2015/08/13(木) - 10:58
ベルギーのアルドーイェにフィニッシュするエネコ・ツアー第3ステージでトム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)がスプリント勝利。3年ぶりのUCIワールドツアーレース勝利をつかんだ。
ベルギー・アントワープ近郊のベーフェレンから西に向かい、アルドーイェでフィニッシュを迎えるエネコ・ツアー第3ステージ。フランドル地方を貫くステージだが、幹線道路を繋いでいくためフランドル名物の激坂は登場しない。ミュールやボスベルグなどの激坂は最終日の第7ステージまで温められている。
再びのフラットステージはエドワード・テウンス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)、フレデリック・フェヘレン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)、ダヴィ・ブシェー(フランス、FDJ)の3名によるエスケープで始まる。リーダージャージを着るジャスパー・アッセルマン(オランダ)を援護するように、オランダのUCIプロコンチネンタルチームのルームポット・オラニエが集団先頭に陣取った。
レース中盤には集団内でゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター)とヒューゴ・ホール(カナダ、AG2Rラモンディアール)が落車。ホールは再スタートを切ったものの、ツール・ド・ポローニュ総合優勝者ヨン・イサギーレの兄であるゴルカ・イサギーレは救急車で病院へと搬送された。チームの発表によるとイサギーレは脳震盪を負ったものの大事には至っていない。
刻々とメイン集団とのタイム差が縮まる中、残り25kmから始まる3連続スプリントポイントで逃げグループは分裂。ベルギーのUCIプロコンチネンタルチームに所属するベルギー人選手2名がスプリントを繰り広げ、テウンスがポイントとボーナスタイムを連取した。
フィニッシュまで20kmを残して逃げが吸収されると間髪入れずにネイサン・ハース(オーストラリア、キャノンデール・ガーミン)がカウンターアタック。しかし第1ステージの敢闘賞ハースも集団に引き戻され、スプリンターチームが隊列を組んで集団先頭に上がった。
前日のスプリントを支配したロット・ソウダルがトレインを組んだものの、この日はジャイアント・アルペシンが積極的にリード。さらにエティックス・クイックステップが競り合いながら先頭に立ち、ニコラス・マース(ベルギー)がボーネンのために最終リードアウトを見せる。残り200mでマースの番手から発進したアルノー・デマール(フランス、FDJ)をボーネンやエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)が追い上げる展開。デマールのスプリントは伸びず、フィニッシュラインまで踏み抜いたボーネンが両手を挙げた。
第1ステージ11位、第2ステージ3位という成績を残していたボーネンが、ベルギーを走る第3ステージで勝った。「ここまでの2ステージはリードアウトが前に出るのが早すぎて、肝心なタイミングで人数を残せていなかった。今日はデマールを下すことができて良かった」と勝者は語る。今シーズンは5月28日のツアー・オブ・ベルギー第1ステージ(2.HC)と6月14日のルント・ウン・ケルン(1.1)に続く3勝目。最後のUCIワールドツアーレースの勝利は2012年のロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベまで遡らなければならない。
「このエネコツアーに向けてスプリントに特化したトレーニングを積んできた。自分はマキュアンやカヴェンディッシュ、フレイレのような爆発的に加速するタイプのスプリンターではなく、最後までスピードを落とさずにパワーで踏み続けるタイプ。自分のスプリントに自信を失ったことはないよ」と語るボーネンは「第5ステージと第7ステージで再び勝利を狙いたい」と宣言した。
ボーネンとタイム差1秒でアッセルマンがリーダージャージをキープ。翌日の第4ステージ・個人タイムトライアル(14km)で総合成績にシャッフルが掛かる。
選手コメントはレース公式サイトより。
エネコ・ツアー2015第3ステージ結果
1位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) 3h54’25”
2位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
4位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
5位 ディラン・フルーネヴェーフェン(オランダ、ルームポット・オラニエ)
6位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
7位 リュトガー・ゼーリッヒ(ドイツ、カチューシャ)
8位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
9位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
10位 ロイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
個人総合成績
1位 ジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ) 12h13’20”
2位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) +01”
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
4位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) +05”
5位 エドワード・テウンス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン) +06”
6位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング) +09”
7位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
8位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、カチューシャ)
9位 ハイス・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
10位 フレデリック・フェヘレン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
