スイス西部で伝統のツール・ド・ロマンディが開幕。ツールを狙う多くの選手の中、初日のチームTTを制したのはチームスカイ。オリカ・グリーンエッジを僅か0.63秒上回るタイムで幸先良いスタートを飾った。



ジュー湖のほとりを走る19.3kmのチームタイムトライアルジュー湖のほとりを走る19.3kmのチームタイムトライアル photo:Tim de Waele


ステージ優勝に輝いたチームスカイ。クリス・フルーム(イギリス)が先頭を牽くステージ優勝に輝いたチームスカイ。クリス・フルーム(イギリス)が先頭を牽く photo:Tim de Waele長らくトップタイムを維持したオリカ・グリーンエッジは僅か優勝に届かず長らくトップタイムを維持したオリカ・グリーンエッジは僅か優勝に届かず photo:Tim de Waele熱狂のロンドとルーベ、そしてアルデンヌ3連戦を終え、春のクラシックシーズンは幕を閉じた。そしてやってきたのは華々しいグランツアーシーズン。4月28日から5月3日まで開催されるツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)は今年で開催69回目を迎える伝統のステージレースだ。

ステージ3位と順調な滑り出しを見せたカチューシャステージ3位と順調な滑り出しを見せたカチューシャ photo:Tim de Waeleトニ・マルティン(ドイツ)率いるエティックス・クイックステップはステージ4位トニ・マルティン(ドイツ)率いるエティックス・クイックステップはステージ4位 photo:Tim de Waeleこれまでジロ・デ・イタリアの前哨戦としての位置づけされていたが、昨年からロマンディ閉幕とジロ開幕が接近したため、ジロを狙う選手たちはジロ・デル・トレンティーノを最後に調整に入っている場合が多い。スイス、ヴァレ・ド・ジューの開幕ステージスタート地点には、2連覇中のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)、ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ら、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)を除くマイヨジョーヌ候補たちがほぼ一堂に会した。

スイス西部のロマンディ地方を駆け巡る6日間の日程のうち、開幕ステージがチームTTで、最終ステージは個人TT。そしてその間がすべからく山岳ステージ(うち一つが頂上ゴール)というスケジュールとなっており、まさにグランツアーを前にした調整としてはうってつけと言える。

ジュー湖のほとりからスタートする開幕チームTTの距離は19.2km。おおむね平坦基調ではあるものの、終盤には標高差50mほどの丘があり、総合的な難易度は決して低くない。6日後の総合優勝に向け、そして2ヶ月後のツール・ド・フランスに向け、全18チームが5分おきにスタート台から滑り出した。

まず3番手スタートのキャノンデール・ガーミンが指標タイムをマークすると、次にトップタイムを上書きしたのは10番手スタートのオリカ・グリーンエッジ。平均時速54.042km/h、21分19秒という驚異的なスピードを見せつけて一躍ホットシートへ。

ロマンディと相性の良いサイモン・スピラック(スロベニア)を擁するカチューシャ、トニ・マルティン(ドイツ)が牽いたエティックス・クイックステップなどが好走するも、地元スイスのスター選手であるミハエル・アルバジーニを先頭にゴールしたオリカのタイムには届かない。

このままオリカのステージ優勝安泰かと思われたがしかし、際どいタイムでゴールに飛び込んできたのは最終走者のチームスカイ。結果的にオリカを僅か0.63秒上回る同一タイムでラインを割ると、エリア・ヴィヴィアーニが拳を振り上げた。



チームスカイの面々が表彰台に立つチームスカイの面々が表彰台に立つ photo:Tim de Waele


リーダージャージを手にしたゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)リーダージャージを手にしたゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waeleこの結果、リーダージャージはチームスカイの先頭でフィニッシュしたゲラント・トーマス(イギリス)に渡り、1位から11位までが同タイムで並ぶこととなった。

3連覇が掛かるフルームは最高の形で滑り出し、念願のタイトルを狙うスピラック率いるカチューシャも5秒遅れの3位と好スタートを切った。アスタナやBMCレーシングも好調だったが、モビスターは40秒遅れ、ロメン・バルデやジャンクリストフ・ペロー(フランス)、カルロス・ベタンクール(コロンビア)をメンバー入りさせたAG2Rラモンディアールは1分22秒遅れの最下位と出遅れた。



ツール・ド・ロマンディ2015第1ステージ結果
1位 チームスカイ
2位 オリカ・グリーンエッジ
3位 カチューシャ
4位 エティックス・クイックステップ
5位 アスタナ
6位 BMCレーシング
7位 FDJ
8位 IAMサイクリング
9位 モビスター
10位 キャノンデール・ガーミン
11位 ランプレ・メリダ
12位 トレックファクトリーレーシング
13位 ジャイアント・アルペシン
14位 ロットNLユンボ
15位 ティンコフ・サクソ
16位 ユーロップカー
17位 ロット・ソウダル
18位 AG2Rラモンディアール
21'19"(54.042km/h)

+05"(53.832km/h)
+14"(53.457km/h)
+17"(53.333km/h)
+19(53.251km/h)
+22"(53.128km/h)
+24"(53.047km/h)
+40"(52.403km/h)

+41"(52.364km/h)
+42"(52.324km/h)
+50"(52.009km/h)
+55"(51.814km/h)

+1"07"(51.352km/h)
+1'12"(51.162km/h)
+1'22"(50.786km/h)


個人総合成績
1位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)         21'19"             
2位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)
3位 イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)
4位 ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)
5位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
6位 ピーター・ケノー(イギリス、チームスカイ)
7位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)
8位 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 スヴェン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)
10位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)

ヤングライダー賞
ルーク・ロウ(イギリス、チームスカイ)

チーム総合成績
チームスカイ

text:So.Isobe
photo:CorVos


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