャージでJBCFのE1レースを走っていたが、再びプロ自転車選手としてカムバックすることになった。
雨澤毅明と小野寺玲はいずれもブリッツェンの下部育成チーム「ブラウ・ブリッツェン」でロードレースを始め、栃木県那須町を本拠地とする育成型チーム「那須ブラーゼン」で経験を積んだ選手だ。
チーム下部組織から育った雨澤と小野寺、そして3年ぶりのチーム復帰となる26歳の飯野、そして既存メンバーの23歳の堀孝明もブラウ・ブリッツェン出身であることから、チームの若手4人が地元またはブリッツェン出身となる。つまりチームが掲げる「地域密着型チーム」の色合いがより一層濃くなったと言えそうだ。
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メンバー補強の意図について 清水裕輔監督のコメント
「不足している戦力の補強という面と、地域密着型チームとしての活動に見合ったメンバーという観点で人選した。エースである増田は本来外国人選手と対等に戦える力があるものの、チーム力不足の面で勝負どころの上りに入るまでに自らの脚を使ってしまう状況が多かった。飯野は上りやハードコースに強く、今まで増田、鈴木譲にかかっていた負担を軽減してくれるだろう。
雨澤は20歳と若いがポテンシャルのある選手。小野寺はスピードが持ち味で、大久保とのペアでスプリントを魅力あるものにしてくれるだろう。
来季もジャパンカップ、全日本、Jプロツアー団体総合優勝の奪還、そしてUCIレースを目標にしていきたい。国内レースも外国人選手が増えて厳しい状況だが、そこを崩さないとチームも勝てない。勝って国内レースの底上げを図りたい。若手を加入させたのは、短期的というよりも2、3年というスパンで力の底上げをしたいと考えているから。チーム全員で勝てるレースをしていきたい」。
来季もキャプテンをつとめる鈴木真理のコメント
「ジャパンカップでの表彰台を狙えるよう、チームとして走りたい。国内の外人選手の台頭は大歓迎。世界に行かなくてもレベルの高いレースができるから。彼らを恐れない若者の勢いに期待したい」。
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廣瀬さんや柿沼さんにはいつも心配してもらい、『また戻ってこい』と、電話をもらっていました。いつしか自転車に戻りたいなと思うようになった。
2年のブランクで、一番失ったものは筋肉です。競艇選手になるための3ヶ月の減量で10kgの筋肉を失い、すぐにリバウンドがあった。漫画に影響を受けて競艇選手を目指したが、身体能力的には瞬発力などが足りず、自分に向いていないことが分かった。
しかしこの2年間でケガも無かったので、すぐに元の自分に戻れると思っている。2年間は無駄ではなかったと思っています。練習して以前の実力を取り戻し、チームの総合優勝、全日本での増田さんの優勝に貢献したい。
『以前の自分に戻すことを考えるとツライから、今の自分の能力を高めるつもりでやったほうがいい』と周囲からはアドバイスをいただいています」。
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雨澤毅明のコメント
「若手に期待されている部分が多いので、それに応えられるように 全日本U23での優勝を目標に走ります。UCIレースにも出場したい」。
小野寺玲のコメント
「自分の脚質、特性を活かした部分で仕事をこなし、チームの勝利に貢献したい。今年の全日本選手権TTで落車してしまったので、そのリベンジを。そしてジャパンカップクリテリウムで勝利に絡む走りをしたい」。
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なお各選手がつづった来季の抱負はブリッツェンブログに記されている。
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GM: 廣瀬佳正 (ひろせよしまさ/38)
監督: 清水裕輔 (しみずゆうすけ/34)
選手
鈴木真理 (すずきしんり/40/キャプテン)
増田成幸 (ますだなりゆき/32)
鈴木譲 (すずきゆずる/30)
阿部嵩之 (あべたかゆき/29)
大久保陣 (おおくぼじん/27)
飯野智行 (いいのともゆき/26) ※新加入
堀孝明 (ほりたかあき/23)
雨澤毅明 (あめざわたけあき/20/U23) ※新加入
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※年齢は2014年12月18日現在
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photo&text:Makoto.AYANO
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