2015/08/08(土) - 15:35
8月1日、3日に開催された DOWNIHLL SERIES #3 ウイングヒルズ白鳥リゾート。井本はじめ選手がコースディレクターを務める国内屈指のハードコースを制したのは、九州の星である浦上太郎選手(Transition Airlines/Cle)だった。
国内最高峰のダウンヒルトラックとして、また、レンタルバイクでも楽しめる初心者向けフィールドとしてのコースリニューアルを行うにあたり、国内トップライダーである井本はじめ選手(SRAM/LITEC)を起用した今会場。「上級コースという名に恥じないテクニカルなコースをお届けしたい」と、手を入れたコースが今回の舞台となった。
スタートは、昨年までのジャパンシリーズ参加者にはおなじみのゴンドラから少し下った丘の上。コースディレクターである井本のコンセプトは、「リズム良く、まっすぐに、気持ち良いダウンヒル」。その言葉の通り、スタート直後からいきなり高速セクションが始まる。名物のシングルトラックは、よりシンプルにレイアウトされた。轍は深く、急斜面。ブレーキングに気を使う、国内屈指のシングルをシンプルに区切ることにより、あらゆるレベルのライダーが挑戦することを考えられたレイアウトとなっている。
ゲレンデ中腹に位置するレストラン「ルック」の下を通過し、オープンなゲレンデセクションへと抜け
たゲレンデには今回優勝した浦上太郎選手(Transition Airlines/Cleat)、井本選手、そしてエリートクラスエントリーの下垣大樹選手(Lapierre)らによってつくられたパークのような人工のバンクとジャンプが用意され、最後は急斜面を走り抜けてフィニッシュに飛び込むというコースレイアウトとなった。
昨年は雨のイメージの強かった DOWNHILL SERIES だが、今年は初戦から3戦続けての快晴。朝晩は高原らしく涼しいが、標高 1000m のメイン会場はジリジリと太陽が照りつけ、朝8時の時点で30度を超える暑さとなった。全エントリー65人のうち、タイムドセッションには 51 人が参加。
#2SRAMPARKで優勝候補の筆頭とされながらもパンクに終わった加藤将来選手(AKIFACTORY/ACCEL)が2分50秒571 のタイムを叩き出す。2位には浅野善亮(TEAM GIANT)、3位には浦上選手が入った。総合ランキングを見ると、4位にはSRAMPARK でプロライダー全員を下して10万円を持ち帰った高校2年生井岡佑介選手(HottSpin NUKUPROOF)、4位には下垣大樹選手(Lapierre)らエリートクラスの 2 人が続いた。
日曜日も快晴。コースの評判は抜群で、先月の全日本選手権で DH16 連覇に加え、XC でも優勝を飾りダブルタイトルを手にした末政実緒(SRAM/LITEC)も「こういうハードなコースが楽しい! もっと荒れてほしいくらい!」と楽しそうな笑顔を見せる。今回のレースには女子が 7 人もエントリー。今までで最多の人数であり、運営側としても嬉しい限り。一方で、エリート男子クラスでの優勝、そしてPROクラスへの挑戦権「下克上システム」を狙うライダーたちは黙々と試走を繰り返す。
今回、会場には来てくれたものの、ケガのためDNSとなったPROクラスライダー井手川直樹選手(AKIFACTORY/STRIDER)には、せっかくの機会とばかりにセッティングのアドバイスを受けた参加者もいたようだ。そういったトップライダーとの交流も、DOWNHILL SERIES が目指しているひとつの形である。
13時30分、本戦開始。ファーストタイマー男子では幸前憲治選手(K-Z-P)、スポーツ男子選手では長縄亮磨選手が優勝し、次回からのクラス昇格を決める。エキスパート男子では#2 SRAMPARKで初出場ながらスポーツクラスからの一発昇格を決めた14歳の山田淳一選手(Try-J TARGET)が2位に4秒近い差をつけて宣言通り優勝し、次戦からのエリート男子クラス昇格を果たした。
エリート女子は危なげなく貫禄ある走りで末政選手が優勝。レース後、「ダウンヒルサイコー!と思えるレースでした」と言いながら、総合順位で51人中11位につけるのはさすが。
