2015/10/29(木) - 09:06
土曜のクリテリウム、日曜のロードレースと共に過去最高の観客動員数を記録したジャパンカップより、今大会を走ったプロバイクを紹介。Vol.2ではトレックファクトリーレーシング、ダミアーノ・クネゴ、スティール・ヴォンホフのバイクをピックアップ。
トレックファクトリーレーシング トレック Madone 9、Domane Koppenberg、Emonda SLR
トレックファクトリーレーシングは、ジャパンカップに向けて4台のスペシャルバイクを用意。クリテリウム優勝の別府史之(日本)、ロードレース優勝のバウク・モレマ(オランダ)、ローラン・ディディエ(ルクセンブルク)、ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)はそれぞれの国旗をイメージしたカラーリングのバイクを駆った。なお、ファビアン・カンチェラーラ(スイス)のみは、普段から使用する「スパルタクス」ペイントのマシンを使用した。
バイクは、別府とポポヴィッチが新型エアロバイクの「Madone 9」の56サイズながら、別府は標準的な寸法のH2、ポポヴィッチはハンドル位置の低いH1とジオメトリーが異なっている。クライマーのモレマとディディエは軽量モデルの「Emonda SLR H1」をチョイス。そしてカンチェラーラは、市販品の「Domane」をベースに、「Emonda」のよりアグレッシヴなジオメトリーを取り入れたプロ供給専用の「Domane Koppenberg」だ
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2をペダルまでフルセットで採用し、カンチェラーラのみは機械式DURA-ACEをチョイス。クリテリウムで別府はフロントのアウターチェーンリングに通常よりも1T大きな54Tを選択していた。また、ポポヴィッチを除く4名がクランク式パワーメーターSRMのDURA-ACEモデルを使用。自宅に置いてきてしまったためか、カンチェラーラのバイクにはポポヴィッチのSRMモニターが取り付けられていた。
ホイールはボントレガーの新型「Aeolus」シリーズで、今回のジャパンカップでは全ライダーがクリテとロードレースの両方で50mmハイトの「D5」を使用。アメサイドのクラシカルなタイヤはヴェロフレックス「Criterium」で、昨今のプロチームとしては珍しく幅は23mmと細めだ。
ハンドル、ステム、シートポスト、サドル、シートポストはもちろんボントレガーで統一。たまたまかもしれないが、今回のジャパンカップ来日メンバー全員が、今となってはプロトンでも少数派のアナトミックシェイプのハンドルを使用している。
NIPPOヴィーニファンティーニ デローザ PROTOS
NIPPOヴィーニファンティーニからは、「小さな王子」ことダミアーノ・クネゴ(イタリア)のバイクをピックアップ。バイクはデローザのフラッグシップモデル「PROTOS」で、クネゴのみ蛍光オレンジのスペシャルペイントマシンを使用する。コンポーネントはカンパニョーロ SUPERRECORD EPSで、メカニックによると1クリックで多段変速しない様にプログラムが書き換えられているという。
ホイールはカンパニョーロのロープロファイルモデル「HYPERON ULTRA 2」。重量では「BORA ULTRA 35」より70gほど重く、そして空力性能も決して高くはないものの、クネゴはあらゆるレースで愛用している。恐らくはショック吸収性に優れるためであり、フレームの高い剛性を中和させるためだと考えられる。組み合わせるタイヤは、IRCのプロトタイプチューブラー。また、スペアバイクに取り付けられていたアルミホイールには、プロトタイプのチューブレスタイヤ「FORMULA TUBELESS PRO」が取り付けられていた。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。よりハンドル位置を低くするために-17°のアルミ製ステム「OS-115」を使用。サドルはセライタリアのサポート受けるものの、クネゴは長年愛用するフィジークARIONEの旧型を頑なに使用。その他、ペダルはタイムExpresso、ボトルケージはタックスDevaとしている。
スティール・ヴォンホフ(クリテリウムスペシャルチーム/NFTO) フェルト F1
ジャパンカップクリテリウムと相性が良く、クリテリウムスペシャルチームとして出場した今回も3位表彰台を獲得したスティール・ヴォンホフ(オーストラリア)。普段はイギリスのコンチネンタルチーム「NFTO」に所属するクリテリウムの現ナショナルチャンピオンのバイクは、フェルトのオールラウンドモデル「F1」である。
ハイエンドモデルの「F FRD」ではなくセカンドグレードの「F1」を駆る理由について「これが供給されたバイクだからさ」とはヴォンホフ。なお「F1」以外にも、レースによってはエアロロード「AR」のナショナルチャンピオンカラーを使用している様だ。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2ながら、スプリンタースイッチは使用せず。クランク周りはローターで、チェーンリングにはガーミン・シャープ時代から愛用し続ける楕円タイプの「Q-Rings」をチョイス。クランクアームにはSRM仕様の3D+を組み合わせている。
ホイールはエンヴィSES 4.5で、プロバイクとしては珍しいクリンチャー仕様とされている。ハブはクリスキングで、少し触っただけでもわかるほど回転抵抗が低かった。タイヤはコンチネンタルで、リアはレーシングモデルのGP4000S IIであった一方、フロントは練習用と思わしきエントリーグレードのGRAND SPORTであった。
ハンドル、ステム、シートポストはホイールと同じくエンヴィで統一。ヴォンホフが使用する「SES AERO ROAD BAR」は正面から見るとドロップ部分がハの字になっていることが特徴で、バーエンド部とブレーキレバー取り付け部の幅が5cmも異なる。またハンドルフラット部には「WINNING RACES ISN'T EASY」と書かれたテープが貼られていた。
