2014/11/17(月) - 09:05
創業60年を越える歴史あるイタリアンバイクブランド、デローザ。今回インプレッションするのは、デローザカーボンバイクの中でもPROTOS(プロトス)に次ぐセカンドグレードとなるKING XS。デローザのカーボンバイクに代々冠されてきたKINGの名を受け継ぐバイクにふさわしい性能を持つのか。
デローザ KING XS (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
「新素材のフレームが台頭することは時代の流れだ。それには逆らえない。しかし変わらないものもある。」と語るのは創業者のウーゴ・デ・ローザ。カーボンフレームがロードレースの現場で主流になるとともに、時代の変化に対応できず、取り残されていったイタリアンブランドが数多くあるなかで、新素材を積極的に活用してきた同社は現在もトップブランドとして君臨している。
さて、現在では生産するフレームの8割以上をカーボンフレームが占めるようになったデローザは、ミラノ郊外の街”クザーノ・ミラニーノ”に工房を構えていることは創業当時と変わらず。そして他の生き残ったイタリアンブランドのラインナップから金属フレームが姿を消して行くなかで、スチールやチタン、アルミを駆使しながらフレーム作りを続けている。
その理由は今なお金属フレームに根強いファンがいるためでもあるが、金属フレームに対する奥深い知識と理解を生かすことでカーボンフレームの完成度をより高めているからだ。そう、「変わらないもの」は確かにあるのだ。
おなじみハートマークのロゴがあしらわれるヘッドチューブ
ダイレクトマウントブレーキに対応したことが大きなポイントだ
ボリュームのあるストレートフォークが装備される
初代KINGがデビューしたのは、2001年。今ほどには、カーボンフレームは主流ではなく、アルミフレームやカーボンバックフレーム、チタンフレームやマグネシウムといった新素材を使ったフレームがプロトンに混在した、いわば過渡期の時代だ。
その中で、KINGはすぐにイタリアのアレッシオチームに供給され勝利を量産。その性能に飽くこと無く、カーボン素材やテクノロジーの進化に伴ってモデルチェンジを重ねてきた。2005年に発表された「KING X-light」はヘッドチューブのフルカーボン化を達成。2008年からは第3世代を意味する「KING3」にモデルチェンジし、ハイモジュラスカーボンを採用すると共にISPシートポストなど、時代を先取りして一気に話題をさらった。
そして、2010年には軽量化が図られた「KING3 RS」が登場した。そしてヘッドチューブが上下異径となった、第4世代に当たる「KING RS」が2012年モデルとしてデビューした。そのKING RSをノーマルシートポストにした「KING RS Action」が2014年に登場。そして今年、2015年モデルとしてデビューしたKING XSはそんなKINGの第6世代となるバイクだ。
電動とワイヤー式の両方に対応する
誇らしげにロゴが描かれるダウンチューブはボリューム感にあふれている
すっきりとしたリアバックを持つ
エアロフィンがフォーク裏に設けられる
マイナーチェンジであった先代とは異なり、ガラッと変更が加えられたKING XSの開発の主眼におかれたのは、制動力と快適性の2つの要素。この二つの要素を実現するためにデローザがKING XSに与えたのが、シマノが開発したダイレクトマウントブレーキだ。
フォークとフレームに直接取り付けることで、ブレーキキャリパーのたわみを抑え、制動力を底上げするダイレクトマウントブレーキは現状シマノおよび、少数のサードパーティーしか対応製品をラインナップしていない。長年、カンパニョーロと蜜月を過ごしてきたデローザであるが、レーシングバイクとしての性能を追求する思いはそのしがらみすらも捨て去るほどの熱いものだということ。
フロントブレーキはもちろん専用フォークに、リアブレーキはBB下に装着され、優れた制動力を獲得したKING XS。しかし、ダイレクトマウントブレーキの効果はそれだけではない。BB下にリアブレーキを配置することによって、従来必要であったブレーキ台座をシートステーから撤去することが可能となった。
BB386の幅いっぱいにチェーンステーは広げられる
無駄をそぎ落としたリアエンド
これが意味するのは、シートステーのフレキシビリティの向上。かなり細身に設計されたシートステーは、それだけでも高い振動吸収性を発揮するが、ブリッジが存在しないことでその柔軟性を最大限に発揮することができるようになった。すなわち、快適性とトラクションの向上が見込めるということだ。もちろん、見た目がすっきりするというメリットも存在している。
ダイレクトマウントブレーキを手に入れることで、制動力と快適性を1度に手に入れたKING XSだが、そのほかの性能だっておろそかにしているわけではない。ヘッドチューブは下ワン1-1/4"と先代に比べてスリムになりエアロダイナミクスの向上と剛性バランスの最適化を実現。
