2015/03/28(土) - 15:46
総合成績を揺るがす動きは、終盤の2級山岳リーリャ峠ではなく、平坦な横風区間で生まれた。リーダージャージを着るバルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル)のいない10名のグループがフィニッシュに到着。タイミング良く抜け出したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が2勝目をつかんだ。
クイーンステージを終え、ボルタ・ア・カタルーニャはピレネー山脈から南に下る。第5ステージは前半から下り&平坦基調の幹線道路が続き、残り10km地点で2級山岳リーリャ峠(平均勾配4.8%・登坂距離4.1km)を越える。しかし、レースが最大の山場である2級山岳リーリャ峠に到着した時点で、集団は大きく縮小していた。
序盤から逃げグループを形成したヤン・ポランク(スロベニア、ランプレ・メリダ)、カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、トレックファクトリーレーシング)、ヨアン・バゴ(フランス、コフィディス)は、残り50kmを切ってからスピードアップしたメイン集団によって早々に捕らえられてしまう。
横風区間でチームスカイ、カチューシャ、ティンコフ・サクソ、エティックス・クイックステップが集団先頭に立ってスピードを上げるとエシュロンが発生し、リーダージャージを着るバルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル)や総合4位ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)が脱落。残り40kmでデクレルクの総合優勝の夢は潰えてしまう。
引き続きチームスカイが中心となってハイペースを保ったまま集団は2級山岳リーリャ峠へ。頂上まで1kmを残したところで総合9位・52秒差のバルベルデがアタックを仕掛けると、バーチャル総合リーダーのリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)やアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がすかさず反応。頂上通過の時点で先頭は精鋭9名に絞られていた(ポート、コンタドール、バルベルデ、ウラン、アル、ティラロンゴ、ポッツォヴィーヴォ、バルス、ヴァンガーデレン)。
フィニッシュの街バルスに向かう高速ダウンヒルを先頭でかっ飛ばしたのはバルベルデ。トップチューブに座り、ハンドルに覆いかぶさるようなポジションで一時的に抜け出したが、ライバルたちを振りきれずに一旦は引き戻される。
コンタドールがローテーションを促すジェスチャーを出す中、引き続き先頭を走っていたバルベルデがスルスルと抜け出すことに成功。後方とのギャップを確認してそのまま踏んだバルベルデがテクニカルコーナーが続く街中に入り、追走を5秒振り切って独走勝利した。
「終盤にかけて横風が予想されていたので、チーム全体で集団先頭に上がり、計画的に加速した。その結果、デクレルクとマーティンを置き去りに出来たんだ。そして最後の登りで人数を絞りたくてアタックして、下りでチャンスがあったから飛び出した」。そう語るバルベルデは5秒のリードと10秒のボーナスタイムを得て総合4位にジャンプアップ。第3ステージの落車で失った22秒のビハインドを見事に挽回した。
最終的に2分53秒遅れたデクレルクに代わって、白いリーダージャージはポートの手に。同日ベルギーで行われたE3ハレルベークでゲラント・トーマス(イギリス)が、イタリアのコッピ・エ・バルタリでベン・スウィフト(イギリス)が勝利しており、チームスカイは1日に3つの成果を上げたことになる。
ジロ・デ・イタリアに向けて抜群のコンディションを見せているポートはパリ〜ニースに続くUCIワールドツアーステージレース総合優勝に駒を進めたが、ライバルたちの総合タイム差は僅か。再び横風が予想される平坦基調の第6ステージを挟んで、3級山岳モンジュイックの丘(平均勾配5.7%・登坂距離2km)を8回駆け上がる最終第7ステージで総合争いは決する。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ボルタ・ア・カタルーニャ2015第5ステージ結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 4h25’52”
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +05”
3位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)
4位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
5位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
8位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ) +12”
9位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)
10位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
143位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +13’33”
個人総合成績
1位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) 22h58’20”
2位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) +05”
3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +07”
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +16”
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +18”
6位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) +27”
7位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング) +33”
8位 ラファエル・バルス(スペイン、ランプレ・メリダ) +43”
9位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +1’09”
10位 ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン) +1’35”
山岳賞
トム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
