2009/08/02(日) - 10:49
雨に見舞われた第29回クラシカ・サンセバスティアンは、終盤にカルロス・バレード(スペイン、クイックステップ)とロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)の2人が先行し、最後はスプリント一騎打ちでバレードが勝利。アシストとして活躍した新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)は77位で完走した。
晴れのサンセバスティアンをスタートしたレースは、後半にかけて天候が崩れて雨降りに。完走率半数以下の厳しいレース展開となった。
レース序盤に飛び出したジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)やクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソバンク)を含む18名の逃げグループは、降りしきる雨の山岳地帯を駆け抜けた。
メイン集団はBboxブイグテレコムが中心となってスピードを上げ、難所ハイスキベル峠(ゴール38km手前)の上りに突入する頃には逃げグループとのタイム差は1分まで縮小。初出場の新城幸也(Bboxブイグテレコム)はメイン集団を積極的に牽き、逃げとのタイム差縮小に力を尽くした。
ハイスキベル峠で有力勢は動かず、雨の危険な下りで先頭グループから飛び出したエフゲニー・ペトロフ(ロシア、カチューシャ)が単独で逃げる状態で残り20km。ペトロフは独走のまま最後の難所アルカレ峠(ゴール15km手前)の上りに突入した。
メイン集団からこのアルカレ峠で飛び出し、ペトロフを追い抜いて先頭に立ったのはピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)とバレードの2人。頂上通過後、バレードが下りで飛び出すと、下りを得意とするルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)が後方から追い付いて先頭は2人に。
サンセバスティアンに向かって平坦路を協力して逃げるバレードとLLサンチェスの2人と、追い上げるロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)、キム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア・HTC)、フェドリゴの3人。メイン集団はエウスカルテルとカチューシャが牽引したが、逃げを封じ込めるほどの勢いは無かった。
やがて、残り2km地点で追走グループからクロイツィゲルが飛び出すと、逃げる2人を抜きさって一躍先頭に。このクロイツィゲルの動きにはバレードのみが合流し、2人で残り1kmのアーチを通過した。
後方ではフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)やダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)が追走グループに加わったが、先頭2人に届かない。最後はクロイツィゲルとバレードのスプリント勝負に持ち込まれ、早々に諦めたクロイツィゲルを振り切ったバレードが両手を広げてゴールに飛び込んだ。
有力選手たちを含むメイン集団は、スプリントを制したミカエル・ドラージュ(フランス、サイレンス・ロット)を先頭に7秒遅れでゴール。悪天候で半数以上の選手がリタイアする中、アシストとして活躍した新城幸也は、優勝者から10分52秒遅れで雨のサンセバスティアンにゴールしている。
バレードはアストゥリアス州出身の28歳クライマー。2004年にリバティー・セグロスでプロデビューし、アスタナを経て2007年からクイックステップで走っている。グランツールからワンディレースまで様々なレースで積極的な走りを見せているが、案外その勝利数は少ない。
アスタナ時代の2006年にはツアー・ダウンアンダーでステージ優勝。昨年のパリ〜ニースでは逃げグループの中から飛び出して独走勝利を飾っている。同年ツール・ド・フランスでも第18ステージで逃げ切りを果たしたが、逃げの相棒マークス・ブルグハート(ドイツ)との一騎打ちに敗れて2位に。
ワンディレース初勝利を飾ったバレードは、マルカ紙の中で「こんなハイレベルのレースで勝てるとは思ってなかった。まだ信じられないよ。パリ〜ニースでステージ優勝経験もあるし、ツール・ド・フランスでは惜しいところまでいった。でも間違いなくこれがキャリア最高の勝利だ!」と嬉しいコメント。
「下りはとても危険だったけど、ワンディレースでは多少のリスクは冒さないと勝利に手が届かない。チームにはとても感謝している。ツールで思うような結果を残せなかったチームに勝利をもたらせてよかった」と語っている。
またこの日、アルカレ峠の下りで落車したフアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)が右手を骨折。ツールでモンヴァントゥーを制したガラーテは、残念ながらブエルタ・ア・エスパーニャを欠場することに。
クラシカ・サンセバスティアン結果
1位 カルロス・バレード(スペイン、クイックステップ)5h37'00"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)
3位 ミカエル・ドラージュ(フランス、サイレンス・ロット)+07"
4位 ピーター・ベリトス(スロバキア、ミルラム)
5位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン)
6位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
7位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)
8位 セルゲイ・イワノフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)
