2015/05/15(金) - 09:06
スイスに拠点を置く総合バイクブランド、BMCがXCレース用のフラッグシップモデル「TE01」をフルモデルチェンジ。テクニカルさを増すワールドカップレースに対応すべく、独創的な機構を得て進化したハードテールバイクを紹介していこう。
独創的な機構を得て進化したBMC Teamelite 01 (c) フタバ商店
2014年のXCO世界チャンピオンであるジュリアン・アブサロン(フランス)が駆るBMC。波に乗っているスイスブランドが今シーズンの新兵器として投入したのは、昔からMTBをたしなむ人にとってはどこか懐かしさを感じさせる「ソフトテールバイク」だった。
XCレースシーンにおいて、軽量で反応性に優れるハードテールか、トラクションと下りに優れるフルサスかという選択は常に大きな議論となってきた。とはいえ近年では、ショックユニットの進歩やフレーム構造の洗練によってペダリングロスが減少し、下りの安定感に優れるフルサスバイクがトップレースの現場では主流を占めてきている。それはワールドカップの下りセクションが年々テクニカルになっているという背景もある。
ジュリアン・アブサロン自身も、世界戦ではBMCのXCフルサスバイクである「FS01」をチョイスしているし、最後まで覇を争ったニノ・シューター(スイス)も、フルサスを駆っている。とはいえ、ハードテールに比べると重く鈍いというのは事実であり、ハードテールを好んで使用する選手がいるのもまた、事実。軽さと反応性を活かしたまま、ワールドカップレベルの下りに対応できる新たなフレームが待ち望まれていた。
新型TE01のコアとなるMTTテクノロジー (c) フタバ商店
XCellダンパーが装備される (c) フタバ商店
縦方向への柔軟性と横方向への剛性を両立するリアセクション (c) フタバ商店
シングルスピードにも対応している (c) フタバ商店
2本のレールによって繋がれるシートステーとシートチューブ (c) フタバ商店
チェーンステーは台形断面とされる (c) フタバ商店
そこで世界で最も進化したハードテイルバイクを生み出すべく、BMCのインペック・ラボはBMCMTBレーシングチームとの協力することで、新しい「TE01」の開発に成功した。このバイクの開発にあたり、BMCが重視したのは効率性、トラクション性能、そして疲労を和らげる快適性の3つの要素をこれまでのXCレースバイクには無い水準で融合させること。
この難問に対して開発陣が出した解答が「マイクロトラベルテクノロジー(MTT)」と呼ばれるシステム。シートステーの付け根部分にXCellダンパーを挟みこむことで、15mmと極めて小さいトラベル量を得ることが出来るという機構だ。このXCellダンパーと呼ばれるエラストマーは好みやコースによって3種類の硬さからチョイスすることが出来る。
シートチューブとシートステーは二つのレールによって結ばれ、捻じれや横方向への剛性を犠牲にすることなく、縦方向へのリア三角の柔軟性を獲得。さらにフレキシブルな動きを実現するため、チェーンステーやシートステーを中心としたカーボンレイアップも突き詰められている。特にパワー伝達を担うチェーンステーは縦方向へはしなやかに動きつつ、ゴールスプリントのパワーを一滴も無駄にしないだけの剛性を与えられている。
既にワールドカップで実戦デビューを果たしているTE01 (c) フタバ商店
最新のサイドスイング式のFDに対応する (c) フタバ商店
新しいフレーム内蔵ルーティングを採用する (c) フタバ商店
既にワールドカップシリーズで実戦投入されているNew TE01についてジュリアン・アブサロンはこう語っている。「率直に言って、このMTTテクノロジーを試した時に今まで機材に対して妥協していたことに気付かされた。去年までのモデルと変わらず良く登る。そして、肝心のダウンヒルでは少しなんだけど、でも確実に僕たちが必要としている要素が満たされているんだ。この新たな武器を得てとてもハッピーだね!」
フレームに内蔵されたワイヤリングもより洗練され、スマートな外観とトラブルフリーを同時に実現。最新の電動コンポーネントや、M9000シリーズのXTRから採用されたサイドスイングのFDといった新規格にも対応するフレームとなっている。ホイール径はBMCがXCレースにおいて最速と考える29インチを採用。ブレーキローターは140mmで、リアエンドは142mmスルーアクスルとなっている。