チーム総合成績
ロット・ソウダル
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ベルギー・アントワープ近郊のベーフェレンから西に向かい、アルドーイェでフィニッシュを迎えるエネコ・ツアー第3ステージ。フランドル地方を貫くステージだが、幹線道路を繋いでいくためフランドル名物の激坂は登場しない。ミュールやボスベルグなどの激坂は最終日の第7ステージまで温められている。
再びのフラットステージはエドワード・テウンス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)、フレデリック・フェヘレン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)、ダヴィ・ブシェー(フランス、FDJ)の3名によるエスケープで始まる。リーダージャージを着るジャスパー・アッセルマン(オランダ)を援護するように、オランダのUCIプロコンチネンタルチームのルームポット・オラニエが集団先頭に陣取った。
レース中盤には集団内でゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター)とヒューゴ・ホール(カナダ、AG2Rラモンディアール)が落車。ホールは再スタートを切ったものの、ツール・ド・ポローニュ総合優勝者ヨン・イサギーレの兄であるゴルカ・イサギーレは救急車で病院へと搬送された。チームの発表によるとイサギーレは脳震盪を負ったものの大事には至っていない。
刻々とメイン集団とのタイム差が縮まる中、残り25kmから始まる3連続スプリントポイントで逃げグループは分裂。ベルギーのUCIプロコンチネンタルチームに所属するベルギー人選手2名がスプリントを繰り広げ、テウンスがポイントとボーナスタイムを連取した。
フィニッシュまで20kmを残して逃げが吸収されると間髪入れずにネイサン・ハース(オーストラリア、キャノンデール・ガーミン)がカウンターアタック。しかし第1ステージの敢闘賞ハースも集団に引き戻され、スプリンターチームが隊列を組んで集団先頭に上がった。
前日のスプリントを支配したロット・ソウダルがトレインを組んだものの、この日はジャイアント・アルペシンが積極的にリード。さらにエティックス・クイックステップが競り合いながら先頭に立ち、ニコラス・マース(ベルギー)がボーネンのために最終リードアウトを見せる。残り200mでマースの番手から発進したアルノー・デマール(フランス、FDJ)をボーネンやエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)が追い上げる展開。デマールのスプリントは伸びず、フィニッシュラインまで踏み抜いたボーネンが両手を挙げた。
第1ステージ11位、第2ステージ3位という成績を残していたボーネンが、ベルギーを走る第3ステージで勝った。「ここまでの2ステージはリードアウトが前に出るのが早すぎて、肝心なタイミングで人数を残せていなかった。今日はデマールを下すことができて良かった」と勝者は語る。今シーズンは5月28日のツアー・オブ・ベルギー第1ステージ(2.HC)と6月14日のルント・ウン・ケルン(1.1)に続く3勝目。最後のUCIワールドツアーレースの勝利は2012年のロンド・ファン・フラーンデレンとパリ〜ルーベまで遡らなければならない。
「このエネコツアーに向けてスプリントに特化したトレーニングを積んできた。自分はマキュアンやカヴェンディッシュ、フレイレのような爆発的に加速するタイプのスプリンターではなく、最後までスピードを落とさずにパワーで踏み続けるタイプ。自分のスプリントに自信を失ったことはないよ」と語るボーネンは「第5ステージと第7ステージで再び勝利を狙いたい」と宣言した。
ボーネンとタイム差1秒でアッセルマンがリーダージャージをキープ。翌日の第4ステージ・個人タイムトライアル(14km)で総合成績にシャッフルが掛かる。
選手コメントはレース公式サイトより。
エネコ・ツアー2015第3ステージ結果
1位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) 3h54’25”
2位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
4位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
5位 ディラン・フルーネヴェーフェン(オランダ、ルームポット・オラニエ)
6位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
7位 リュトガー・ゼーリッヒ(ドイツ、カチューシャ)
8位 サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)
9位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
10位 ロイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
個人総合成績
1位 ジャスパー・アッセルマン(オランダ、ルームポット・オラニエ) 12h13’20”
2位 トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) +01”
3位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
4位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) +05”
5位 エドワード・テウンス(ベルギー、トップスポートフラーンデレン) +06”
6位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング) +09”
7位 アルノー・デマール(フランス、FDJ)
8位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、カチューシャ)
9位 ハイス・ファンヘッケ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
10位 フレデリック・フェヘレン(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
チーム総合成績
ロット・ソウダル
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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