2015/04/10(金) - 18:14
ロンド・ファン・フラーンデレン女子レースで、ワンツーフィニッシュを成し遂げたWiggle Honda。チームメイトをサポートした萩原麻由子によるレポートを紹介します。大成功の結果を「凄まじい、そして素晴らしい一日」と振り返ります。
私は大会一週間前のイタリアでのW杯レース後、急遽フランドル出場が言い渡され、そのままベルギーでのフランドル事前合宿へ参加。合宿ではコースの試走、またオランダ人監督の指導のもとコース説明を兼ねたミーティングを行い、チームは良い状態でレースに備えることができました。
補欠繰り上がり出場だった私は、とくにベルギーやオランダといった、テクニカルで気候も厳しい地域のレースが苦手なため、当初は「せめてレース最初の1、2時間でもしっかり働けるよう集中していこう」と考えていました。しかし事前合宿にて、監督から詳細なコース説明と、自分が何をすべきかを的確に指示を受けられたことにより、落ち着いてレースを迎えられたような気がします。
レース前には一人体調不良が出てしまい、5人での出走となりましたが、何故か不安な気持ちがさほどなかったのは、入念な準備が出来ていた証拠だったのでしょう。
レース当日は、ベルギーらしからぬほぼ無風の晴天。この気候条件もこの日の自分のパフォーマンスに好影響をもたらしました。
レースが始まり、とにかく自分のチームメイトの近くにいることを心がけました。レース中最初の登りや石畳で自分の体調が良いことも分かり、とにかく集団前方にいるチームメイトの近くに、と集中します。
中盤に強豪チームが攻撃を開始し始めた時、集団前方にることができていたため、エースのブロンジーニの指示のもと、すぐさま動きに反応する事が出来ました。
しかし中盤から後半にかけどんどん苦しくなる中で現れる最終パートの序盤、カナリエベルグあたりから遅れはじめてしまい、次のクルイスベルクで第二集団、オウデクワレモントで第三集団に合流し、最後のパテルベルクでは停止しそうになりながらなんとか越え、私は結果的にその第三集団(グルペット)でゴールしました。
私がカナリエベルクで後ろに下がってしまっていた頃、チームメイトのエリーザ・ロンゴボルギーニが単独アタック、彼女はそのまま最後まで逃げ切るという本当に強い勝ち方をしました。
合宿中、同じイタリア人でもありエースのブロンジーニと「監督は詳細に何通りかの戦術を言う。だけどエリーザはまだ若い。とても強いけどまだ若いんだ。あまり何通りもの戦術を言うと彼女は考えすぎてしまう。強くて、頭が良くて、若いがゆえに考えすぎてしまう。だけど若いうちは失敗したっていいんだ。むしろ失敗すべき。だから今回彼女には、とにかくレース中自分の感覚に従って貪欲にチャレンジしてほしい」という内容の話をしていました。
レース後のインタビューで、エリーザが「最後アタックする時、なぜだかわからないけれど根拠のない確固たる自信があった。それは自分たちのチームが強いという確信があったから。もしこれで自分がダメになっても後ろにユリーン(2位になったベルギーチャンピオン)がいるので彼女の為に自分が働ける自信もあった。そしてレース前にブロンジーニが、今日はとにかく自分の情熱に頼っていけと言ってくれた。本当に素晴らしいレースだった」という趣旨のコメントをしていた時、彼女の人柄と、チーム力の素晴らしさを実感しました。
チーム内には多かれ少なかれ何かしらの問題はありますが、レースでこうして結果を出せるという事は、チームの雰囲気が良い時、流れがうまく行っている時に起きるのだと、今回非常に実感しています。
私は同時に、そんな素晴らしいチームメイト、スタッフと共に戦えていることの素晴らしさを思い知りました。
彼女らと一緒に走れる今、たくさんの事を吸収できるよう、そして何より、自分自身がもっと強くなり、チームの成功のために頑張りたいとより一層強く思った日となりました。
補欠起用ながら、素晴らしいレースで素晴らしい経験が出来たことを糧にし、今シーズン突き進んでいきたいと思います。
