2015/10/21(水) - 06:14
10月20日、パリで行われたコースプレゼンテーションで2016年ツール・ド・フランスのコース概要が発表された。モンサンミシェルで開幕し、スペイン、アンドラ、スイスに立ち寄りながらフランス全土を一周。山岳個人タイムトライアルも登場し、「クライマー向き」という印象だ。
パレ・デ・コングレで行われたコースプレゼンテーション photo:Tim de Waele
ツール・ド・フランス2016 image:A.S.O.クリス・フルーム（イギリス、チームスカイ）をはじめとする有力選手たちを迎え、パリの会議場パレ・デ・コングレで行われたコースプレゼンテーション。大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏の進行により2016年ツールのコースが明らかにされた。
ツール・ド・フランス2016第8ステージ image:A.S.O.事前の発表通りマンシュ県の「西洋の驚異」モンサンミッシェルでグランデパール（開幕）を迎える。そこからフランス西部を南下してピレネーに向かい、後半にアルプスが登場する反時計回りのレイアウトだ。
ツール・ド・フランス2016第9ステージ image:A.S.O.初日はスプリンター向きの平坦ステージだが、2日目には早速コート・ド・ラ・グラスリー（最大勾配14%）の登りフィニッシュが登場。マイヨジョーヌはクライマーやパンチャーの手に渡るだろう。
ツール・ド・フランス2016第15ステージ image:A.S.O.第5ステージで中央山塊に立ち寄るものの、前半6ステージは比較的イージー。大会主催者ASOによると、9つの平坦ステージと1つの丘陵ステージ、9つの山岳ステージ（4つの山頂フィニッシュ）、そして2つの個人タイムトライアルで構成されている。2015年に7年ぶりに復活したボーナスタイム（1位10秒、2位6秒、3位4秒）は2016年も継承される。
ツール・ド・フランス2016第19ステージ image:A.S.O.休息日を前にした第7ステージからの3日間はピレネー山脈がレースの舞台。標高2115mのトゥールマレー峠（西側からの登坂）を含む4つの難関峠が登場する第7ステージで総合争いは動く。スペインのビエルハ・バルダランからアンドラに向かう第9ステージが今大会最初の山頂フィニッシュ。標高2240mのアンドラ・アルカリス山頂フィニッシュはツール初登場だ。
アンドラで第2週をスタートさせるとツールは足早にアルプスへと向かう。注目はフランス革命記念日の7月14日に登場する第12ステージのモンヴァントゥー山頂フィニッシュだ。「魔の山」と恐れられる荒涼とした山でマイヨジョーヌは本命に渡るだろう。
合計54kmの個人タイムトライアルのうち最初に登場するのが全長37kmのアップダウンコースで行われる第13ステージ。そしてもう一つが全長17kmの第18ステージ。チームタイムトライアルは設定されていない。まだ詳細は明らかにされていないが、第18ステージはツールで12年ぶりとなる山岳タイムトライアル。例年と比べてタイムトライアルの距離が短いことがクライマーに味方すると見られている。
休息日前に登場するのはジュラ山脈のグラン・コロンビエ峠（登坂距離12.8km/平均勾配6.8%）とラセ・グラン・コロンビエ峠（登坂距離8.4km/平均勾配7.6%）を越える第15ステージ。翌日に隣国スイスに入国し、ファビアン・カンチェラーラの出身地である同国の首都ベルンでフィニッシュを迎える。2回の休息日はいずれもフランス国外だ。
アルプス山脈を駆ける運命の3週目は山岳ステージが連続。フォルクラ峠（登坂距離13km/平均勾配7.9%）を越えてフィノー・エモッソン（登坂距離10.4km/平均勾配8.4%）にフィニッシュする第17ステージで総合争いは加熱し、その翌日には前述の山岳タイムトライアルが登場。第19ステージのサン・ジェルヴェ・モンブラン（登坂距離9.8km/平均勾配8%）は今大会最後の山頂フィニッシュが設定されている。
マイヨジョーヌの持ち主を決定づける第20ステージは146kmのショートコースにアルプスの峠が4つ詰め込まれている。後半にかけてラマス峠（登坂距離13.9km/平均勾配7.1%）とジュプラーヌ峠（登坂距離11.6km/平均勾配8.5%）をクリア。フィニッシュから12kmしか離れていないジュプラーヌ峠が今大会最後の山場であり、およそ10km続くテクニカルなダウンヒルにも注意したい。
モルジヌからの約600km移動を経て最終日はお決まりのパリ・シャンゼリゼ。凱旋門に向かう目抜通りで23日間・全長3519kmの旅はフィナーレを迎える。ツール到着に先立って、シャンゼリゼ周回コースでは2016年も女子レースのラ・クルス・バイ・ル・ツール・ド・フランスが行われる予定だ。
コースプレゼンテーションに出席した選手たちのコメントは後ほどお伝えします。
ツール・ド・フランス2016第17ステージ image:A.S.O.
