スペインのメディアが伝えたところによると、ケースデパーニュのエウセビオ・ウンスエ監督がツール・ド・フランス覇者アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)を獲得する意思があることを明らかにした。

エウセビオ・ウンスエ監督(ケースデパーニュ)エウセビオ・ウンスエ監督(ケースデパーニュ) (c)MakotoAYANOフランスのケースデパーニュ銀行がメインスポンサーをつとめるスペインのチーム、ケースデパーニュ。ウンスエ監督がスペインのディアリオ・ナバラ紙に次のように語った。

「コンタドールとサインすることは可能だ。しかし今の時点では困難だ。アルベルトはアスタナとの契約を解消しなくてはならないし、我々は彼とサインするために第2スポンサーを探している」。

コンタドールとケースデパーニュが契約するのではないかという憶測は、今までもスペインのメディアを中心に報じられてきたが、問題は資金。コンタドールと契約するためには多額の契約金が必要だ。しかしコンタドールがアスタナを離れることがほぼ確実になり、移籍先としてもっとも有力視されるのもケースデパーニュだ。

このスペインの家族的なチームとスペイン人のコンタドールは今までも関係は良好。コンタドールがグランツールに勝てるチーム体制が揃うことを移籍先のチームに求めている点においても、条件を満たしている。



ツール・ド・フランス2009 第8ステージでリタイアしたオスカル・ペレイロ(スペイン、ケースデパーニュ)ツール・ド・フランス2009 第8ステージでリタイアしたオスカル・ペレイロ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Makoto Ayanoそして、コンタドールの移籍の可能性を一層高めそうなのが2006年ツールの覇者オスカル・ペレイロの不調だ。ペレイロは不調のためツール・ド・フランス2009を第8ステージでリタイアした。その後、1ヶ月になろうとしている今もレースに出ることなく不調と意欲喪失を引きずっており、引退の可能性を示唆している。

ウンスエ監督は「オスカルは来年も活動できるか分からない。今年彼がツールで経験した失望は大きかったようだ」と語っている。

ペレイロ自身はスペインのマルカ紙にこう語っている。
「今年のツールには万全の用意をして臨んだ。でも体調は思うようには上がらなかった。逃げに加わろうとしたときも、心拍数は上がらず、十分な体調にないことが判った。そして僕は自転車を降りた。
僕には隠すものは何もない。ケースデパーニュとの契約満了を迎えようとしているが、僕の選択肢は、契約更新・移籍・引退の3つ。そして僕は後者の可能性を考え始めている。レースを続けるモチベーションが見出せなかったら、僕は止める」

ウンスエ監督は同時に現在のチームの総勢28人の選手数から25人まで縮小する意向があるとしている。3選手への報酬をカットすることで、コンタドールとの契約金の一部に充当することができる。もしエース格のペレイロがチームを去ることになれば、皮肉なことにそれはコンタドールへの契約金がより払いやすくなることを意味する。

チームはツール・ド・フランス以降、アグリチュベルからクリストモロー(フランス)を、そしてランプレからマルツィオ・ブルセギン(イタリア)を獲得している。
放出するのはホアキン・ロドリゲス(スペイン)、とマーロン・ペレス(コロンビア)、アントニー・シャルトー(フランス)の3人。
そして新たにマウリシオ・ソレール(コロンビア、現バルロワールド)とカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア・ハイロード)を獲得するべく交渉中だという。現在所属する選手とは、5人と来季の契約を済ませ、5人と交渉進行中だ。

いずれにせよ、もしケースデパーニュがコンタドールを獲得するつもりなら、コンタドールに支払う多額の契約金確保のために第2スポンサーがどうしても必要になってくる。
ウンスエ監督の今回の発言による意思表示は、スポンサー獲得へ向けて弾みをつける狙いがあるようだ。

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