2014/05/06(火) - 15:39
今年もゴールデンウィークのびわ湖高島大会でJシリーズが開幕した。まずはDHIに先立って、朽木スキー場で行われたXCOをリポートする。力強い走りを披露した斉藤亮と平野星矢がワン・ツーフィニッシュし、ブリヂストン・アンカーは最高の開幕戦となった。
ここ数年、フランスに拠点を置いてUCIのクラス1レースやワールドカップで活動してきたブリヂストンアンカーサイクリングチーム。今期はJシリーズ全戦優勝を成し遂げた斉藤亮を獲得。最強のメンバーを揃えて国内のレースにも参戦する体制を整え、久しぶりにJシリーズの会場にアンカーブースが帰ってきた。
一方でミヤタ・メリダバイキングチームは小野寺健に加え、クロスカントリースキー界から転向した恩田祐一を獲得、チームランキングのディフェンディングチャンピオンとしてアンカー勢を迎え撃つ構え。昨年とは大幅に入れ替わった勢力図は、観戦する側にとっても興味深い開幕戦となった。
コースは前半はスキー場ゲレンデを奥に向かって登り、バームやジャンプを含んだシングルトラックからゲレンデトップへ、後半はテクニカルなつづら折れから高速な高速シングルを経てゲレンデに戻り、ゲレンデベースまで下ってからフィニッシュゲートに至る1周4200mで構成。
好天に恵まれて路面はドライとなったが浮き石が多く、荒れたコースはトラクションコントロールが難しいコンデション。エリート男子はスタートループ+5周回、エリート女子はスタートループ+3周回で争われた。
14:15にスタートしたエリート男子は、このところ定番となっている中原義貴(キャノンデール)と前田幸平(スコット)のU23コンビのスタートダッシュで幕を明けた。
後先考えずにスタートから前に出るこの二人の作戦は、序盤早々に後続に飲み込まれるパターンもこれまた定番となっているが、この日は中原がハイペースで先頭を引き続け、2周目には後続を大きく引き離し、逃げに成功したかに見えた。しかし中盤以降、ケアンズでのワールドカップから帰国したばかりの斉藤が、じわじわと差を詰めて先頭へ。
そこからは逆に斉藤が地力を見せつける走りで独走状態、これにチームメイトの平野星矢も続き、アンカー勢ワンツーの展開でレースは後編へ。最終的に斉藤は平野に56秒の差をつけて圧勝。開幕前のJ2緑山、J2菖蒲谷ではポジションが決まらずに精彩を欠き、初挑戦となったワールドカップ、ケアンズでも未経験の環境と難易度の高いコースに苦しんでいたが、ここにきて昨年の圧倒的な強さを思い起こさせる好走を見せた斉藤は
「(ケアンズから)帰ってきて、早々にフレームサイズを変えてみたんですよ。Mサイズだったんですが、Sサイズを試してみたんです。ここしばらくで思い描いていた理想に、かなり近い感触で走れたんですよね。あの苦しかったワールドカップから比べると、やっぱり国内のレースでは(精神的にも)少し余裕もあって、そういう意味では1秒でも前へ!っていう程の走りはまだできていないと思うんですが、自分には妥協しないで走れたので良かったと思います。」とコメントした。
2位にはJ2菖蒲谷で優勝して好調の平野が入り、新生アンカーチームにとっては最高の開幕戦となった。3位にはこの朽木会場を得意とする千田尚考(自転車村Rシーラカンス)が入った。J2緑山で優勝し、菖蒲谷ではチェーントラブルでレースを落としたもが、好調を維持していた小野寺健は「なぜだかわかりませんが身体が重たくて…」と5位に留まった。
下りで圧倒的なテクニックを見せた末政が女子エリートを制す
女子は斉藤と同様にワールドカップ、ケアンズ大会から帰国直後のレースとなった末政実緒(ユニオールツールズ/ライテック)が優勝。クロカンに挑戦をはじめた昨年度は、トレーニング方法も定まらず、テスト的な参戦の印象が強かったが、今期は身体も絞れており、すっかりクロカン選手としての存在感をアピールするかたちとなった。
特にダウンヒルで培った下りのテクニックとボディバランスは抜きん出ており、男子顔負けのライディングは観客を沸かせた。1分44秒差の2位には昨年の最終戦、白山一里野大会で優勝した小林加奈子(アズミノ/フォックス)が粘り強い走りで続き、3位には中島峻歩(クラブSY-Nak)が入った。
次戦は愛媛県の八幡浜に会場を移し、5月24日-25日にかけて開催される。
Jシリーズ びわ湖高島大会XCO#1 朽木スキー場 結果
photo&text:Hiroyuki.NAKAGAWA/SLm
ここ数年、フランスに拠点を置いてUCIのクラス1レースやワールドカップで活動してきたブリヂストンアンカーサイクリングチーム。今期はJシリーズ全戦優勝を成し遂げた斉藤亮を獲得。最強のメンバーを揃えて国内のレースにも参戦する体制を整え、久しぶりにJシリーズの会場にアンカーブースが帰ってきた。
