2015/10/13(火) - 21:03
2013年に誕生して以来3度めのシーズン目を迎える茨城シクロクロス。小貝川リバーサイドパークで今年度初のレースが開催された。C1を制したのはブリッツェンの小坂光。小坂は3日連続の優勝だ。
3連休の最終日、体育の日の10月12日に開催された茨城シクロクロス第1戦@小貝川リバーサイドパーク。関東でのCXシリーズの開幕となったこの連休は、宇都宮シクロクロスからの連戦ライダーも多かったようだ。ここ小貝川リバーサイドパークは茨城CX誕生の地。先月の台風による河川氾濫の影響を受けたが、水はけが良かったためこの大会の開催には影響がなかった。大会では収益の一部を水害への義援金として寄付することを決めたという。
天候の安定しなかった週末だが、この日はぐんぐん気温が上がり、夏日に。そのため給水に対する特別ルールが急遽発表された。飲料をボトルケージ、ジャージのポケット、給水バッグ(キャメルバックなど)で携行することはOK。ピットエリアにてボトルを装着したバイクを受け取ることもOK。しかし飲料補給のためのみにピットエリアを利用することはNGとなった。
重い芝が特徴の河川敷コースだが、日差しと高気温でドライコンディションに。人気上昇中の大会だけに増加カテゴリーとしてC4の3クラスが追加された。
最高峰C1は54人がエントリー。スタートから宇都宮CXで2連勝中の小坂 光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)がホールショットをとり飛び出すが、すぐにチェーン外れのメカトラに見舞われ、修復に手間取るうちに20番手以降まで順位を落とすハプニングが。
宇都宮でも小坂とデッドヒートを演じた前田公平(弱虫ペダルCXチーム)がトップに立つと、順調に後続との差を広げる。レースは14周回で行われることが決まる。C1は80%足切りルールが適応されるとあってどの選手も気を抜けない走りだ。
高気温のなかハイペースのレースに耐えられなくなった池本真也(和光機器)が体調不良でリタイア。一方で小坂は急ピッチで順位を上げていく。30分経過後、前田から7秒差で丸山 厚(BOMA RAICING)、そしてさらに7秒差まで小坂が上がってくる。
猛追する小坂は残り8周で2番手にあがり、父・小坂正則も4番手につける。5、6位争いのランデブーは濱 由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)と合田 正之(Cycle club 3UP)。7位争いは全日本ロードTTチャンピオンで今期からCXに本格挑戦の中村 龍太郎(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が率いる4人のパックが続く。
丸山に追いついた小坂。トップの前田は射程距離だ。50分経過、残り10分になったとき給水のためボトル付きバイクに交換するためにピットインした前田との差が一気に詰まり、小坂との差は4秒ほどに。宇都宮ではシケインをバニーホップで越えて差をつけた前田だが、この日は小坂のほうがシケイン飛び越え・乗りの一連の動作がスムーズで速かった。
とうとうラスト3周で前田に追いついた小坂。譲らない前田とテールツゥーノーズのバトルに。ラスト2周のシケインで小坂が一気にスパート。前田との差を開くことに成功。フィニッシュには余裕さえ持って飛び込んだ小坂は、バイクを高々と持ち上げて逆転勝利の喜びを炸裂させた。
ラスト周回で小坂に気持ちを折られた前田はしぶとく追撃していた丸山にも交わされてしまう。4位には小坂の父・正則。5位には合田を振り切った濱が入った。國井とのランデブーでパックを抜けだした中村龍太郎は8位となり、強豪入りを印象づけた。
宇都宮シクロクロスエキシビジョンと同第1戦に次ぐ、3日間で3連勝の小坂。今期はウェイトトレーニングも重点的にこなし、強靭な身体をつくり上げてきた。「今年は昨シーズンよりいい感じに仕上がっているので、目標の全日本選手権での優勝を目指してこの調子で進んでいきたい」と抱負を語った。
L1 與那嶺恵理がパワーライドで圧勝
女子L1は男子マスターズの後列から同時出走でスタート。序盤に好スタートを切ったのは宇都宮CXエキシビジョンで優勝した武田和佳(Liv)。男子トップと混走する力走を見せるが、オーバーペース気味のところに踏みコースに強い與那嶺 恵理(サクソバンクFX証券・YONEX)が猛追。與那嶺は武田を引き離すと独走状態を固めた。テクニカルな宇都宮CXのコースには手を焼いた與那嶺だったが、パワーではやはり抜きん出ていることを証明した。
アメリカ/リッチモンド世界選手権ロードから2週間。落車による脳震盪にも見舞われたが、「世界選ロードでは自分なりに納得できる走りだった。シクロクロスはトレーニングの一環として楽しみながら参戦したいので応援して欲しい」と締めくくり、拍手喝采を浴びた。
茨城シクロクロスは今年、年4回の開催にパワーアップし、関東圏でのCXシーンの中心的な役割を果たすことになりそうだ。
リザルト
C1
1位 小坂 光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)
2位 丸山 厚(BOMA RAICING)
3位 前田 公平(弱虫ペダルCXチーム)
4位 小坂 正則(スワコレーシングチーム)
5位 濱 由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)
6位 合田 正之(Cycle club 3UP)
7位 國井 敏夫(MilePost BMC Racing)
8位 中村 龍太郎(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
9位 斎藤 朋寛(RIDELIFE GIANT)
10位 向山 浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
C2
1位 織田 聖(Above Boke Store Cycle Club)
2位 代田 義明(Mile Post Racing)
3位 金子 恵治(TEAM TAMAGAWA)
4位 斉藤 豊(SNEL)
5位 足立 文夫(PAX PROJECT)
6位 児玉 敬介(FELT-mistral)
CL1
1位 與那嶺 恵理(サクソバンクFX証券・YONEX)
2位 武田 和佳(Liv)
3位 今井 美穂(Cycleclub.jp)
C3
1位 小島 大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
2位 梶本 典史(bluelug)
3位 深谷 康玄
マスターズ
1位 多田 尚史(TEAM SPORT KID)
2位 真田 大(cycleclub 3UP)
3位 高橋 冬樹(cycleclub 3UP)
C4A
1位 田中 将人(エクストリームつくば)
C4B
1位 遠藤 績穂(SPACE ZEROPOINT)
C4C
1位 根本 正和(オンザロード)
CL2
1位 安田 朋子(SNEL)
小学4-6年
1位 綾野 尋(cycleclub 3UP)
小学1-3年
1位 飯塚 嵐(RinRinRacing子供自転車競技部)
CW facebook フォトアルバム
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Kei.Tsuji
3連休の最終日、体育の日の10月12日に開催された茨城シクロクロス第1戦@小貝川リバーサイドパーク。関東でのCXシリーズの開幕となったこの連休は、宇都宮シクロクロスからの連戦ライダーも多かったようだ。ここ小貝川リバーサイドパークは茨城CX誕生の地。先月の台風による河川氾濫の影響を受けたが、水はけが良かったためこの大会の開催には影響がなかった。大会では収益の一部を水害への義援金として寄付することを決めたという。
天候の安定しなかった週末だが、この日はぐんぐん気温が上がり、夏日に。そのため給水に対する特別ルールが急遽発表された。飲料をボトルケージ、ジャージのポケット、給水バッグ(キャメルバックなど)で携行することはOK。ピットエリアにてボトルを装着したバイクを受け取ることもOK。しかし飲料補給のためのみにピットエリアを利用することはNGとなった。
重い芝が特徴の河川敷コースだが、日差しと高気温でドライコンディションに。人気上昇中の大会だけに増加カテゴリーとしてC4の3クラスが追加された。
最高峰C1は54人がエントリー。スタートから宇都宮CXで2連勝中の小坂 光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)がホールショットをとり飛び出すが、すぐにチェーン外れのメカトラに見舞われ、修復に手間取るうちに20番手以降まで順位を落とすハプニングが。
宇都宮でも小坂とデッドヒートを演じた前田公平(弱虫ペダルCXチーム)がトップに立つと、順調に後続との差を広げる。レースは14周回で行われることが決まる。C1は80%足切りルールが適応されるとあってどの選手も気を抜けない走りだ。
高気温のなかハイペースのレースに耐えられなくなった池本真也(和光機器)が体調不良でリタイア。一方で小坂は急ピッチで順位を上げていく。30分経過後、前田から7秒差で丸山 厚(BOMA RAICING)、そしてさらに7秒差まで小坂が上がってくる。
猛追する小坂は残り8周で2番手にあがり、父・小坂正則も4番手につける。5、6位争いのランデブーは濱 由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)と合田 正之(Cycle club 3UP)。7位争いは全日本ロードTTチャンピオンで今期からCXに本格挑戦の中村 龍太郎(SNEL CYCLOCROSS TEAM)が率いる4人のパックが続く。
丸山に追いついた小坂。トップの前田は射程距離だ。50分経過、残り10分になったとき給水のためボトル付きバイクに交換するためにピットインした前田との差が一気に詰まり、小坂との差は4秒ほどに。宇都宮ではシケインをバニーホップで越えて差をつけた前田だが、この日は小坂のほうがシケイン飛び越え・乗りの一連の動作がスムーズで速かった。
とうとうラスト3周で前田に追いついた小坂。譲らない前田とテールツゥーノーズのバトルに。ラスト2周のシケインで小坂が一気にスパート。前田との差を開くことに成功。フィニッシュには余裕さえ持って飛び込んだ小坂は、バイクを高々と持ち上げて逆転勝利の喜びを炸裂させた。
ラスト周回で小坂に気持ちを折られた前田はしぶとく追撃していた丸山にも交わされてしまう。4位には小坂の父・正則。5位には合田を振り切った濱が入った。國井とのランデブーでパックを抜けだした中村龍太郎は8位となり、強豪入りを印象づけた。
宇都宮シクロクロスエキシビジョンと同第1戦に次ぐ、3日間で3連勝の小坂。今期はウェイトトレーニングも重点的にこなし、強靭な身体をつくり上げてきた。「今年は昨シーズンよりいい感じに仕上がっているので、目標の全日本選手権での優勝を目指してこの調子で進んでいきたい」と抱負を語った。
L1 與那嶺恵理がパワーライドで圧勝
女子L1は男子マスターズの後列から同時出走でスタート。序盤に好スタートを切ったのは宇都宮CXエキシビジョンで優勝した武田和佳(Liv)。男子トップと混走する力走を見せるが、オーバーペース気味のところに踏みコースに強い與那嶺 恵理(サクソバンクFX証券・YONEX)が猛追。與那嶺は武田を引き離すと独走状態を固めた。テクニカルな宇都宮CXのコースには手を焼いた與那嶺だったが、パワーではやはり抜きん出ていることを証明した。
アメリカ/リッチモンド世界選手権ロードから2週間。落車による脳震盪にも見舞われたが、「世界選ロードでは自分なりに納得できる走りだった。シクロクロスはトレーニングの一環として楽しみながら参戦したいので応援して欲しい」と締めくくり、拍手喝采を浴びた。
茨城シクロクロスは今年、年4回の開催にパワーアップし、関東圏でのCXシーンの中心的な役割を果たすことになりそうだ。
リザルト
C1
1位 小坂 光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)
2位 丸山 厚(BOMA RAICING)
3位 前田 公平(弱虫ペダルCXチーム)
4位 小坂 正則(スワコレーシングチーム)
5位 濱 由嵩(SPEEDVAGEN CYCLOCROSS TEAM)
6位 合田 正之(Cycle club 3UP)
7位 國井 敏夫(MilePost BMC Racing)
8位 中村 龍太郎(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
9位 斎藤 朋寛(RIDELIFE GIANT)
10位 向山 浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
C2
1位 織田 聖(Above Boke Store Cycle Club)
2位 代田 義明(Mile Post Racing)
3位 金子 恵治(TEAM TAMAGAWA)
4位 斉藤 豊(SNEL)
5位 足立 文夫(PAX PROJECT)
6位 児玉 敬介(FELT-mistral)
CL1
1位 與那嶺 恵理(サクソバンクFX証券・YONEX)
2位 武田 和佳(Liv)
3位 今井 美穂(Cycleclub.jp)
C3
1位 小島 大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
2位 梶本 典史(bluelug)
3位 深谷 康玄
マスターズ
1位 多田 尚史(TEAM SPORT KID)
2位 真田 大(cycleclub 3UP)
3位 高橋 冬樹(cycleclub 3UP)
C4A
1位 田中 将人(エクストリームつくば)
C4B
1位 遠藤 績穂(SPACE ZEROPOINT)
C4C
1位 根本 正和(オンザロード)
CL2
1位 安田 朋子(SNEL)
小学4-6年
1位 綾野 尋(cycleclub 3UP)
小学1-3年
1位 飯塚 嵐(RinRinRacing子供自転車競技部)
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photo&text:Makoto.AYANO
photo:Kei.Tsuji
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