ツール・ド・フランス2016第20ステージ image:A.S.O.
ツール・ド・フランス2016ステージリスト
7月2日（土）第1ステージ モンサンミシェル〜ユタビーチ／サントマリーデュモン 188km
7月3日（日）第2ステージ サンロー〜シェルブール・オクトヴィル 182km
7月4日（月）第3ステージ グランヴィル〜アンジェ 222km
7月5日（火）第4ステージ ソミュール〜リモージュ 232km
7月6日（水）第5ステージ リモージュ〜ル・リオラン 216km
7月7日（木）第6ステージ アルパジョン＝シュル＝セール〜モントーバン 187km
7月8日（金）第7ステージ リル＝ジュルダン〜ラク・ド・パヨル 162km
7月9日（土）第8ステージ ポー〜バニェール・ド・リュション 183km
7月10日（日）第9ステージ ビエルハ・バルダラン（スペイン）〜アンドラ・アルカリス（アンドラ） 184km
7月11日（月）休息日
7月12日（火）第10ステージ エスカルデス＝エンゴルダニ（アンドラ）〜ルヴェル 198km
7月13日（水）第11ステージ カルカッソンヌ〜モンペリエ 164km
7月14日（木）第12ステージ モンペリエ～モンヴァントゥー 185km
7月15日（金）第13ステージ ブール・サン・タンデオル～カヴァルヌ・ドゥ・ポンダルク 37km（個人TT）
7月16日（土）第14ステージ モンテリマール～ヴィラール・レ・ドンブ・パルク・デ・オワゾー 208km
7月17日（日）第15ステージ ブール・ガン・ブレス～キュロズ 159km
7月18日（月）第16ステージ モワラン・アン・モンターニュ～ベルン（スイス） 206km
7月19日（火）休息日
7月20日（水）第17ステージ ベルン（スイス）〜フィノー・エモッソン 184km
7月21日（木）第18ステージ サランシュ～メジェーヴ 17km（個人TT）
7月22日（金）第19ステージ アルベールヴィル～サン・ジェルヴェ・モンブラン 146km
7月23日（土）第20ステージ メジェーヴ～モルジヌ 146km
7月24日（日）第21ステージ シャンティイ～パリ・シャンゼリゼ 113km
text:Kei Tsuji
パレ・デ・コングレで行われたコースプレゼンテーション photo:Tim de Waeleツール・ド・フランス2016 image:A.S.O.クリス・フルーム（イギリス、チームスカイ）をはじめとする有力選手たちを迎え、パリの会議場パレ・デ・コングレで行われたコースプレゼンテーション。大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム氏の進行により2016年ツールのコースが明らかにされた。ツール・ド・フランス2016第8ステージ image:A.S.O.事前の発表通りマンシュ県の「西洋の驚異」モンサンミッシェルでグランデパール（開幕）を迎える。そこからフランス西部を南下してピレネーに向かい、後半にアルプスが登場する反時計回りのレイアウトだ。ツール・ド・フランス2016第9ステージ image:A.S.O.初日はスプリンター向きの平坦ステージだが、2日目には早速コート・ド・ラ・グラスリー（最大勾配14%）の登りフィニッシュが登場。マイヨジョーヌはクライマーやパンチャーの手に渡るだろう。ツール・ド・フランス2016第15ステージ image:A.S.O.第5ステージで中央山塊に立ち寄るものの、前半6ステージは比較的イージー。大会主催者ASOによると、9つの平坦ステージと1つの丘陵ステージ、9つの山岳ステージ（4つの山頂フィニッシュ）、そして2つの個人タイムトライアルで構成されている。2015年に7年ぶりに復活したボーナスタイム（1位10秒、2位6秒、3位4秒）は2016年も継承される。ツール・ド・フランス2016第19ステージ image:A.S.O.休息日を前にした第7ステージからの3日間はピレネー山脈がレースの舞台。標高2115mのトゥールマレー峠（西側からの登坂）を含む4つの難関峠が登場する第7ステージで総合争いは動く。スペインのビエルハ・バルダランからアンドラに向かう第9ステージが今大会最初の山頂フィニッシュ。標高2240mのアンドラ・アルカリス山頂フィニッシュはツール初登場だ。アンドラで第2週をスタートさせるとツールは足早にアルプスへと向かう。注目はフランス革命記念日の7月14日に登場する第12ステージのモンヴァントゥー山頂フィニッシュだ。「魔の山」と恐れられる荒涼とした山でマイヨジョーヌは本命に渡るだろう。
