2014/11/25(火) - 09:02
ドイツのCANYON(キャニオン)が日本国内でのサービス・サポートを行う「キャニオンジャパン」を開設する。12月1日の稼働に先駆け、都内でホアキン・ロドリゲスをゲストに迎えた記者会見とローンチパーティーが開催された。
キャニオンのスタッフと、PRのために特別来日したホアキン・ロドリゲス
キャニオン本社から来日したマーケティングチーフのマシュー・ヘイトマン氏
キャニオンジャパンのマーケットマネージャーに就任した石山幸風氏
先立って開催された記者会見は、ドイツのキャニオン本社から来日したマーケティングチーフのマシュー・ヘイトマン氏による挨拶でスタート。キャニオンジャパンのマーケットマネージャーに就任した石山幸風氏が紹介され、次いで2015年モデルの目玉である「AEROAD CF SLX」の開発者であるマイケル・アドマイト氏本人による詳細な解説と続いた。
ユーザーへのダイレクトセールスという、自転車ブランドとしては稀な販売形態をとっているキャニオン。その始まりは1985年に創業者のローマン・アーノルド氏がドイツ・コブレンツで自転車部品の輸入販売業を始めたことに遡る。
スペシャルゲストとして来日、参加したホアキン・ロドリゲス
AEROAD CF SLXの開発者であるマイケル・アドマイト氏
ハンドルに段差を設け、バーテープを巻いてもフラットになるよう工夫されている その後「キャニオン」を冠した初のバイクが1997年にデビューし、以降はプロチームへの供給と共に着実にブランドネームを高めてきた。2009年のカデル・エヴァンスによる世界選手権ロード優勝や、今年のジロ・デ・イタリアでナイロ・キンタナが総合優勝したことはキャニオンの白眉だろう。
現在も一環して開発・生産体制をコブレンツに置き、社員数は約600名。開発エンジニアが多く在籍し、そこから生まれる高品質・高性能な製品はヨーロッパを中心に高い評価を受けてきた。
ダイレクトセールスを行うことでリーズナブルな価格を提供していることが大きな特徴だが、ドイツからの直接購入という点や、他の大手ブランドと比較してサポートが薄く持ち込み整備ができるショップが少ないという理由から、日本での購入のハードルが高いことも事実。
そこでキャニオンは昨年に日本語版ホームページを立ち上げ、今回「キャニオンジャパン」を設立。カワシマサイクルサプライで輸入代理店業務の経験を持つ石山氏がマーケットマネージャーに就き、1名体制で12月1日よりサービスをスタートする。キャニオンの国外サービス拠点は今回で16カ国目だ。
京都に拠点を置くキャニオンジャパンが担当するのはメンテナンス、リペア、オーバーホール、試乗車の用意も含めたマーケティングなど。購入は従来と同じくHPより直接申し込みドイツから配送されるオンライン販売で、コストカットを価格に反映させるため、日本に在庫は持たない。一方、破損したフレームを特別価格で交換できる「クラッシュリプレースメント」や、ライセンスを保持するホビーライダーに割引価格で販売する「スポンサープログラム」など、キャニオンが世界で運用しているサービスが適用される。
だが、各種修理のための配送料が自己負担であったり、補修パーツなども従来通りHPを通した直接購入であるなど、ユーザーの手間は未だ少なくない。メンテナンスの全てを一人でこなせれば問題無いが、そうでない場合は事前にショップに相談するか、持ち込み修理に対応してくれる最寄りのショップを見つけておくべきだろう。
ジロ・デ・イタリアを制したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)の特別バイクが登場した
トップチューブにはジロにちなんだモチーフが記されていた
フィットネスモデルのRoadlite ALはディスクブレーキ、フルアルテグラで16万円
「キャニオンの方針は、直接販売して直接アフターケアをすることです。キャニオン製品が安いのは、在庫や補修パーツを持つサービス拠点を置かず、ショップに対するメンテナンスや販売の手間賃を省いているから。ですから配送料もユーザー負担ですし、長く乗って頂くには細かいメンテナンスができる知識もあったほうが良いでしょう。何も包み隠さず言ってしまえば、キャニオンは全てのサイクリストにフレンドリーなブランドではないのです。」とは石山マネージャー。
さらに石山マネージャーは「キャニオンは従来のメーカーと販売形態が違いますから、その部分をしっかりと踏まえ、それから購入して頂きたい。しかし本国では安全性を最大限重視して開発を行っていますし、その性能はプロ選手の活躍で分かる通りです。リーズナブルな価格はキャニオンの魅力の一つですが、それだけで買わず、長く楽しいサイクリングライフを送って頂ければと考えています。」とも。今後は国内市場に合わせたサービスを順次検討していくという。その展開に期待したいところだ。
プリートの登場に200名が熱狂 招待制のローンチパーティー
メディアを招いた内覧会の終了後には招待制のパーティーが開催され、およそ200名弱というキャニオンユーザーや、熱心なプリートファンが会場を埋め尽くした。ショーアップされた会場にはもちろんキャニオンの本国スタッフも揃い、カチューシャジャージをまとったプリートの登場には会場のテンションは最高潮に。
プリートが登場し、会場のボルテージは最高潮に