一方、ボトムブラケットは最新規格BB386を採用し、BB幅を拡大。そこにつながるダウンチューブやチェーンステイもボリュームアップされ、ボトムラインの剛性を向上させることに成功している。レーシングバイクとして、必要な剛性はきっちりと確保しているのだ。
左右非対称のチェーンステイと極細のシートステイ
BB裏にダイレクトマウントブレーキが装着される
シートチューブはオーソドックスな円形状
第6世代のKINGは、エアロダイナミクスも向上させている。先ほど述べたヘッドチューブのダウンサイズや、ダイレクトマウントブレーキの採用といった変更点は、空力性能を向上させることにもそのままつながる。そして、フォーククラウンと繋がるようにデザインされたダウンチューブとヘッドチューブの接合部もまた、乱流を抑え空気抵抗を低減するのに役立っているのだ。
今回インプレッションするバイクはシマノ 電動アルテグラに、ヴィジョン メトロン40をアッセンブルしたバイク。電動・ワイヤー両対応となるフレームは美しいワイヤリングでバイクのシルエットを崩さない仕上がりだ。タイヤにはヴィットリア CORSA EVO CXを使用している。
制動力、快適性、反応性、エアロダイナミクス。あらゆる点で先代よりも進化を遂げたKING XS。6世代、15年間もの間続けられたモデルネームが伊達ではないことを、2人のインプレライダーが証明してくれるはずだ。それでは、お待ちかねのインプレッションに移ろう。
―インプレッション
「脚力の有無によって、幅広い走り方を受け入れてくれる懐の深さを持っている」藤野智一(なるしまフレンド)
過不足なくバランスのとれた剛性レベルに仕上がっているバイクです。トップレーサーには少し物足りないかもしれませんが、初心者からホビーレーサーまで、幅広い脚力を持つライダーを受け入れてくれるオールラウンドなバイクですね。
試乗車のサイズが小さいサイズだったこともあり、ハンドリングはオーバーステア気味で、下りだと切れ込む感覚がありました。特にヘッド周りが弱いということではなく、ヘッドアングル、フォークオフセットやトレイル量といったジオメトリーに起因するものなので、もう少し大きいサイズであればニュートラルなハンドリングになっているのではないでしょうか。
「脚力の有無によって、幅広い走り方を受け入れてくれる懐の深さを持っている」藤野智一(なるしまフレンド)
平地での巡航性能に長けており、アタックをかけてからの高速巡航といったシチュエーションでも非常に安定して、のびやかに走ってくれます。登りではトルクをかけて踏んでいくよりも、テンポで登っていく方が良いかもしれません。サイクリングでは、軽めのギアで高いケイデンスを維持して登っていく方が向いているでしょうね。
一方で、左右非対称のチェーンステーによって、効率的に推進力を生みだしているためか、トルクをかけて踏んでも反応が良いので、レーサーであればそういう走り方をしても気持ち良く走れるでしょうね。脚力の有無によって、幅広い走り方を受け入れてくれる懐の深さを持っていると感じます。
振動吸収性にも優れているので、ロングライドイベントにももってこいでしょう。パーツアッセンブルで言えば、ダイレクトマウントブレーキを採用しているという点からもシマノがぴったりなのですが、ルックス的にも違和感なくまとまっています。
ホイールは、快適性を重視するならマヴィックのR-SYS、レースにでるならフルクラムのレーシングゼロやマヴィックのキシリウムといったアルミスポークのモデルや、カーボンディープホイールといったように、シチュエーションに応じたホイールの魅力を引きだしてくれるフレームです。
「リニアな加速感 どんどん踏もうという気にさせてくれるバイク」山本雅道(BICYCLE FACTORY YAMAMOTO)
「リニアな加速感 どんどん踏もうという気にさせてくれるバイク」山本雅道(BICYCLE FACTORY YAMAMOTO) いや、このバイクは良すぎてちょっとコメントが難しい。それぐらい気に入っちゃいました。これは完全にピュアレーシングマシンですね。まず、感じるのは乗り出して一踏み目の軽さです。踏んだ分だけ前にバイクが出てくれる、リニアな加速感でどんどん踏もう、という気にさせてくれるバイクです。スッと素直に反応してくれる感覚が何とも気持いい。
ダンシングしても、バイクの振りが軽くてついつい踏んでしまいたくなるモデルです。トップチューブが細くて、脚に当たりづらいのもプラスポイントです。さらに、さらっとした手触りの塗装で、普通のクリア塗装よりも抵抗が少ないのでダンシング左右に大きく振ったときに脚が当たっても、引っ掛かりづらいのでアタックした時のガチャ踏みもしやすいです。
一方でスピードの持続性にも優れているので、脚が削られてきつくなってきた局面でもライダーを助けてくれるでしょう。ハンドリングも軽く、狙ったラインをトレースしやすいちょうどよいバランスです。
