2015/01/31(土) - 19:05
いよいよ開幕まで迫ったシクロクロス世界選手権。一年に一度の大一番に挑む日本人選手のコメントを紹介する。2月かぎりでのプロ生活引退を発表した山本和弘は「今まで積み重ねてきたこと全てを出しきって走りたい」と意気込んだ。
シクロクロス世界選手権に挑む日本選手団 photo:Yuichi.Sawada
過去にターボルでレースを経験しているのは竹之内悠(ベランクラシック・イコイ)と豊岡英子(パナソニックレディース)の2名だが、共に「ここでのレースはいつもコンディションが違う」と口を揃える。
昨シーズンのUCIワールドカップ第2戦とほぼ同じルートをなぞる世界選のコースは1周3200mほど。連続して登りと下り、そしてキャンバーが現れるコースは雪と氷混じりのマッドコンディションがここ数日続いている。「コース前半の平地区間をどれだけの順位でこなせるかで決まる。特に第1レースのジュニアではスタートが肝心」とは日本代表チームの沢田監督。
今回日本代表としてレースに挑むのは、竹之内、山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)豊岡、横山航太(シマノレーシング)、前田公平(BIORACER OFFROAD TEAM)、竹内遼(WESTBERG/ProRide)そして山田将輝(PAX PROJECT)の7名だ。
山本和弘「現役生活の集大成として挑む」
「現役生活の集大成として挑む」山本和弘 photo:Alisa.Okazaki「今のパフォーマンスを100%出し切って走ることが全てです。そうすれば結果は後からついてくる」とはプロ選手引退を発表し、競技人生の集大成として世界選に挑む山本和弘。絶好調でシーズン序盤を滑り出したものの、関西シクロクロスマキノラウンドでは転倒によって肩を負傷。野辺山では好走したが、全日本選手権では思うような走りができなかった。「全日本ゴール後は以後のことを全く考えられない状態になってしまった。でも切り替えができて、世界選手権でこの借りを返すしかないと思ったんです」とは山本。
「シクロクロスではアンダー時代に続く2回目の世界選手権です。出場を意識したのは一昨年の野辺山シクロクロスの時からです。そのときに良い感触を掴めたので、目指してみようと。今年はチームにも恵まれ良い形でシーズンを過ごしていたので、世界選手権に選出されることは当たり前のことだと意識して練習していました」
「全日本終了後はレース間隔が空き、気持ちと身体が少しオフモードになり風邪をひいてしまった。そこは少し失敗というか、悔やむことろ。でも澤田監督が"一回落ちたらあとは上げていくだけ。落ちていくよりもずっと良いから"と言ってくれたことで気が楽になったんです」
「今まで積み重ねてきたことの全てを出したいし、準備もできている。プロ引退を発表してからメッセージもたくさん届いて、こんなにも応援してくれる人がいるんだな、って改めて感じさせられました。だからこそ良い走りがしたいし、それができれば本当に後悔は無い。そこにこだわっていきたいですね」。
竹之内悠「怪我の状態は良くなっている」
「怪我の状態は良くなっている」竹之内悠 photo:Alisa.Okazaki右足の肉離れを抱え、先週のワールドカップ最終戦で大事をとった竹之内。「先週と比べて脚の状態も良くなっていますし、練習メニューもターボルに来てからこなせるようになっています」と語る。
「まだベストな状態でこそありませんが、あと2日間でどのくらい調子を戻せるか。ターボルのコースは2回目ですが、その時その時で状況は変わる。だから土曜日の公式練習も、初めてのコースに挑む気持ちで走ろうと考えています。ヨーロッパでずっと走ってきて、大一番で走れなかったのを怪我のせいにしたくない。結果を数字で残そうと考えています」。
豊岡英子「集中力が問われるコースになる」
「今回は例年のターボルよりも暖かいですし、試走時と同じ泥レースになるのではと感じています。だからこそ問われるのは集中力。唯一の舗装路(ホームストレート)も風が強く、見た目以上にスタートも難しい。本来ならば10番台を目標にして走っているのですが、今の実力だと正直20番台前半が合っているのでは、と思います。ですが体調もなんとか仕上がりそうですし、走れる感触も掴めていますね」。
凍結と泥によってコンディションが変わる、難しいレースとなることが予想されている photo:Alisa.Okazaki
選手たちのバイクを整備するスタッフの皆さん photo:Alisa.Okazaki
自ら洗車を行う横山航太 photo:Alisa.Okazaki
横山航太
「クロスシーズン後半ですがコンディショニングもできています」横山航太 photo:Alisa.Okazaki「先週のレース時点では時差ボケが残っていていましたが、今は解消できています。クロスシーズン後半ですがコンディショニングもできていますし、最後の〆としてしっかりと臨むことができると思います。
レースでは進行と共にコースコンディションも大きく変わるはずですので、ピットとの連携が大切になってくるはずです。スタートも19番目と良い位置ですから、そこからポジションを下げないように走りたい」。
前田公平
キャンバーをこなす前田公平 photo:Alisa.Okazaki
「20番台でフィニッシュしたい」竹内遼 photo:Alisa.Okazaki「先週は稀に見る体調不良に見舞われてしまい、2日間ほど固形物を食べることができない状態でした。今は復調しましたが、水曜日のロードワークでも思うように身体が動かなかったことは事実です。
今日の試走ではラインチェックを中心として、土曜日はペースを上げていく。コースは難しく、常に登りと下り、キャンバーで構成されています。どこまで体調が戻るかに掛かっていますが、本番では良い走りを見せたいと思っています」。
竹内遼
「体調は上がってきています。試走は2回に分け、午後にはかなり感覚を掴めるようになりました。コースに関してはかなり攻略できたと感じています。コンディションはかなり良いと思いますし、明日の目標はとしては完走はもちろん、20番台でフィニッシュしたい」。
