2015/09/08(火) - 12:08
獲得標高5010mというクイーンステージでの登坂勝負。ベテランの意地を見せたフランク・シュレクは「難しいシーズンを過ごしてきたが、ようやく報われた」とコメント。マイヨロホを獲得したホアキン・ロドリゲスなど総合上位陣のコメントと合わせて紹介ます。
ステージ優勝を挙げたフランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)
最後に勝ったのはいつだっただろう。ずいぶん遠ざかっていた。とても長くキツい一日だったけれど、良い日だった。何と語れば良いか言葉が見つからないけれど、このために努力してきた。ようやく報われたよ。先月は怪我もあり、ツール・ド・フランスにも出場できなかった分、ブエルタに集中するべく調整を重ねてきた。今日の勝利はタフだったけれど、怪我も含めて積み重ねてきたものが今日に繋がったんだ。
(最後競った)トレスに関して、彼のことを良く知らなかったのでとてもナーバスに感じていた。実際に強かったし、他の選手は知っていても彼のスタイルや戦略は分からなかった。でも今日はルーカ(グエルチレーナ)監督がクルマに乗っていたし、他の監督陣も自分がどう振る舞うべきなのかを的確に指示してくれた。
ブエルタには僕の総合争いという名目でチームが乗り込んだが、落車したことで総合を諦めざるをえなくなり戦略を変更する必要があった。山岳が多く、体重の軽い僕にとってこのステージはチャンスだった。だから今日は逃げに乗るという戦略に打って出た。
このブエルタは本当にハードだ。ここ10日間は最初の1時間の平均速度が46〜47km/hにもなった。今日はコースも厳しかったし、向かい風もキツかった。でもその中で決まった逃げがゴールまで辿り着いた。苦しさを克服した者が勝利を収めることができたんだ。
ステージ2位 ロドルフォ・トレス(コロンビア、コロンビア)
5番目の登りではっきりしていたのはフランク・シュレクがライバルたちの中で一番強いということ。僕の調子も悪くは無かったので彼から離されないように走った。でも、逃げ集団のなかに彼を連れてったのは自分。ピエール・ロランらがアタックした時にブリッジをかけた僕の後ろにフランクが付いてきた。
最後の超級山岳は信じられないくらいキツかった。これまで登ったことのある山岳を思い返してもこれだけ難しい山は無い。シュレクとは一定ペースで登ることで協力体制を築いた。彼は疲れているように見えたし、僕はかなり調子がよかったから、ゴール勝負では勝てると思っていた。
しかし残り4kmで脚が無くなりつつあることに気付いた。2週間全力で走り続けてきたツケが突然やってきたんだ。でもどうにか不調を悟られまいと、自分がフレッシュに見せかけていた。シュレックが諦めてくれないかと、そればかり考えていたが、ツールの表彰台に登った選手はやはり別格だった。
やっぱり勝ちたかったのはもちろんだ。そのためにレースしているし、チームの皆は僕を逃げに送りこんでチャンスをくれたんだから。僕が出来るだけのことは果たせたと信じている。何度も諦めそうになったが「今自分は歴史的なステージを走っているんだ」って言い聞かせて走り続けた。フランクのような偉大なライダーに負けたんだ。彼には称賛を送りたい。ブエルタはまだ終わってない。最後までアタックし続ける。
1秒差でマイヨロホを獲得したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
このブエルタでは未だどんなことにだって可能性がある。1秒差のリードに対しては冷静でいる必要があるが、既にステージ優勝とマイヨロホ獲得という当初の期待以上の結果が出ている。
僕の最終目標は総合表彰台に乗ることだっかたら、このまま首位を狙わない手はどこにも無い。もう十分狙える範囲だけれど、タイムトライアルが控えている。自分の限界を引き出す必要があるし、スーパーなパフォーマンスを出さないといけない。ドゥムランに対して2分差以内で収めるのはかなり難しいけれど、不可能では決して無いだろう。ドゥムランは最後の超級では昨日以上に良いパフォーマンスを見せて、僕らを驚かせてくれた。彼は休息日にしっかりと回復して、モチベーション全開で臨んでくるだろう。でも僕らだって全力で戦うつもりさ!
