2015/06/13(土) - 12:50
カヴェンディッシュ、クリストフ、サガン、デゲンコルブといったトップスプリンターが顔を揃える第79回ツール・ド・スイスが6月13日にスイスで開幕。「第4のグランツール」と呼ばれる歴史ある大会の見どころをチェックしておこう。
同時期開催のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと並んで、ツール・ド・フランスの重要な前哨戦として知られるツール・ド・スイス。7月のツールを狙うオールラウンダーやスプリンターたちがスイスに集結する。
その歴史は古く、第1回大会が開催されたのは今から82年前の1933年。ドーフィネよりも14年歴史が長く、今年で開催79回目を迎える。全9ステージで、歴史だけではなく開催期間もドーフィネよりも長い。かつては2週間にわたってで行なわれていたことから「第4のグランツール」とも呼ばれていた。例年ツールに向けて最終調整段階のスプリンターたちはドーフィネではなくこのスイスに集中しがちだ。
初日の5.1km個人タイムトライアル(プロローグ)で早速スプリンターたちが力を見せるはず。しかし彼らの総合リーダージャージ着用は1日に限定される。第2ステージは4つのカテゴリー山岳が詰め込まれた山岳ステージであり、後半にかけて1級山岳ミハエルスクロイツ(3.8km/9.4%)を2回通過。しかも2回目の通過は残り12.7km地点であり、フィニッシュ地点でリーダージャージはオールラウンダーの手に渡るだろう。
今大会最短117.3kmの第3ステージには標高2093mの超級山岳ゴッタルド峠(12.8km/7.1%)が登場。中盤にかけて長い平坦区間が設定されているためスプリンターにもチャンスがあるが、勝負に絡むためには終盤の2級山岳と3級山岳をこなさなければならない。
大会5日目には隣国オーストリアの山岳地帯を走るクイーンステージが登場。今大会最長237.3kmコースであり、中盤にかけてまずは標高2036mの超級山岳ビーラヘーエ峠(13.3km/6.8%)をクリア。最後は標高2669mの超級山岳ゼルデン・レッテンバッハ氷河(10.9km/10.7%)を駆け上がってフィニッシュを迎える。
スプリンター向きの第6ステージと第7ステージ、そして3級山岳を残り2.5km地点で越える第8ステージを経て、最終日はベルンの38.4km個人タイムトライアル。ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)の地元でレースはフィナーレを迎える。
ツール・ド・スイス2015ステージリスト
6月13日(土)第1ステージ リッシュ〜リッシュ 5.1km(個人TT)
6月14日(日)第2ステージ リッシュ〜リッシュ 161.1km
6月15日(月)第3ステージ クイント〜オリヴォネ 117.3km
6月16日(火)第4ステージ フリムスラークスファレーラ〜シュヴァルツェンバッハ 193.2km
6月17日(水)第5ステージ フルームサーベルク〜ゼルデン・レッテンバッハ氷河 193.1km
6月18日(木)第6ステージ ヴィル〜ビール 237.3km
6月19日(金)第7ステージ ビール〜デューディンゲン 152.5km
6月20日(土)第8ステージ ベルン〜ベルン 164.6km
6月21日(日)第9ステージ ベルン〜ベルン 38.4km(個人TT)
オールラウンダーの他、トップスプリンター大集合
2012年から大会3連覇中のルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)はドーフィネ出場のためスイスを欠場。黄色いリーダージャージを懸けて争うオールラウンダーとして、昨年ツール総合3位のティボー・ピノ(フランス、FDJ)やヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)、ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)、ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)らの名前が挙がる。
チームスカイはセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)とゲラント・トーマス(イギリス)のダブルエース体制。ジロ・デ・イタリアと同様にロット・ソウダルはユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー)とマキシム・モンフォール(ベルギー)を揃えての出場だ。カンチェラーラの出場で注目を集めるトレックファクトリーレーシングはジュリアン・アレドンド(コロンビア)とフランク・シュレク(ルクセンブルク)を揃える。
昨年ツール山岳賞のラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)、ツアー・オブ・ターキーを制したクリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)、43歳のダヴィデ・レベッリン(イタリア)、CCCスプランディポルコウィチェ)、そしてジロでの落車から復活したドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)もスタートラインに並ぶ。地元スイス勢としては、ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)やマルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)らが高いモチベーションで挑むはずだ。
ツールを前に注目したいのは、シーズン前半に大活躍したアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)の調整具合だ。リードアウト要員としてマルコ・ハラー(オーストリア)とジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)を揃える必勝体制。クリストフは5月に地元で開催されたツアー・オブ・ノルウェーでステージ2勝、ツール・ド・フィヨルドでステージ3勝を飾っている。
相棒マーク・レンショー(オーストラリア)とともに出場するマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)や、パリ〜ルーベ覇者のジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)、アルノー・デマール(フランス、FDJ)、ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)らが対抗馬として好調スプリンターに立ち向かう。
ピュアスプリンターが苦戦する登りを含むステージではジロでステージ2勝を飾ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、そしてツアー・オブ・カリフォルニアを制したペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)らにチャンスが回ってくるだろう。
