2014/08/09(土) - 12:19
1級山岳が合計8カ所登場するツール・ド・ポローニュ第6ステージでティンコフ・サクソが再び攻撃。総合2位ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)がステージ2連勝を飾り、総合首位の座を射止めた。
晴れ時々曇りの中スタートした第6ステージ photo:tourdepologne.pl
ツール・ド・ポローニュ2014第6ステージ photo:tourdepologne.plツール・ド・ポローニュ第6ステージは名物ブコヴィナ周回コースを巡る難関山岳ステージ。ブコヴィナを中心にした38.4km周回コースには1級山岳ザブと1級山岳ブコヴィナ(最大勾配22%)が組み込まれている。
山岳賞ジャージを着るマチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)らが逃げる photo:tourdepologne.plレースはこの難易度の高い周回コースを4周。つまり登場する1級山岳は8カ所で、加えてフィニッシュ地点ブコヴィナ・タトシャンスカに向かって標高差220mの登りが登場するという厳しいものだ。
ブコヴィナを中心にした38.4km周回コース photo:tourdepologne.plこの正真正銘のクイーンステージで、山岳賞ジャージを着るマチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)が序盤からの逃げに乗る。パテルスキーの他、クリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)やダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)を含む7名の逃げが30km地点で形成された。
マイカのためにペースを上げるオリバー・ツァウグ(スイス、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waeleポーランドの観客に後押しされて、立て続けに1級山岳を先頭通過したパテルスキーが山岳賞をほぼ確実なものに。しかしメイン集団とのタイム差は思うように広がらない。後方ではオメガファーマ・クイックステップが集団を率い、後半にかけてティンコフ・サクソが合流した。
登りでアタックを仕掛けるラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) photo:tourdepologne.pl断続的なアップダウンを進むうちに集団は人数を減らし、逃げグループでもセレクションがかかる。先頭ではメイヤーやカルーゾ、アレクシ・ヴュイエルモーズ(フランス、AG2Rラモンディアール)の3名が生き残ったが、残り25km地点で逃げは全て吸収された。
最終周回でティンコフ・サクソが積極的にペースを上げ、そこから残り13km地点の勾配22%区間でマイカがアタックを仕掛ける。リーダージャージを着るペトル・ヴァコッチ(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)はこの動きに反応出来ず、一時的にマイカを含む7名の精鋭グループが先行する。ヴァコッチは下りで何とかこの精鋭グループに追いついた。
そして迎えたブコヴィナ・タトシャンスカに向かう最後の登り。オリバー・ツァウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)がハイペースを刻むと、そこから発射されたマイカがライバルたちを引き離すことに成功する。独走に持ち込んだマイカが、モビスターのベナト・インチャウスティ(スペイン)とヨン・イサギーレ(スペイン)を10秒振り切って勝利した。
「まず最初にチームメイトに感謝したい。最後の2周回はティンコフ・サクソが主導権を握ってペースを上げ、ライバルチームを疲労させる作戦だった。急勾配区間で加速したけどそのまま独走する考えはなく、コントロールを失わずに最後の登りで再びアタックした。観客たちの叫び声に鳥肌が立ったよ」と、ステージ2連勝を飾ったマイカは語る。総合首位に立ったマイカがリーダージャージを着て最終日の個人タイムトライアルに挑むことになった。
総合2位インチャウスティとの総合タイム差は18秒。25kmの個人タイムトライアルでは充分に逆転も起こり得るタイム差だ。「イサギーレとインチャウスティはTTが得意。総合リードは僅かなので全く油断は出来ない。ここまでのツール・ド・ポローニュの走りに満足しているし、明日は全力を出すだけだ」とマイカは語っている。
このクイーンステージで合計20名がリタイア。別府史之(トレックファクトリーレーシング)もレース途中でバイクを降りた。
選手コメントはレース公式サイトより。
独走でフィニッシュするラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele
ツール・ド・ポローニュ2014第6ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)
山岳賞
マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)
スプリント賞
マティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)
チーム総合成績
モビスター
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
![晴れ時々曇りの中スタートした第6ステージ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/08/09/GRU_04021407532147084831900.jpg)
![ツール・ド・ポローニュ2014第6ステージ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/08/09/etap61406292403015588400.jpg)
![山岳賞ジャージを着るマチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)らが逃げる](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/08/09/GRU_45131407532148029035500.jpg)
![ブコヴィナを中心にした38.4km周回コース](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/08/09/GRU_46491407532148037435700.jpg)
![マイカのためにペースを上げるオリバー・ツァウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/08/09/20144616-238359.jpg)
![登りでアタックを仕掛けるラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/08/09/GRU_48531407532148044442800.jpg)
最終周回でティンコフ・サクソが積極的にペースを上げ、そこから残り13km地点の勾配22%区間でマイカがアタックを仕掛ける。リーダージャージを着るペトル・ヴァコッチ(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)はこの動きに反応出来ず、一時的にマイカを含む7名の精鋭グループが先行する。ヴァコッチは下りで何とかこの精鋭グループに追いついた。
そして迎えたブコヴィナ・タトシャンスカに向かう最後の登り。オリバー・ツァウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)がハイペースを刻むと、そこから発射されたマイカがライバルたちを引き離すことに成功する。独走に持ち込んだマイカが、モビスターのベナト・インチャウスティ(スペイン)とヨン・イサギーレ(スペイン)を10秒振り切って勝利した。
「まず最初にチームメイトに感謝したい。最後の2周回はティンコフ・サクソが主導権を握ってペースを上げ、ライバルチームを疲労させる作戦だった。急勾配区間で加速したけどそのまま独走する考えはなく、コントロールを失わずに最後の登りで再びアタックした。観客たちの叫び声に鳥肌が立ったよ」と、ステージ2連勝を飾ったマイカは語る。総合首位に立ったマイカがリーダージャージを着て最終日の個人タイムトライアルに挑むことになった。
総合2位インチャウスティとの総合タイム差は18秒。25kmの個人タイムトライアルでは充分に逆転も起こり得るタイム差だ。「イサギーレとインチャウスティはTTが得意。総合リードは僅かなので全く油断は出来ない。ここまでのツール・ド・ポローニュの走りに満足しているし、明日は全力を出すだけだ」とマイカは語っている。
このクイーンステージで合計20名がリタイア。別府史之(トレックファクトリーレーシング)もレース途中でバイクを降りた。
選手コメントはレース公式サイトより。
![独走でフィニッシュするラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2014/08/09/20144616-238363.jpg)
ツール・ド・ポローニュ2014第6ステージ結果
1位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
2位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
4位 クリストフ・リブロン(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
6位 ワウテル・ポエルス(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)
9位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
10位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
DNF 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
2位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
4位 クリストフ・リブロン(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
6位 ワウテル・ポエルス(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)
9位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
10位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
DNF 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
4h40'58"
+10"
+19"
+20"
+26"
+10"
+19"
+20"
+26"
個人総合成績
1位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
2位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
4位 クリストフ・リブロン(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
6位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)
7位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
8位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
9位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、CCCポルサット)
2位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
4位 クリストフ・リブロン(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
6位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)
7位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
8位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
9位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、CCCポルサット)
29h46'17"
+18"
+22"
+39"
+40"
+46"
+47"
+18"
+22"
+39"
+40"
+46"
+47"
ポイント賞
ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)
山岳賞
マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)
スプリント賞
マティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)
チーム総合成績
モビスター
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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