2015/09/05(土) - 13:35
24人の大エスケープ集団が逃げ切ったブエルタ・ア・エスパーニャ第13ステージ。終盤に1人飛び出し優勝を果たしたネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)や、ジャンルーカ・ブランビッラら逃げ集団に乗った選手のコメントを紹介します。
ステージ優勝のネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
キャリアで最も美しい勝利だ。もちろん、ナショナル選手権も僕にとってはエモーショナルな勝利ではあるけど、今日は言葉にして表現できないほど嬉しい。いつもアシストしてもらっているチームメイトとこの勝利を共有することができたことも良かった。一緒に逃げたプラサとコンティはブエルタに限らず、シーズンを通して僕を全面的にサポートしてくれる。
僕が考えるにランプレ・メリダは勝利に値するチームだ。どのステージだって勝ち狙いに行っているし、展開を生み出して、レースをよりエキサイティングなものにしている。
このブエルタはコンディションが良い状態で臨むことができていて、ハードな山岳ステージでも先頭集団に残ることができた。ただ、アタックを試みたものの、ステージ優勝することができなかったから、今日もトライしてみたんだ。タイミングが少し早かったかなとも思ったけど、リカバリーするために周りの動きが少し静まったと感じ『勝つためには先手を打つしかない』とアタックしたんだ。
3位でフィニッシュしたニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム・スカイ)
序盤は正に戦いで、ハイペースだった最初の1時間を少し過ぎたあたりで、ようやっと逃げが形成された。スタートしてから10~15kmでパンクして、集団に戻るのに多くの時間を費やしてしまったから、実はあまり逃げに対して乗り気ではなかったんだ。
メイン集団に戻ってからもしばらくはハードだった。スタート時はあまり調子が良くないかなと感じていたけど、チームメイトを助けるためにも良いかなと思い、逃げを試みた。それが今日起こったこと。長い登りでは2つのグループに分かれて走ったけど、突然の動きにも対応できる様に、僕たちは前方でレースを進めた。
風が強く、追走の人数が多いことから、オリヴェイラのアタックは成功するはずがないと考えていた。彼が逃げ始めた最初のうちは、僕達に有利か風向きだったけど、次第に有利不利がなくなった。そしてオリヴェイラに合流すべく登りでアタック合戦が始まって、4、5人が追走集団からわずかに逃げ出すということがあったけど、その間にどんどんとタイム差が拡大してしまったんだ。長い時間逃げていたのに、彼は最後まで非常に強力だったね。
オリヴェイラの逃げが決定的になってからは、このままプロトンに吸収されてはいけないと思い、一旦落ち着こうと考えた。フィニッシュではセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)のアシストと共に早めに仕掛けて、全力でもがいたんだ。
総合9位にアップしたジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
今日のスタートは信じられないくらいスピードが速く、かつ登り坂もあってハードだった。逃げるつもりはなかったけれど、集団の前方で位置取りをしていた時に、突然集団が割れてしまったんだ。僕が入った集団内には総合順位を争っているシカールがいたから、暫くの間は何が起こるか見るために逃げ集団内にとどまった。
最後の山岳ではアタックが頻発し、その中でもオリヴェイラは賢くて速かった。下りで先行した彼との差を縮めるためにニキ(・テルプストラ)と追ったけれど、今日の彼はとても強く、ギャップを小さくするのは不可能に近かった。
フィニッシュではいい成績を残そうと思いスプリントをしようと思ったが、僕は周りを囲まれて加速することができず、これ以上の前でゴールすることはできなかった。ただ、総合成績でトップ10に入れたから、今日の成績には満足しているよ。逃げではエネルギーを消耗してしまったけれど、総合順位を上げたことで報われた。
これからのステージはとてもハードになるから、全力を出さなければならない。山頂フィニッシュのステージが3つもあるから、今の順位を守ることは簡単なことではないし、僕らは総合成績の変化を多く見ることになるだろう。ただ、僕は沢山の力を使ったうえでトップ10以内を勝ち取っている。強豪ライダーが揃うこの位置は譲らないつもりだ。
