2014/10/14(火) - 12:42
頂上まで500mを残して爆発的にアタック。1級山岳に設定された門頭溝妙峰山に向かってダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)が飛び出したが、食らいつくフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)から総合首位の座を奪うことは出来なかった。
北京西部に位置する門頭溝(モントウコウ)の妙峰山(ミョウファンマウンテン)で北京の第4代チャンピオンが決まる。合計5つのカテゴリー山岳を越えた先に待っているのは、標高1003m/登坂距離12.6km/平均勾配5.7%という本格的な登りだ。
僅差の総合争いを決定づける第4ステージで4分リードを得て逃げたのは4名。ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)、グレーム・ブラウン(オーストラリア、ベルキン)、ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、キャノンデール)、ジュリアン・ヴェルモト(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)がメイン集団を引き離したものの、BMCレーシングとガーミン・シャープが徹底的にタイム差を押さえ込んだ。
ボワヴァンらが積極的に山岳ポイントを稼いだものの、ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)の山岳リードは揺るがない。やがて残り34kmでまずブラウンが先頭から脱落。最後の1級山岳門頭溝妙峰山に向けてガーミン・シャープが本格的なペースアップを開始すると、登り口でタイム差は1分にまで縮まった。
登り前半の緩斜面区間をハイペースで進んだメイン集団は最後まで粘っていたヴェルモトを吸収する。メイン集団から最初に動いたのはルイス・ヴェルヴァーク(ベルギー、ロット・ベリソル)。7月にプロ入りした21歳のベルギー人が吸収されると続いてライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)が飛び出した。
10秒リードを稼いで全開で登坂した2012年ジロ覇者。ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)や北京五輪金メダリストのサムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)が献身的にメイン集団を率い、人数を絞り込みながらヘシェダルをキャッチ。ハイペースを刻んだまま残り1kmアーチを通過した。
サンチェスの後ろから残り500mで飛び出したのはパンダカラーのヘルメットを被った昨年総合2位のマーティン。力強いダンシングを繰り出したマーティンにはエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)が反応し、ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)とリーダージャージを着るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が出遅れながらも距離を保って追走する。
ペースを落とさず突き進んだマーティンがシャベスを振り切ってフィニッシュ。シャベスとジルベール、コスタの3人が2秒差でフィニッシュし、ジルベールが3秒差で総合首位を守った。
「アウターリングを多用するハイスピードな登りで、常に30km/h前後出ていた。だからクライマー向きの厳しい登りだったとは言えない。登坂中は向かい風が吹いていたので集団内でタイミングを待っていたんだ」。リーダージャージには3秒届かなかったものの、マーティンはクイーンステージ制覇を喜ぶ。「ここまでステージ2位が続き、昨年総合2位だったので、ステージ優勝を嬉しいよ」。
北京総合優勝に王手をかけたジルベールは「メカトラで首位を失う可能性はまだあるけど(3秒は)充分のリードだと思う」と自信を見せ、同時にこう打ち明けた。「正直言って中国には来たくなかった。移動も長いし、すでに長いシーズンを走っていたし、その他のファクターもあった。でも今はここでレースを楽しんでいる。空気さえクリアであれば美しい国だ」(レース公式サイトより)
翌日の第5ステージは天安門広場をスタート後、北京五輪の際に使用された鳥の巣スタジアムを中心にした周回コースを回る。北京のど真ん中で5日間のレースはフィナーレを迎える。
ツアー・オブ・北京2014第4ステージ結果
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) 4h12'14"
2位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +02"
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
4位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
5位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング) +10"
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
8位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ)
10位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ) +13"
個人総合成績
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) 15h19'47"
2位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +03"
3位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +09"
4位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) +11"
5位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ) +23"
6位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
7位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
8位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 ピーター・セリー(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) +26"
ポイント賞
ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
山岳賞
ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
ヤングライダー賞
エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
北京西部に位置する門頭溝(モントウコウ)の妙峰山(ミョウファンマウンテン)で北京の第4代チャンピオンが決まる。合計5つのカテゴリー山岳を越えた先に待っているのは、標高1003m/登坂距離12.6km/平均勾配5.7%という本格的な登りだ。
僅差の総合争いを決定づける第4ステージで4分リードを得て逃げたのは4名。ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)、グレーム・ブラウン(オーストラリア、ベルキン)、ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、キャノンデール)、ジュリアン・ヴェルモト(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)がメイン集団を引き離したものの、BMCレーシングとガーミン・シャープが徹底的にタイム差を押さえ込んだ。
ボワヴァンらが積極的に山岳ポイントを稼いだものの、ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)の山岳リードは揺るがない。やがて残り34kmでまずブラウンが先頭から脱落。最後の1級山岳門頭溝妙峰山に向けてガーミン・シャープが本格的なペースアップを開始すると、登り口でタイム差は1分にまで縮まった。
登り前半の緩斜面区間をハイペースで進んだメイン集団は最後まで粘っていたヴェルモトを吸収する。メイン集団から最初に動いたのはルイス・ヴェルヴァーク(ベルギー、ロット・ベリソル)。7月にプロ入りした21歳のベルギー人が吸収されると続いてライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)が飛び出した。
10秒リードを稼いで全開で登坂した2012年ジロ覇者。ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)や北京五輪金メダリストのサムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)が献身的にメイン集団を率い、人数を絞り込みながらヘシェダルをキャッチ。ハイペースを刻んだまま残り1kmアーチを通過した。
サンチェスの後ろから残り500mで飛び出したのはパンダカラーのヘルメットを被った昨年総合2位のマーティン。力強いダンシングを繰り出したマーティンにはエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)が反応し、ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)とリーダージャージを着るフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が出遅れながらも距離を保って追走する。
ペースを落とさず突き進んだマーティンがシャベスを振り切ってフィニッシュ。シャベスとジルベール、コスタの3人が2秒差でフィニッシュし、ジルベールが3秒差で総合首位を守った。
「アウターリングを多用するハイスピードな登りで、常に30km/h前後出ていた。だからクライマー向きの厳しい登りだったとは言えない。登坂中は向かい風が吹いていたので集団内でタイミングを待っていたんだ」。リーダージャージには3秒届かなかったものの、マーティンはクイーンステージ制覇を喜ぶ。「ここまでステージ2位が続き、昨年総合2位だったので、ステージ優勝を嬉しいよ」。
北京総合優勝に王手をかけたジルベールは「メカトラで首位を失う可能性はまだあるけど(3秒は)充分のリードだと思う」と自信を見せ、同時にこう打ち明けた。「正直言って中国には来たくなかった。移動も長いし、すでに長いシーズンを走っていたし、その他のファクターもあった。でも今はここでレースを楽しんでいる。空気さえクリアであれば美しい国だ」(レース公式サイトより)
翌日の第5ステージは天安門広場をスタート後、北京五輪の際に使用された鳥の巣スタジアムを中心にした周回コースを回る。北京のど真ん中で5日間のレースはフィナーレを迎える。
ツアー・オブ・北京2014第4ステージ結果
1位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) 4h12'14"
2位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +02"
3位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
4位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
5位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング) +10"
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
7位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
8位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ)
10位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ) +13"
個人総合成績
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) 15h19'47"
2位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +03"
3位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) +09"
4位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) +11"
5位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ) +23"
6位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
7位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
8位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 ピーター・セリー(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) +26"
ポイント賞
ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
山岳賞
ミカル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
ヤングライダー賞
エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
Amazon.co.jp