2015/05/17(日) - 11:30
再びの山岳ステージで再燃する総合争い。逃げ切り勝利を決めたベナト・インチャウスティや、痛む肩を抱えながらライバルに2秒差をつけたアルベルト・コンタドールらのコメントを紹介します。
カンピテッロ・マテーゼを制したベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
今日はステージ優勝を狙っていたし、凄く可能性を感じたんだ。逃げのメンバーも凄く良かったしね。最後の登りでは沢山のアタックがかかったけど、僕のアタックが終止符を打った。ここまでのステージ、かなり脚の調子もいいね。チームカーからはタイム差について常に情報があったし、自分の脚も信じられた。
僕にとって最も大切なのはステージ優勝だけど、実は総合成績も狙って行きたかったんだ。でも第4・第5ステージでかなり遅れてしまったから、本格的にステージ狙いに切り替えた。今日は全ての歯車が噛みあっていたんだね。10人の逃げグループでフォルカ・ダチェーロに登り始めた時、ティンコフは集団をコントロールできるだけの人数がいなかった。すごくいい逃げだったんだけど、強力なライバルがいたし、総合で良い位置につけている選手も混じっていたから、ゴールまで逃げ切れるかはかなり不安だったね。
クルイスウィクとべタンクールのタイム差、そしてアスタナが牽引している後ろの集団とのタイム差を常に把握するようにしていたよ。どのタイミングでアタックを仕掛けて他のライバルを引き離すかを考えていた。ライヘンバッハがカンピテッロの麓から、かなり力強い走りを見せていたね。彼は僕の最初のアタックについてこれた唯一のライダーだった。
彼があまり前に出なくなったから、僕も戦略をすこし修正した。ペースを落として彼を前に出すことで、吸収された時の責任を多く感じてもらうようにしたのさ。でも残り4.5kmで彼もかなり苦しんでいるようだったから、もう一度アタックすることに決めたんだ。その時には総合勢はすぐそこまで迫ってきていたから、ゴールまで全力で踏み続けた。
この勝利は亡き祖父や、3年前に事故死したシェアハウス仲間シャビエル・トンドに捧げるよ。そして僕を支えてくれたチーム、家族、友人や恋人に感謝しているよ。マリアローザを着用したこともあるし、これで2勝目だし、ジロは大好きなレースだ。まだまだ先は長いけど、チームが良い走りを見せられるように頑張るよ。
心理戦で勝機を逃してしまったセバスティアン・ライヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング)
逃げに乗るために全力を尽くした。序盤からたくさんの選手が次々とアタックを掛けていたから、どの動きに乗るべきか判断するのが難しかった。勝ちに繋がるだろう動きに入ったものの、クルイスウィクは1分差で逃げていたので追いつくのが遅れてしまった。
合流してタイム差が開いていくのを見て、今日勝てるかどうかは最後の登りに掛かっていると思った。でもそこで僕はインチャウスティのトラップに引っかかってしまった。後ろがものすごいスピードで迫ってきているのに、彼はわざとスピードを落とした。焦ってしまい僕がペースを上げたけれど、そのため彼がアタックした時に僕のエネルギーは切れてしまっていた。でもその後は自分のペースを取り戻す事ができて、集団には捕まらずに済んだ。将来への良い勉強になったよ。
この日最も長く一人で逃げたステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
最初の登りでアタックすることに決めていたんだ。今日は絶対に何かアクションを起こそうと計画していたし、調子も良かったからね。追走グループには良いクライマーたちが沢山いたけれど、協調が取れなかったのかペースが上がらなかったからマイペースで登ることを選んだんだ。
チャンスをものにするため、出来る限りの強度でプッシュしつづけた。追走グループの皆が千切れてくれることを願っていたんだけど、叶わなかったね。残念な結果だったけど、今日の展開は僕が勝つためには最善だったと思う。総合トップ10に入るというのはほとんど不可能だから、ステージ優勝を狙ってアタックをしかけていくよ。そのための準備はできているし、来週また別のステージで動いてみるさ。
マリアローザを危なげなく守ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
昨日と今日はとてもハードな2日間だったが、結果的に嬉しく思っている。今日は逃げが決まるまでは非常に速い展開だったが、その後もアスタナが厳しいペースで集団をコントロールしてくれた。アルとリッチーはアタックしたがっていたが、僕はかなり上手く反応できていたと思う。アルが逃げようとしていたのは初めから明確だったし、僕の肩も反応できるまでに回復してきているよ。
コンタドールらから10秒のビハインドを喫したダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)
今日はハードな一日だったけど、良く走れたんじゃないかな。チームメートのダルウィン・アタプマの働きっぷりといったら信じられないほど。最後の登りではかなり良い市で走っていたんだけど、彼は一緒に登ってくれた。ラスト1kmはキツかったね。コンタドールやアルたちは15mほど先にいってしまって、フィニッシュしたら僕は10秒遅れてしまった。でもいいんだ、ジロはこの先もまだまだあるし、何度だって挑戦するさ。
※各コメントは現地取材、レース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