敢闘賞を獲得したパウェル・ポルヤンスキー(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
今日の結果には満足しているよ。身体も絞れていたと思うし、逃げグループが大きかったから、僕自身も何か仕掛けないとと思っていたんだ。もともとは逃げるつもりはなかったけれど、大きなグループが先行した時、集団の前方にいたから、逃げに乗ったチームとライダーを確認するために、監督の指示で逃げグループに合流した。合流した後は監督からそのまま逃げて、逃げ切りを目指すという指示が与えられたんだ。
ただ、これまでにないくらい身体が絞れていたから、少し残念に思うこともある。24人の逃げで勝つためにはスプリントで速くなければいけないが、僕はスプリンターではないので僕は最後の山岳で攻撃を仕掛けざるを得なかった。アタックした時は調子よく感じていたけれど、斜度が少しゆるく後ろのライダー達が協力しあいながら追ってきて、捕まってしまったんだ。
この動きで敢闘賞を獲得できたけど、僕はこれからもチャンスがあるなら挑戦してしていく。僕らの目的はラファル(・マイカ)をサポートすることにあり、これから非常に重要な日が続いていく。彼が日に日に良くなっていると感じているし、他のメンバーも僕のように調子よくなっていることを望むよ。
ロメン・シカールをサポートした新城幸也(ヨーロッパカー)
今日は絶対逃げると決めていたので実行できて良かった。24名の中での動きはそれぞれのチームの思惑があるが、オリヴェイラを誰も追わずにこのまま区間2位争いをするのなら、せっかくここまで逃げて後続集団とのタイム差を開いてきたので、それが無駄にならないように、前の1名を追うというより、後続とのタイム差を少しでも開いて、ロメンの総合を上げようと判断した。
結果的に自分はゴールスプリントに絡まなかったが、ロメンの総合がトップ10まで上がったので、この判断はチームも評価してくれている。このあと3日間は山頂ゴールが続くが脚の調子も日に日によくなっているので、自分に出来ることはしっかりとこなし、体調も上げて3週目に入りたい。明日はちょっとおとなしくしているかも。
選手コメントは各チーム公式サイト、ならびにTeamユキヤ通信より。
text:Yuya.Yamamoto、Gakuto.Fujiwara
photo:Unipublic, CorVos
ステージ優勝のネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
キャリアで最も美しい勝利だ。もちろん、ナショナル選手権も僕にとってはエモーショナルな勝利ではあるけど、今日は言葉にして表現できないほど嬉しい。いつもアシストしてもらっているチームメイトとこの勝利を共有することができたことも良かった。一緒に逃げたプラサとコンティはブエルタに限らず、シーズンを通して僕を全面的にサポートしてくれる。
僕が考えるにランプレ・メリダは勝利に値するチームだ。どのステージだって勝ち狙いに行っているし、展開を生み出して、レースをよりエキサイティングなものにしている。
このブエルタはコンディションが良い状態で臨むことができていて、ハードな山岳ステージでも先頭集団に残ることができた。ただ、アタックを試みたものの、ステージ優勝することができなかったから、今日もトライしてみたんだ。タイミングが少し早かったかなとも思ったけど、リカバリーするために周りの動きが少し静まったと感じ『勝つためには先手を打つしかない』とアタックしたんだ。
3位でフィニッシュしたニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム・スカイ)
序盤は正に戦いで、ハイペースだった最初の1時間を少し過ぎたあたりで、ようやっと逃げが形成された。スタートしてから10~15kmでパンクして、集団に戻るのに多くの時間を費やしてしまったから、実はあまり逃げに対して乗り気ではなかったんだ。
メイン集団に戻ってからもしばらくはハードだった。スタート時はあまり調子が良くないかなと感じていたけど、チームメイトを助けるためにも良いかなと思い、逃げを試みた。それが今日起こったこと。長い登りでは2つのグループに分かれて走ったけど、突然の動きにも対応できる様に、僕たちは前方でレースを進めた。
