2014/08/15(金) - 14:06
ツール・ド・フランス2014を走った22チームのバイクに迫る第2弾。ピノが3位表彰台&新人賞を獲得したFDJ.fr、ギャロパンのマイヨジョーヌ獲得&劇的なステージ優勝に湧いたロット・ベリソル、ワイルドカードで初出場を果たしたIAMサイクリングの3チームをピックアップする。
FDJ.fr 【ラピエール Aircode Ultimate、Xelius EFi Ultimate】
ティボー・ピノ(フランス)がフランス人としては17年ぶりの表彰台&マイヨブランを獲得したFDJ.fr。バイクは長きに渡ってサポートを受ける同郷のラピエールで、先のジロ・デ・イタリアではナセル・ブアニ(フランス)のスプリント賞獲得にも貢献したブランド初のエアロロード「Aircode Ultimate」がメイン。昨年のツールで登場した「Xelius EFi Ultimate」と併せて2台体制で今ツールを戦った。
なお、Aircode Ultimateについてはピノとフランスチャンピオンのアルノー・デマールには無塗装によってさら軽量化したマットブラックの特別モデルが、他のライダーには赤/白/青のフレンチトリコロールカラーが供給された。ちなみに特別モデルについては市販される予定は無いとのこと。
アッセンブルされるパーツはラピエールがシマノ・ヨーロッパと協力関係にあるため、タイヤとサドルを除きほとんどがシマノとPROの製品で統一。コンポーネントは9070系シマノDURA-ACE Di2で、ホイールも同じく9000系シマノDURA-ACE。ハンドル、ステム、シートポストはPROで固められている。しかしながら、ステムについては、デマールが数年前に発売されたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)のサインが入ったVIBE SPRINT CARBONをチョイスするなど旧型モデルの使用が目立った。
ロット・ベリソル 【リドレー Helium SL、NOAH FAST】
トニー・ギャロパン(フランス)が第9ステージでマイヨジョーヌを獲得し、第11ステージでは迫り来る集団を振りきってステージ優勝。そして、アンドレ・グライペル(ドイツ)が第6ステージで集団スプリントを制し、鉄人アダム・ハンセン(オーストラリア)がグランツール9大会連続完走を果たすなど、チーム全体で安定した力を発揮したロット・ベリソル。バイクは昨年に引き続きリドレーで、軽量オールラウンドモデルの「Helium SL」をメインに、平坦ステージではグライペルらがエアロロードの「NOAH FAST」を使用する。
コンポーネントはカンパニョーロで、最高グレードSUPER RECORDの機械式とEPS(電子式)を選手によって使い分け、中にはクランクにパワーメーター付きのSRMを装着したバイクも。ケーブル類は純正ではなくアルミ製リンクのi-linkに換装されている。ホイールも同じくカンパニョーロで、ロープロファイルのHYPERON ULTRAから80mmハイトのBORA 80 ULTRAまで4種類のリムハイトからコースや脚質に合わせて選択。その他、ハンドル周りはデダ・エレメンティ、サドルはサンマルコ、ボトルゲージはタックスとしている。
なお今大会では、全選手のバイクがダウンチューブとシートチューブを胴抜きとし、フォークの肩をかつてのラグのようなグラフィックとしたレトロデザインに。また第10ステージでギャロパンが使用したマイヨジョーヌ仕様や、グライペルのドイツチャンピオン仕様も同様のデザインで、カラーのみを変更していた。
ちなみに有力なマイヨジョーヌ候補の場合は事前にイエローのペイントされたバイクをチームが用意することが多いが、ギャロパンの場合はもちろん用意されていなかった。そこでリドレー社はギャロパンのマイヨジョーヌ獲得の一報を受けて塗装を開始し、ベルギーからチームのもとへ届けられたのはなんと朝の4時。なお、エアブラシを握ったのは社長のヨキム・アールツ氏とのこと。塗装業をバックグラウンドにもつ同社らしいエピソードだ。
IAMサイクリング 【スコット ADDICT SL、FOIL】
チーム創立2年目ながら、ワイルドカードにて初のツール出場を果たしたスイスのIAMサイクリング。バイクはチームと同郷のスコットからサポートを受け、共にオールラウンドながら軽量性を重視した「ADDICT SL」と空力性能を重視した「FOIL」の2モデルを使い分けている。なお、エースのシルヴァン・シャヴァネル(フランス)のみ、愛車のシボレー・カマロをモチーフとした特別カラーのバイクが供給されている。
シーズン序盤では機械式が多かったコンポーネントは、ツールでは電動式のシマノDURA-ACE Di2に統一。なお、リアディレーラーのプーリーをイタリアの軽量パーツメーカーTiso(ティソ)に変更しているバイクも数台見られた。恐らくセラミックベアリング仕様で、フリクションロスの低減を狙ったカスタムだろう。
ホイールはDTスイスで、カムテール形状のリムプロファイルを持つRCシリーズを使用。タイヤにはシュワルベONEを組み合わせている。ハンドル、ステム、シートポストはリッチーで統一。サドル及びバーテープはプロロゴで、多くの選手が座面に滑り止め素材を配したCPCモデルの金属レール仕様を選択していた。ボトルゲージはエリートの定番モデルとなったCANNIBALだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