総合3位、ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
今日の結果には満足すべきだろう。初めて経験する登りだったから。でも、一番勾配がキツイところでアタックしたロドリゲスについていくことは難しかった。彼はああいった短くて急な坂のスペシャリスト。でも、僕は数秒を失っただけだ。12秒をロドリゲスに、10秒をアルに対して失った。ラスト500mは決してイージーではなかったけど、持てる力すべてを振り絞って走ったよ。
ライバル達にプレッシャーを与えようとして、パウェル・ポルヤンスキーとペースを作った。結局、他の総合争いのライダーたちからはタイムを奪うことができた。表彰台はかなり現実的になってきたと言えるだろう。
ブエルタは残り5ステージ。皆がバッド・デイを経験してきているけど、ドゥムランは最後の登りで力強い姿を見せていた。TTステージが終わったあと、総合成績がどうなっているのか見物。明日は休養日で、明後日のTTに向けて準備をする。ここ2カ月で個人TTを走ることは無かったが、チームのためにも全力で走り切るつもりだ。40kmのフラットコースはきっとタフで、総合争いに大きな影響を与えるだろう。
粘りの走りを見せた総合4位、トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
調子が良かった。よく踏めていたし、今日もロスを最小限に留めることができた。チームとしても協調でき仲間もファンタスティックな働きをしてくれた。ペースは終止速かったがローソン(クラドック)が最後から2つ目の山岳までサポートしてくれたので助かった。
その後は総合勢もアシストを失っていたので状況はほぼ同じだったんだ。最後は自分のペースを崩さないように努力したよ。水曜日の個人TT後は総合表彰台に向けてもっとチャンスを見出せていると思う。もの凄くキツいステージが続いたが、良い走りができるはずだ。
グルペットでクイーンステージを終えた新城幸也(ユーロップカー)
チャンスがあれば逃げたかったけど、スタートからピエールが逃げに入ったので、チームとしては良い展開。後続集団はスローペースだったからもっと前でゴールできたけど、集団の1級山岳で集団が中切れ(分断)してしまって後ろに取り残された。各チーム、各選手がギアの選択に悩んだステージだったと思う。明日はとにかくゆっくり休んで回復に努めます。
選手コメントは各チーム公式サイト、ならびにTeamユキヤ通信より。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
ステージ優勝を挙げたフランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)
最後に勝ったのはいつだっただろう。ずいぶん遠ざかっていた。とても長くキツい一日だったけれど、良い日だった。何と語れば良いか言葉が見つからないけれど、このために努力してきた。ようやく報われたよ。先月は怪我もあり、ツール・ド・フランスにも出場できなかった分、ブエルタに集中するべく調整を重ねてきた。今日の勝利はタフだったけれど、怪我も含めて積み重ねてきたものが今日に繋がったんだ。
(最後競った)トレスに関して、彼のことを良く知らなかったのでとてもナーバスに感じていた。実際に強かったし、他の選手は知っていても彼のスタイルや戦略は分からなかった。でも今日はルーカ(グエルチレーナ)監督がクルマに乗っていたし、他の監督陣も自分がどう振る舞うべきなのかを的確に指示してくれた。
ブエルタには僕の総合争いという名目でチームが乗り込んだが、落車したことで総合を諦めざるをえなくなり戦略を変更する必要があった。山岳が多く、体重の軽い僕にとってこのステージはチャンスだった。だから今日は逃げに乗るという戦略に打って出た。
このブエルタは本当にハードだ。ここ10日間は最初の1時間の平均速度が46〜47km/hにもなった。今日はコースも厳しかったし、向かい風もキツかった。でもその中で決まった逃げがゴールまで辿り着いた。苦しさを克服した者が勝利を収めることができたんだ。
ステージ2位 ロドルフォ・トレス(コロンビア、コロンビア)
5番目の登りではっきりしていたのはフランク・シュレクがライバルたちの中で一番強いということ。僕の調子も悪くは無かったので彼から離されないように走った。でも、逃げ集団のなかに彼を連れてったのは自分。ピエール・ロランらがアタックした時にブリッジをかけた僕の後ろにフランクが付いてきた。
