2015/05/25(月) - 13:57
ドロミテ初戦はコンタドール対アルの構図に。牽制し合う総合勢を引き離してステージ優勝を遂げたミケル・ランダや、積極的にアタックをしかけたユーリ・トロフィモフらのコメントを紹介します。
ステージ優勝を果たしたミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
ステージ優勝を果たしたミケル・ランダ(スペイン、アスタナ) (c)RCSsport
牽制するコンタドールとアルを置き去りにするミケル・ランダ(スペイン、アスタナ) (c)CorVos
ステージ優勝を挙げたミケル・ランダ(スペイン、アスタナ) photo:CorVosステージに勝ちたかったし、その目標を達成することで気が楽になったよ。僕か、アルのどちらかが逃げている状況でコンタドールに攻撃を仕掛けるというのが、今日のチームがたてた戦略だった。最後のスプリントでは僕が少し強かったんだと思う。できればこのレベルでずっと乗り続けられればいいね。
僕らはアルの総合優勝を狙ってこのジロにやってきた。まだまだ、多くのステージが残っているし、ここ数日でアルも調子が戻ってきている。明日は休息日だし、最終週で何が出来るかを話し合うつもりさ。
減量したことが今回のジロでのパフォーマンスにつながったわけではない。ジロには最高の状態で臨んできたんだ。2週目を終えた今も調子は良いけれど、コンタドールに対しては5分のビハインドを背負っている。僕が彼に勝てないとは言いたくないけれど、現実的に考えると不可能だといってもいいだろう。
それよりもアルの順位を守ることが容易だし、彼と一緒にコンタドールに挑む方が現実的だ。万が一アルが危機に陥ったらそれは僕の責任として受け止める用意がある。でも、アルはその若さに関わらず、強い選手だしすでに不運な日も乗り越えてきた。これからの山岳ステージ、脚の調子が良ければ全力で攻めていくつもりだよ。
最終盤にアタックを仕掛けたユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
終盤に仕掛けたユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)は2位。しかし総合順位を大きく上げた photo:CorVos昨日は非常に厳しいタイムトライアルだったが、全力で回復に努めて今日のステージに臨んだ。だから今日は絶好調だったんだ。最後2つの山岳はなかりハードだったが、今日の自分には終止先頭付近をキープできるだけの脚があった。最終盤にアスタナが振るい落としにかかった時も自分自身で前に残る選択ができた。そこからはかなり辛かったが、1kmを切ってから自分で動こうと思い、事がうまく運んだよ。彼らを驚かせるつもりでグループに追いつきざまにアタックを掛け、結果的に勝利には届かなかったが、ランダの動きをフォローできるだけの脚は残っていなかったんだ。しかし今日のレース運びには満足しているし、第3週がどうなるか、よく注意していきたい。
マリアローザをキープしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
親指を立ててゴールするアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:CorVos今日のようなステージでは誰もがステージ優勝を狙いたいと思うものだが、今日のレース状況はかなり複雑だった。登りの勾配がそこまでキツくなかったことがその大きな要因だったし、ランダの調子はとても良かった。まだまだフィニッシュまでは長いし、誰もが好調・不調を抱えるものだ。でも今日クリアーだったのは、ランダがアルよりも強かったこと。昨日も言ったように、自分の脚と相談しながら今後の動きを決めていきたい。
最終盤にアスタナの強さは際立ったし、ランダがアタックする事も分かっていた。状況をコントロールするのは難しかったが、アルの動きをよく観察できていたと思う。以前この山で勝ったパンターニは、小さな頃の自分に強くインスピレーションを与えてくれた選手。彼の走りを見て自分も真似しようと思ったんだ。
大きく遅れたリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
トップから8分遅れたリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) (c)RCSsport今日はスタートから調子良く感じていなかった。最初の山岳で先頭付近に残ることができず、パッソ・ダオーネで完全に遅れてしまった。追い込む事ができなかったし、呼吸もおかしかった。食らいつこうとベストを尽くしたものの、到底無理に近かったんだ。でもチームメイトが寄り添ってくれたおかげて助かった。
指折り数えてこのジロを待っていたのに、1週目から抱えていた気管支炎を完全に治す事ができなかった。数日間続いた雨で症状がぶり返してしまったし、落車も状況を悪くさせてしまった。今の時点で僕の望んでいた事は無理だ。今年のジロはコースと選手のレベルも非常に高く、3週目に総合を争うには100%のコンディションでなければならない。
総合7位につけるダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)
最後の登りで遅れてしまい、一人で登っていると、監督から無線で「行け、行け、行け、行け!!」と檄を飛ばされた。どうにかアルやコンタドールらからの遅れを最少限にするために頑張った。本格的な山岳ステージが始まる最終週は、総合トップ5の中に入るために走るつもりさ。
総合順位を上げたステフェン・クルイシュウィック(オランダ、ロットNLユンボ)
先頭で下りを攻めるステフェン・クルイシュウィック(オランダ、ロットNLユンボ) (c)CorVos
ステージ5位のステフェン・クルイシュウィック(オランダ、ロットNLユンボ) (c)CorVos昨日のタイムトライアルの結果は偶然ではなかったね。今日は凄く脚の調子が良かった。事前に下りに気を付けるようにチームディレクターから注意を受けていたから、集団先頭で下ることでライバルより優位に立てていた。
マドンナ・ディ・カンピーリオへの下りを終えると、アスタナの強力な牽引が始まったけど、これは予測できたね。タネル・カンゲルトが殺人的なペースで牽き始めると僕の後ろにいた多くの選手たちがあっというまに千切れていった。残り3km地点までは何とかついていけたんだけど、コンタドールがアタックしたのには対応できなかったね。