FDJ.fr 【ラピエール Aircode Ultimate、Xelius EFi Ultimate】
ティボー・ピノ(フランス)がフランス人としては17年ぶりの表彰台&マイヨブランを獲得したFDJ.fr。バイクは長きに渡ってサポートを受ける同郷のラピエールで、先のジロ・デ・イタリアではナセル・ブアニ(フランス)のスプリント賞獲得にも貢献したブランド初のエアロロード「Aircode Ultimate」がメイン。昨年のツールで登場した「Xelius EFi Ultimate」と併せて2台体制で今ツールを戦った。
なお、Aircode Ultimateについてはピノとフランスチャンピオンのアルノー・デマールには無塗装によってさら軽量化したマットブラックの特別モデルが、他のライダーには赤/白/青のフレンチトリコロールカラーが供給された。ちなみに特別モデルについては市販される予定は無いとのこと。
アッセンブルされるパーツはラピエールがシマノ・ヨーロッパと協力関係にあるため、タイヤとサドルを除きほとんどがシマノとPROの製品で統一。コンポーネントは9070系シマノDURA-ACE Di2で、ホイールも同じく9000系シマノDURA-ACE。ハンドル、ステム、シートポストはPROで固められている。しかしながら、ステムについては、デマールが数年前に発売されたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)のサインが入ったVIBE SPRINT CARBONをチョイスするなど旧型モデルの使用が目立った。
ロット・ベリソル 【リドレー Helium SL、NOAH FAST】
トニー・ギャロパン(フランス)が第9ステージでマイヨジョーヌを獲得し、第11ステージでは迫り来る集団を振りきってステージ優勝。そして、アンドレ・グライペル(ドイツ)が第6ステージで集団スプリントを制し、鉄人アダム・ハンセン(オーストラリア)がグランツール9大会連続完走を果たすなど、チーム全体で安定した力を発揮したロット・ベリソル。バイクは昨年に引き続きリドレーで、軽量オールラウンドモデルの「Helium SL」をメインに、平坦ステージではグライペルらがエアロロードの「NOAH FAST」を使用する。
コンポーネントはカンパニョーロで、最高グレードSUPER RECORDの機械式とEPS(電子式)を選手によって使い分け、中にはクランクにパワーメーター付きのSRMを装着したバイクも。ケーブル類は純正ではなくアルミ製リンクのi-linkに換装されている。ホイールも同じくカンパニョーロで、ロープロファイルのHYPERON ULTRAから80mmハイトのBORA 80 ULTRAまで4種類のリムハイトからコースや脚質に合わせて選択。その他、ハンドル周りはデダ・エレメンティ、サドルはサンマルコ、ボトルゲージはタックスとしている。
なお今大会では、全選手のバイクがダウンチューブとシートチューブを胴抜きとし、フォークの肩をかつてのラグのようなグラフィックとしたレトロデザインに。また第10ステージでギャロパンが使用したマイヨジョーヌ仕様や、グライペルのドイツチャンピオン仕様も同様のデザインで、カラーのみを変更していた。
ちなみに有力なマイヨジョーヌ候補の場合は事前にイエローのペイントされたバイクをチームが用意することが多いが、ギャロパンの場合はもちろん用意されていなかった。そこでリドレー社はギャロパンのマイヨジョーヌ獲得の一報を受けて塗装を開始し、ベルギーからチームのもとへ届けられたのはなんと朝の4時。なお、エアブラシを握ったのは社長のヨキム・アールツ氏とのこと。塗装業をバックグラウンドにもつ同社らしいエピソードだ。
IAMサイクリング 【スコット ADDICT SL、FOIL】
チーム創立2年目ながら、ワイルドカードにて初のツール出場を果たしたスイスのIAMサイクリング。バイクはチームと同郷のスコットからサポートを受け、共にオールラウンドながら軽量性を重視した「ADDICT SL」と空力性能を重視した「FOIL」の2モデルを使い分けている。なお、エースのシルヴァン・シャヴァネル(フランス)のみ、愛車のシボレー・カマロをモチーフとした特別カラーのバイクが供給されている。
シーズン序盤では機械式が多かったコンポーネントは、ツールでは電動式のシマノDURA-ACE Di2に統一。なお、リアディレーラーのプーリーをイタリアの軽量パーツメーカーTiso(ティソ)に変更しているバイクも数台見られた。恐らくセラミックベアリング仕様で、フリクションロスの低減を狙ったカスタムだろう。
ホイールはDTスイスで、カムテール形状のリムプロファイルを持つRCシリーズを使用。タイヤにはシュワルベONEを組み合わせている。ハンドル、ステム、シートポストはリッチーで統一。サドル及びバーテープはプロロゴで、多くの選手が座面に滑り止め素材を配したCPCモデルの金属レール仕様を選択していた。ボトルゲージはエリートの定番モデルとなったCANNIBALだ。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto