2015/10/21(水) - 21:06
パリで行われたコースプレゼンテーションに出席した選手たちが、2016年ツール・ド・フランスのコースの印象を語った。連覇がかかったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)をはじめ、有力選手たちのコメントを紹介します。
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
プロサイクリストとしての様々な力が問われるコースだ。タイムトライアルと山岳コースはもちろんのこと、ダウンヒルでも力を発揮しなければならない。大会1週目には横風も予想されるので、風から身を守るためのチームも欠かせない。
コースは自分向きだと思う。チームスカイは強力な選手を獲得して補強しているし、彼らと密に連携して戦うことを楽しみにしている。すでにツールで2回総合優勝しているけど、まだまだ自分の中に力が宿っていると感じている。再び全力で総合優勝を狙いたい。
ツールが最大の目標であることに変わりはないけど、ツールを終えた時点で好調であれば、リオオリンピックで金メダルを狙いたい。オリンピックにはクライマー向きのタフなコースが設定されている。ワンデーレースで結果を残すことが来シーズンの課題になるかもしれない。
ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
過去数年とは趣きが異なるコースだ。山岳ステージに重点が置かれているように感じる。第5ステージは自分の家に近いトレーニングコースを走る。美しい地域を走るレイアウトであり、今回のコースは自分の好みだ。
アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
来年のコースはとても難易度が高いという印象。第5ステージに早くも難易度の高いフィニッシュが設定されているので、開幕の時点で好調である必要がある。2つの個人タイムトライアルが2015年からの大きな変更点。いずれもタフなコースだけど、長すぎることもなく(37km)、自分向きだと言える。
開幕から閉幕まで3週間にわたって満遍なく山岳ステージが設定されているので、終盤に疲れ切ってしまわないように慎重に力を調整しなければならない。クライマー向きのツールかと問われると、答えはイエス。2015年ほどではないにしても、クライマーに適しているコースだと言える。自分にとって魅力的なコースであり、100%の力で準備して挑みたい。
ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
詳細をチェックしないと分からないけど、いつもよりタフなコースだと感じている。37kmの個人タイムトライアルと山岳タイムトライアルは侮れない。みんなが思っているよりも大きなタイム差がつくだろう。
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
我々モビスターにとって歓迎すべきコースだ。モンヴァントゥーやモルジヌといった過去に走ったことがある登りも多く、モビスター向きの山岳ステージが多い。長い方の個人タイムトライアル(37km)が真っ平らではないことは朗報だ。今年の石畳ステージで大きなダメージを受けなかったものの、やはり石畳が登場しないことは大きな自信につながる。モビスターにとってチームタイムトライアルの欠如は残念。ステージ優勝も狙えたし、ライバルたちからリードを奪えただろうから。
3週間を通して山岳ステージが設定されているので、ツールというよりジロやブエルタのイメージに近い。いずれにしても好調の状態で開幕を迎え、レースをこなしながら調子を上げるアプローチは変わらない。オーバートレーニングで疲弊し、最終週にコンディションを落としてしまうことだけは避けたい。
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
過去数年のツールと比べると、多くの選手にチャンスがあるコースだと思う。7〜8ステージが200kmオーバーなので、コースの距離は長め。その長さがレース後半の走りに響くかもしれない。石畳が登場しないのでストレスは少ないだろうけど、いつも通り序盤ステージはナーバスになるだろう。第1ステージと第2ステージを除いて横風の心配もなさそうだ。ピレネーとアンドラ、そしてモンヴァントゥーが前半の総合争いの鍵になる。
厳しいタイムトライアルと休み場所のない最終週は自分とナイロ(キンタナ)に味方する。まだチーム首脳陣と話し合っていないけど、ナイロにチームリーダーを任せることになるだろう。自分はオリンピックに集中するかもしれない。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
合計6ステージがスプリンター向き。スプリンターの立ち場から言うといつもの通り厳しいコースレイアウトだけど、2015年よりもスプリンターのチャンスは多い。平坦ステージでは全開で攻める必要がある。タイムトライアルは油断しているとタイムカットになる可能性もあるし、リラックスできるステージは少ない。序盤から山岳が登場するステージでは大きなグルペットが形成されるだろう。いずれにしても21ステージの最後には誰もが疲れ切っているはず。それがツールの美しさだ。
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
2015年よりもスプリンターのチャンスは多そうだ。2013年のコルシカや2014年のヨークシャーと同様に初日が平坦ステージなのでスプリンターにマイヨジョーヌ獲得の可能性が有る。まずは初日にマイヨジョーヌを獲得して、1週目に勝利を重ねたい。おそらく5回前後は勝負に絡めるだろう。2015年はステージ4勝という出来過ぎとも言える結果だったので、2016年に同じ成功を収めるのは難しいかもしれない。とにかく早い時期にステージ優勝を飾ってプレッシャーを解き、続くチャンスをものにしたい。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
