2015/03/26(木) - 11:06
合計5つのカテゴリー山岳が設定されたボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)第3ステージで総合争いが本格化。ジロ・デ・イタリアを見据えるトップレーサーが1級山岳で攻防を繰り広げ、精鋭7名がフィニッシュまで逃げ切った。
伝統的に多くの非ヨーロッパ出身選手(アメリカやオーストラリア)が住むジローナを発着する第3ステージ。第1ステージで大逃げが決まったことで、総合タイムの挽回を強いられているトップレーサーたちが5つのカテゴリー山岳を含む157kmコースで攻撃に出た。
合計2回登場する1級山岳アンヘルス峠(平均勾配5.5%・登坂距離6km)に向けて積極的にレースをコントロールしたのはアルベルト・コンタドール(スペイン)擁するティンコフ・サクソ。本格的な勝負が始まるまでに、序盤から逃げたレオナルド・ドゥケ(コロンビア、コロンビア)やトム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)らを吸収してしまう。
残り41km地点で発生した落車によって集団は二分され、前日の覇者アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)らが脱落。ティンコフ・サクソ率いる30名に満たない精鋭集団は構わずペースを上げ続け、勝負の1級山岳アンヘルス峠に差し掛かった。
最後の1級山岳アンヘルス峠からフィニッシュまでわずか13km。ティンコフ・サクソ、アスタナ、エティックス・クイックステップが牽引する集団からは次々と選手たちが脱落し、コンタドールのアタックによって先頭は5名に絞られる。
コンタドール、リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)、リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)という、奇しくもジロ・デ・イタリアの優勝候補5名が先行。ポートやアルらのアタックによって活性化したまま、5名のまま、1級山岳アンヘルス峠を通過する。
ワインディングが続く下りでアンドリュー・タランスキー(アメリカ)とダニエル・マーティン(アイルランド)のキャノンデール・ガーミン2名が追いついて先頭は7名。遅れたバルベルデや暫定リーダーのピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)を引き離したいコンタドールが先頭交代を促すも上手くローテーションが回らない。
ジローナの街が視界に入ったところで、フィニッシュまで2kmを残した短い登りでポッツォヴィーヴォがアタック。牽制する精鋭グループを振り切ったポッツォヴィーヴォが逃げ切り、後続はウランとマーティンを先頭に3秒遅れでフィニッシュした。バルベルデやロラン、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)を含む追走集団は22秒遅れでフィニッシュ。
身長165cmの小柄なクライマーとしてグランツールでコンスタントに総合上位に絡むポッツォヴィーヴォ(2013年ジロ総合10位、ブエルタ総合6位、2014年ジロ総合5位)。しかし近年は勝利から見放されたシーズンが続いていた。これがAG2Rラモンディアール3年目で手にした初めての勝利となる。
ボーナスタイムを獲得したポッツォヴィーヴォが総合4位に浮上したが、総合トップスリーの面々は変わらず。1分34秒遅れたマチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)とバルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル)を引き離す形で、ロランが総合首位に立った。以下、この日のステージ上位陣が総合上位を占めている。
翌日の第4ステージは標高1725mの1級山岳ラ・モリーナにフィニッシュするクイーンステージ。残り42km地点で登場する標高1916mの超級山岳クレウエタ峠(平均勾配4.5%・登坂距離21km)で激しいアタック合戦が繰り広げられるだろう。
ボルタ・ア・カタルーニャ2015第3ステージ結果
1位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) 3h52’37”
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +03”
3位 ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)
4位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
5位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
6位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
7位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
8位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ) +22”
9位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
10位 アルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ)
145位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +15’48”
個人総合成績
1位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー) 13h29’23”
2位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) +1’08”
3位 バルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル) +1’16”
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) +2’14”
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +2’21”
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン) +2’22”
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +2’27”
8位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
9位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
10位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
山岳賞
マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
スプリント賞
ルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)
ヤングライダー賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
チーム総合成績
ユーロップカー
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
伝統的に多くの非ヨーロッパ出身選手(アメリカやオーストラリア)が住むジローナを発着する第3ステージ。第1ステージで大逃げが決まったことで、総合タイムの挽回を強いられているトップレーサーたちが5つのカテゴリー山岳を含む157kmコースで攻撃に出た。
合計2回登場する1級山岳アンヘルス峠(平均勾配5.5%・登坂距離6km)に向けて積極的にレースをコントロールしたのはアルベルト・コンタドール(スペイン)擁するティンコフ・サクソ。本格的な勝負が始まるまでに、序盤から逃げたレオナルド・ドゥケ(コロンビア、コロンビア)やトム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)らを吸収してしまう。
残り41km地点で発生した落車によって集団は二分され、前日の覇者アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)らが脱落。ティンコフ・サクソ率いる30名に満たない精鋭集団は構わずペースを上げ続け、勝負の1級山岳アンヘルス峠に差し掛かった。
最後の1級山岳アンヘルス峠からフィニッシュまでわずか13km。ティンコフ・サクソ、アスタナ、エティックス・クイックステップが牽引する集団からは次々と選手たちが脱落し、コンタドールのアタックによって先頭は5名に絞られる。
コンタドール、リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)、リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)という、奇しくもジロ・デ・イタリアの優勝候補5名が先行。ポートやアルらのアタックによって活性化したまま、5名のまま、1級山岳アンヘルス峠を通過する。
ワインディングが続く下りでアンドリュー・タランスキー(アメリカ)とダニエル・マーティン(アイルランド)のキャノンデール・ガーミン2名が追いついて先頭は7名。遅れたバルベルデや暫定リーダーのピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)を引き離したいコンタドールが先頭交代を促すも上手くローテーションが回らない。
ジローナの街が視界に入ったところで、フィニッシュまで2kmを残した短い登りでポッツォヴィーヴォがアタック。牽制する精鋭グループを振り切ったポッツォヴィーヴォが逃げ切り、後続はウランとマーティンを先頭に3秒遅れでフィニッシュした。バルベルデやロラン、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)を含む追走集団は22秒遅れでフィニッシュ。
身長165cmの小柄なクライマーとしてグランツールでコンスタントに総合上位に絡むポッツォヴィーヴォ(2013年ジロ総合10位、ブエルタ総合6位、2014年ジロ総合5位)。しかし近年は勝利から見放されたシーズンが続いていた。これがAG2Rラモンディアール3年目で手にした初めての勝利となる。
ボーナスタイムを獲得したポッツォヴィーヴォが総合4位に浮上したが、総合トップスリーの面々は変わらず。1分34秒遅れたマチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)とバルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル)を引き離す形で、ロランが総合首位に立った。以下、この日のステージ上位陣が総合上位を占めている。
翌日の第4ステージは標高1725mの1級山岳ラ・モリーナにフィニッシュするクイーンステージ。残り42km地点で登場する標高1916mの超級山岳クレウエタ峠(平均勾配4.5%・登坂距離21km)で激しいアタック合戦が繰り広げられるだろう。
ボルタ・ア・カタルーニャ2015第3ステージ結果
1位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) 3h52’37”
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +03”
3位 ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)
4位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
5位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
6位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
7位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
8位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ) +22”
9位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
10位 アルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ)
145位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング) +15’48”
個人総合成績
1位 ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー) 13h29’23”
2位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) +1’08”
3位 バルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル) +1’16”
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール) +2’14”
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ) +2’21”
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン) +2’22”
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) +2’27”
8位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
9位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
10位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
山岳賞
マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
スプリント賞
ルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)
ヤングライダー賞
ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
チーム総合成績
ユーロップカー
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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