2015/06/22(月) - 11:10
ここ数年続く女子エリートTTの2強対決は、今年も再び。「アジア選TT代表に選ばれなかったことが悔しかった」という與那嶺恵理が、アジア選銀メダルの萩原麻由子を破り2年ぶり2度目の優勝。ジュニアは破竹の勢いで快進撃を続ける梶原悠未が2連覇を達成した。
6月22日(日)に開催された全日本選手権個人タイムトライアル。20名がエントリーした女子エリートは、その他カテゴリーと同じ12.4kmのコースを2周する24.8kmで争われた。この日は不安定な天候であったものの、女子エリートの競技中は雨に見舞われることはなく、前日の雨によって濡れていた路面も概ねドライコンディションとなった。
女子エリートにおいて大きな注目を集めるのが與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)と萩原麻由子(Wiggle Honda)の2強対決だ。昨年よりも明らかに絞れた身体と、ずっと洗練されたライディングフォームで、先ずマージンを稼いだのは與那嶺。スタートから5km過ぎの地点の折り返し地点で萩原に対して10秒の差をつけることに成功する。
與那嶺は1周目を終える直前で早くも1分前にスタートした前走の金子広美(イナーメ信濃山形)をパス。萩原とのタイム差はコース内に2つ設けられた計測地点ごとに10秒強ずつ拡大してゆく。
1周目とほぼ遜色ないタイムで2周目をこなした與那嶺のタイムは34分50秒73。平均時速は42.70km/hにも達した。一方で1周目よりも大幅にラップタイムを落とした萩原は與那嶺に対して58秒差でフィニッシュ。與那嶺が2年ぶり2度目となる優勝を飾り、女王の座を奪還した。
與那嶺は「昨年の世界選手権では14位という、自分としては満足行く成績を出したのにも関わらず、アジア選手権のTT代表に選ばれず、悔しい気持ちを引きずってきました。ただ、今日は一緒に走ってもらえる(武井)コーチ、機材面をサポートしてくれるフォルツァの皆さん、ずっと応援してくれる皆さんに感謝しながら走りました」とコメント。
今後のTTにおける目標については「世界選手権で10位以内に入ると国別のリオデジャネイロ五輪のTT出場枠がもえるというUCIの発表がありました。ただ、その枠を取った選手が必ずしも選ばれるわけではないという話をJCFの方からもらっています。それでも今年の世界選TTは10位以内、表彰台を目指して、そしてリオの枠を取りに行くつもり。今回のパワーデータは自分の目標には届かなかったので、もっと強くなって、ノードラッグでクリーンに戦っていきます」と語った。
昨年は圧巻の走りを見せ、今年も優勝候補の筆頭とされていた萩原だが、今シーズンここまで数多くのレースをこなしてきたために疲労が溜まっているのか、すらっとした手脚から繰り出される軽快なペダリングは影を潜めた。レース後自身のFacebookページにて「体調は良いと感じていたものの、実際に走り始めると自分のペースを掴み切れず、終始非常に苦しく、まるでからもがきをしているようなレースになってしまった」とコメント。次週のロードレースまでにどの程度コンディションを取り戻せるかに注目が集まる。
残る表彰台の一枠を獲得したのは金子広美(イナーメ信濃山形)。平坦が大多数を占めることから他のライダーの多くがTTバイク若しくはエアロ系ロードバイクを駆る中にあって、敢えてノーマルバイクにエアロハンドルとスポークタイプのエアロホイールという組み合わせで出走。得意の登りを活かすバイクセットアップで平均時速40km/hを上回って見せた。
1周12.4kmで争われた女子ジュニアは昨年の同大会覇者であり、2月のアジア選手権では金メダルを獲得している梶原悠未(筑波大付属坂戸高)が優勝し、連覇を達成。「いつも序盤でペースを上げすぎてしまうので、今日は抑え気味に行きましたが、タイムがいまいちでした。これからは自分の走りを作っていける様にもっと練習していきたいです。でも、一先ずジュニア最後の全日本TTを獲ることが出来てよかった。世界選代表に選ばれた際にはジュニアの集大成として結果を残せる様に頑張りたいです」とコメントした。2位には細谷夢菜(浦和工高)が入っており、こちらも昨年に継ぐ女子U17連覇達成している。
全日本選手権個人タイムトライアル2015女子結果
女子エリート 24.8km
女子ジュニア 12.4km
女子U17 12.4km
text&photo:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
6月22日(日)に開催された全日本選手権個人タイムトライアル。20名がエントリーした女子エリートは、その他カテゴリーと同じ12.4kmのコースを2周する24.8kmで争われた。この日は不安定な天候であったものの、女子エリートの競技中は雨に見舞われることはなく、前日の雨によって濡れていた路面も概ねドライコンディションとなった。