プロサイクリストとしての様々な力が問われるコースだ。タイムトライアルと山岳コースはもちろんのこと、ダウンヒルでも力を発揮しなければならない。大会1週目には横風も予想されるので、風から身を守るためのチームも欠かせない。
コースは自分向きだと思う。チームスカイは強力な選手を獲得して補強しているし、彼らと密に連携して戦うことを楽しみにしている。すでにツールで2回総合優勝しているけど、まだまだ自分の中に力が宿っていると感じている。再び全力で総合優勝を狙いたい。
ツールが最大の目標であることに変わりはないけど、ツールを終えた時点で好調であれば、リオオリンピックで金メダルを狙いたい。オリンピックにはクライマー向きのタフなコースが設定されている。ワンデーレースで結果を残すことが来シーズンの課題になるかもしれない。
ロメン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)
過去数年とは趣きが異なるコースだ。山岳ステージに重点が置かれているように感じる。第5ステージは自分の家に近いトレーニングコースを走る。美しい地域を走るレイアウトであり、今回のコースは自分の好みだ。
アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
来年のコースはとても難易度が高いという印象。第5ステージに早くも難易度の高いフィニッシュが設定されているので、開幕の時点で好調である必要がある。2つの個人タイムトライアルが2015年からの大きな変更点。いずれもタフなコースだけど、長すぎることもなく(37km)、自分向きだと言える。
開幕から閉幕まで3週間にわたって満遍なく山岳ステージが設定されているので、終盤に疲れ切ってしまわないように慎重に力を調整しなければならない。クライマー向きのツールかと問われると、答えはイエス。2015年ほどではないにしても、クライマーに適しているコースだと言える。自分にとって魅力的なコースであり、100%の力で準備して挑みたい。
ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
詳細をチェックしないと分からないけど、いつもよりタフなコースだと感じている。37kmの個人タイムトライアルと山岳タイムトライアルは侮れない。みんなが思っているよりも大きなタイム差がつくだろう。
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
我々モビスターにとって歓迎すべきコースだ。モンヴァントゥーやモルジヌといった過去に走ったことがある登りも多く、モビスター向きの山岳ステージが多い。長い方の個人タイムトライアル(37km)が真っ平らではないことは朗報だ。今年の石畳ステージで大きなダメージを受けなかったものの、やはり石畳が登場しないことは大きな自信につながる。モビスターにとってチームタイムトライアルの欠如は残念。ステージ優勝も狙えたし、ライバルたちからリードを奪えただろうから。
3週間を通して山岳ステージが設定されているので、ツールというよりジロやブエルタのイメージに近い。いずれにしても好調の状態で開幕を迎え、レースをこなしながら調子を上げるアプローチは変わらない。オーバートレーニングで疲弊し、最終週にコンディションを落としてしまうことだけは避けたい。
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
過去数年のツールと比べると、多くの選手にチャンスがあるコースだと思う。7〜8ステージが200kmオーバーなので、コースの距離は長め。その長さがレース後半の走りに響くかもしれない。石畳が登場しないのでストレスは少ないだろうけど、いつも通り序盤ステージはナーバスになるだろう。第1ステージと第2ステージを除いて横風の心配もなさそうだ。ピレネーとアンドラ、そしてモンヴァントゥーが前半の総合争いの鍵になる。
厳しいタイムトライアルと休み場所のない最終週は自分とナイロ(キンタナ)に味方する。まだチーム首脳陣と話し合っていないけど、ナイロにチームリーダーを任せることになるだろう。自分はオリンピックに集中するかもしれない。
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
合計6ステージがスプリンター向き。スプリンターの立ち場から言うといつもの通り厳しいコースレイアウトだけど、2015年よりもスプリンターのチャンスは多い。平坦ステージでは全開で攻める必要がある。タイムトライアルは油断しているとタイムカットになる可能性もあるし、リラックスできるステージは少ない。序盤から山岳が登場するステージでは大きなグルペットが形成されるだろう。いずれにしても21ステージの最後には誰もが疲れ切っているはず。それがツールの美しさだ。
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
2015年よりもスプリンターのチャンスは多そうだ。2013年のコルシカや2014年のヨークシャーと同様に初日が平坦ステージなのでスプリンターにマイヨジョーヌ獲得の可能性が有る。まずは初日にマイヨジョーヌを獲得して、1週目に勝利を重ねたい。おそらく5回前後は勝負に絡めるだろう。2015年はステージ4勝という出来過ぎとも言える結果だったので、2016年に同じ成功を収めるのは難しいかもしれない。とにかく早い時期にステージ優勝を飾ってプレッシャーを解き、続くチャンスをものにしたい。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
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