スプリント賞
ルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)
ヤングライダー賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
クイーンステージを終え、ボルタ・ア・カタルーニャはピレネー山脈から南に下る。第5ステージは前半から下り&平坦基調の幹線道路が続き、残り10km地点で2級山岳リーリャ峠(平均勾配4.8%・登坂距離4.1km)を越える。しかし、レースが最大の山場である2級山岳リーリャ峠に到着した時点で、集団は大きく縮小していた。
序盤から逃げグループを形成したヤン・ポランク(スロベニア、ランプレ・メリダ)、カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、トレックファクトリーレーシング)、ヨアン・バゴ(フランス、コフィディス)は、残り50kmを切ってからスピードアップしたメイン集団によって早々に捕らえられてしまう。
横風区間でチームスカイ、カチューシャ、ティンコフ・サクソ、エティックス・クイックステップが集団先頭に立ってスピードを上げるとエシュロンが発生し、リーダージャージを着るバルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル)や総合4位ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)が脱落。残り40kmでデクレルクの総合優勝の夢は潰えてしまう。
引き続きチームスカイが中心となってハイペースを保ったまま集団は2級山岳リーリャ峠へ。頂上まで1kmを残したところで総合9位・52秒差のバルベルデがアタックを仕掛けると、バーチャル総合リーダーのリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)やアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がすかさず反応。頂上通過の時点で先頭は精鋭9名に絞られていた(ポート、コンタドール、バルベルデ、ウラン、アル、ティラロンゴ、ポッツォヴィーヴォ、バルス、ヴァンガーデレン)。
フィニッシュの街バルスに向かう高速ダウンヒルを先頭でかっ飛ばしたのはバルベルデ。トップチューブに座り、ハンドルに覆いかぶさるようなポジションで一時的に抜け出したが、ライバルたちを振りきれずに一旦は引き戻される。
コンタドールがローテーションを促すジェスチャーを出す中、引き続き先頭を走っていたバルベルデがスルスルと抜け出すことに成功。後方とのギャップを確認してそのまま踏んだバルベルデがテクニカルコーナーが続く街中に入り、追走を5秒振り切って独走勝利した。
「終盤にかけて横風が予想されていたので、チーム全体で集団先頭に上がり、計画的に加速した。その結果、デクレルクとマーティンを置き去りに出来たんだ。そして最後の登りで人数を絞りたくてアタックして、下りでチャンスがあったから飛び出した」。そう語るバルベルデは5秒のリードと10秒のボーナスタイムを得て総合4位にジャンプアップ。第3ステージの落車で失った22秒のビハインドを見事に挽回した。
最終的に2分53秒遅れたデクレルクに代わって、白いリーダージャージはポートの手に。同日ベルギーで行われたE3ハレルベークでゲラント・トーマス(イギリス)が、イタリアのコッピ・エ・バルタリでベン・スウィフト(イギリス)が勝利しており、チームスカイは1日に3つの成果を上げたことになる。
ジロ・デ・イタリアに向けて抜群のコンディションを見せているポートはパリ〜ニースに続くUCIワールドツアーステージレース総合優勝に駒を進めたが、ライバルたちの総合タイム差は僅か。再び横風が予想される平坦基調の第6ステージを挟んで、3級山岳モンジュイックの丘(平均勾配5.7%・登坂距離2km)を8回駆け上がる最終第7ステージで総合争いは決する。
選手コメントは各チーム公式サイトより。
ボルタ・ア・カタルーニャ2015第5ステージ結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 4h25’52”
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +05”
3位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)
4位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
5位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
8位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ) +12”
9位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)
10位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
143位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +13’33”
個人総合成績
1位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) 22h58’20”
2位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) +05”
3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +07”
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +16”
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +18”
6位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) +27”
7位 ダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング) +33”
8位 ラファエル・バルス(スペイン、ランプレ・メリダ) +43”
9位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ) +1’09”
10位 ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン) +1’35”
山岳賞
トム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
スプリント賞
ルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)
ヤングライダー賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele