2009/08/24(月) - 13:22
8月23日に開催された第73回GPウエストフランス・プルエー(UCIプロツアー)は、最終周回のティマレクで飛び出した5名がゴールまで逃げ切り、前年度覇者のピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)を破ったサイモン・ジェランス(オーストラリア、サーヴェロ)が優勝。南半球出身者初の優勝者が誕生した。
「プルエー3日間レース(3 jours de Plouay)」の最後を締めくくるプロツアーレースには、プロツアー18チームにサーヴェロ・テストチームとディキジョヴァンニを加えた20チームが出場した。コースはアップダウンのある19.1kmの周回を12周、合計229.2kmの長丁場だ。
レースは序盤からジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)、ローラン・ルフェーヴル(フランス、Bboxブイグテレコム)、エクトール・ゴンザレス(スペイン、フジ・セルヴェット)、ルイス・マテマルドネス(スペイン、ディキジョヴァンニ)の4名が逃げを試みた。
この4名の逃げは最大11分40秒のアドバンテージを得たが、アスタナやランプレの集団牽引によって9周目で吸収。ゴールまで65kmを残しての早めの逃げ吸収だったため、ここからアタックの攻防が再び加熱した。
地元フランスのフランセーズデジューやBboxブイグテレコムを中心にアタックが繰り返され、世界王者アレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレ)も逃げを試みたが、決定的なタイム差を広げる前に吸収。フィリップ・ジルベール(ベルギー、サイレンス・ロット)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)ら数名が先行するカタチで最終周回に突入した。
最終周回で全ての逃げが捉えられると、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)のアタックににジェランスとフェドリゴ、アントニー・ジェラン(フランス、フランセーズデジュー)が反応して先頭グループを形成。しかしガーミンが牽引するメイン集団が残り5km地点のティマレクの上りで先頭グループに追いついた。
諦めないジェランスは、完全に集団に飲み込まれる前に再びアタック。これにフェドリゴとポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)、ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン)の3名が合流し、先頭4名でティマレク頂上をクリアした。
単独で追走したアントニー・ルー(フランス、フランセーズデジュー)がフラムルージュ(残り1kmアーチ)で先頭4名に追いつき、メイン集団を振り切った5名が牽制しつつ最終ストレートへ。
ラスト250mで最後尾から助走してスプリントを仕掛けたのはジェランス。一気に先頭に立ったジェランスにはフェドリゴが反応したが届かず、最後まで伸び続けたジェランスがガッツポーズでゴール。僅か3秒遅れのメイン集団はルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)を先頭にゴールラインを切った。
「最終周回は積極的に動き続けたよ。そのおかげで勝利に手が届いたんだ」と語るのは、Bboxブイグテレコムの大会3連覇を阻止し、南半球出身者として初の優勝に輝いたジェランス。レース後のインタビューでは「このブルターニュ地方は上りが豊富だから好きだよ。それに観客の数が凄い!」とコメントしている。
身長170cm・体重64kgと比較的小柄なジェランスは、アップダウンの厳しいワンディクラシックが得意な29歳。今シーズンのアルデンヌ・クラシックではアムステル・ゴールドレース7位、フレーシュ・ワロンヌ8位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ6位と、コンスタントに好成績を残し、ジロ・デ・イタリアでは最大勾配16%の激坂サンルーカにゴールする第14ステージで優勝している。その抜群の登坂力とスプリント力で初のワンディクラシック制覇を成し遂げた。
前日に行なわれたUCIワールドカップレースのエリート女子でも、サーヴェロ・テストチームのエマ・プーリー(イギリス)が優勝。サーヴェロ勢がプルエーでダブルタイトルを獲得した。
GPウエストフランス・プルエー2009結果
1位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、サーヴェロ)5h58'53"
2位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)
3位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
4位 アントニー・ルー(フランス、フランセーズデジュー)
5位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン)
6位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+03"
7位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、コフィディス)
8位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
