2015/04/24(金) - 19:15
「北の地獄」の異名をとるクラシックレースの女王ことパリ~ルーベを走ったプロバイクを紹介する第4弾。今回はオリカ・グリーンエッジ、ランプレ・メリダ、ユナイテッドヘルスケア、ティンコフ・サクソ、トップスポート・フラーンデレンの5チームのバイクをピックアップします。
オリカ・グリーンエッジ 【スコット ADDICT】
オリカ・グリーンエッジがパリ~ルーベで駆ったバイクはスコットの軽量オールラウンドモデル「ADDICT」。昨年同様、今大会でもエンデュランスモデル「SOLACE」は投入されなかった様子だ。悪路対策は2重巻きバーテープ、幅広タイヤ、大きなインナーチェーンリングのみと至ってオーソドックスである。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。ホイールもDURA-ACEグレードのWH-9000ながら、チームスカイやBMCレーシングとは異なり、35mmハイトのミッドプロファイルモデル「C35-TU」で統一している。タイヤはオレンジのサイドウォールとなったプロ供給専用のコンチネンタルCOMPETITION PROLTD。幅は28mmだ。
ハンドル、ステム、シートポストはPROのVIBEシリーズで統一。4つのボルトでハンドルを固定する旧型のステムを使い続けている。サドルは今季よりプロロゴからフィジークへとスイッチされ、ライダーの好みに応じて各モデルを使い分けている。そして、ボトルケージは見慣れないロゴ無しものを採用。恐らくサポートを受けるエリートの定番モデルCUSTOMをベースとしたプロトタイプであると考えられる。
ランプレ・メリダ 【メリダ RIDE】
ランプレ・メリダはエースのフィリッポ・ポッツァート(イタリア)を始め、全ライダーがメリダのエンデュランスモデル「RIDE」で統一。同時にホイールチョイスも前週とは異なり、ロンドでは快適性に優れるロープロファイルの「Racing Light XLR」の使用率が高かったのに対して、パリ~ルーベでは50mmハイトの「Racing Speed XLR」が多く選択されていた。フレームの振動吸収性が向上した分、エアロホイールで前半の舗装路区間での体力消耗を抑える狙いがあってのアッセンブルだと考えられる。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、ブレーキはノーグレードのシマノ製ロングアーチモデル、クランクはローターの3D+としている。なお、チェーンリングは真円モデルnoQのエアロタイプの使用率が高かった。タイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」だ。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。サドルはプロロゴで、普段のレース同様に表皮に滑り止め素材を設けたCPCタイプが多く選択されている。同様にバーテープもプロロゴ。ボトルケージは北のクラシックでは定番のエリートCIUSSI GELとしている。
ユナイテッドヘルスケア 【ウィリエール Zero.9】
アメリカ籍のプロコンチネンタルチームであるユナイテッドヘルスケアのバイクはイタリアのウィリエール。普段はエアロ系オールラウンドモデル「CENTO1 SR」をメインとするものの、パリ~ルーベでは全ライダーが剛性を重視した「Zero.9」を駆った。
コンポーネントは機械式のシマノDURA-ACEで統一。表面処理が製品版とチェーンリングは、選手の要望に応えて作られた特別仕様であり、ユナイテッドヘルスケアは昨年のパリ~ルーベでも使用していた。そして、パワーメーターはパイオニアのペダリングモニターを引き続き採用。ホイールはDURA-ACEグレードのWH-9000で、35mmハイトの「C35-TU」と50mmハイトの「C50-TU」を使い分けている。
タイヤはアメリカンブランドのマキシスで、今大会では数名のライダーにブランドロゴだけが記されたプロトタイプが供給されていた。トレッドパターンや角張った断面形状から察するにシームレス構造のハイエンドモデルCampioneの28mm幅だと考えられる。ハンドル、ステム、シートポストはデダ・エレメンティながら、ベルト・フェルスター(ドイツ)のバイクにはセットバック量がとても大きなノーブランドのシートポストがアッセンブルされていた。その他、サドルはサンマルコ、ボトルケージはタックスとしている。
ティンコフ・サクソ 【スペシャライズド S-Works Tarmac、S-Works Roubaix SL4】