風が強く、追走の人数が多いことから、オリヴェイラのアタックは成功するはずがないと考えていた。彼が逃げ始めた最初のうちは、僕達に有利か風向きだったけど、次第に有利不利がなくなった。そしてオリヴェイラに合流すべく登りでアタック合戦が始まって、4、5人が追走集団からわずかに逃げ出すということがあったけど、その間にどんどんとタイム差が拡大してしまったんだ。長い時間逃げていたのに、彼は最後まで非常に強力だったね。
オリヴェイラの逃げが決定的になってからは、このままプロトンに吸収されてはいけないと思い、一旦落ち着こうと考えた。フィニッシュではセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)のアシストと共に早めに仕掛けて、全力でもがいたんだ。
総合9位にアップしたジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)
今日のスタートは信じられないくらいスピードが速く、かつ登り坂もあってハードだった。逃げるつもりはなかったけれど、集団の前方で位置取りをしていた時に、突然集団が割れてしまったんだ。僕が入った集団内には総合順位を争っているシカールがいたから、暫くの間は何が起こるか見るために逃げ集団内にとどまった。
最後の山岳ではアタックが頻発し、その中でもオリヴェイラは賢くて速かった。下りで先行した彼との差を縮めるためにニキ(・テルプストラ)と追ったけれど、今日の彼はとても強く、ギャップを小さくするのは不可能に近かった。
フィニッシュではいい成績を残そうと思いスプリントをしようと思ったが、僕は周りを囲まれて加速することができず、これ以上の前でゴールすることはできなかった。ただ、総合成績でトップ10に入れたから、今日の成績には満足しているよ。逃げではエネルギーを消耗してしまったけれど、総合順位を上げたことで報われた。
これからのステージはとてもハードになるから、全力を出さなければならない。山頂フィニッシュのステージが3つもあるから、今の順位を守ることは簡単なことではないし、僕らは総合成績の変化を多く見ることになるだろう。ただ、僕は沢山の力を使ったうえでトップ10以内を勝ち取っている。強豪ライダーが揃うこの位置は譲らないつもりだ。
敢闘賞を獲得したパウェル・ポルヤンスキー(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
今日の結果には満足しているよ。身体も絞れていたと思うし、逃げグループが大きかったから、僕自身も何か仕掛けないとと思っていたんだ。もともとは逃げるつもりはなかったけれど、大きなグループが先行した時、集団の前方にいたから、逃げに乗ったチームとライダーを確認するために、監督の指示で逃げグループに合流した。合流した後は監督からそのまま逃げて、逃げ切りを目指すという指示が与えられたんだ。
ただ、これまでにないくらい身体が絞れていたから、少し残念に思うこともある。24人の逃げで勝つためにはスプリントで速くなければいけないが、僕はスプリンターではないので僕は最後の山岳で攻撃を仕掛けざるを得なかった。アタックした時は調子よく感じていたけれど、斜度が少しゆるく後ろのライダー達が協力しあいながら追ってきて、捕まってしまったんだ。
この動きで敢闘賞を獲得できたけど、僕はこれからもチャンスがあるなら挑戦してしていく。僕らの目的はラファル(・マイカ)をサポートすることにあり、これから非常に重要な日が続いていく。彼が日に日に良くなっていると感じているし、他のメンバーも僕のように調子よくなっていることを望むよ。
ロメン・シカールをサポートした新城幸也(ヨーロッパカー)
今日は絶対逃げると決めていたので実行できて良かった。24名の中での動きはそれぞれのチームの思惑があるが、オリヴェイラを誰も追わずにこのまま区間2位争いをするのなら、せっかくここまで逃げて後続集団とのタイム差を開いてきたので、それが無駄にならないように、前の1名を追うというより、後続とのタイム差を少しでも開いて、ロメンの総合を上げようと判断した。
結果的に自分はゴールスプリントに絡まなかったが、ロメンの総合がトップ10まで上がったので、この判断はチームも評価してくれている。このあと3日間は山頂ゴールが続くが脚の調子も日に日によくなっているので、自分に出来ることはしっかりとこなし、体調も上げて3週目に入りたい。明日はちょっとおとなしくしているかも。
選手コメントは各チーム公式サイト、ならびにTeamユキヤ通信より。
text:Yuya.Yamamoto、Gakuto.Fujiwara
photo:Unipublic, CorVos
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