続く、エリート男子クラスは、やはりどの会場でもピリピリ感が漂う。#1 十種ヶ峰 WOODPARK で優勝して以来の藤村飛丸選手(BlankyDog/MADDY CHOCOLATE)、「タイムドセッションではやらかしちゃったので……」と試走を繰り返した東京から参戦の金子匠選手(Team Yellow 小川輪業)、実力は十分ながらなかなか優勝に手が届かない下垣大樹選手(Lapierre)、そして前戦優勝の井岡佑介選手など毎度強豪ひしめく混戦のクラスである。
結果、レース後に「自分らしい走りができました!」と話した井岡佑介選手が明らかに速いスピードでフィニッシュに飛び込んで優勝。2 位に4秒の差をつけ、前戦から 2戦続けての「下克上」挑戦権を得た。
まず、エリート男子優勝者・井岡選手がスタートする。エリート優勝を決めた自身のタイムを0.5秒ほど縮めて2分49秒台でフィニッシュ。土曜日のタイムドセッションの結果では、総合1位のタイムである。しかし、2戦続けて「下克上」を成功させるわけにはいかないPROライダーたち。井岡のタイムに会場が驚きの声を上げていると、第3走者、浦上選手が46秒台というタイムを叩き出し、会場は拍手と歓声に包まれる。
これで、一番高いところに立たせることはなくなった。続く浅野選手も47秒台、そして「あと5秒は縮めます」と自信満々の表情でスタートへ上がっていったタイムドセッション1位で最終走者の加藤選手は残念ながら木に激突してワンストップながらも 49秒台。
こうして、この3人のワン、ツー、スリーが決まり、ひとまずプロライダーとしての意地を見せつけた結果となった。レース後、浦上選手は「今回のコースは井本はじめ選手と造成に携わっていたので、勝つしかないと思っていました。自分の作ったコースで勝つというのは気持ちいい。勝てて良かったです。」と浦上選手らしい笑顔で話した。
九州の星、浦上太郎選手。DOWNHILL SERIES 初優勝。表彰式後、誰からも愛されるキャラクターの浦上選手の周りには人が絶えなかった。次戦、#4 は8/15-16に福井和泉 MTB PARK(福井県)にて行われる。
report:DOWNHILL SERIES
photo:DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA
国内最高峰のダウンヒルトラックとして、また、レンタルバイクでも楽しめる初心者向けフィールドとしてのコースリニューアルを行うにあたり、国内トップライダーである井本はじめ選手(SRAM/LITEC)を起用した今会場。「上級コースという名に恥じないテクニカルなコースをお届けしたい」と、手を入れたコースが今回の舞台となった。
スタートは、昨年までのジャパンシリーズ参加者にはおなじみのゴンドラから少し下った丘の上。コースディレクターである井本のコンセプトは、「リズム良く、まっすぐに、気持ち良いダウンヒル」。その言葉の通り、スタート直後からいきなり高速セクションが始まる。名物のシングルトラックは、よりシンプルにレイアウトされた。轍は深く、急斜面。ブレーキングに気を使う、国内屈指のシングルをシンプルに区切ることにより、あらゆるレベルのライダーが挑戦することを考えられたレイアウトとなっている。
ゲレンデ中腹に位置するレストラン「ルック」の下を通過し、オープンなゲレンデセクションへと抜け
たゲレンデには今回優勝した浦上太郎選手(Transition Airlines/Cleat)、井本選手、そしてエリートクラスエントリーの下垣大樹選手(Lapierre)らによってつくられたパークのような人工のバンクとジャンプが用意され、最後は急斜面を走り抜けてフィニッシュに飛び込むというコースレイアウトとなった。
昨年は雨のイメージの強かった DOWNHILL SERIES だが、今年は初戦から3戦続けての快晴。朝晩は高原らしく涼しいが、標高 1000m のメイン会場はジリジリと太陽が照りつけ、朝8時の時点で30度を超える暑さとなった。全エントリー65人のうち、タイムドセッションには 51 人が参加。
