2014/07/12(土) - 13:56
30名弱の精鋭集団によるゴールスプリントに持ち込まれたツール・ド・フランス第7ステージ。勝利したマッテオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)をはじめ、この日の主役たちのコメントをピックアップ。
2年連続ステージ優勝を飾ったマッテオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
本当にタイトなフィニッシュだった。落車が多発するナーバスなフィニッシュだったけど、実際には後ろで起こったことなので見ていない。サガンとの差はわずか数センチだったと思う。実は今朝の時点であまり調子が良くなかったんだ。脚も重かったし、どうすれば最後の登りをこなせるか悩んでいた。
でも走っているうちに調子が上向きになって、最初の登りを越えた時点で『行けるかもしれない』と思い始めた。コースも自分向きだったし、クヴィアトコウスキーのリードアウトも完璧。これは報わなければならないと思った。最後はサガンに追い抜かれたと思ったよ。
6日間バッドラックが続いたチームにとって素晴らしい勝利だと思う。ここまでパンクや落車、タイミングの悪いアタック、チェーントラブルでチャンスを失ってきたから。カヴェンディッシュがリタイアしてからというもの、レンショーとクヴィアトコウスキーを中心にステージ優勝を狙い続けてきた。今日は自分の出番だった。これはチームの勝利だ。
僅差でステージ優勝を逃したペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
自分が勝つと、いつも簡単に勝ったなんて不平を言われる。でも今は勝てていない。みんな不思議に思っているかもしれないけど、勝つのは簡単なことじゃない。一日中ずっと集団を牽引してくれたチームメイトに感謝している。
最後の登りでアタックしたものの、集団を引き離せなかったのでペースダウンした。最善は尽くした。あと少しだった。でも勝てなかった。マイヨヴェールのリードは広がったものの、まだステージ優勝に手が届いていない。パリまでまだチャンスが残っているので、自分の日がやってくることを願っている。
ステージ5位のサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
開幕前から狙っていたステージだった。ここまで初日の落車の影響を引きずっていたものの、ようやくコンディションは回復。勝負に絡めたことは良い兆しだ。タランスキーの落車は残念だ。残り100mで自分の後輪にハスって落車した。レース後に映像で確認したけど、互いに非は無かったと思う。ああいう状況では誰にでも起こり得る落車だった。
マイヨジョーヌを着続けるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
長い一日だった。どのチームも集団先頭に立とうとペースを上げようとするので、とてもストレスフルな状況だった。特にフィニッシュは危険だった。元チームメイトで、今でも良い友達であるペーター・サガンが勝利を逃したことは残念だ。でも同時にマッテオ・トレンティンが勝ったことは嬉しい。イタリア自転車界にとって重要な勝利だ。
明日からは重要な山岳連戦が始まる。今日もアルベルト・コンタドールは攻撃の姿勢を見せた。ニコラス・ロッシュに指示を出して登りでペースを上げさせた。タイムを挽回するために様々な手段を講じてくるから、いつも眼を見張っていないといけない。マイヨジョーヌの存在はチームメイトたちにとってストレスになっているけど、調子は良いし、モチベーションを上げてくれる。チームとして闘って行きたい。
落車によって1分03秒失ったティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
誰かが急に進路を変えて、後ろから衝突される形で落車した。総合争いにおいて大きなタイムロスを被ってしまった。落車したときはレースが活性化していたので、集団がペースを落とすことは考えられなかった。でもまだツールは長い。昨日横風でタイムを失った選手がいたように、戦況は日々変化する。だからレースを去るなんて選択肢はないし、必ず明日はスタートするよ。
ヴォージュ3連戦を見据えるダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)
最初の1週間は山あり谷あり。昨日のステージで落車してあちこちに包帯を巻くことになってしまった。本格的な山岳決戦が始まるまでに回復したいと思う。明日からのヴォージュ山塊は、ピュアクライマーとして自分をアピール出来る場所。土曜日のジェラールメではなく、日曜日のミュルーズと月曜日のラプランシェでレースは大きく動くはず。
すでにマイヨジョーヌから30分以上遅れているので自由に走ることが出来る。ツールの中でヴォージュ山塊は小さな存在と捉えられがちだけど、決して侮ることは出来ない。自分にとって今年のクイーンステージはラプランシェ・デ・ベルフィーユにフィニッシュする第10ステージ。登りと下りしかなく、平地なんて1kmもない。距離は短いけど勾配のある山岳ばかりなんだ。
マイヨアポワを着るシリル・ルモワンヌ(フランス、コフィディス)
明日この山岳賞ジャージをキープするためには逃げに乗らないといけない。逃げに乗れば山岳ポイントを量産出来る。でも他の選手も同様のことを考えているはず。それに自分よりも登りに強い選手ばかりだ。明日はアシストとして走りながら、チャンスが有れば自分のために走りたい。