振動吸収性についても、それなりのレベルの快適性は確保してあります。これまでの剛性一辺倒で作られてきたバイクに比べると、身体に伝わってくる振動はかなり抑えられています。そこはフレームの軽さがかなり良く働いているように感じます。
レーサーにとっては、かなり魅力的なバイクだと思いますよ。長いレースでも、短いレースでも、スプリントでも、登りでもどんなシチュエーションでも活躍してくれるので、レースを主な使用用途とするならば間違いないモデルですね。BBの規格も拡張性があり、電動コンポにも対応しているので、そういった意味でも安心なバイクです。少し剛性が高すぎるので、初心者には辛いかもしれませんが2台目以降でレーシングバイクをお考えの方にはぴったりでしょう。
デローザ KING XS (c)Makoto.AYANO/cyclowired.jp
デローザ KING XS
フレーム素材:T1000、T800、XN10
BB規格:BB386
ヘッド規格:1-1/8" to 1-1/4"
サイズ:41.7SL・45SL・47SL・49SL・51SL・53SL・55SL・57SL・59SL
カラー:White Lumia、Black Blue Line
価 格:379,000円(税別)
インプレライダーのプロフィール
藤野智一(なるしまフレンド) 藤野智一(なるしまフレンド)
92年のバルセロナオリンピックロードレースでの21位を皮切りに、94・97年にツール・ド・おきなわ優勝、98、99年は2年連続で全日本ロードチャンピオンとなるなど輝かしい戦歴を持つ。02年に引退してからはチームブリヂストン・アンカーで若手育成に取り組み、11年までは同チームの監督を務めた。2012年より出身チームのなるしまフレンドに勤務し、現在は神宮店の店長を務める。
なるしまフレンド神宮店
CWレコメンドショップ
山本雅道(BICYCLE FACTORY YAMAMOTO) 山本雅道(BICYCLE FACTORY YAMAMOTO)
1978年神奈川県藤沢市生まれ。中学生2年生の頃藤沢市の自転車店ワタナベレーシングに入会し本格的に自転車競技を始める。高校卒業後は4年間のヨーロッパ選手生活を経て2000年からは国内トップチームで活躍した。U23全日本選手権2連覇をはじめ、優勝経歴多数。選手時代から地元でキッズ向け自転車スクールを開催するなど活動を行い、2013年6月に出身ショップを引き継ぐかたちで「BICYCLE FACTORY YAMAMOTO」をオープンさせた。
BICYCLE FACTORY YAMAMOTO
ウェア協力:sportful(日直商会)
text:Naoki.YASUOKA
photo:So.ISOBE,Makoto.AYANO
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「新素材のフレームが台頭することは時代の流れだ。それには逆らえない。しかし変わらないものもある。」と語るのは創業者のウーゴ・デ・ローザ。カーボンフレームがロードレースの現場で主流になるとともに、時代の変化に対応できず、取り残されていったイタリアンブランドが数多くあるなかで、新素材を積極的に活用してきた同社は現在もトップブランドとして君臨している。
さて、現在では生産するフレームの8割以上をカーボンフレームが占めるようになったデローザは、ミラノ郊外の街”クザーノ・ミラニーノ”に工房を構えていることは創業当時と変わらず。そして他の生き残ったイタリアンブランドのラインナップから金属フレームが姿を消して行くなかで、スチールやチタン、アルミを駆使しながらフレーム作りを続けている。
その理由は今なお金属フレームに根強いファンがいるためでもあるが、金属フレームに対する奥深い知識と理解を生かすことでカーボンフレームの完成度をより高めているからだ。そう、「変わらないもの」は確かにあるのだ。
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初代KINGがデビューしたのは、2001年。今ほどには、カーボンフレームは主流ではなく、アルミフレームやカーボンバックフレーム、チタンフレームやマグネシウムといった新素材を使ったフレームがプロトンに混在した、いわば過渡期の時代だ。
その中で、KINGはすぐにイタリアのアレッシオチームに供給され勝利を量産。その性能に飽くこと無く、カーボン素材やテクノロジーの進化に伴ってモデルチェンジを重ねてきた。2005年に発表された「KING X-light」はヘッドチューブのフルカーボン化を達成。2008年からは第3世代を意味する「KING3」にモデルチェンジし、ハイモジュラスカーボンを採用すると共にISPシートポストなど、時代を先取りして一気に話題をさらった。
そして、2010年には軽量化が図られた「KING3 RS」が登場した。そしてヘッドチューブが上下異径となった、第4世代に当たる「KING RS」が2012年モデルとしてデビューした。そのKING RSをノーマルシートポストにした「KING RS Action」が2014年に登場。そして今年、2015年モデルとしてデビューしたKING XSはそんなKINGの第6世代となるバイクだ。