最終的には総合トップテン入りを目指したいし、この調子の良さが続けばそれは不可能ではないと思っているよ。でも、1日1日を大切にこなしていきたいね。最終周は最もキツいステージの連続になるし、エネルギーを使い果たしてしまうだろう。とりあえず、明日の休息日で脚を回復させたいね。
逃げに乗ったウベール・デュポン(フランス、AG2Rラモンディアール)
序盤のペースは非常に速く、40kmに渡って苦しめられた。登り始めでチャンスを見いだせたので自分でアタックすることにした。モンタグーティと一緒に逃げに乗れたことも良かったと思う。総合争いのメンバーが乗ったことでグループ内がぎくしゃくしてしまい、その後4名になったものの、まだ危険な選手がいた。結果的に逃げ切る事はできなかったが、複雑なここまでの2週間を自分自身で楽しめている。今日の走りにハッピーさ。
今日もアタック合戦に加わった別府史之(トレックファクトリーレーシング)
スタート前リラックスした表情の別府史之(トレックファクトリーレーシング) (c)www.fumy.jpスタートから逃げに乗るために積極的に動いたが、逃げることはできなかった。最初の山岳(2級)を超え、2つ目の山岳(1級)もまずまずの位置で登れた。序盤のアタック合戦に加わっていなければ、もう少し良い位置で登れたかもしれないが、いまそれは求められていない。必要なのは逃げるためにチャレンジすること!
※各コメントは現地取材、レース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
photo:CorVos
ステージ優勝を果たしたミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)
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僕らはアルの総合優勝を狙ってこのジロにやってきた。まだまだ、多くのステージが残っているし、ここ数日でアルも調子が戻ってきている。明日は休息日だし、最終週で何が出来るかを話し合うつもりさ。
減量したことが今回のジロでのパフォーマンスにつながったわけではない。ジロには最高の状態で臨んできたんだ。2週目を終えた今も調子は良いけれど、コンタドールに対しては5分のビハインドを背負っている。僕が彼に勝てないとは言いたくないけれど、現実的に考えると不可能だといってもいいだろう。
それよりもアルの順位を守ることが容易だし、彼と一緒にコンタドールに挑む方が現実的だ。万が一アルが危機に陥ったらそれは僕の責任として受け止める用意がある。でも、アルはその若さに関わらず、強い選手だしすでに不運な日も乗り越えてきた。これからの山岳ステージ、脚の調子が良ければ全力で攻めていくつもりだよ。
最終盤にアタックを仕掛けたユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
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マリアローザをキープしたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
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最終盤にアスタナの強さは際立ったし、ランダがアタックする事も分かっていた。状況をコントロールするのは難しかったが、アルの動きをよく観察できていたと思う。以前この山で勝ったパンターニは、小さな頃の自分に強くインスピレーションを与えてくれた選手。彼の走りを見て自分も真似しようと思ったんだ。
大きく遅れたリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
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指折り数えてこのジロを待っていたのに、1週目から抱えていた気管支炎を完全に治す事ができなかった。数日間続いた雨で症状がぶり返してしまったし、落車も状況を悪くさせてしまった。今の時点で僕の望んでいた事は無理だ。今年のジロはコースと選手のレベルも非常に高く、3週目に総合を争うには100%のコンディションでなければならない。
総合7位につけるダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)
最後の登りで遅れてしまい、一人で登っていると、監督から無線で「行け、行け、行け、行け!!」と檄を飛ばされた。どうにかアルやコンタドールらからの遅れを最少限にするために頑張った。本格的な山岳ステージが始まる最終週は、総合トップ5の中に入るために走るつもりさ。
総合順位を上げたステフェン・クルイシュウィック(オランダ、ロットNLユンボ)
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マドンナ・ディ・カンピーリオへの下りを終えると、アスタナの強力な牽引が始まったけど、これは予測できたね。タネル・カンゲルトが殺人的なペースで牽き始めると僕の後ろにいた多くの選手たちがあっというまに千切れていった。残り3km地点までは何とかついていけたんだけど、コンタドールがアタックしたのには対応できなかったね。
最終的には総合トップテン入りを目指したいし、この調子の良さが続けばそれは不可能ではないと思っているよ。でも、1日1日を大切にこなしていきたいね。最終周は最もキツいステージの連続になるし、エネルギーを使い果たしてしまうだろう。とりあえず、明日の休息日で脚を回復させたいね。
逃げに乗ったウベール・デュポン(フランス、AG2Rラモンディアール)
序盤のペースは非常に速く、40kmに渡って苦しめられた。登り始めでチャンスを見いだせたので自分でアタックすることにした。モンタグーティと一緒に逃げに乗れたことも良かったと思う。総合争いのメンバーが乗ったことでグループ内がぎくしゃくしてしまい、その後4名になったものの、まだ危険な選手がいた。結果的に逃げ切る事はできなかったが、複雑なここまでの2週間を自分自身で楽しめている。今日の走りにハッピーさ。
今日もアタック合戦に加わった別府史之(トレックファクトリーレーシング)
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※各コメントは現地取材、レース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
photo:CorVos
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