10位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームコロンビア・HTC)
77位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+10'52"
晴れのサンセバスティアンをスタートしたレースは、後半にかけて天候が崩れて雨降りに。完走率半数以下の厳しいレース展開となった。
レース序盤に飛び出したジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)やクリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソバンク)を含む18名の逃げグループは、降りしきる雨の山岳地帯を駆け抜けた。
メイン集団はBboxブイグテレコムが中心となってスピードを上げ、難所ハイスキベル峠(ゴール38km手前)の上りに突入する頃には逃げグループとのタイム差は1分まで縮小。初出場の新城幸也(Bboxブイグテレコム)はメイン集団を積極的に牽き、逃げとのタイム差縮小に力を尽くした。
ハイスキベル峠で有力勢は動かず、雨の危険な下りで先頭グループから飛び出したエフゲニー・ペトロフ(ロシア、カチューシャ)が単独で逃げる状態で残り20km。ペトロフは独走のまま最後の難所アルカレ峠(ゴール15km手前)の上りに突入した。
メイン集団からこのアルカレ峠で飛び出し、ペトロフを追い抜いて先頭に立ったのはピエリック・フェドリゴ(フランス、Bboxブイグテレコム)とバレードの2人。頂上通過後、バレードが下りで飛び出すと、下りを得意とするルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)が後方から追い付いて先頭は2人に。
サンセバスティアンに向かって平坦路を協力して逃げるバレードとLLサンチェスの2人と、追い上げるロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)、キム・キルシェン(ルクセンブルク、チームコロンビア・HTC)、フェドリゴの3人。メイン集団はエウスカルテルとカチューシャが牽引したが、逃げを封じ込めるほどの勢いは無かった。
やがて、残り2km地点で追走グループからクロイツィゲルが飛び出すと、逃げる2人を抜きさって一躍先頭に。このクロイツィゲルの動きにはバレードのみが合流し、2人で残り1kmのアーチを通過した。
後方ではフィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)やダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)が追走グループに加わったが、先頭2人に届かない。最後はクロイツィゲルとバレードのスプリント勝負に持ち込まれ、早々に諦めたクロイツィゲルを振り切ったバレードが両手を広げてゴールに飛び込んだ。
有力選手たちを含むメイン集団は、スプリントを制したミカエル・ドラージュ(フランス、サイレンス・ロット)を先頭に7秒遅れでゴール。悪天候で半数以上の選手がリタイアする中、アシストとして活躍した新城幸也は、優勝者から10分52秒遅れで雨のサンセバスティアンにゴールしている。
バレードはアストゥリアス州出身の28歳クライマー。2004年にリバティー・セグロスでプロデビューし、アスタナを経て2007年からクイックステップで走っている。グランツールからワンディレースまで様々なレースで積極的な走りを見せているが、案外その勝利数は少ない。
アスタナ時代の2006年にはツアー・ダウンアンダーでステージ優勝。昨年のパリ〜ニースでは逃げグループの中から飛び出して独走勝利を飾っている。同年ツール・ド・フランスでも第18ステージで逃げ切りを果たしたが、逃げの相棒マークス・ブルグハート(ドイツ)との一騎打ちに敗れて2位に。
ワンディレース初勝利を飾ったバレードは、マルカ紙の中で「こんなハイレベルのレースで勝てるとは思ってなかった。まだ信じられないよ。パリ〜ニースでステージ優勝経験もあるし、ツール・ド・フランスでは惜しいところまでいった。でも間違いなくこれがキャリア最高の勝利だ!」と嬉しいコメント。
「下りはとても危険だったけど、ワンディレースでは多少のリスクは冒さないと勝利に手が届かない。チームにはとても感謝している。ツールで思うような結果を残せなかったチームに勝利をもたらせてよかった」と語っている。
またこの日、アルカレ峠の下りで落車したフアンマヌエル・ガラーテ(スペイン、ラボバンク)が右手を骨折。ツールでモンヴァントゥーを制したガラーテは、残念ながらブエルタ・ア・エスパーニャを欠場することに。
クラシカ・サンセバスティアン結果
1位 カルロス・バレード(スペイン、クイックステップ)5h37'00"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)
3位 ミカエル・ドラージュ(フランス、サイレンス・ロット)+07"
4位 ピーター・ベリトス(スロバキア、ミルラム)
5位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン)
6位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
7位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)
8位 セルゲイ・イワノフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル)
10位 マルコ・ピノッティ(イタリア、チームコロンビア・HTC)
77位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+10'52"
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