スペインから持参したAEROAD CF SLXの前で語るホアキン・ロドリゲス
多くのファンに囲まれるプリート
ステージに上がったプリートは「本当はプライベートでNYに行くつもりだったけれど、それをキャンセルして家族と一緒に日本に来たんだ。こんなに盛り上がるとは思いもせず、たくさんのファンに迎えられて嬉しい。旅行先を変更した結果は奥さんに聞かないと分からないけど、僕個人的には良かったね。」と語り、会場の笑いを誘った。
パーティーは長蛇の列を作ったプリートのサイン会、再びマイケル氏によるAEROAD CF SLXの解説、カチューシャグッズが当たった抽選会と続き、最後は記念撮影を行って熱気冷めやらぬままお開きに。日本のユーザーに「キャニオン」のブランドネームを強く印象づけるキックオフイベントだった。
プリートのサイン会には長蛇の列ができた。にこやかにファンサービスに努めてくれた
チームグッズが当たる抽選会も開催された
次項ではホアキン・ロドリゲスのインタビューと、東京観光の様子を紹介します。乞うご期待。
text&photo:So.Isobe
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ユーザーへのダイレクトセールスという、自転車ブランドとしては稀な販売形態をとっているキャニオン。その始まりは1985年に創業者のローマン・アーノルド氏がドイツ・コブレンツで自転車部品の輸入販売業を始めたことに遡る。
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ダイレクトセールスを行うことでリーズナブルな価格を提供していることが大きな特徴だが、ドイツからの直接購入という点や、他の大手ブランドと比較してサポートが薄く持ち込み整備ができるショップが少ないという理由から、日本での購入のハードルが高いことも事実。
そこでキャニオンは昨年に日本語版ホームページを立ち上げ、今回「キャニオンジャパン」を設立。カワシマサイクルサプライで輸入代理店業務の経験を持つ石山氏がマーケットマネージャーに就き、1名体制で12月1日よりサービスをスタートする。キャニオンの国外サービス拠点は今回で16カ国目だ。
京都に拠点を置くキャニオンジャパンが担当するのはメンテナンス、リペア、オーバーホール、試乗車の用意も含めたマーケティングなど。購入は従来と同じくHPより直接申し込みドイツから配送されるオンライン販売で、コストカットを価格に反映させるため、日本に在庫は持たない。一方、破損したフレームを特別価格で交換できる「クラッシュリプレースメント」や、ライセンスを保持するホビーライダーに割引価格で販売する「スポンサープログラム」など、キャニオンが世界で運用しているサービスが適用される。
だが、各種修理のための配送料が自己負担であったり、補修パーツなども従来通りHPを通した直接購入であるなど、ユーザーの手間は未だ少なくない。メンテナンスの全てを一人でこなせれば問題無いが、そうでない場合は事前にショップに相談するか、持ち込み修理に対応してくれる最寄りのショップを見つけておくべきだろう。
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さらに石山マネージャーは「キャニオンは従来のメーカーと販売形態が違いますから、その部分をしっかりと踏まえ、それから購入して頂きたい。しかし本国では安全性を最大限重視して開発を行っていますし、その性能はプロ選手の活躍で分かる通りです。リーズナブルな価格はキャニオンの魅力の一つですが、それだけで買わず、長く楽しいサイクリングライフを送って頂ければと考えています。」とも。今後は国内市場に合わせたサービスを順次検討していくという。その展開に期待したいところだ。
プリートの登場に200名が熱狂 招待制のローンチパーティー
メディアを招いた内覧会の終了後には招待制のパーティーが開催され、およそ200名弱というキャニオンユーザーや、熱心なプリートファンが会場を埋め尽くした。ショーアップされた会場にはもちろんキャニオンの本国スタッフも揃い、カチューシャジャージをまとったプリートの登場には会場のテンションは最高潮に。
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ステージに上がったプリートは「本当はプライベートでNYに行くつもりだったけれど、それをキャンセルして家族と一緒に日本に来たんだ。こんなに盛り上がるとは思いもせず、たくさんのファンに迎えられて嬉しい。旅行先を変更した結果は奥さんに聞かないと分からないけど、僕個人的には良かったね。」と語り、会場の笑いを誘った。
パーティーは長蛇の列を作ったプリートのサイン会、再びマイケル氏によるAEROAD CF SLXの解説、カチューシャグッズが当たった抽選会と続き、最後は記念撮影を行って熱気冷めやらぬままお開きに。日本のユーザーに「キャニオン」のブランドネームを強く印象づけるキックオフイベントだった。
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次項ではホアキン・ロドリゲスのインタビューと、東京観光の様子を紹介します。乞うご期待。
text&photo:So.Isobe