選手コメントはレース公式サイトならびに各チーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
2年連続ステージ優勝を飾ったマッテオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
本当にタイトなフィニッシュだった。落車が多発するナーバスなフィニッシュだったけど、実際には後ろで起こったことなので見ていない。サガンとの差はわずか数センチだったと思う。実は今朝の時点であまり調子が良くなかったんだ。脚も重かったし、どうすれば最後の登りをこなせるか悩んでいた。
でも走っているうちに調子が上向きになって、最初の登りを越えた時点で『行けるかもしれない』と思い始めた。コースも自分向きだったし、クヴィアトコウスキーのリードアウトも完璧。これは報わなければならないと思った。最後はサガンに追い抜かれたと思ったよ。
6日間バッドラックが続いたチームにとって素晴らしい勝利だと思う。ここまでパンクや落車、タイミングの悪いアタック、チェーントラブルでチャンスを失ってきたから。カヴェンディッシュがリタイアしてからというもの、レンショーとクヴィアトコウスキーを中心にステージ優勝を狙い続けてきた。今日は自分の出番だった。これはチームの勝利だ。
僅差でステージ優勝を逃したペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
自分が勝つと、いつも簡単に勝ったなんて不平を言われる。でも今は勝てていない。みんな不思議に思っているかもしれないけど、勝つのは簡単なことじゃない。一日中ずっと集団を牽引してくれたチームメイトに感謝している。
最後の登りでアタックしたものの、集団を引き離せなかったのでペースダウンした。最善は尽くした。あと少しだった。でも勝てなかった。マイヨヴェールのリードは広がったものの、まだステージ優勝に手が届いていない。パリまでまだチャンスが残っているので、自分の日がやってくることを願っている。
ステージ5位のサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
開幕前から狙っていたステージだった。ここまで初日の落車の影響を引きずっていたものの、ようやくコンディションは回復。勝負に絡めたことは良い兆しだ。タランスキーの落車は残念だ。残り100mで自分の後輪にハスって落車した。レース後に映像で確認したけど、互いに非は無かったと思う。ああいう状況では誰にでも起こり得る落車だった。
マイヨジョーヌを着続けるヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
長い一日だった。どのチームも集団先頭に立とうとペースを上げようとするので、とてもストレスフルな状況だった。特にフィニッシュは危険だった。元チームメイトで、今でも良い友達であるペーター・サガンが勝利を逃したことは残念だ。でも同時にマッテオ・トレンティンが勝ったことは嬉しい。イタリア自転車界にとって重要な勝利だ。
明日からは重要な山岳連戦が始まる。今日もアルベルト・コンタドールは攻撃の姿勢を見せた。ニコラス・ロッシュに指示を出して登りでペースを上げさせた。タイムを挽回するために様々な手段を講じてくるから、いつも眼を見張っていないといけない。マイヨジョーヌの存在はチームメイトたちにとってストレスになっているけど、調子は良いし、モチベーションを上げてくれる。チームとして闘って行きたい。
落車によって1分03秒失ったティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)
誰かが急に進路を変えて、後ろから衝突される形で落車した。総合争いにおいて大きなタイムロスを被ってしまった。落車したときはレースが活性化していたので、集団がペースを落とすことは考えられなかった。でもまだツールは長い。昨日横風でタイムを失った選手がいたように、戦況は日々変化する。だからレースを去るなんて選択肢はないし、必ず明日はスタートするよ。
ヴォージュ3連戦を見据えるダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)
最初の1週間は山あり谷あり。昨日のステージで落車してあちこちに包帯を巻くことになってしまった。本格的な山岳決戦が始まるまでに回復したいと思う。明日からのヴォージュ山塊は、ピュアクライマーとして自分をアピール出来る場所。土曜日のジェラールメではなく、日曜日のミュルーズと月曜日のラプランシェでレースは大きく動くはず。
すでにマイヨジョーヌから30分以上遅れているので自由に走ることが出来る。ツールの中でヴォージュ山塊は小さな存在と捉えられがちだけど、決して侮ることは出来ない。自分にとって今年のクイーンステージはラプランシェ・デ・ベルフィーユにフィニッシュする第10ステージ。登りと下りしかなく、平地なんて1kmもない。距離は短いけど勾配のある山岳ばかりなんだ。
マイヨアポワを着るシリル・ルモワンヌ(フランス、コフィディス)
明日この山岳賞ジャージをキープするためには逃げに乗らないといけない。逃げに乗れば山岳ポイントを量産出来る。でも他の選手も同様のことを考えているはず。それに自分よりも登りに強い選手ばかりだ。明日はアシストとして走りながら、チャンスが有れば自分のために走りたい。
選手コメントはレース公式サイトならびに各チーム公式サイトより。
text:Kei Tsuji
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