用意される販売パッケージはフレームセットのほか、シマノ XTR Di2、XT、スラムXX1の完成車。出荷開始は9月ごろを予定しているという。軽量かつ下れるバイクを探しているシリアスXCレーサーにとって見逃せない一台になりそうだ。
BMC Teamelite 01
フレームサイズ:XS、S、M
ホイールサイズ:29インチ
リアエンド:142mmスルーアクスル
ブレーキローター:140mm
フレーム重量:1,080g(Mサイズ、塗装済、小物込)
税別価格(仕様、カラー):
XX1仕様完成車(SuperRed) 710,000円
XT仕様完成車(White) 530,000円
フレームセット(Team Red)380,000円
デリバリー:9月より順次
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XCレースシーンにおいて、軽量で反応性に優れるハードテールか、トラクションと下りに優れるフルサスかという選択は常に大きな議論となってきた。とはいえ近年では、ショックユニットの進歩やフレーム構造の洗練によってペダリングロスが減少し、下りの安定感に優れるフルサスバイクがトップレースの現場では主流を占めてきている。それはワールドカップの下りセクションが年々テクニカルになっているという背景もある。
ジュリアン・アブサロン自身も、世界戦ではBMCのXCフルサスバイクである「FS01」をチョイスしているし、最後まで覇を争ったニノ・シューター(スイス)も、フルサスを駆っている。とはいえ、ハードテールに比べると重く鈍いというのは事実であり、ハードテールを好んで使用する選手がいるのもまた、事実。軽さと反応性を活かしたまま、ワールドカップレベルの下りに対応できる新たなフレームが待ち望まれていた。
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この難問に対して開発陣が出した解答が「マイクロトラベルテクノロジー(MTT)」と呼ばれるシステム。シートステーの付け根部分にXCellダンパーを挟みこむことで、15mmと極めて小さいトラベル量を得ることが出来るという機構だ。このXCellダンパーと呼ばれるエラストマーは好みやコースによって3種類の硬さからチョイスすることが出来る。
シートチューブとシートステーは二つのレールによって結ばれ、捻じれや横方向への剛性を犠牲にすることなく、縦方向へのリア三角の柔軟性を獲得。さらにフレキシブルな動きを実現するため、チェーンステーやシートステーを中心としたカーボンレイアップも突き詰められている。特にパワー伝達を担うチェーンステーは縦方向へはしなやかに動きつつ、ゴールスプリントのパワーを一滴も無駄にしないだけの剛性を与えられている。
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フレームに内蔵されたワイヤリングもより洗練され、スマートな外観とトラブルフリーを同時に実現。最新の電動コンポーネントや、M9000シリーズのXTRから採用されたサイドスイングのFDといった新規格にも対応するフレームとなっている。ホイール径はBMCがXCレースにおいて最速と考える29インチを採用。ブレーキローターは140mmで、リアエンドは142mmスルーアクスルとなっている。
用意される販売パッケージはフレームセットのほか、シマノ XTR Di2、XT、スラムXX1の完成車。出荷開始は9月ごろを予定しているという。軽量かつ下れるバイクを探しているシリアスXCレーサーにとって見逃せない一台になりそうだ。
BMC Teamelite 01
フレームサイズ:XS、S、M
ホイールサイズ:29インチ
リアエンド:142mmスルーアクスル
ブレーキローター:140mm
フレーム重量:1,080g(Mサイズ、塗装済、小物込)
税別価格(仕様、カラー):
XX1仕様完成車(SuperRed) 710,000円
XT仕様完成車(White) 530,000円
フレームセット(Team Red)380,000円
デリバリー:9月より順次
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