ツール開幕2日前に行われたチームスカイの記者会見から優勝候補クリス・フルームとデイブ・ブレイルスフォード監督のコメントをお届けする。



ツール2度めの勝利を目指すクリス・フルーム(イギリス)ツール2度めの勝利を目指すクリス・フルーム(イギリス) (c)Makoto.AYANO

ー ドーフィネでの落車の怪我からの回復は? 喘息の問題もある。今回は昨年のスタート時よりも調子が上がっていないのではないか?

ドーフィネでの落車は確かに大きな影響があった。左尻をひどく打ちつけて、広い範囲を擦りむいた。怪我をしてからは普通にペダリングするのもままならない感じで、自転車にいちから乗り直したような感覚だ。しかし元の状態に戻り、パワーも同じデータが出せるようになった。もうすっかり回復した。

ー イギリスで勝利を期待されることにプレッシャーはあるか?そして勝つ自信は?

僕にとって最大のゴールはカムバック、そしてトライ、そして再び勝つことだ。勝てるという保証は何もない。でも僕は勝つことに向けて挑戦する。ディフェンディングチャンピオンとして、母国の地において非常なほどの応援を受けて走ることはプレッシャーが増えることになる。

しかしそれは暖かくてポジティブな感覚だ。決してネガではない。昨年よりも調子の上では最高のスタートというわけではないけれど、それほど悪くない。ここに来る前の1週間は良くトレーニングができた。昨年とよく似たフィーリングがある。間違いなく戦う準備はできている、フレッシュな状態だ。

全員のメンバーで記者会見に臨むチームスカイ全員のメンバーで記者会見に臨むチームスカイ (c)Makoto.AYANO

ー ウィギンズの不在の話題でもちきりだが、硬直した関係だからチームメンバーとして彼を選ばなかったのか?

まず明らかにしておきたいのは僕はチームセレクションに関してなんの権限もない。デイブ(ブレイルスフォード監督)とは一緒にレースをするメンバーについての全般的な話などはする。ツールメンバーに選ばれた選手を見ればどうやって選ばれたかがわかる。彼らは僕と一緒に早い段階からレースを共にしてきたし、高地レーニングも一緒に行ったグループなんだ。ツールのために選ばれてきたメンバーは、タイトニット(よく編み込まれた)なグループなんだ。

ー ウィギンズがもしこのツールチームにいたら君は不快になっただろうか?

どうだろうか? でもブラドレーがいたらチームの動きは違ってくるだろう。でもそれがバイクレースだ。チームメイトとはいつも皆がベストフレンドというわけじゃない。僕らは仕事をする上での同僚であって、ひとりひとりがプロフェッショナルなんだ。仕事を掌握、遂行できるかどうかが大事なんだ。



■デイブ・ブレイルスフォード監督「防衛じゃなく、勝つことにトライする」

名将と名高いデイブ・ブレイルスフォード監督(チームスカイ)名将と名高いデイブ・ブレイルスフォード監督(チームスカイ) (c)Makoto.AYANOー 今年は難しいツールだと言われているが、コースを含めた印象はどうか?フルームは勝てるか?

確かにツールは今年、多様な構成になっている。ヨークシャーでの1、2ステージはさっそくトリッキーで、まったく安心ができない。そしてフランスでは危険なパヴェが待っている。

5つの頂上ゴール、54kmの個人タイムトライアル。誰が勝つかは断言できない。フルームが絶対に勝てると言い切ることはできないが、そのために努力すると言うことはできる。

ー 3度連続のツール優勝、タイトル防衛の自信はあるか?

我々はツール・ド・フランスを愛している。毎年が違うレースだ。コースも違う、選手も違う、それぞれ体調も違う。再び勝つことを強く望んでいる。私は『防衛する』という考えには同意しない。勝利に挑む。勝利を守るということじゃない。今までに2度勝ったとはいえ、3度めの勝利に向けてトライする。もし今年それがかなわなくても、次の10年間6つ、7つの勝利を目指すということだ。今年もこうしてベストな状態でやって来た。戦う準備はできている。あとはどうなるか、だ。


photo&text:Makoto.AYANO

最新ニュース(全ジャンル)