2015/03/11(水) - 17:53
3月11日、イタリアで第50回ティレーノ〜アドリアティコ(UCIワールドツアー)が開幕する。アルベルト・コンタドール(スペイン)やナイロ・キンタナ(コロンビア)、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)が揃うグランツールさながらの豪華メンバーが「二つの海のレース」のタイトルを懸けて競い合う。
第50回ティレーノ〜アドリアティコが開幕する photo:Riccardo Scanferla
標高1675mのテルミニッロと個人TTで決着
第4ステージコースプロファイル (c)RCS Sport
第5ステージコースプロファイル (c)RCS Sport
GPMテルミニッロの勾配図 (c)RCS Sport1966年に初開催され、ジロ・デ・イタリアと同じRCS Sportが主催するティレーノ〜アドリアティコ。レース名の通り、ティレニア海沿岸をスタートし、イタリア半島を横断してアドリア海沿岸に至る。2つの海を結ぶその行程から、イタリアでは「コルサ・デイ・ドゥエ・マーリ(二つの海のレース)」と呼ばれる。
同時期に開催されるパリ〜ニースと同様、クラシックレースやグランツールに向けて調整を続ける有力スプリンターやオールラウンダーたちが大勢出場。コースレイアウトに合わせて、各チームがメンバーをパリ〜ニースとティレーノ〜アドリアティコに振り分ける。
当初はリード・ディ・カマイオーレを舞台にした22.7kmのチームタイムトライアルで開幕する予定だったが、ここ数週間の悪天候によってコースがダメージを受けたため個人タイムトライアルに変更。フィニッシュ地点に変更はなく、プロローグと呼んでもよい5.7kmの短距離TTとなる。
トスカーナ州を東進する第2ステージと第3ステージはスプリンターのための平坦コース。アレッツォの旧市街にフィニッシュする第3ステージは残り1kmから平均勾配5%の石畳の登りが設定されている。
標高1000m級のGPM(カテゴリー山岳)を2つ越え、フィニッシュの6km手前で最大勾配15%のGPMクリスピエロを越える第4ステージで総合争いは動き始める。GPMテルミニッロにフィニッシュする第5ステージが今大会のクイーンステージ。標高1675mに向かう登坂距離16.1km・平均勾配7.3%の登りで総合成績にシャッフルがかけられる。
最終日はお決まりのサンベネデット・デル・トロントを舞台にした10kmの個人タイムトライアル。海沿いのビーチリゾートを駆ける平坦路で第50回大会の総合優勝者が決まる。
ティレーノ〜アドリアティコ2015 コースマップ (c)RCS Sport
ティレーノ〜アドリアティコ2015ステージリスト
3月11日(水)第1ステージ リード・ディ・カマイオーレ 5.7km(個人TT)
3月12日(木)第2ステージ カマイオーレ〜カシーナ 153km
3月13日(金)第3ステージ カシーナ〜アレッツォ 203km
3月14日(土)第4ステージ インディカトーレ(アレッツォ)〜カステルライモンド 218km
3月15日(日)第5ステージ エザナトーリア〜テルミニッロ 194km
3月16日(月)第6ステージ リエーティ〜ポルト・サンテルピーディオ 210km
3月17日(火)第7ステージ サンベネデット・デル・トロント 10km(個人TT)
コンタドールの連覇なるか スプリンターやクラシックハンターの走りにも注目
アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ) photo:Riccardo Scanferla
ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:CorVos
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ) photo:CorVos
新城幸也(ユーロップカー) photo:Makoto.AYANO近年の流れとして、グランツールでの活躍が期待されるステージレーサーは本格山岳や個人TTが多く登場するティレーノ〜アドリアティコをセレクトする。2015年も例に漏れず、豪華なメンバーがスタートラインに並ぶ。
優勝候補の筆頭はディフェンディングチャンピオンのアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)だ。ジロ・デ・イタリアに向けてコンタドールはますますコンディションを上げているはず。イヴァン・バッソ(イタリア)やロマン・クロイツィゲル(チェコ)らを従えての出場となる。なお、コンタドールは大会開幕前日に2016年末までティンコフ・サクソのリーダーとして走ることを発表済みだ。
シーズン開幕時からコンタドールとクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)の直接対決に注目が集まったが、フルームは肺感染症によってティレーノ〜アドリアティコ欠場を発表している。
コンタドールのライバルと目されるのは、ツール・ド・フランス覇者ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)やナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ら。2015年のグランツールで主役を担うであろうオールラウンダーたちが揃っている。
他にもリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)、ティボー・ピノ(フランス、FDJ)、ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)、ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)、バウク・モレマ(オランダ、トレックファクトリーレーシング)らが総合上位を狙って山岳で動いてくるだろう。
平坦ステージではマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)に注目したい。当初はマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)もスタート予定だったが、ジャーマンスプリンターはツアー・ダウンアンダー後に発症したウィルス感染から回復していないとして欠場を決めている。
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)やサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)の他、ゲラルド・チオレック(ドイツ)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)、マシュー・ゴス(オーストラリア)、タイラー・ファラー(アメリカ)という強力なスプリントラインを敷くMTNキュベカにも注目だ。