山田将輝
「レースは10~20番手で走りたいです」山田将輝 photo:Alisa.Okazaki「先週(のワールドカップ)と比較してかなり体調は良いと思います。他国の選手と比較してもあまり負い目は感じませんでした。コースはコーナー毎の轍がかなり深く、しかも凍っているので上手く合わせるのが難しいですね。
ただし今日は乗れていましたし、明日も落ち着いていけばちゃんとこなせるはず。明日のレースは10〜20番手で走りたいですね」。
世界選手権は竹内遼と山田将輝が出場するジュニアレースから幕開ける。レーススタートは11時(日本時間19時)だ。
text:So.Isobe
photo&interview:Alisa.Okazaki
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過去にターボルでレースを経験しているのは竹之内悠(ベランクラシック・イコイ)と豊岡英子(パナソニックレディース)の2名だが、共に「ここでのレースはいつもコンディションが違う」と口を揃える。
昨シーズンのUCIワールドカップ第2戦とほぼ同じルートをなぞる世界選のコースは1周3200mほど。連続して登りと下り、そしてキャンバーが現れるコースは雪と氷混じりのマッドコンディションがここ数日続いている。「コース前半の平地区間をどれだけの順位でこなせるかで決まる。特に第1レースのジュニアではスタートが肝心」とは日本代表チームの沢田監督。
今回日本代表としてレースに挑むのは、竹之内、山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)豊岡、横山航太(シマノレーシング)、前田公平(BIORACER OFFROAD TEAM)、竹内遼(WESTBERG/ProRide)そして山田将輝(PAX PROJECT)の7名だ。
山本和弘「現役生活の集大成として挑む」
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「シクロクロスではアンダー時代に続く2回目の世界選手権です。出場を意識したのは一昨年の野辺山シクロクロスの時からです。そのときに良い感触を掴めたので、目指してみようと。今年はチームにも恵まれ良い形でシーズンを過ごしていたので、世界選手権に選出されることは当たり前のことだと意識して練習していました」
「全日本終了後はレース間隔が空き、気持ちと身体が少しオフモードになり風邪をひいてしまった。そこは少し失敗というか、悔やむことろ。でも澤田監督が"一回落ちたらあとは上げていくだけ。落ちていくよりもずっと良いから"と言ってくれたことで気が楽になったんです」
「今まで積み重ねてきたことの全てを出したいし、準備もできている。プロ引退を発表してからメッセージもたくさん届いて、こんなにも応援してくれる人がいるんだな、って改めて感じさせられました。だからこそ良い走りがしたいし、それができれば本当に後悔は無い。そこにこだわっていきたいですね」。
竹之内悠「怪我の状態は良くなっている」
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「まだベストな状態でこそありませんが、あと2日間でどのくらい調子を戻せるか。ターボルのコースは2回目ですが、その時その時で状況は変わる。だから土曜日の公式練習も、初めてのコースに挑む気持ちで走ろうと考えています。ヨーロッパでずっと走ってきて、大一番で走れなかったのを怪我のせいにしたくない。結果を数字で残そうと考えています」。
豊岡英子「集中力が問われるコースになる」
「今回は例年のターボルよりも暖かいですし、試走時と同じ泥レースになるのではと感じています。だからこそ問われるのは集中力。唯一の舗装路(ホームストレート)も風が強く、見た目以上にスタートも難しい。本来ならば10番台を目標にして走っているのですが、今の実力だと正直20番台前半が合っているのでは、と思います。ですが体調もなんとか仕上がりそうですし、走れる感触も掴めていますね」。
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横山航太
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レースでは進行と共にコースコンディションも大きく変わるはずですので、ピットとの連携が大切になってくるはずです。スタートも19番目と良い位置ですから、そこからポジションを下げないように走りたい」。
前田公平
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今日の試走ではラインチェックを中心として、土曜日はペースを上げていく。コースは難しく、常に登りと下り、キャンバーで構成されています。どこまで体調が戻るかに掛かっていますが、本番では良い走りを見せたいと思っています」。
竹内遼
「体調は上がってきています。試走は2回に分け、午後にはかなり感覚を掴めるようになりました。コースに関してはかなり攻略できたと感じています。コンディションはかなり良いと思いますし、明日の目標はとしては完走はもちろん、20番台でフィニッシュしたい」。
山田将輝
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ただし今日は乗れていましたし、明日も落ち着いていけばちゃんとこなせるはず。明日のレースは10〜20番手で走りたいですね」。
世界選手権は竹内遼と山田将輝が出場するジュニアレースから幕開ける。レーススタートは11時(日本時間19時)だ。
text:So.Isobe
photo&interview:Alisa.Okazaki
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