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マイナーチェンジであった先代とは異なり、ガラッと変更が加えられたKING XSの開発の主眼におかれたのは、制動力と快適性の2つの要素。この二つの要素を実現するためにデローザがKING XSに与えたのが、シマノが開発したダイレクトマウントブレーキだ。
フォークとフレームに直接取り付けることで、ブレーキキャリパーのたわみを抑え、制動力を底上げするダイレクトマウントブレーキは現状シマノおよび、少数のサードパーティーしか対応製品をラインナップしていない。長年、カンパニョーロと蜜月を過ごしてきたデローザであるが、レーシングバイクとしての性能を追求する思いはそのしがらみすらも捨て去るほどの熱いものだということ。
フロントブレーキはもちろん専用フォークに、リアブレーキはBB下に装着され、優れた制動力を獲得したKING XS。しかし、ダイレクトマウントブレーキの効果はそれだけではない。BB下にリアブレーキを配置することによって、従来必要であったブレーキ台座をシートステーから撤去することが可能となった。
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これが意味するのは、シートステーのフレキシビリティの向上。かなり細身に設計されたシートステーは、それだけでも高い振動吸収性を発揮するが、ブリッジが存在しないことでその柔軟性を最大限に発揮することができるようになった。すなわち、快適性とトラクションの向上が見込めるということだ。もちろん、見た目がすっきりするというメリットも存在している。
ダイレクトマウントブレーキを手に入れることで、制動力と快適性を1度に手に入れたKING XSだが、そのほかの性能だっておろそかにしているわけではない。ヘッドチューブは下ワン1-1/4"と先代に比べてスリムになりエアロダイナミクスの向上と剛性バランスの最適化を実現。
一方、ボトムブラケットは最新規格BB386を採用し、BB幅を拡大。そこにつながるダウンチューブやチェーンステイもボリュームアップされ、ボトムラインの剛性を向上させることに成功している。レーシングバイクとして、必要な剛性はきっちりと確保しているのだ。
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第6世代のKINGは、エアロダイナミクスも向上させている。先ほど述べたヘッドチューブのダウンサイズや、ダイレクトマウントブレーキの採用といった変更点は、空力性能を向上させることにもそのままつながる。そして、フォーククラウンと繋がるようにデザインされたダウンチューブとヘッドチューブの接合部もまた、乱流を抑え空気抵抗を低減するのに役立っているのだ。
今回インプレッションするバイクはシマノ 電動アルテグラに、ヴィジョン メトロン40をアッセンブルしたバイク。電動・ワイヤー両対応となるフレームは美しいワイヤリングでバイクのシルエットを崩さない仕上がりだ。タイヤにはヴィットリア CORSA EVO CXを使用している。
制動力、快適性、反応性、エアロダイナミクス。あらゆる点で先代よりも進化を遂げたKING XS。6世代、15年間もの間続けられたモデルネームが伊達ではないことを、2人のインプレライダーが証明してくれるはずだ。それでは、お待ちかねのインプレッションに移ろう。
―インプレッション
「脚力の有無によって、幅広い走り方を受け入れてくれる懐の深さを持っている」藤野智一(なるしまフレンド)
過不足なくバランスのとれた剛性レベルに仕上がっているバイクです。トップレーサーには少し物足りないかもしれませんが、初心者からホビーレーサーまで、幅広い脚力を持つライダーを受け入れてくれるオールラウンドなバイクですね。
試乗車のサイズが小さいサイズだったこともあり、ハンドリングはオーバーステア気味で、下りだと切れ込む感覚がありました。特にヘッド周りが弱いということではなく、ヘッドアングル、フォークオフセットやトレイル量といったジオメトリーに起因するものなので、もう少し大きいサイズであればニュートラルなハンドリングになっているのではないでしょうか。
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平地での巡航性能に長けており、アタックをかけてからの高速巡航といったシチュエーションでも非常に安定して、のびやかに走ってくれます。登りではトルクをかけて踏んでいくよりも、テンポで登っていく方が良いかもしれません。サイクリングでは、軽めのギアで高いケイデンスを維持して登っていく方が向いているでしょうね。
