2015/05/17(日) - 14:41
ジロ・デ・イタリアは南イタリアへ。ナポリから1時間半ほどの距離にある1級山岳カンピテッロ・マテーゼに集まった観客たちを、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)のアタックが沸かせた。前半雨、後半晴れの移り気な天気に見舞われた第8ステージの模様をお伝えします。
出走サインに向かうダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) photo:Kei Tsuji
雨降りのフィウッジ photo:Kei Tsuji
フィウッジといえばミネラルウォーター photo:Kei Tsuji
チームメイトとともに出走サインに向かう石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji色とりどりの傘が咲くフィウッジ旧市街のスタート地点。気温は10度。少しでも長い時間チームバスで雨風をしのぎたい選手たちが、出走サイン終了ぎりぎりになってようやく登場する。
笑顔でスタートにやってきた別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji出走サインのための時間は1時間半ほど設けられているが、最初の1時間はほとんど誰も来ず、最後の10分間に集中するのが常だ。選手たちのため息が聞こえてきそうな悪天候。もちろん一般的に雨は歓迎されないが、謎の黄色い花粉に苦しめられていた選手たちにとっては朗報だ。雨のおかげでこの日はアレルギー性の鼻炎を巻き起こす花粉の飛散が少なかった。
序盤の登りで遅れる石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsujiローマ近郊のフィウッジからアペニン山脈を越えて、ジロはラツィオ州からモリーゼ州に入る。20あるイタリアの州の中で2番目に小さく、2番目に人口が少なく、最も新しい州である(最小&最少は北西部のヴァッレ・ダオスタ州)。最も人口の多いロンバルディア州が900万人なのに対して、モリーゼ州の人口は32万人ほどだ。
レース中盤から天候は回復傾向に photo:Tim de Waele観光客が大挙するような観光スポットもないためお世辞にも知名度が高いとは言えない。そんな存在感の薄い同州がジロに登場する機会はそう多くない。珍しいジロの通過とあってか、ここぞとばかりに沿道の観客はワイン片手に盛り上がっている。
地理的にはカンパーニャ州のナポリに近いため方言はナポリ寄り。個人的な感想を言わせてもらうと、食事のコストパフォーマンスが抜群に高いエリアだ。
イタリアは州境をまたぐと路面の質が変わるので面白い。北から南に下るにつれて、ほぼ例外なく路面状況は悪くなる。アスファルトというよりも石灰石のような白い小石が固く敷かれたような路面であり、削られて磨かれた路面は滑りやすくなっている。
しかもひび割れ、陥没し、大穴が開いていたりする。あらかじめ主催者によって補修されている場合が多く、よっぽど酷い区間は大々的に再舗装されているが、それでも北イタリアより路面が悪いことに変わりはない。マリアロッサを着るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)がこの日に限って普段乗っているF8ではなくコンフォート系ロードバイクのK8-Sをセレクトするほど路面がよろしくない。
1級山岳カンピテッロ・マテーゼは特筆することがないような単調な登りだが、登りきった先のフィニッシュ地点に広がる山岳風景は息をのむもの。カンピテッロ・マテーゼは南イタリア有数のスキー場であり、意外にも立派なホテルが立ち並んでいた。
1級山岳カンピテッロ・マテーゼのフィニッシュ地点 photo:Kei Tsuji
1級山岳カンピテッロ・マテーゼに集まった観客 photo:Kei Tsuji
アル=ユヴェントス、コンタドール photo:Kei Tsuji
走りながら観客から奪ったスマートフォンを返却するルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) photo:Kei Tsuji
1級山岳カンピテッロ・マテーゼを駆け上がるマリアローザ photo:Kei Tsuji
グルペットで1級山岳カンピテッロ・マテーゼを登る別府史之(トレックファクトリーレーシング)と石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Kei Tsuji別府史之(トレックファクトリーレーシング)はすっきりとした笑顔でスタートしたが、実際は「スタート前から強い吐き気が続いて、厳しいステージになった」という。
別府は今大会ここまで見せていなかった少し苦しい表情を浮かべながらグルペットでフィニッシュ。レース中盤にかけて集団ローテーションに加わった石橋学(NIPPOヴィーニファンティーニ)も同じグルペット内で獲得標高差3100mのステージを乗り切っている。
フィニッシュ地点に登場したドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) photo:Kei Tsujiさて、休息日前最後の第9ステージは気が抜けない。山頂フィニッシュではないがとにかくアップダウンの繰り返しで、第8ステージと同じ4つ星の難易度が与えられている。
レース前半の一部の道路状況に問題があったとして、主催者は前日になって第9ステージのコースに変更を加えている。重要な山岳のレイアウトに変更はないが、コース全長が215kmから224kmに伸び、スタート時間が15分早められた。雨の予報は出ていない。
第9ステージ終了後すぐ選手たちはチームバスやチームカーに乗って休息の地に向けて出発。休息日を合わせて2連泊するマルケ州のホテルまで4時間かけて移動する予定だ。
1級山岳カンピテッロ・マテーゼを登るグルペット photo:Kei Tsuji
楽しげに登りを進むベルンハルト・アイゼル(オーストリア、チームスカイ) photo:Kei Tsuji
※執筆時間が確保できず写真多めでお送りしております。
text&photo:Kei Tsuji in Campitello Matese, Italy
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地理的にはカンパーニャ州のナポリに近いため方言はナポリ寄り。個人的な感想を言わせてもらうと、食事のコストパフォーマンスが抜群に高いエリアだ。
イタリアは州境をまたぐと路面の質が変わるので面白い。北から南に下るにつれて、ほぼ例外なく路面状況は悪くなる。アスファルトというよりも石灰石のような白い小石が固く敷かれたような路面であり、削られて磨かれた路面は滑りやすくなっている。
しかもひび割れ、陥没し、大穴が開いていたりする。あらかじめ主催者によって補修されている場合が多く、よっぽど酷い区間は大々的に再舗装されているが、それでも北イタリアより路面が悪いことに変わりはない。マリアロッサを着るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)がこの日に限って普段乗っているF8ではなくコンフォート系ロードバイクのK8-Sをセレクトするほど路面がよろしくない。
1級山岳カンピテッロ・マテーゼは特筆することがないような単調な登りだが、登りきった先のフィニッシュ地点に広がる山岳風景は息をのむもの。カンピテッロ・マテーゼは南イタリア有数のスキー場であり、意外にも立派なホテルが立ち並んでいた。
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※執筆時間が確保できず写真多めでお送りしております。
text&photo:Kei Tsuji in Campitello Matese, Italy
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