ストラーデビアンケを制したばかりのゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)やファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)、ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)ら、クラシックを見据える選手たちも顔をそろえる。
日本人選手としては新城幸也(ユーロップカー)が出場。アルデンヌクラシックやグランツールを見据える新城のヨーロッパシーズンが本格始動する。
text:Kei Tsuji
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標高1675mのテルミニッロと個人TTで決着
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同時期に開催されるパリ〜ニースと同様、クラシックレースやグランツールに向けて調整を続ける有力スプリンターやオールラウンダーたちが大勢出場。コースレイアウトに合わせて、各チームがメンバーをパリ〜ニースとティレーノ〜アドリアティコに振り分ける。
当初はリード・ディ・カマイオーレを舞台にした22.7kmのチームタイムトライアルで開幕する予定だったが、ここ数週間の悪天候によってコースがダメージを受けたため個人タイムトライアルに変更。フィニッシュ地点に変更はなく、プロローグと呼んでもよい5.7kmの短距離TTとなる。
トスカーナ州を東進する第2ステージと第3ステージはスプリンターのための平坦コース。アレッツォの旧市街にフィニッシュする第3ステージは残り1kmから平均勾配5%の石畳の登りが設定されている。
標高1000m級のGPM(カテゴリー山岳)を2つ越え、フィニッシュの6km手前で最大勾配15%のGPMクリスピエロを越える第4ステージで総合争いは動き始める。GPMテルミニッロにフィニッシュする第5ステージが今大会のクイーンステージ。標高1675mに向かう登坂距離16.1km・平均勾配7.3%の登りで総合成績にシャッフルがかけられる。
最終日はお決まりのサンベネデット・デル・トロントを舞台にした10kmの個人タイムトライアル。海沿いのビーチリゾートを駆ける平坦路で第50回大会の総合優勝者が決まる。
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ティレーノ〜アドリアティコ2015ステージリスト
3月11日(水)第1ステージ リード・ディ・カマイオーレ 5.7km(個人TT)
3月12日(木)第2ステージ カマイオーレ〜カシーナ 153km
3月13日(金)第3ステージ カシーナ〜アレッツォ 203km
3月14日(土)第4ステージ インディカトーレ(アレッツォ)〜カステルライモンド 218km
3月15日(日)第5ステージ エザナトーリア〜テルミニッロ 194km
3月16日(月)第6ステージ リエーティ〜ポルト・サンテルピーディオ 210km
3月17日(火)第7ステージ サンベネデット・デル・トロント 10km(個人TT)
コンタドールの連覇なるか スプリンターやクラシックハンターの走りにも注目
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シーズン開幕時からコンタドールとクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)の直接対決に注目が集まったが、フルームは肺感染症によってティレーノ〜アドリアティコ欠場を発表している。
コンタドールのライバルと目されるのは、ツール・ド・フランス覇者ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)やナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)ら。2015年のグランツールで主役を担うであろうオールラウンダーたちが揃っている。
他にもリゴベルト・ウラン(コロンビア、エティックス・クイックステップ)、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)、ティボー・ピノ(フランス、FDJ)、ダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)、ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)、バウク・モレマ(オランダ、トレックファクトリーレーシング)らが総合上位を狙って山岳で動いてくるだろう。
平坦ステージではマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、エティックス・クイックステップ)に注目したい。当初はマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)もスタート予定だったが、ジャーマンスプリンターはツアー・ダウンアンダー後に発症したウィルス感染から回復していないとして欠場を決めている。
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チームスカイ)やサーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)の他、ゲラルド・チオレック(ドイツ)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)、マシュー・ゴス(オーストラリア)、タイラー・ファラー(アメリカ)という強力なスプリントラインを敷くMTNキュベカにも注目だ。
ストラーデビアンケを制したばかりのゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)やファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)、ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)ら、クラシックを見据える選手たちも顔をそろえる。
日本人選手としては新城幸也(ユーロップカー)が出場。アルデンヌクラシックやグランツールを見据える新城のヨーロッパシーズンが本格始動する。
text:Kei Tsuji
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