2015/05/02(土) - 10:57
ほとんどの選手がウォーマー類をフル装備して走るほどの冷雨の中、序盤の逃げグループから独走したBMCレーシングのステファン・キュングが逃げ切り。21歳の期待の新星がプロ2勝目を挙げた。
「1週間前に今日のステージを下見して、僕向きのレースになるだろうなと感じていた。雨と寒さのひどい今日のような天候は実は得意なんだ」今年BMCレーシングから鳴り物入りでプロデビューした21歳のステファン・キュングはゴール後にそう語る。
連日山間を駆け抜けるツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)は4日目のこの日、今大会初めての本格的な雨模様。前日よりも少しだけ人数の減ったプロトンは、レインジャケットを着込んでラ・ヌーヴヴィルからスタートを切った。
ヌーシャテル湖沿いに南下し、ローザンヌで折り返してフリヴールを目指す第4ステージの走行距離は169.8km。この日もお約束のように山岳地帯を通過し、中盤から後半に掛けて2級山岳が2つ、3級山岳が1つ登場する。
冷たい雨が身体を濡らす中、果敢にプロトンからアタックを決めたのはステファン・キュング(スイス、BMCレーシング)とベルトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)、ヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)、そしてパヴェル・コチェトコフとパヴェル・ヴォロブイェフ(共にロシア、カチューシャ)、リエーウェ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ)の6名。
ミハエル・アルバジーニ(スイス)擁するオリカ・グリーンエッジに代わって、プロトンはチームスカイが黙々とコントロールする。逃げる4名の最大リードは6分ほどに留まったが、逃げグループに総合を脅かす選手がいなかったため、そして翌日の頂上ゴールを控え、チームスカイには逃げを吸収する思惑が無かった。
アップダウンを越え、残り30km地点でタイム差は2分強。すると細くスリッピーな2級山岳ソレンスの下りでキュングがアタックした。レース前に変更した54Tのアウターギアを回して巡航モードに切り替え、追うバケランツとリンデマン、コチェトコフを徐々に引き離していく。
「最後の山岳を一人で越えた時に"今日は勝てる"と強く感じた。」というキュング。U23タイムトライアル世界選手権銅メダル、U23ヨーロッパTT王者の独走力は最後まで衰えること無く、スイス国旗はためくフリヴールに到着した。
「ワールドツアー初勝利がこんなに素晴しい観客とチームに恵まれたスイスでなし得るなんて素晴しい。今日は脚もあったけれど、それでも信じられないような勝利だ」と語るキュング。ヴォルタ・リンブルグクラシックに続くプロ2勝目(いずれも独走勝利)で飾った。
トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)を先頭にゴールしたメイン集団内には総合上位勢が全員入っていたため大きな総合順位変動は無し。明日の最難関頂上ゴールで、これまで沈黙を続けてきたグランツアーレーサーによる登り勝負がいよいよ繰り広げられるだろう。
ツール・ド・ロマンディ2015第4ステージ結果
個人総合成績
山岳賞
マキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)
ヤングライダー賞
サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:So.Isobe
photo:http:www.tourderomandie.ch
「1週間前に今日のステージを下見して、僕向きのレースになるだろうなと感じていた。雨と寒さのひどい今日のような天候は実は得意なんだ」今年BMCレーシングから鳴り物入りでプロデビューした21歳のステファン・キュングはゴール後にそう語る。
連日山間を駆け抜けるツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)は4日目のこの日、今大会初めての本格的な雨模様。前日よりも少しだけ人数の減ったプロトンは、レインジャケットを着込んでラ・ヌーヴヴィルからスタートを切った。
ヌーシャテル湖沿いに南下し、ローザンヌで折り返してフリヴールを目指す第4ステージの走行距離は169.8km。この日もお約束のように山岳地帯を通過し、中盤から後半に掛けて2級山岳が2つ、3級山岳が1つ登場する。
冷たい雨が身体を濡らす中、果敢にプロトンからアタックを決めたのはステファン・キュング(スイス、BMCレーシング)とベルトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)、ヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)、そしてパヴェル・コチェトコフとパヴェル・ヴォロブイェフ(共にロシア、カチューシャ)、リエーウェ・ヴェストラ(オランダ、アスタナ)の6名。
ミハエル・アルバジーニ(スイス)擁するオリカ・グリーンエッジに代わって、プロトンはチームスカイが黙々とコントロールする。逃げる4名の最大リードは6分ほどに留まったが、逃げグループに総合を脅かす選手がいなかったため、そして翌日の頂上ゴールを控え、チームスカイには逃げを吸収する思惑が無かった。
アップダウンを越え、残り30km地点でタイム差は2分強。すると細くスリッピーな2級山岳ソレンスの下りでキュングがアタックした。レース前に変更した54Tのアウターギアを回して巡航モードに切り替え、追うバケランツとリンデマン、コチェトコフを徐々に引き離していく。
「最後の山岳を一人で越えた時に"今日は勝てる"と強く感じた。」というキュング。U23タイムトライアル世界選手権銅メダル、U23ヨーロッパTT王者の独走力は最後まで衰えること無く、スイス国旗はためくフリヴールに到着した。
「ワールドツアー初勝利がこんなに素晴しい観客とチームに恵まれたスイスでなし得るなんて素晴しい。今日は脚もあったけれど、それでも信じられないような勝利だ」と語るキュング。ヴォルタ・リンブルグクラシックに続くプロ2勝目(いずれも独走勝利)で飾った。
トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)を先頭にゴールしたメイン集団内には総合上位勢が全員入っていたため大きな総合順位変動は無し。明日の最難関頂上ゴールで、これまで沈黙を続けてきたグランツアーレーサーによる登り勝負がいよいよ繰り広げられるだろう。
ツール・ド・ロマンディ2015第4ステージ結果
1位 ステファン・キュング(スイス、BMCレーシング)
2位 ヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)
3位 ベルトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)
4位 トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
5位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
6位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)
7位 ヨハネス・フローリンガー(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
8位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
9位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
10位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 ヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)
3位 ベルトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)
4位 トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
5位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
6位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ソウダル)
7位 ヨハネス・フローリンガー(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
8位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
9位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
10位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
4h35'10"
+38"
+39"
+45"
+52"
+38"
+39"
+45"
+52"
個人総合成績
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
2位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
4位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
5位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
6位 エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ)
7位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
8位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
9位 トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
2位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
4位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
5位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
6位 エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ)
7位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)
8位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
9位 トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)
13h33'40"
+20"
+25"
+27"
+34"
+20"
+25"
+27"
+34"
山岳賞
マキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)
ヤングライダー賞
サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
BMCレーシング
text:So.Isobe
photo:http:www.tourderomandie.ch
Amazon.co.jp