text&photo:Yuya.Yamamoto
photo:So.Isobe
トレックファクトリーレーシング トレック Madone 9、Domane Koppenberg、Emonda SLR
トレックファクトリーレーシングは、ジャパンカップに向けて4台のスペシャルバイクを用意。クリテリウム優勝の別府史之(日本)、ロードレース優勝のバウク・モレマ(オランダ)、ローラン・ディディエ(ルクセンブルク)、ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)はそれぞれの国旗をイメージしたカラーリングのバイクを駆った。なお、ファビアン・カンチェラーラ(スイス)のみは、普段から使用する「スパルタクス」ペイントのマシンを使用した。
バイクは、別府とポポヴィッチが新型エアロバイクの「Madone 9」の56サイズながら、別府は標準的な寸法のH2、ポポヴィッチはハンドル位置の低いH1とジオメトリーが異なっている。クライマーのモレマとディディエは軽量モデルの「Emonda SLR H1」をチョイス。そしてカンチェラーラは、市販品の「Domane」をベースに、「Emonda」のよりアグレッシヴなジオメトリーを取り入れたプロ供給専用の「Domane Koppenberg」だ
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2をペダルまでフルセットで採用し、カンチェラーラのみは機械式DURA-ACEをチョイス。クリテリウムで別府はフロントのアウターチェーンリングに通常よりも1T大きな54Tを選択していた。また、ポポヴィッチを除く4名がクランク式パワーメーターSRMのDURA-ACEモデルを使用。自宅に置いてきてしまったためか、カンチェラーラのバイクにはポポヴィッチのSRMモニターが取り付けられていた。
ホイールはボントレガーの新型「Aeolus」シリーズで、今回のジャパンカップでは全ライダーがクリテとロードレースの両方で50mmハイトの「D5」を使用。アメサイドのクラシカルなタイヤはヴェロフレックス「Criterium」で、昨今のプロチームとしては珍しく幅は23mmと細めだ。
ハンドル、ステム、シートポスト、サドル、シートポストはもちろんボントレガーで統一。たまたまかもしれないが、今回のジャパンカップ来日メンバー全員が、今となってはプロトンでも少数派のアナトミックシェイプのハンドルを使用している。
NIPPOヴィーニファンティーニ デローザ PROTOS
NIPPOヴィーニファンティーニからは、「小さな王子」ことダミアーノ・クネゴ(イタリア)のバイクをピックアップ。バイクはデローザのフラッグシップモデル「PROTOS」で、クネゴのみ蛍光オレンジのスペシャルペイントマシンを使用する。コンポーネントはカンパニョーロ SUPERRECORD EPSで、メカニックによると1クリックで多段変速しない様にプログラムが書き換えられているという。
ホイールはカンパニョーロのロープロファイルモデル「HYPERON ULTRA 2」。重量では「BORA ULTRA 35」より70gほど重く、そして空力性能も決して高くはないものの、クネゴはあらゆるレースで愛用している。恐らくはショック吸収性に優れるためであり、フレームの高い剛性を中和させるためだと考えられる。組み合わせるタイヤは、IRCのプロトタイプチューブラー。また、スペアバイクに取り付けられていたアルミホイールには、プロトタイプのチューブレスタイヤ「FORMULA TUBELESS PRO」が取り付けられていた。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。よりハンドル位置を低くするために-17°のアルミ製ステム「OS-115」を使用。サドルはセライタリアのサポート受けるものの、クネゴは長年愛用するフィジークARIONEの旧型を頑なに使用。その他、ペダルはタイムExpresso、ボトルケージはタックスDevaとしている。
スティール・ヴォンホフ(クリテリウムスペシャルチーム/NFTO) フェルト F1
ジャパンカップクリテリウムと相性が良く、クリテリウムスペシャルチームとして出場した今回も3位表彰台を獲得したスティール・ヴォンホフ(オーストラリア)。普段はイギリスのコンチネンタルチーム「NFTO」に所属するクリテリウムの現ナショナルチャンピオンのバイクは、フェルトのオールラウンドモデル「F1」である。
ハイエンドモデルの「F FRD」ではなくセカンドグレードの「F1」を駆る理由について「これが供給されたバイクだからさ」とはヴォンホフ。なお「F1」以外にも、レースによってはエアロロード「AR」のナショナルチャンピオンカラーを使用している様だ。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2ながら、スプリンタースイッチは使用せず。クランク周りはローターで、チェーンリングにはガーミン・シャープ時代から愛用し続ける楕円タイプの「Q-Rings」をチョイス。クランクアームにはSRM仕様の3D+を組み合わせている。
ホイールはエンヴィSES 4.5で、プロバイクとしては珍しいクリンチャー仕様とされている。ハブはクリスキングで、少し触っただけでもわかるほど回転抵抗が低かった。タイヤはコンチネンタルで、リアはレーシングモデルのGP4000S IIであった一方、フロントは練習用と思わしきエントリーグレードのGRAND SPORTであった。
ハンドル、ステム、シートポストはホイールと同じくエンヴィで統一。ヴォンホフが使用する「SES AERO ROAD BAR」は正面から見るとドロップ部分がハの字になっていることが特徴で、バーエンド部とブレーキレバー取り付け部の幅が5cmも異なる。またハンドルフラット部には「WINNING RACES ISN'T EASY」と書かれたテープが貼られていた。
text&photo:Yuya.Yamamoto
photo:So.Isobe
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