合計54kmの個人タイムトライアルのうち最初に登場するのが全長37kmのアップダウンコースで行われる第13ステージ。そしてもう一つが全長17kmの第18ステージ。チームタイムトライアルは設定されていない。まだ詳細は明らかにされていないが、第18ステージはツールで12年ぶりとなる山岳タイムトライアル。例年と比べてタイムトライアルの距離が短いことがクライマーに味方すると見られている。
休息日前に登場するのはジュラ山脈のグラン・コロンビエ峠（登坂距離12.8km/平均勾配6.8%）とラセ・グラン・コロンビエ峠（登坂距離8.4km/平均勾配7.6%）を越える第15ステージ。翌日に隣国スイスに入国し、ファビアン・カンチェラーラの出身地である同国の首都ベルンでフィニッシュを迎える。2回の休息日はいずれもフランス国外だ。
アルプス山脈を駆ける運命の3週目は山岳ステージが連続。フォルクラ峠（登坂距離13km/平均勾配7.9%）を越えてフィノー・エモッソン（登坂距離10.4km/平均勾配8.4%）にフィニッシュする第17ステージで総合争いは加熱し、その翌日には前述の山岳タイムトライアルが登場。第19ステージのサン・ジェルヴェ・モンブラン（登坂距離9.8km/平均勾配8%）は今大会最後の山頂フィニッシュが設定されている。
マイヨジョーヌの持ち主を決定づける第20ステージは146kmのショートコースにアルプスの峠が4つ詰め込まれている。後半にかけてラマス峠（登坂距離13.9km/平均勾配7.1%）とジュプラーヌ峠（登坂距離11.6km/平均勾配8.5%）をクリア。フィニッシュから12kmしか離れていないジュプラーヌ峠が今大会最後の山場であり、およそ10km続くテクニカルなダウンヒルにも注意したい。
モルジヌからの約600km移動を経て最終日はお決まりのパリ・シャンゼリゼ。凱旋門に向かう目抜通りで23日間・全長3519kmの旅はフィナーレを迎える。ツール到着に先立って、シャンゼリゼ周回コースでは2016年も女子レースのラ・クルス・バイ・ル・ツール・ド・フランスが行われる予定だ。
コースプレゼンテーションに出席した選手たちのコメントは後ほどお伝えします。
ツール・ド・フランス2016第17ステージ image:A.S.O.ツール・ド・フランス2016第20ステージ image:A.S.O.ツール・ド・フランス2016ステージリスト
7月2日（土）第1ステージ モンサンミシェル〜ユタビーチ／サントマリーデュモン 188km
7月3日（日）第2ステージ サンロー〜シェルブール・オクトヴィル 182km
7月4日（月）第3ステージ グランヴィル〜アンジェ 222km
7月5日（火）第4ステージ ソミュール〜リモージュ 232km
7月6日（水）第5ステージ リモージュ〜ル・リオラン 216km
7月7日（木）第6ステージ アルパジョン＝シュル＝セール〜モントーバン 187km
7月8日（金）第7ステージ リル＝ジュルダン〜ラク・ド・パヨル 162km
7月9日（土）第8ステージ ポー〜バニェール・ド・リュション 183km
7月10日（日）第9ステージ ビエルハ・バルダラン（スペイン）〜アンドラ・アルカリス（アンドラ） 184km
7月11日（月）休息日
7月12日（火）第10ステージ エスカルデス＝エンゴルダニ（アンドラ）〜ルヴェル 198km
7月13日（水）第11ステージ カルカッソンヌ〜モンペリエ 164km
7月14日（木）第12ステージ モンペリエ～モンヴァントゥー 185km
7月15日（金）第13ステージ ブール・サン・タンデオル～カヴァルヌ・ドゥ・ポンダルク 37km（個人TT）
7月16日（土）第14ステージ モンテリマール～ヴィラール・レ・ドンブ・パルク・デ・オワゾー 208km
7月17日（日）第15ステージ ブール・ガン・ブレス～キュロズ 159km
7月18日（月）第16ステージ モワラン・アン・モンターニュ～ベルン（スイス） 206km
7月19日（火）休息日
7月20日（水）第17ステージ ベルン（スイス）〜フィノー・エモッソン 184km
7月21日（木）第18ステージ サランシュ～メジェーヴ 17km（個人TT）
7月22日（金）第19ステージ アルベールヴィル～サン・ジェルヴェ・モンブラン 146km
7月23日（土）第20ステージ メジェーヴ～モルジヌ 146km
7月24日（日）第21ステージ シャンティイ～パリ・シャンゼリゼ 113km
text:Kei Tsuji
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