高速レースが展開されたBpostBankトロフェー第4戦「GPハッセルト」でケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)が勝利。スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)がリードを失いながらもシリーズリーダーの座を守っている。



1周目の砂セクションをこなすケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)1周目の砂セクションをこなすケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) photo:Cor Vos
先頭でレースを展開するケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)先頭でレースを展開するケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) photo:Cor Vos4位に沈んだスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)4位に沈んだスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク) photo:Cor Vos


バイクを降りて急坂を登るケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)バイクを降りて急坂を登るケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) photo:Cor Vosシクロクロスもいよいよシーズン後半に差し掛かる。BpostBankトロフェー第4戦の舞台はオランダに近いベルギー・リンブルフ州のハッセルト。砂と芝地に人工的な起伏が取り入れられたコースが特徴だ。

先頭2名を追走するスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)ら先頭2名を追走するスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)ら photo:Cor Vosラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)がお決まりのホールショットを取り、第1コーナーでファンデルハールを上手くかわしたコルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)が先頭に出る。一方でファンデルハールはパンクによって後退した。

ファンアールトと最終周回に入るケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)ファンアールトと最終周回に入るケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) photo:Cor Vos路面が踏み固められたドライコースでレースは高速化。砂セクションをものともせずにファンケッセルが先頭をひた走り、チームメイトのトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)がここに加わってテレネットデュオが先行する。

ネイスと追走パックを形成するトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)ネイスと追走パックを形成するトム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア) photo:Cor Vos2周目に入ってもなおペースを崩さないファンケッセルは独走に持ち込んだものの、3周目のシケインをバニーホップで越えようとして失敗。追走していたケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)に先頭を明け渡した。

ファンアールトを振り切ったケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)ファンアールトを振り切ったケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) photo:Cor Vos追走パックを形成するスヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)やメーウセン、ファンケッセルを振り切って、先頭で周回を重ねたパウエルスとファンアールトの2人。ペースを上げ続けるパウエルスにファンアールトが遅れるシーンも見られたが、付かず離れずの距離を保って先頭でレースを展開する。一時的にメーウセンとネイスの2人が近づいたものの、先頭2人に追いつくことはなかった。

BpostBankトロフェーの年間ランキングは総合タイムで争われるため、どの選手もフィニッシュラインまでペースを落とさない。先頭パウエルスがファンアールトを引き連れる形で最終周回へ。

最終周回の砂セクションに先頭で入り、一気に仕掛けたパウエルスがファンアールトを引き離す。丁寧にフィニッシュラインまで走り抜いたパウエルスが3秒差でファンアールトを振り切った。

「最終周回の砂セクションで稼いだリードを守り抜いた。ワウト(ファンアールト)と自分は良いライバル関係にある。今日は自分の日だった」とパウエルスは語る。

第4戦を終えてネイスがシリーズリーダーの座をキープ。パウエルスが1分07秒差、ファンアールトが1分31秒差で続いている。シリーズリーダーを狙える位置にまで浮上したパウエルスは「後続(ネイスら)からタイム差を奪えるとは思っていなかったよ。まだ総合逆転のチャンスは残されている。前半に強度の高いトレーニングを積めなかった昨シーズンと比べて、今シーズンはずっと走れている。でもいつバッドデーがやってくるか分からない」と語っている。

BpostBankトロフェー3連勝を逃した20歳のファンアールトは「テクニカルセクションではケヴィン(パウエルス)にアドバンテージがあった。フレッシュではない状態で2位に入ったことは満足。今日はケヴィンが最強だった」とコメント。また、31秒差の4位に終わったネイスは「今日はタイムを失わないことだけを考えて走っていた。掛かりも悪く、爆発的な走りが出来なかった。1周目で勝負は決まっていた」と敗北宣言。ネイスはシーズン中盤にかけてコンディションを上げることが出来ていない。

選手コメントはレース公式サイトより。



BpostBankトロフェー2014-2015第4戦表彰台BpostBankトロフェー2014-2015第4戦表彰台 photo:Cor Vos


BpostBankトロフェー2014-2015第4戦
1位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)    1h04'11"
2位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ファストフートサービス)          +03"
3位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)              +30"
4位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレランAAドリンク)               +31"
5位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ジャイアント・シマノ)         +1'04"
6位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)          +1'30"
7位 スヴェン・ファントーレンハウト(ベルギー、クレランAAドリンク)       +1'31"
8位 ジュリアン・タラマルカス(スイス、コレンドン・クワドロ)          +1'53"
9位 ジム・アールノーツ(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)
10位 バルト・ウェレンス(ベルギー、テレネット・フィデア)           +1'57"

シクロクロス2014-2015カレンダー(WC=UCIワールドカップ、SP=スーパープレスティージュ)
10月5日 SP第1戦 ギーテン(オランダ)
10月12日 Bpost第1戦 ロンセ(ベルギー)
10月19日 WC第1戦 ファルケンブルグ(オランダ)
11月1日 Bpost第2戦 コッペンベルグ(ベルギー)
11月2日 SP第2戦 ゾンホーフェン(ベルギー)
11月9日 SP第3戦 ルッデルフォールデ(ベルギー)
11月16日 SP第4戦 アスペル・ガーフェレ(ベルギー)
11月22日 WC第2戦 コクサイデ(ベルギー)
11月23日 SP第5戦 スパ・フランコルシャン(ベルギー)
11月29日 WC第3戦 ミルトンケイネス(イギリス)
11月30日 Bpost第3戦 ハンメ(ベルギー)
12月6日 Bpost第4戦 ハッセルト(ベルギー)
12月20日 Bpost第5戦 エッセン(ベルギー)
12月21日 WC第4戦 ナミュール(ベルギー)
12月26日 WC第5戦 ヒュースデンゾルダー(ベルギー)
12月28日 SP第6戦 ディーゲム(ベルギー)
12月30日 Bpost第6戦 ローエンホート(ベルギー)
1月1日 Bpost第7戦 バール(ベルギー)
1月25日 WC第6戦 ホーヘルハイデ(オランダ)
1月31日〜2月1日 世界選手権 ターボル(チェコ)
2月7日 Bpost第8戦 リール(ベルギー)
2月8日 SP第7戦 ホーグストラテン(ベルギー)
2月14日 SP第8戦 ミッデルケルケ(ベルギー)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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