最後の超級山岳は信じられないくらいキツかった。これまで登ったことのある山岳を思い返してもこれだけ難しい山は無い。シュレクとは一定ペースで登ることで協力体制を築いた。彼は疲れているように見えたし、僕はかなり調子がよかったから、ゴール勝負では勝てると思っていた。
しかし残り4kmで脚が無くなりつつあることに気付いた。2週間全力で走り続けてきたツケが突然やってきたんだ。でもどうにか不調を悟られまいと、自分がフレッシュに見せかけていた。シュレックが諦めてくれないかと、そればかり考えていたが、ツールの表彰台に登った選手はやはり別格だった。
やっぱり勝ちたかったのはもちろんだ。そのためにレースしているし、チームの皆は僕を逃げに送りこんでチャンスをくれたんだから。僕が出来るだけのことは果たせたと信じている。何度も諦めそうになったが「今自分は歴史的なステージを走っているんだ」って言い聞かせて走り続けた。フランクのような偉大なライダーに負けたんだ。彼には称賛を送りたい。ブエルタはまだ終わってない。最後までアタックし続ける。
1秒差でマイヨロホを獲得したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
このブエルタでは未だどんなことにだって可能性がある。1秒差のリードに対しては冷静でいる必要があるが、既にステージ優勝とマイヨロホ獲得という当初の期待以上の結果が出ている。
僕の最終目標は総合表彰台に乗ることだっかたら、このまま首位を狙わない手はどこにも無い。もう十分狙える範囲だけれど、タイムトライアルが控えている。自分の限界を引き出す必要があるし、スーパーなパフォーマンスを出さないといけない。ドゥムランに対して2分差以内で収めるのはかなり難しいけれど、不可能では決して無いだろう。ドゥムランは最後の超級では昨日以上に良いパフォーマンスを見せて、僕らを驚かせてくれた。彼は休息日にしっかりと回復して、モチベーション全開で臨んでくるだろう。でも僕らだって全力で戦うつもりさ!
総合3位、ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
今日の結果には満足すべきだろう。初めて経験する登りだったから。でも、一番勾配がキツイところでアタックしたロドリゲスについていくことは難しかった。彼はああいった短くて急な坂のスペシャリスト。でも、僕は数秒を失っただけだ。12秒をロドリゲスに、10秒をアルに対して失った。ラスト500mは決してイージーではなかったけど、持てる力すべてを振り絞って走ったよ。
ライバル達にプレッシャーを与えようとして、パウェル・ポルヤンスキーとペースを作った。結局、他の総合争いのライダーたちからはタイムを奪うことができた。表彰台はかなり現実的になってきたと言えるだろう。
ブエルタは残り5ステージ。皆がバッド・デイを経験してきているけど、ドゥムランは最後の登りで力強い姿を見せていた。TTステージが終わったあと、総合成績がどうなっているのか見物。明日は休養日で、明後日のTTに向けて準備をする。ここ2カ月で個人TTを走ることは無かったが、チームのためにも全力で走り切るつもりだ。40kmのフラットコースはきっとタフで、総合争いに大きな影響を与えるだろう。
粘りの走りを見せた総合4位、トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
調子が良かった。よく踏めていたし、今日もロスを最小限に留めることができた。チームとしても協調でき仲間もファンタスティックな働きをしてくれた。ペースは終止速かったがローソン(クラドック)が最後から2つ目の山岳までサポートしてくれたので助かった。
その後は総合勢もアシストを失っていたので状況はほぼ同じだったんだ。最後は自分のペースを崩さないように努力したよ。水曜日の個人TT後は総合表彰台に向けてもっとチャンスを見出せていると思う。もの凄くキツいステージが続いたが、良い走りができるはずだ。
グルペットでクイーンステージを終えた新城幸也(ユーロップカー)
チャンスがあれば逃げたかったけど、スタートからピエールが逃げに入ったので、チームとしては良い展開。後続集団はスローペースだったからもっと前でゴールできたけど、集団の1級山岳で集団が中切れ(分断)してしまって後ろに取り残された。各チーム、各選手がギアの選択に悩んだステージだったと思う。明日はとにかくゆっくり休んで回復に努めます。
選手コメントは各チーム公式サイト、ならびにTeamユキヤ通信より。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
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