「登りでは自分のペースを守って、その差をキープするのにテクニカルな下りが味方した。今日起こったことが信じられない」とは、後半の50kmを独走し、ステージ優勝と総合首位、そして山岳賞を独占したトムス・スクジンス。1992年生まれの23歳にとって大躍進の一日となった。
グルペット内でゴールに向かうマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) photo:CorVos8日間のツアー・オブ・カリフォルニアは2日続いたスプリントステージ別れを告げ、第3ステージはサンノゼ郊外をぐるりと巡る169.8kmの山岳コースが用意された。途中には計5つのKOMポイントが用意され、後半にはHC山岳のマウント・ハミルトン(標高1200m超)も控えている。
50kmを独走したトムス・スクジンス(ラトビア、ヒンカピーレーシング) photo:CorVos最後は緩やかな上り勾配を越えた先がフィニッシュであり、ここまで2連続2位のペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)にとってはまたとないチャンスだった。
単独で追走を続けたダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)は吸収された photo:CorVos序盤の逃げを決めたのはダニエル・オス(イタリア、BMCレーシング)やロイ・カーヴァス(オランダ、ジャイアント・アルペシン)ら7名。ここに今日大活躍することとなるトムス・スクジンス(ラトビア、ヒンカピーレーシング)も加わった。
チームスカイがメイン集団のペースを上げる photo:CorVosリーダージャージのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)は登りで早々にグルペットを作り、一方逃げる7名は5分のタイム差で先を急ぐ。逃げグループがマウント・ハミルトンに差し掛かると、自分のペースを刻んだスクジンスが一人抜け出した。
「上を通過する頃には大きな差がついていたから、僕にはただハードにペダリングを続ける他無かった」と振り返るスクジンスに対して、オスとジョニー・クラーク(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)、エヴァン・ハフマン(アメリカ、スマートストップ)が追走を試みる。
しかしテクニカルな下りがスクジンスに味方(単独で転倒しているものの)したため、下りを終えた時点でリードは追走(オス、クラーク)に対して2分、集団に対しては4分という大きな差を稼ぎだした。
サガンを含むメイン集団はチームスカイやティンコフ・サクソが積極的にペースアップを図ったものの、がむしゃらにペダリングを続けるスクジンスとのタイム差は思うように縮まらない。最後の登りではチームスカイのペースセットからピーター・ケノー(イギリス)のアタックも発生したが、その頃スクジンスのリードは決定的なものとなっいた。
ゴールへと続く緩斜面を、上体を揺らしながら懸命に登りきったスクジンスは、喜びを爆発させながら独走フィニッシュ。サガンを先頭にゴールに飛び込んだ2位集団を1分以上引き離したため、ステージ優勝、総合リーダー、山岳賞リーダーを一挙に獲得するという驚くべき勝利をあげてみせた。
トムス・スクジンス(ラトビア、ヒンカピーレーシング)が独走でゴールに飛び込む photo:CorVos
トムス・スクジンス(ラトビア、ヒンカピーレーシング)が祝福のキスを受ける photo:CorVos
ラトビア生まれのスクジンスはラポムマルセイユで2年間欧州経験を積み、2014年からはアメリカのコンチネンタルチームであるヒンカピーに在籍している23歳。
2013年のヨーロッパ選手権U23で3位に入るなど成績を持っているが、今回の勝利は間違いなくキャリア最大のもの。翌第4、第5ステージはいずれもスプリントステージであるため、スクジンスのリーダージャージ着用も暫く続きそうだ。
ツアー・オブ・カリフォルニア2015第3ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
山岳賞
トムス・スクジンス(ラトビア、ヒンカピーレーシング)
ヤングライダー賞
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:So.Isobe
photo:CorVos




「上を通過する頃には大きな差がついていたから、僕にはただハードにペダリングを続ける他無かった」と振り返るスクジンスに対して、オスとジョニー・クラーク(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)、エヴァン・ハフマン(アメリカ、スマートストップ)が追走を試みる。
しかしテクニカルな下りがスクジンスに味方(単独で転倒しているものの)したため、下りを終えた時点でリードは追走(オス、クラーク)に対して2分、集団に対しては4分という大きな差を稼ぎだした。
サガンを含むメイン集団はチームスカイやティンコフ・サクソが積極的にペースアップを図ったものの、がむしゃらにペダリングを続けるスクジンスとのタイム差は思うように縮まらない。最後の登りではチームスカイのペースセットからピーター・ケノー(イギリス)のアタックも発生したが、その頃スクジンスのリードは決定的なものとなっいた。
ゴールへと続く緩斜面を、上体を揺らしながら懸命に登りきったスクジンスは、喜びを爆発させながら独走フィニッシュ。サガンを先頭にゴールに飛び込んだ2位集団を1分以上引き離したため、ステージ優勝、総合リーダー、山岳賞リーダーを一挙に獲得するという驚くべき勝利をあげてみせた。


ラトビア生まれのスクジンスはラポムマルセイユで2年間欧州経験を積み、2014年からはアメリカのコンチネンタルチームであるヒンカピーに在籍している23歳。
2013年のヨーロッパ選手権U23で3位に入るなど成績を持っているが、今回の勝利は間違いなくキャリア最大のもの。翌第4、第5ステージはいずれもスプリントステージであるため、スクジンスのリーダージャージ着用も暫く続きそうだ。
ツアー・オブ・カリフォルニア2015第3ステージ結果
1位 トムス・スクジンス(ラトビア、ヒンカピーレーシング)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
4位 ダニエル・ハラミロ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲン)
5位 ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシング)
6位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
7位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
8位 マイケル・ウッズ(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット)
9位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・アルペシン)
10位 ジョー・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
4位 ダニエル・ハラミロ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲン)
5位 ダニーロ・ウィス(スイス、BMCレーシング)
6位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
7位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
8位 マイケル・ウッズ(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット)
9位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・アルペシン)
10位 ジョー・ドンブロウスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
4h33'10"
+1'06"
+1'09"
+1'06"
+1'09"
個人総合成績
1位 トムス・スクジンス(ラトビア、ヒンカピーレーシング)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 ロブ・ブリットン(カナダ、スマートストップ)
4位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
5位 ダニエル・ハラミロ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲン)
6位 ディオン・スミス(オーストラリア、ヒンカピーレーシング)
7位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
8位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)
9位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・アルペシン)
10位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)
3位 ロブ・ブリットン(カナダ、スマートストップ)
4位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
5位 ダニエル・ハラミロ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲン)
6位 ディオン・スミス(オーストラリア、ヒンカピーレーシング)
7位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)
8位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)
9位 ローソン・クラドック(アメリカ、ジャイアント・アルペシン)
10位 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)
14h04'01"
+32"
+43"
+44"
+47"
+32"
+43"
+44"
+47"
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)
山岳賞
トムス・スクジンス(ラトビア、ヒンカピーレーシング)
ヤングライダー賞
ジュリアン・アラフィリップ(フランス、エティックス・クイックステップ)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:So.Isobe
photo:CorVos
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