#2SRAMPARKで優勝候補の筆頭とされながらもパンクに終わった加藤将来選手(AKIFACTORY/ACCEL)が2分50秒571 のタイムを叩き出す。2位には浅野善亮(TEAM GIANT)、3位には浦上選手が入った。総合ランキングを見ると、4位にはSRAMPARK でプロライダー全員を下して10万円を持ち帰った高校2年生井岡佑介選手(HottSpin NUKUPROOF)、4位には下垣大樹選手(Lapierre)らエリートクラスの 2 人が続いた。
日曜日も快晴。コースの評判は抜群で、先月の全日本選手権で DH16 連覇に加え、XC でも優勝を飾りダブルタイトルを手にした末政実緒(SRAM/LITEC)も「こういうハードなコースが楽しい! もっと荒れてほしいくらい!」と楽しそうな笑顔を見せる。今回のレースには女子が 7 人もエントリー。今までで最多の人数であり、運営側としても嬉しい限り。一方で、エリート男子クラスでの優勝、そしてPROクラスへの挑戦権「下克上システム」を狙うライダーたちは黙々と試走を繰り返す。
今回、会場には来てくれたものの、ケガのためDNSとなったPROクラスライダー井手川直樹選手(AKIFACTORY/STRIDER)には、せっかくの機会とばかりにセッティングのアドバイスを受けた参加者もいたようだ。そういったトップライダーとの交流も、DOWNHILL SERIES が目指しているひとつの形である。
13時30分、本戦開始。ファーストタイマー男子では幸前憲治選手(K-Z-P)、スポーツ男子選手では長縄亮磨選手が優勝し、次回からのクラス昇格を決める。エキスパート男子では#2 SRAMPARKで初出場ながらスポーツクラスからの一発昇格を決めた14歳の山田淳一選手(Try-J TARGET)が2位に4秒近い差をつけて宣言通り優勝し、次戦からのエリート男子クラス昇格を果たした。
エリート女子は危なげなく貫禄ある走りで末政選手が優勝。レース後、「ダウンヒルサイコー!と思えるレースでした」と言いながら、総合順位で51人中11位につけるのはさすが。
続く、エリート男子クラスは、やはりどの会場でもピリピリ感が漂う。#1 十種ヶ峰 WOODPARK で優勝して以来の藤村飛丸選手(BlankyDog/MADDY CHOCOLATE)、「タイムドセッションではやらかしちゃったので……」と試走を繰り返した東京から参戦の金子匠選手(Team Yellow 小川輪業)、実力は十分ながらなかなか優勝に手が届かない下垣大樹選手(Lapierre)、そして前戦優勝の井岡佑介選手など毎度強豪ひしめく混戦のクラスである。
結果、レース後に「自分らしい走りができました!」と話した井岡佑介選手が明らかに速いスピードでフィニッシュに飛び込んで優勝。2 位に4秒の差をつけ、前戦から 2戦続けての「下克上」挑戦権を得た。
まず、エリート男子優勝者・井岡選手がスタートする。エリート優勝を決めた自身のタイムを0.5秒ほど縮めて2分49秒台でフィニッシュ。土曜日のタイムドセッションの結果では、総合1位のタイムである。しかし、2戦続けて「下克上」を成功させるわけにはいかないPROライダーたち。井岡のタイムに会場が驚きの声を上げていると、第3走者、浦上選手が46秒台というタイムを叩き出し、会場は拍手と歓声に包まれる。
これで、一番高いところに立たせることはなくなった。続く浅野選手も47秒台、そして「あと5秒は縮めます」と自信満々の表情でスタートへ上がっていったタイムドセッション1位で最終走者の加藤選手は残念ながら木に激突してワンストップながらも 49秒台。
こうして、この3人のワン、ツー、スリーが決まり、ひとまずプロライダーとしての意地を見せつけた結果となった。レース後、浦上選手は「今回のコースは井本はじめ選手と造成に携わっていたので、勝つしかないと思っていました。自分の作ったコースで勝つというのは気持ちいい。勝てて良かったです。」と浦上選手らしい笑顔で話した。
九州の星、浦上太郎選手。DOWNHILL SERIES 初優勝。表彰式後、誰からも愛されるキャラクターの浦上選手の周りには人が絶えなかった。次戦、#4 は8/15-16に福井和泉 MTB PARK(福井県)にて行われる。
report:DOWNHILL SERIES
photo:DOWNHILL SERIES/Hiroyuki NAKAGAWA
Amazon.co.jp
シュライヒ ファームワールド 白鳥の親子 フィギュア 13718
シュライヒ(Schleich)