一方でミヤタ・メリダバイキングチームは小野寺健に加え、クロスカントリースキー界から転向した恩田祐一を獲得、チームランキングのディフェンディングチャンピオンとしてアンカー勢を迎え撃つ構え。昨年とは大幅に入れ替わった勢力図は、観戦する側にとっても興味深い開幕戦となった。
コースは前半はスキー場ゲレンデを奥に向かって登り、バームやジャンプを含んだシングルトラックからゲレンデトップへ、後半はテクニカルなつづら折れから高速な高速シングルを経てゲレンデに戻り、ゲレンデベースまで下ってからフィニッシュゲートに至る1周4200mで構成。
好天に恵まれて路面はドライとなったが浮き石が多く、荒れたコースはトラクションコントロールが難しいコンデション。エリート男子はスタートループ+5周回、エリート女子はスタートループ+3周回で争われた。
14:15にスタートしたエリート男子は、このところ定番となっている中原義貴(キャノンデール)と前田幸平(スコット)のU23コンビのスタートダッシュで幕を明けた。
後先考えずにスタートから前に出るこの二人の作戦は、序盤早々に後続に飲み込まれるパターンもこれまた定番となっているが、この日は中原がハイペースで先頭を引き続け、2周目には後続を大きく引き離し、逃げに成功したかに見えた。しかし中盤以降、ケアンズでのワールドカップから帰国したばかりの斉藤が、じわじわと差を詰めて先頭へ。
そこからは逆に斉藤が地力を見せつける走りで独走状態、これにチームメイトの平野星矢も続き、アンカー勢ワンツーの展開でレースは後編へ。最終的に斉藤は平野に56秒の差をつけて圧勝。開幕前のJ2緑山、J2菖蒲谷ではポジションが決まらずに精彩を欠き、初挑戦となったワールドカップ、ケアンズでも未経験の環境と難易度の高いコースに苦しんでいたが、ここにきて昨年の圧倒的な強さを思い起こさせる好走を見せた斉藤は
「(ケアンズから)帰ってきて、早々にフレームサイズを変えてみたんですよ。Mサイズだったんですが、Sサイズを試してみたんです。ここしばらくで思い描いていた理想に、かなり近い感触で走れたんですよね。あの苦しかったワールドカップから比べると、やっぱり国内のレースでは(精神的にも)少し余裕もあって、そういう意味では1秒でも前へ!っていう程の走りはまだできていないと思うんですが、自分には妥協しないで走れたので良かったと思います。」とコメントした。
2位にはJ2菖蒲谷で優勝して好調の平野が入り、新生アンカーチームにとっては最高の開幕戦となった。3位にはこの朽木会場を得意とする千田尚考(自転車村Rシーラカンス)が入った。J2緑山で優勝し、菖蒲谷ではチェーントラブルでレースを落としたもが、好調を維持していた小野寺健は「なぜだかわかりませんが身体が重たくて…」と5位に留まった。
下りで圧倒的なテクニックを見せた末政が女子エリートを制す
女子は斉藤と同様にワールドカップ、ケアンズ大会から帰国直後のレースとなった末政実緒(ユニオールツールズ/ライテック)が優勝。クロカンに挑戦をはじめた昨年度は、トレーニング方法も定まらず、テスト的な参戦の印象が強かったが、今期は身体も絞れており、すっかりクロカン選手としての存在感をアピールするかたちとなった。
特にダウンヒルで培った下りのテクニックとボディバランスは抜きん出ており、男子顔負けのライディングは観客を沸かせた。1分44秒差の2位には昨年の最終戦、白山一里野大会で優勝した小林加奈子(アズミノ/フォックス)が粘り強い走りで続き、3位には中島峻歩(クラブSY-Nak)が入った。
次戦は愛媛県の八幡浜に会場を移し、5月24日-25日にかけて開催される。
Jシリーズ びわ湖高島大会XCO#1 朽木スキー場 結果
1位 斉藤亮(ブリヂストン・アンカー)
2位 平野星矢(ブリヂストン・アンカー)
3位 千田尚考(自転車村Rシーラカンス)
4位 中原義貴(キャノンデール)
5位 小野寺健(ミヤタ・メリダ)
6位 沢田時(ブリヂストン・アンカー)
7位 門田基志(ジャイアント)
8位 恩田祐一(ミヤタ・メリダ)
9位 佐藤誠示 +5:58.63
10位 松本駿(スコット)
2位 平野星矢(ブリヂストン・アンカー)
3位 千田尚考(自転車村Rシーラカンス)
4位 中原義貴(キャノンデール)
5位 小野寺健(ミヤタ・メリダ)
6位 沢田時(ブリヂストン・アンカー)
7位 門田基志(ジャイアント)
8位 恩田祐一(ミヤタ・メリダ)
9位 佐藤誠示 +5:58.63
10位 松本駿(スコット)
1:30:05.05
+56.31
+2:52.17
+3:10.92
+3:46.17
+5:34.48
+5:39.40
+5:57.26
+7:38.93
+56.31
+2:52.17
+3:10.92
+3:46.17
+5:34.48
+5:39.40
+5:57.26
+7:38.93
photo&text:Hiroyuki.NAKAGAWA/SLm
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