延々とゴールまで60kmの登りが続く過酷なクイーンステージで、イラン人選手の登坂力が炸裂。ステージ1〜4位を独占し、昨年のTOJ覇者ミルサマ・ポルセイエディゴラコールが総合首位に。土井雪広は総合6位をキープし、翌最終ステージを迎える。



山間を駆け抜けていくプロトン。この日はステージの半分以上が登りという過酷なレイアウト山間を駆け抜けていくプロトン。この日はステージの半分以上が登りという過酷なレイアウト photo:tourdetw


メイン集団を牽く中島康晴(日本ナショナルチーム)メイン集団を牽く中島康晴(日本ナショナルチーム) photo:tourdetw5日間のツール・ド・台湾はクイーンステージを迎えた。日月潭から阿里山へと向かう第4ステージは距離こそ102.8kmと短いながらも、35km地点からゴールまでの60kmはひたすら登りが続き、標高差2200m以上を上り詰める。この長く厳しいヒルクライムコースで、圧倒的な登坂力を誇るイラン勢が席巻することとなる。

エマミ・ラヒム(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)とガデル・ミズバニ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)が先行するエマミ・ラヒム(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)とガデル・ミズバニ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)が先行する photo:tourdetw序盤のアタック合戦で阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)や中島康晴(日本ナショナルチーム)らが積極的に動いた末、昨ステージで2位に入った元ギリシャチャンピオン、イオアニス・タモウリディス(シナジー・バク)を含む4名が雨の中逃げる展開に。

しかし登り区間に突入すると逃げグループは崩壊し、人数を徐々に絞り込むメイン集団が飲み込んでいく。落車の影響を拭い去れない増田成幸(宇都宮ブリッツェン)らも集団から遅れ、最終的にミルサマ・ポルセイエディゴラコール、ガデル・ミズバニ(共にタブリーズ・ペトロケミカル)、エマミ・ラヒム、ホセイン・アスカリ(共にピシュガマン・ジャイアント)という4名のイラン勢がトップグループを形成する。

激しいアタック合戦からポルセイエディゴラコールとラヒムが抜け出し、深い霧に包まれたゴールにはポルセイエディゴラコールが先着。昨年のツアー・オブ・ジャパン総合覇者であり、富士山ステージや伊豆ステージなど、過酷な状況で力を見せた29歳が総合優勝に向けて一躍大手をかけた。

また総合で6位につける土井雪広(チーム右京)はステージ13位に入り、タイム差を許しながらも総合順位をキープ。「今日はオスカル、サルバにペースメイクを頼んで、イラン人のアタックを最小限に抑えるようにお願いして走って貰った。窪木には移動コンビニのように食べ物、飲み物を運んで貰い、パブロは体調不良を抱えてるにもかかわらず、一生懸命仕事をこなしてくれた。とにかく苦しかったけど、まだエンジョイ出来る気持ち的余裕があったので、コンディションが全く上がりきってないシーズンはじめのレースとしてはとても良かったと思う。」と自身のブログで語っている。



ステージ優勝したミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)ステージ優勝したミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル) photo:tourdetw2秒差でステージ優勝を逃したエマミ・ラヒム(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)2秒差でステージ優勝を逃したエマミ・ラヒム(イラン、ピシュガマン・ジャイアント) photo:tourdetwミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)が山岳賞と総合首位にミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)が山岳賞と総合首位に photo:tourdetw



ツール・ド・台湾2015第4ステージ結果
1位 ミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
2位 エマミ・ラヒム(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
3位 ガデル・ミズバニ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
4位 ホセイン・アスカリ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
5位 オレグ・ゼムリャコフ(カザフスタン、ヴィノフォーエバー)
6位 パトリック・ベヴィン(オーストラリア、アヴァンティレーシング)
7位 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
8位 トラヴィス・メイヤー(オーストラリア、ドラパックプロサイクリング)
9位 ロブ・ブリットン(カナダ、スマートストップ)
10位 アミール・コラードザーグ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
3h12'42"
+02"
+16"
+25"
+1'52"
+1'57"






個人総合成績
1位 ミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)
2位 ホセイン・アスカリ(イラン、ピシュガマン・ヤズド)
3位 エマミ・ラヒーム(イラン、ピシュガマン・ジャイアント)
4位 パトリック・べヴィン(オーストラリア、アヴァンティレーシング)
5位 ヴィクトール・デラパルテ(スペイン、ヴォラールベルク)
6位 土井雪広(チーム右京)
7位 トラヴィス・メイヤー(オーストラリア、ドラパックプロサイクリング)
8位 ヤスパー・オケローン(オランダ、パークホテル・ファルケンブルク)
9位 チョ・ミンヒョン(韓国、韓国ナショナルチーム)
10位 ロブ・ブリットン(カナダ、スマートストップ)
10h09'47"
+30"
+46"
+1'50"
+2'34'
+2'36"


+2'48"
+2'51"


ポイント賞
パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、アヴァンティレーシング)

山岳賞
ミルサマ・ポルセイエディゴラコール(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)

チーム総合成績
ピシュガマン・ヤズド

text:So.Isobe
photo:tourdetw

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