9位 フレデリック・ゲドン(フランス、フランセーズデジュー)
10位 ヘスス・デルネロ(スペイン、フジ・セルヴェット)
text:Kei Tsuji
photo:3 jours de Plouay
「プルエー3日間レース(3 jours de Plouay)」の最後を締めくくるプロツアーレースには、プロツアー18チームにサーヴェロ・テストチームとディキジョヴァンニを加えた20チームが出場した。コースはアップダウンのある19.1kmの周回を12周、合計229.2kmの長丁場だ。
レースは序盤からジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)、ローラン・ルフェーヴル(フランス、Bboxブイグテレコム)、エクトール・ゴンザレス(スペイン、フジ・セルヴェット)、ルイス・マテマルドネス(スペイン、ディキジョヴァンニ)の4名が逃げを試みた。
この4名の逃げは最大11分40秒のアドバンテージを得たが、アスタナやランプレの集団牽引によって9周目で吸収。ゴールまで65kmを残しての早めの逃げ吸収だったため、ここからアタックの攻防が再び加熱した。
地元フランスのフランセーズデジューやBboxブイグテレコムを中心にアタックが繰り返され、世界王者アレッサンドロ・バッラン(イタリア、ランプレ)も逃げを試みたが、決定的なタイム差を広げる前に吸収。フィリップ・ジルベール(ベルギー、サイレンス・ロット)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ディキジョヴァンニ)ら数名が先行するカタチで最終周回に突入した。
最終周回で全ての逃げが捉えられると、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)のアタックににジェランスとフェドリゴ、アントニー・ジェラン(フランス、フランセーズデジュー)が反応して先頭グループを形成。しかしガーミンが牽引するメイン集団が残り5km地点のティマレクの上りで先頭グループに追いついた。
諦めないジェランスは、完全に集団に飲み込まれる前に再びアタック。これにフェドリゴとポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)、ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン)の3名が合流し、先頭4名でティマレク頂上をクリアした。
単独で追走したアントニー・ルー(フランス、フランセーズデジュー)がフラムルージュ(残り1kmアーチ)で先頭4名に追いつき、メイン集団を振り切った5名が牽制しつつ最終ストレートへ。
ラスト250mで最後尾から助走してスプリントを仕掛けたのはジェランス。一気に先頭に立ったジェランスにはフェドリゴが反応したが届かず、最後まで伸び続けたジェランスがガッツポーズでゴール。僅か3秒遅れのメイン集団はルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)を先頭にゴールラインを切った。
「最終周回は積極的に動き続けたよ。そのおかげで勝利に手が届いたんだ」と語るのは、Bboxブイグテレコムの大会3連覇を阻止し、南半球出身者として初の優勝に輝いたジェランス。レース後のインタビューでは「このブルターニュ地方は上りが豊富だから好きだよ。それに観客の数が凄い!」とコメントしている。
身長170cm・体重64kgと比較的小柄なジェランスは、アップダウンの厳しいワンディクラシックが得意な29歳。今シーズンのアルデンヌ・クラシックではアムステル・ゴールドレース7位、フレーシュ・ワロンヌ8位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ6位と、コンスタントに好成績を残し、ジロ・デ・イタリアでは最大勾配16%の激坂サンルーカにゴールする第14ステージで優勝している。その抜群の登坂力とスプリント力で初のワンディクラシック制覇を成し遂げた。
前日に行なわれたUCIワールドカップレースのエリート女子でも、サーヴェロ・テストチームのエマ・プーリー(イギリス)が優勝。サーヴェロ勢がプルエーでダブルタイトルを獲得した。
GPウエストフランス・プルエー2009結果
1位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、サーヴェロ)5h58'53"
2位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)
3位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
4位 アントニー・ルー(フランス、フランセーズデジュー)
5位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン)
6位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+03"
7位 サミュエル・ドゥムラン(フランス、コフィディス)
8位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
9位 フレデリック・ゲドン(フランス、フランセーズデジュー)
10位 ヘスス・デルネロ(スペイン、フジ・セルヴェット)
text:Kei Tsuji
photo:3 jours de Plouay
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