photo:Bart Hazen/Wiggle Honda Pro Cycling
report:萩原麻由子
私は大会一週間前のイタリアでのW杯レース後、急遽フランドル出場が言い渡され、そのままベルギーでのフランドル事前合宿へ参加。合宿ではコースの試走、またオランダ人監督の指導のもとコース説明を兼ねたミーティングを行い、チームは良い状態でレースに備えることができました。
補欠繰り上がり出場だった私は、とくにベルギーやオランダといった、テクニカルで気候も厳しい地域のレースが苦手なため、当初は「せめてレース最初の1、2時間でもしっかり働けるよう集中していこう」と考えていました。しかし事前合宿にて、監督から詳細なコース説明と、自分が何をすべきかを的確に指示を受けられたことにより、落ち着いてレースを迎えられたような気がします。
レース前には一人体調不良が出てしまい、5人での出走となりましたが、何故か不安な気持ちがさほどなかったのは、入念な準備が出来ていた証拠だったのでしょう。
レース当日は、ベルギーらしからぬほぼ無風の晴天。この気候条件もこの日の自分のパフォーマンスに好影響をもたらしました。
レースが始まり、とにかく自分のチームメイトの近くにいることを心がけました。レース中最初の登りや石畳で自分の体調が良いことも分かり、とにかく集団前方にいるチームメイトの近くに、と集中します。
中盤に強豪チームが攻撃を開始し始めた時、集団前方にることができていたため、エースのブロンジーニの指示のもと、すぐさま動きに反応する事が出来ました。
しかし中盤から後半にかけどんどん苦しくなる中で現れる最終パートの序盤、カナリエベルグあたりから遅れはじめてしまい、次のクルイスベルクで第二集団、オウデクワレモントで第三集団に合流し、最後のパテルベルクでは停止しそうになりながらなんとか越え、私は結果的にその第三集団(グルペット)でゴールしました。
私がカナリエベルクで後ろに下がってしまっていた頃、チームメイトのエリーザ・ロンゴボルギーニが単独アタック、彼女はそのまま最後まで逃げ切るという本当に強い勝ち方をしました。
合宿中、同じイタリア人でもありエースのブロンジーニと「監督は詳細に何通りかの戦術を言う。だけどエリーザはまだ若い。とても強いけどまだ若いんだ。あまり何通りもの戦術を言うと彼女は考えすぎてしまう。強くて、頭が良くて、若いがゆえに考えすぎてしまう。だけど若いうちは失敗したっていいんだ。むしろ失敗すべき。だから今回彼女には、とにかくレース中自分の感覚に従って貪欲にチャレンジしてほしい」という内容の話をしていました。
レース後のインタビューで、エリーザが「最後アタックする時、なぜだかわからないけれど根拠のない確固たる自信があった。それは自分たちのチームが強いという確信があったから。もしこれで自分がダメになっても後ろにユリーン(2位になったベルギーチャンピオン)がいるので彼女の為に自分が働ける自信もあった。そしてレース前にブロンジーニが、今日はとにかく自分の情熱に頼っていけと言ってくれた。本当に素晴らしいレースだった」という趣旨のコメントをしていた時、彼女の人柄と、チーム力の素晴らしさを実感しました。
チーム内には多かれ少なかれ何かしらの問題はありますが、レースでこうして結果を出せるという事は、チームの雰囲気が良い時、流れがうまく行っている時に起きるのだと、今回非常に実感しています。
私は同時に、そんな素晴らしいチームメイト、スタッフと共に戦えていることの素晴らしさを思い知りました。
彼女らと一緒に走れる今、たくさんの事を吸収できるよう、そして何より、自分自身がもっと強くなり、チームの成功のために頑張りたいとより一層強く思った日となりました。
補欠起用ながら、素晴らしいレースで素晴らしい経験が出来たことを糧にし、今シーズン突き進んでいきたいと思います。
photo:Bart Hazen/Wiggle Honda Pro Cycling
report:萩原麻由子
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