ティンコフ・サクソのエースを務めたペーター・サガン(スロバキア)はレース途中でのバイク交換という作戦を実行。前半の舗装路区間ではオールラウンドモデル「S-Works Tarmac」で脚力を温存し、石畳をこなす後半はエンデュランスモデル「S-Works Roubaix SL4」を駆った。
そして、サガンはフレームに応じてタイヤとホイールも変更しており、「S-Works Tarmac」はスペシャライズドがプロデュースするロヴァールRapide CLXの60mmハイトモデルにS-Woks Turboタイヤをアッセンルブル。一方の「S-Works Roubaix SL4」は40mmハイトのRapide CLXに、FMBのコットンケーシング+スペシャライズドのコンパウンドのスペシャルタイヤという組み合わせとした。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、クランクのみFSAを採用。ハンドル、ステム、シートポストはFSAのサポートながら、サガンはより高いステアリング剛性を求めてフルカーボン製のジップSL SPRINTステムをチョイス。サドルは新型のプロロゴSCRATCH 2だ。
トップスポート・フラーンデレン 【エディメルクス EMX-525】
前週のロンドに引き続きパリ~ルーベでも、トップスポート・フラーンデレンは普段からメインバイクとしているエディメルクスの高剛性オールラウンドモデル「エディメルクス EMX-525」を全ライダーが使用。幅広のタイヤを使用する以外は、これといった悪路対策が見たらない。
メインコンポーネントは機械式のシマノDURA-ACE。クランクにはローターを採用しており、ティム・デクレルク(ベルギー)のバイクには同社オリジナルのパワーメーターROTOR POWERが取り付けられていたものの、何故かハンドル周りにサイクルコンピューターの姿はなかった。ホイールとタイヤは45mmハイトのファストフォワードF4Rに、ヴィットリアCORSA SCもしくはプロトタイプという組み合わせ。
ハンドルとステムはデダ・エレメンティで、大柄なデクレルクはクランプ部が35mmの高剛性モデル「35(トレンタチンクエ)」をチョイス。その他、サドルはプロロゴ及びバーテープ、ボトルケージはタックス、ペダルはプロチームとしては珍しいルックKeo 2 Maxとしている。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
オリカ・グリーンエッジ 【スコット ADDICT】
オリカ・グリーンエッジがパリ~ルーベで駆ったバイクはスコットの軽量オールラウンドモデル「ADDICT」。昨年同様、今大会でもエンデュランスモデル「SOLACE」は投入されなかった様子だ。悪路対策は2重巻きバーテープ、幅広タイヤ、大きなインナーチェーンリングのみと至ってオーソドックスである。
コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2。ホイールもDURA-ACEグレードのWH-9000ながら、チームスカイやBMCレーシングとは異なり、35mmハイトのミッドプロファイルモデル「C35-TU」で統一している。タイヤはオレンジのサイドウォールとなったプロ供給専用のコンチネンタルCOMPETITION PROLTD。幅は28mmだ。
ハンドル、ステム、シートポストはPROのVIBEシリーズで統一。4つのボルトでハンドルを固定する旧型のステムを使い続けている。サドルは今季よりプロロゴからフィジークへとスイッチされ、ライダーの好みに応じて各モデルを使い分けている。そして、ボトルケージは見慣れないロゴ無しものを採用。恐らくサポートを受けるエリートの定番モデルCUSTOMをベースとしたプロトタイプであると考えられる。
ランプレ・メリダ 【メリダ RIDE】
ランプレ・メリダはエースのフィリッポ・ポッツァート(イタリア)を始め、全ライダーがメリダのエンデュランスモデル「RIDE」で統一。同時にホイールチョイスも前週とは異なり、ロンドでは快適性に優れるロープロファイルの「Racing Light XLR」の使用率が高かったのに対して、パリ~ルーベでは50mmハイトの「Racing Speed XLR」が多く選択されていた。フレームの振動吸収性が向上した分、エアロホイールで前半の舗装路区間での体力消耗を抑える狙いがあってのアッセンブルだと考えられる。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、ブレーキはノーグレードのシマノ製ロングアーチモデル、クランクはローターの3D+としている。なお、チェーンリングは真円モデルnoQのエアロタイプの使用率が高かった。タイヤはコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」だ。
ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。サドルはプロロゴで、普段のレース同様に表皮に滑り止め素材を設けたCPCタイプが多く選択されている。同様にバーテープもプロロゴ。ボトルケージは北のクラシックでは定番のエリートCIUSSI GELとしている。
ユナイテッドヘルスケア 【ウィリエール Zero.9】
アメリカ籍のプロコンチネンタルチームであるユナイテッドヘルスケアのバイクはイタリアのウィリエール。普段はエアロ系オールラウンドモデル「CENTO1 SR」をメインとするものの、パリ~ルーベでは全ライダーが剛性を重視した「Zero.9」を駆った。
コンポーネントは機械式のシマノDURA-ACEで統一。表面処理が製品版とチェーンリングは、選手の要望に応えて作られた特別仕様であり、ユナイテッドヘルスケアは昨年のパリ~ルーベでも使用していた。そして、パワーメーターはパイオニアのペダリングモニターを引き続き採用。ホイールはDURA-ACEグレードのWH-9000で、35mmハイトの「C35-TU」と50mmハイトの「C50-TU」を使い分けている。
タイヤはアメリカンブランドのマキシスで、今大会では数名のライダーにブランドロゴだけが記されたプロトタイプが供給されていた。トレッドパターンや角張った断面形状から察するにシームレス構造のハイエンドモデルCampioneの28mm幅だと考えられる。ハンドル、ステム、シートポストはデダ・エレメンティながら、ベルト・フェルスター(ドイツ)のバイクにはセットバック量がとても大きなノーブランドのシートポストがアッセンブルされていた。その他、サドルはサンマルコ、ボトルケージはタックスとしている。
ティンコフ・サクソ 【スペシャライズド S-Works Tarmac、S-Works Roubaix SL4】
ティンコフ・サクソのエースを務めたペーター・サガン(スロバキア)はレース途中でのバイク交換という作戦を実行。前半の舗装路区間ではオールラウンドモデル「S-Works Tarmac」で脚力を温存し、石畳をこなす後半はエンデュランスモデル「S-Works Roubaix SL4」を駆った。
そして、サガンはフレームに応じてタイヤとホイールも変更しており、「S-Works Tarmac」はスペシャライズドがプロデュースするロヴァールRapide CLXの60mmハイトモデルにS-Woks Turboタイヤをアッセンルブル。一方の「S-Works Roubaix SL4」は40mmハイトのRapide CLXに、FMBのコットンケーシング+スペシャライズドのコンパウンドのスペシャルタイヤという組み合わせとした。
メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、クランクのみFSAを採用。ハンドル、ステム、シートポストはFSAのサポートながら、サガンはより高いステアリング剛性を求めてフルカーボン製のジップSL SPRINTステムをチョイス。サドルは新型のプロロゴSCRATCH 2だ。
トップスポート・フラーンデレン 【エディメルクス EMX-525】
前週のロンドに引き続きパリ~ルーベでも、トップスポート・フラーンデレンは普段からメインバイクとしているエディメルクスの高剛性オールラウンドモデル「エディメルクス EMX-525」を全ライダーが使用。幅広のタイヤを使用する以外は、これといった悪路対策が見たらない。
メインコンポーネントは機械式のシマノDURA-ACE。クランクにはローターを採用しており、ティム・デクレルク(ベルギー)のバイクには同社オリジナルのパワーメーターROTOR POWERが取り付けられていたものの、何故かハンドル周りにサイクルコンピューターの姿はなかった。ホイールとタイヤは45mmハイトのファストフォワードF4Rに、ヴィットリアCORSA SCもしくはプロトタイプという組み合わせ。
ハンドルとステムはデダ・エレメンティで、大柄なデクレルクはクランプ部が35mmの高剛性モデル「35(トレンタチンクエ)」をチョイス。その他、サドルはプロロゴ及びバーテープ、ボトルケージはタックス、ペダルはプロチームとしては珍しいルックKeo 2 Maxとしている。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
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