ツール・ド・フランス2014を走った22チームのバイクに迫る第3弾。エースを失いながらもマイカが山岳賞獲得を果たしたティンコフ・サクソ、クリストフの集団スプリント2勝が光ったカチューシャ、ナヴァルダスカスの劇的な逃げ切りステージ優勝など存在感を魅せたガーミン・シャープの3チームをピックアップする。
ティンコフ・サクソ 【スペシャライズド S-Works Tarmac、S-Works McLAREN Tarmac】
ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)のスペシャライズド S-Works Tarmac Ver.マイヨアポア photo:Makoto.AYANO
第10ステージで絶対的エースのアルベルト・コンタドール(スペイン)がリタイアとなったものの、その後ラファル・マイカ(ポーランド)がステージ2勝を挙げ山岳賞を獲得し、マイケル・ロジャース(オーストラリア)が逃げ切りで第16ステージを制したティンコフ・サクソ。
バイクはこの5月にモデルチェンジを果たしたばかりのスペシャライズドのオールラウンドモデル「S-Works Tarmac」をメインに使用。アシストが光ったニコラス・ロッシュ(アイルランド)には通常モデルとくらべて約10%軽量なスペシャルモデル「S-Works McLAREN Tarmac」が、山岳賞のマイカには赤い水玉模様をロゴに配したスペシャルペイントのバイクが供給された。
ツールを前にホイールをジップからロヴァールにスイッチ。シーズン途中の機材変更は異例だ photo:Makoto.AYANO
ティンコフ・サクソの選手のバイクに取り付けられたビデオ photo:Makoto.AYANO
リアディレーラーはロングゲージタイプの「WiFLi」で統一 photo:Makoto.AYANO
用意されたコンタドールのバイク。タイヤにはとくに気が払われていることがわかるマーキングがある photo:Makoto.AYANO
コンポーネントはスラムRED22がメイン。コースプロファイルごとの駆動系交換の手間を省くため、リアディレーラーに歯数の大きいスプロケットに対応するロングゲージタイプの「WiFli」を使用するのは昨年と同様。パワーメーターはスペシャライズドの純正クランク「S-Works FACT carbon」のアームを流用したSRMだ。なお、コンタドールのバイクのみケーブルをアルミ製リンクのi-linkとしている。
ホイールはツールを前に、スペアを含めジップからロヴァールへとスイッチ。この機材変更はコンタドールがクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで試用した際に偉く気に入ったことに端を発するものだそう。一方で、ハンドル、ステム、シートポストは継続してジップを採用。タイヤにはグリップ力を追求したスペシャライズドTurboを組み合わせている。その他のパーツアッセンブルはサドルがプロロゴ、ペダルがルックKeO Blade 2のプロチームカラー、ボトルケージがタックスの新たなスタンダードモデルDevaだ。
マイケル・ロジャース(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)のスペシャライズド S-Works Tarmac photo:Makoto.AYANO
カチューシャ 【キャニオン AEROAD CF SLX、ULTIMATE CF SLX】
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)のキャニオン AEROAD CF SLX photo:Makoto.AYANO
リアにはスプリングレートなどを変更した後輪専用のブレーキキャリパーが装着される photo:Makoto.AYANO
専用品のステム一体式ハンドルとセットで空力性能を追求している photo:Makoto.AYANO
カチューシャをサポートするキャニオンはツールにあわせて新型エアロロード「AEROAD CF SLX」を投入。このバイクはフレーム形状はもちろんのこと、前後ブレーキのダイレクトマウント化や専用シートポスト及びシートポストなど、パーツを取り付け状態で空力性能を追求したことが特徴だ。なお、リアブレーキにはフロント用とほぼ同じ形状ながらスプリングレートなどを変更した専用品がアッセンブルされる。
従来モデルよりAEROADシリーズをチョイスしているホアキン・ロドリゲス(スペイン)は今ツールでAEROAD CF SLXにスイッチ。一方でステージ2勝を飾ったスプリンターの アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)は、引き続きスペシャルカラーのオールラウンドモデル「ULTIMATE CF SLX」をチョイス。他のチームとは対象的な興味深いバイク選択となっている。
ホアキンのニックネームであるプリト(葉巻)に因んだグラフィックのセライタリアSLR photo:Makoto.AYANO
角のある独特なデザインのヘッドチューブ photo:Makoto.AYANO
スマートなケーブル挿入口の造り photo:Makoto.AYANO
キャニオンとしては初めてのダイレクトマウントブレーキ採用だ photo:Makoto.AYANO
コンポーネントはペダルまで9070系シマノDURA-ACE Di2で統一。ホイール及びタイヤはマヴィックで、フルカーボン製の「COSMIC CARBON ULTIMATE」を中心に、コースや好みに合わせて40mmハイトの「CC40T」や60mmハイトの「CC60T」と使い分けている。なお、ブレーキシューにはスイスストップ製の純正品ではなく、カンパニョーロをアッセンブル。
ハンドル、ステム、シートポストはAEROAD CF SLXがリッチー製と思われるフレーム専用品で、ULTIMATE CF SLXがリッチーでまとめられている。サドルはセライタリアで、ホアキンは定番品のSLRをベースにニックネームであるプリト(葉巻)をモチーフとしたグラフィックが描かれたスペシャルモデルを、クリストフは旧型SLRを選択。なお、ホアキンを始め複数の選手がモノリンクと呼ばれるセライタリア独自のレールとしたサドルを使用する。ボトルゲージはエリートだ。
アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)のキャニオン ULTIMATE CF SLX photo:Makoto.AYANO
ガーミン・シャープ 【サーヴェロ R5、S3】
ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)のサーヴェロ R5 photo:Makoto.AYANO
コンポーネントシマノDURA-ACE Di2メインに使用。ハンドル周りは3Tで統一 photo:Makoto.AYANO
トムイェルテ・スラグテル(オランダ)らは旧グラフィックのバイクを使用した photo:Makoto.AYANO
第19ステージではナヴァルダスカスが逃げ切り勝利、第15ステージではジャック・バウアー(ニュージーランド)がステージ優勝に後一歩まで迫るなど積極的な走りで今大会を湧かせたガーミン・シャープ。バイクはカナディアンブランドのサーヴェロで、新色となった軽量オールラウンドモデル「R5」に加え、エアロロードはハイエンドモデル「S5」ではなく、扱いやすさを考慮してかミドルグレードの「S3」を使用する。
コンポーネントは9070系シマノDURA-ACE Di2で、クランクにはSRMの出力計測ユニットを組み込んだローターのクランクを組み合わせている。なお、チェーンリングはローターアイデンティティである楕円タイプの「Q-Rings」では無く真円タイプの「no-Q」の使用率が高め。ペダルはガーミンのパワーメーター「VECTOR」専用モデルで統一されていたものの、計測ユニットを取り付けたバイクは確認できなかった。
ホイールはマヴィックのCOSMIC CARBON ULTIMATEやCC60T photo:Makoto.AYANO
出力の計測にはSRMを使用する photo:Makoto.AYANO
ベンジャミン・キング(アメリカ、ガーミン・シャープ)のサーヴェロ S3 photo:Makoto.AYANO
ホイール及びタイヤはマヴィックで、R5には軽量な「COSMIC CARBON ULTIMATE」、S3にはエアロ効果の高い60mmハイトの「CC60T」という組み合わせが多かった。ハンドル、ステム、シートポスト(S5のみ)は3Tでまとめられ、サドルにはフィジークをアッセンブル。サイクルコンピューターはもちろんガーミン。ボトルケージは質実剛健な造りが特徴的なARUNDEL Mandibleで統一されている。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
ティンコフ・サクソ 【スペシャライズド S-Works Tarmac、S-Works McLAREN Tarmac】

第10ステージで絶対的エースのアルベルト・コンタドール(スペイン)がリタイアとなったものの、その後ラファル・マイカ(ポーランド)がステージ2勝を挙げ山岳賞を獲得し、マイケル・ロジャース(オーストラリア)が逃げ切りで第16ステージを制したティンコフ・サクソ。
バイクはこの5月にモデルチェンジを果たしたばかりのスペシャライズドのオールラウンドモデル「S-Works Tarmac」をメインに使用。アシストが光ったニコラス・ロッシュ(アイルランド)には通常モデルとくらべて約10%軽量なスペシャルモデル「S-Works McLAREN Tarmac」が、山岳賞のマイカには赤い水玉模様をロゴに配したスペシャルペイントのバイクが供給された。




コンポーネントはスラムRED22がメイン。コースプロファイルごとの駆動系交換の手間を省くため、リアディレーラーに歯数の大きいスプロケットに対応するロングゲージタイプの「WiFli」を使用するのは昨年と同様。パワーメーターはスペシャライズドの純正クランク「S-Works FACT carbon」のアームを流用したSRMだ。なお、コンタドールのバイクのみケーブルをアルミ製リンクのi-linkとしている。
ホイールはツールを前に、スペアを含めジップからロヴァールへとスイッチ。この機材変更はコンタドールがクリテリウム・ドゥ・ドーフィネで試用した際に偉く気に入ったことに端を発するものだそう。一方で、ハンドル、ステム、シートポストは継続してジップを採用。タイヤにはグリップ力を追求したスペシャライズドTurboを組み合わせている。その他のパーツアッセンブルはサドルがプロロゴ、ペダルがルックKeO Blade 2のプロチームカラー、ボトルケージがタックスの新たなスタンダードモデルDevaだ。

カチューシャ 【キャニオン AEROAD CF SLX、ULTIMATE CF SLX】



カチューシャをサポートするキャニオンはツールにあわせて新型エアロロード「AEROAD CF SLX」を投入。このバイクはフレーム形状はもちろんのこと、前後ブレーキのダイレクトマウント化や専用シートポスト及びシートポストなど、パーツを取り付け状態で空力性能を追求したことが特徴だ。なお、リアブレーキにはフロント用とほぼ同じ形状ながらスプリングレートなどを変更した専用品がアッセンブルされる。
従来モデルよりAEROADシリーズをチョイスしているホアキン・ロドリゲス(スペイン)は今ツールでAEROAD CF SLXにスイッチ。一方でステージ2勝を飾ったスプリンターの アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)は、引き続きスペシャルカラーのオールラウンドモデル「ULTIMATE CF SLX」をチョイス。他のチームとは対象的な興味深いバイク選択となっている。




コンポーネントはペダルまで9070系シマノDURA-ACE Di2で統一。ホイール及びタイヤはマヴィックで、フルカーボン製の「COSMIC CARBON ULTIMATE」を中心に、コースや好みに合わせて40mmハイトの「CC40T」や60mmハイトの「CC60T」と使い分けている。なお、ブレーキシューにはスイスストップ製の純正品ではなく、カンパニョーロをアッセンブル。
ハンドル、ステム、シートポストはAEROAD CF SLXがリッチー製と思われるフレーム専用品で、ULTIMATE CF SLXがリッチーでまとめられている。サドルはセライタリアで、ホアキンは定番品のSLRをベースにニックネームであるプリト(葉巻)をモチーフとしたグラフィックが描かれたスペシャルモデルを、クリストフは旧型SLRを選択。なお、ホアキンを始め複数の選手がモノリンクと呼ばれるセライタリア独自のレールとしたサドルを使用する。ボトルゲージはエリートだ。

ガーミン・シャープ 【サーヴェロ R5、S3】



第19ステージではナヴァルダスカスが逃げ切り勝利、第15ステージではジャック・バウアー(ニュージーランド)がステージ優勝に後一歩まで迫るなど積極的な走りで今大会を湧かせたガーミン・シャープ。バイクはカナディアンブランドのサーヴェロで、新色となった軽量オールラウンドモデル「R5」に加え、エアロロードはハイエンドモデル「S5」ではなく、扱いやすさを考慮してかミドルグレードの「S3」を使用する。
コンポーネントは9070系シマノDURA-ACE Di2で、クランクにはSRMの出力計測ユニットを組み込んだローターのクランクを組み合わせている。なお、チェーンリングはローターアイデンティティである楕円タイプの「Q-Rings」では無く真円タイプの「no-Q」の使用率が高め。ペダルはガーミンのパワーメーター「VECTOR」専用モデルで統一されていたものの、計測ユニットを取り付けたバイクは確認できなかった。



ホイール及びタイヤはマヴィックで、R5には軽量な「COSMIC CARBON ULTIMATE」、S3にはエアロ効果の高い60mmハイトの「CC60T」という組み合わせが多かった。ハンドル、ステム、シートポスト(S5のみ)は3Tでまとめられ、サドルにはフィジークをアッセンブル。サイクルコンピューターはもちろんガーミン。ボトルケージは質実剛健な造りが特徴的なARUNDEL Mandibleで統一されている。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
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