一方で、左右非対称のチェーンステーによって、効率的に推進力を生みだしているためか、トルクをかけて踏んでも反応が良いので、レーサーであればそういう走り方をしても気持ち良く走れるでしょうね。脚力の有無によって、幅広い走り方を受け入れてくれる懐の深さを持っていると感じます。
振動吸収性にも優れているので、ロングライドイベントにももってこいでしょう。パーツアッセンブルで言えば、ダイレクトマウントブレーキを採用しているという点からもシマノがぴったりなのですが、ルックス的にも違和感なくまとまっています。
ホイールは、快適性を重視するならマヴィックのR-SYS、レースにでるならフルクラムのレーシングゼロやマヴィックのキシリウムといったアルミスポークのモデルや、カーボンディープホイールといったように、シチュエーションに応じたホイールの魅力を引きだしてくれるフレームです。
「リニアな加速感 どんどん踏もうという気にさせてくれるバイク」山本雅道(BICYCLE FACTORY YAMAMOTO)
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ダンシングしても、バイクの振りが軽くてついつい踏んでしまいたくなるモデルです。トップチューブが細くて、脚に当たりづらいのもプラスポイントです。さらに、さらっとした手触りの塗装で、普通のクリア塗装よりも抵抗が少ないのでダンシング左右に大きく振ったときに脚が当たっても、引っ掛かりづらいのでアタックした時のガチャ踏みもしやすいです。
一方でスピードの持続性にも優れているので、脚が削られてきつくなってきた局面でもライダーを助けてくれるでしょう。ハンドリングも軽く、狙ったラインをトレースしやすいちょうどよいバランスです。
振動吸収性についても、それなりのレベルの快適性は確保してあります。これまでの剛性一辺倒で作られてきたバイクに比べると、身体に伝わってくる振動はかなり抑えられています。そこはフレームの軽さがかなり良く働いているように感じます。
レーサーにとっては、かなり魅力的なバイクだと思いますよ。長いレースでも、短いレースでも、スプリントでも、登りでもどんなシチュエーションでも活躍してくれるので、レースを主な使用用途とするならば間違いないモデルですね。BBの規格も拡張性があり、電動コンポにも対応しているので、そういった意味でも安心なバイクです。少し剛性が高すぎるので、初心者には辛いかもしれませんが2台目以降でレーシングバイクをお考えの方にはぴったりでしょう。
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デローザ KING XS
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BB規格:BB386
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サイズ:41.7SL・45SL・47SL・49SL・51SL・53SL・55SL・57SL・59SL
カラー:White Lumia、Black Blue Line
価 格:379,000円(税別)
インプレライダーのプロフィール
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92年のバルセロナオリンピックロードレースでの21位を皮切りに、94・97年にツール・ド・おきなわ優勝、98、99年は2年連続で全日本ロードチャンピオンとなるなど輝かしい戦歴を持つ。02年に引退してからはチームブリヂストン・アンカーで若手育成に取り組み、11年までは同チームの監督を務めた。2012年より出身チームのなるしまフレンドに勤務し、現在は神宮店の店長を務める。
なるしまフレンド神宮店
CWレコメンドショップ
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1978年神奈川県藤沢市生まれ。中学生2年生の頃藤沢市の自転車店ワタナベレーシングに入会し本格的に自転車競技を始める。高校卒業後は4年間のヨーロッパ選手生活を経て2000年からは国内トップチームで活躍した。U23全日本選手権2連覇をはじめ、優勝経歴多数。選手時代から地元でキッズ向け自転車スクールを開催するなど活動を行い、2013年6月に出身ショップを引き継ぐかたちで「BICYCLE FACTORY YAMAMOTO」をオープンさせた。
BICYCLE FACTORY YAMAMOTO
ウェア協力:sportful(日直商会)
text:Naoki.YASUOKA
photo:So.ISOBE,Makoto.AYANO
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MOGU ハート レッド 836144
MOGU(モグ)
BiciSupport(ビチサポート) ART 54 DEROSA BLU(ハートマーク)
BiciSupport(ビチサポート)