photo:Kei.Tsuji,CorVos
カンピテッロ・マテーゼを制したベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
今日はステージ優勝を狙っていたし、凄く可能性を感じたんだ。逃げのメンバーも凄く良かったしね。最後の登りでは沢山のアタックがかかったけど、僕のアタックが終止符を打った。ここまでのステージ、かなり脚の調子もいいね。チームカーからはタイム差について常に情報があったし、自分の脚も信じられた。
僕にとって最も大切なのはステージ優勝だけど、実は総合成績も狙って行きたかったんだ。でも第4・第5ステージでかなり遅れてしまったから、本格的にステージ狙いに切り替えた。今日は全ての歯車が噛みあっていたんだね。10人の逃げグループでフォルカ・ダチェーロに登り始めた時、ティンコフは集団をコントロールできるだけの人数がいなかった。すごくいい逃げだったんだけど、強力なライバルがいたし、総合で良い位置につけている選手も混じっていたから、ゴールまで逃げ切れるかはかなり不安だったね。
クルイスウィクとべタンクールのタイム差、そしてアスタナが牽引している後ろの集団とのタイム差を常に把握するようにしていたよ。どのタイミングでアタックを仕掛けて他のライバルを引き離すかを考えていた。ライヘンバッハがカンピテッロの麓から、かなり力強い走りを見せていたね。彼は僕の最初のアタックについてこれた唯一のライダーだった。
彼があまり前に出なくなったから、僕も戦略をすこし修正した。ペースを落として彼を前に出すことで、吸収された時の責任を多く感じてもらうようにしたのさ。でも残り4.5kmで彼もかなり苦しんでいるようだったから、もう一度アタックすることに決めたんだ。その時には総合勢はすぐそこまで迫ってきていたから、ゴールまで全力で踏み続けた。
この勝利は亡き祖父や、3年前に事故死したシェアハウス仲間シャビエル・トンドに捧げるよ。そして僕を支えてくれたチーム、家族、友人や恋人に感謝しているよ。マリアローザを着用したこともあるし、これで2勝目だし、ジロは大好きなレースだ。まだまだ先は長いけど、チームが良い走りを見せられるように頑張るよ。
心理戦で勝機を逃してしまったセバスティアン・ライヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング)
逃げに乗るために全力を尽くした。序盤からたくさんの選手が次々とアタックを掛けていたから、どの動きに乗るべきか判断するのが難しかった。勝ちに繋がるだろう動きに入ったものの、クルイスウィクは1分差で逃げていたので追いつくのが遅れてしまった。
合流してタイム差が開いていくのを見て、今日勝てるかどうかは最後の登りに掛かっていると思った。でもそこで僕はインチャウスティのトラップに引っかかってしまった。後ろがものすごいスピードで迫ってきているのに、彼はわざとスピードを落とした。焦ってしまい僕がペースを上げたけれど、そのため彼がアタックした時に僕のエネルギーは切れてしまっていた。でもその後は自分のペースを取り戻す事ができて、集団には捕まらずに済んだ。将来への良い勉強になったよ。
この日最も長く一人で逃げたステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
最初の登りでアタックすることに決めていたんだ。今日は絶対に何かアクションを起こそうと計画していたし、調子も良かったからね。追走グループには良いクライマーたちが沢山いたけれど、協調が取れなかったのかペースが上がらなかったからマイペースで登ることを選んだんだ。
チャンスをものにするため、出来る限りの強度でプッシュしつづけた。追走グループの皆が千切れてくれることを願っていたんだけど、叶わなかったね。残念な結果だったけど、今日の展開は僕が勝つためには最善だったと思う。総合トップ10に入るというのはほとんど不可能だから、ステージ優勝を狙ってアタックをしかけていくよ。そのための準備はできているし、来週また別のステージで動いてみるさ。
マリアローザを危なげなく守ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
昨日と今日はとてもハードな2日間だったが、結果的に嬉しく思っている。今日は逃げが決まるまでは非常に速い展開だったが、その後もアスタナが厳しいペースで集団をコントロールしてくれた。アルとリッチーはアタックしたがっていたが、僕はかなり上手く反応できていたと思う。アルが逃げようとしていたのは初めから明確だったし、僕の肩も反応できるまでに回復してきているよ。
コンタドールらから10秒のビハインドを喫したダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)
今日はハードな一日だったけど、良く走れたんじゃないかな。チームメートのダルウィン・アタプマの働きっぷりといったら信じられないほど。最後の登りではかなり良い市で走っていたんだけど、彼は一緒に登ってくれた。ラスト1kmはキツかったね。コンタドールやアルたちは15mほど先にいってしまって、フィニッシュしたら僕は10秒遅れてしまった。でもいいんだ、ジロはこの先もまだまだあるし、何度だって挑戦するさ。
※各コメントは現地取材、レース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
photo:Kei.Tsuji,CorVos
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