女子エリートにおいて大きな注目を集めるのが與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)と萩原麻由子(Wiggle Honda)の2強対決だ。昨年よりも明らかに絞れた身体と、ずっと洗練されたライディングフォームで、先ずマージンを稼いだのは與那嶺。スタートから5km過ぎの地点の折り返し地点で萩原に対して10秒の差をつけることに成功する。
與那嶺は1周目を終える直前で早くも1分前にスタートした前走の金子広美(イナーメ信濃山形)をパス。萩原とのタイム差はコース内に2つ設けられた計測地点ごとに10秒強ずつ拡大してゆく。
1周目とほぼ遜色ないタイムで2周目をこなした與那嶺のタイムは34分50秒73。平均時速は42.70km/hにも達した。一方で1周目よりも大幅にラップタイムを落とした萩原は與那嶺に対して58秒差でフィニッシュ。與那嶺が2年ぶり2度目となる優勝を飾り、女王の座を奪還した。
與那嶺は「昨年の世界選手権では14位という、自分としては満足行く成績を出したのにも関わらず、アジア選手権のTT代表に選ばれず、悔しい気持ちを引きずってきました。ただ、今日は一緒に走ってもらえる(武井)コーチ、機材面をサポートしてくれるフォルツァの皆さん、ずっと応援してくれる皆さんに感謝しながら走りました」とコメント。
今後のTTにおける目標については「世界選手権で10位以内に入ると国別のリオデジャネイロ五輪のTT出場枠がもえるというUCIの発表がありました。ただ、その枠を取った選手が必ずしも選ばれるわけではないという話をJCFの方からもらっています。それでも今年の世界選TTは10位以内、表彰台を目指して、そしてリオの枠を取りに行くつもり。今回のパワーデータは自分の目標には届かなかったので、もっと強くなって、ノードラッグでクリーンに戦っていきます」と語った。
昨年は圧巻の走りを見せ、今年も優勝候補の筆頭とされていた萩原だが、今シーズンここまで数多くのレースをこなしてきたために疲労が溜まっているのか、すらっとした手脚から繰り出される軽快なペダリングは影を潜めた。レース後自身のFacebookページにて「体調は良いと感じていたものの、実際に走り始めると自分のペースを掴み切れず、終始非常に苦しく、まるでからもがきをしているようなレースになってしまった」とコメント。次週のロードレースまでにどの程度コンディションを取り戻せるかに注目が集まる。
残る表彰台の一枠を獲得したのは金子広美(イナーメ信濃山形)。平坦が大多数を占めることから他のライダーの多くがTTバイク若しくはエアロ系ロードバイクを駆る中にあって、敢えてノーマルバイクにエアロハンドルとスポークタイプのエアロホイールという組み合わせで出走。得意の登りを活かすバイクセットアップで平均時速40km/hを上回って見せた。
1周12.4kmで争われた女子ジュニアは昨年の同大会覇者であり、2月のアジア選手権では金メダルを獲得している梶原悠未(筑波大付属坂戸高)が優勝し、連覇を達成。「いつも序盤でペースを上げすぎてしまうので、今日は抑え気味に行きましたが、タイムがいまいちでした。これからは自分の走りを作っていける様にもっと練習していきたいです。でも、一先ずジュニア最後の全日本TTを獲ることが出来てよかった。世界選代表に選ばれた際にはジュニアの集大成として結果を残せる様に頑張りたいです」とコメントした。2位には細谷夢菜(浦和工高)が入っており、こちらも昨年に継ぐ女子U17連覇達成している。
全日本選手権個人タイムトライアル2015女子結果
女子エリート 24.8km
1位 與那嶺恵理(サクソバンクFX証券)
2位 萩原麻由子(Wiggle HONDA)
3位 金子広美(イナーメ信濃山形)
4位 牧瀬翼(ASAHI MUUR ZERO)
5位 小島蓉子(日本体育大学)
2位 萩原麻由子(Wiggle HONDA)
3位 金子広美(イナーメ信濃山形)
4位 牧瀬翼(ASAHI MUUR ZERO)
5位 小島蓉子(日本体育大学)
34分50秒73
35分49秒35
37分06秒55
38分32秒04
39分08秒50
35分49秒35
37分06秒55
38分32秒04
39分08秒50
女子ジュニア 12.4km
1位 梶原悠未(筑波大付属坂戸高)
2位 細谷夢菜(浦和工高)
3位 元砂水咲美(榛生昇陽高校)
2位 細谷夢菜(浦和工高)
3位 元砂水咲美(榛生昇陽高校)
18分50秒25
19分15秒14
20分13秒98
19分15秒14
20分13秒98
女子U17 12.4km
1位 細谷夢菜(浦和工高)
19分15秒14
text&photo:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
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