text:Kei Tsuji
同時期開催のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと並んで、ツール・ド・フランスの重要な前哨戦として知られるツール・ド・スイス。7月のツールを狙うオールラウンダーやスプリンターたちがスイスに集結する。
その歴史は古く、第1回大会が開催されたのは今から82年前の1933年。ドーフィネよりも14年歴史が長く、今年で開催79回目を迎える。全9ステージで、歴史だけではなく開催期間もドーフィネよりも長い。かつては2週間にわたってで行なわれていたことから「第4のグランツール」とも呼ばれていた。例年ツールに向けて最終調整段階のスプリンターたちはドーフィネではなくこのスイスに集中しがちだ。
初日の5.1km個人タイムトライアル(プロローグ)で早速スプリンターたちが力を見せるはず。しかし彼らの総合リーダージャージ着用は1日に限定される。第2ステージは4つのカテゴリー山岳が詰め込まれた山岳ステージであり、後半にかけて1級山岳ミハエルスクロイツ(3.8km/9.4%)を2回通過。しかも2回目の通過は残り12.7km地点であり、フィニッシュ地点でリーダージャージはオールラウンダーの手に渡るだろう。
今大会最短117.3kmの第3ステージには標高2093mの超級山岳ゴッタルド峠(12.8km/7.1%)が登場。中盤にかけて長い平坦区間が設定されているためスプリンターにもチャンスがあるが、勝負に絡むためには終盤の2級山岳と3級山岳をこなさなければならない。
大会5日目には隣国オーストリアの山岳地帯を走るクイーンステージが登場。今大会最長237.3kmコースであり、中盤にかけてまずは標高2036mの超級山岳ビーラヘーエ峠(13.3km/6.8%)をクリア。最後は標高2669mの超級山岳ゼルデン・レッテンバッハ氷河(10.9km/10.7%)を駆け上がってフィニッシュを迎える。
スプリンター向きの第6ステージと第7ステージ、そして3級山岳を残り2.5km地点で越える第8ステージを経て、最終日はベルンの38.4km個人タイムトライアル。ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)の地元でレースはフィナーレを迎える。
ツール・ド・スイス2015ステージリスト
6月13日(土)第1ステージ リッシュ〜リッシュ 5.1km(個人TT)
6月14日(日)第2ステージ リッシュ〜リッシュ 161.1km
6月15日(月)第3ステージ クイント〜オリヴォネ 117.3km
6月16日(火)第4ステージ フリムスラークスファレーラ〜シュヴァルツェンバッハ 193.2km
6月17日(水)第5ステージ フルームサーベルク〜ゼルデン・レッテンバッハ氷河 193.1km
6月18日(木)第6ステージ ヴィル〜ビール 237.3km
6月19日(金)第7ステージ ビール〜デューディンゲン 152.5km
6月20日(土)第8ステージ ベルン〜ベルン 164.6km
6月21日(日)第9ステージ ベルン〜ベルン 38.4km(個人TT)
オールラウンダーの他、トップスプリンター大集合
2012年から大会3連覇中のルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)はドーフィネ出場のためスイスを欠場。黄色いリーダージャージを懸けて争うオールラウンダーとして、昨年ツール総合3位のティボー・ピノ(フランス、FDJ)やヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ)、ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)、ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)らの名前が挙がる。
チームスカイはセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア)とゲラント・トーマス(イギリス)のダブルエース体制。ジロ・デ・イタリアと同様にロット・ソウダルはユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー)とマキシム・モンフォール(ベルギー)を揃えての出場だ。カンチェラーラの出場で注目を集めるトレックファクトリーレーシングはジュリアン・アレドンド(コロンビア)とフランク・シュレク(ルクセンブルク)を揃える。
昨年ツール山岳賞のラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)、ツアー・オブ・ターキーを制したクリスチャン・デュラセック(クロアチア、ランプレ・メリダ)、43歳のダヴィデ・レベッリン(イタリア)、CCCスプランディポルコウィチェ)、そしてジロでの落車から復活したドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)もスタートラインに並ぶ。地元スイス勢としては、ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)やマルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)らが高いモチベーションで挑むはずだ。
ツールを前に注目したいのは、シーズン前半に大活躍したアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)の調整具合だ。リードアウト要員としてマルコ・ハラー(オーストリア)とジャコポ・グアルニエーリ(イタリア)を揃える必勝体制。クリストフは5月に地元で開催されたツアー・オブ・ノルウェーでステージ2勝、ツール・ド・フィヨルドでステージ3勝を飾っている。
相棒マーク・レンショー(オーストラリア)とともに出場するマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)や、パリ〜ルーベ覇者のジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)、アルノー・デマール(フランス、FDJ)、ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)らが対抗馬として好調スプリンターに立ち向かう。
ピュアスプリンターが苦戦する登りを含むステージではジロでステージ2勝を飾ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、そしてツアー・オブ・カリフォルニアを制したペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)らにチャンスが回ってくるだろう。
text:Kei Tsuji
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