2014/04/15(火) - 10:06
連載でお届けするプロバイクレポート。今回はロンド・ファン・フラーンデレン2014を走ったバイクを特集する第2弾。キャノンデール、AG2Rラモンディアール、BMCレーシング、ユーロップカー、アンドローニ・ベネズエラ、MTNキュベカのバイクをピックアップする。
キャノンデール < キャノンデール SYNAPSE Hi-Mod >
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)のキャノンデール SYNAPSE Hi-Mod photo:Makoto.AYANO
ステムには勝負どころの位置が記されたメモが貼られる photo:Makoto.AYANO
ハンドルは使い慣れたシャローベンドのFSA ENERGY TRADITIONAL photo:Makoto.AYANO
キャノンデールは全ライダーがE3ハレルベークから投入された新カラーのエンデュランスモデル「SYNAPSE Hi-Mod」を使用した。その中からエースライダーを務めたペーター・サガン(スロバキア)のバイクをピックアップ。ジオメトリーがサガン専用のスペシャルな寸法とされていることが大きな特徴だ。
コンポーネントは、市販品では赤い部分がチームカラーのグリーンに変更されたスラムRED22をメインとし、クランクアームのみSRMが搭載されたキャノンデールオリジナルのホログラムSiSl2にチェンジ。ホイールは40mmハイトのヴィジョン METRON 40で、ロゴがコンポーネント同様にチームカラーとなっている。
バイクメーカーのグルが提供するフィッティングシステムでポジション出しを行っている photo:Makoto.AYANO
ブレーキケーブルの挿入口にはノコンを使用する photo:Makoto.AYANO
ボトルケージはエリート CIUSSI GEL photo:Makoto.AYANO
ケンダ SCのロゴがはられたタイヤは恐らくベロフレックス製だ photo:Makoto.AYANO
タイヤは普段のレースで使用している「ケンダ SC」のロゴがあるものの、トレッドパターンから推察するにベロフレックス Arenbergだと思われる。ハンドル周りはFSAで統一され、ステムの上には勝負どころの位置が記されたメモが貼られていた。サドルはフィジーク ALIANTEで、強度を重視して金属レールを装着。ボトルケージは固定力に優れるエリート CIUSSI GELをアッセンブル。
AG2Rラモンディアール < フォーカス IZALCO MAX、MARES CX >
ダミアン・ゴダン(フランス、AG2Rラモンディアール)のフォーカス IZALCO MAX photo:Makoto.AYANO
シュワルベONEのトレッドにコットンケーシングを組み合わあせたスペシャルタイヤを使用 photo:Makoto.AYANO
ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア)はフルカーボン製のアリオネ k:1を使用 photo:Makoto.AYANO
AG2Rラモンディアールはフォーカス史上最軽量モデルである「IZALCO MAX」と、今年2月に発表されたばかりの新型シクロクロスバイク「MARES CX」の2モデルを投入。今大会ではIZALCO MAXをはじめ、ヒルクライムモデルとして位置づけられる軽量バイクが多い中、あえてCXバイクを投入した点は興味深い。恐らくフレーム単体で895g(56cm)という実用的な軽さがその理由であろう。
コンポーネントはカンパニョーロからサポートを受け、選手によって電動式のSUPER RECORD EPSと機械式のSUPER RECORD RSを使い分ける。一部のライダーはSRMクランクを使用。MARES CXのブレーキにはカンパニョーロオリジナルのカンチブレーキが装着されていた。
セバスティアン・テュルゴー(フランス、AG2Rラモンディアール)のフォーカス MARES CX photo:Makoto.AYANO
MARES CXのブレーキはカンパニョーロのシクロクロス用カンチ photo:Makoto.AYANO
フィジークのバーテープを2重巻きにして衝撃吸収性を高める photo:Makoto.AYANO
ホイールはチームカラーのデカールが貼られた50mmハイトのフルクラム RACING SPEED XLRで統一。タイヤはFMBのPARIS ROUBAIXとPARIS ROUBAIX PRO、そしてシュワルベONEのトレッドにコットンケーシングを組み合わあせたスペシャルモデルの3種類を使用した。ハンドル周りやバーテープ、サドルは全てフィジークで揃えられており、ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア)は数年前に廃盤となったフルカーボン製サドルのアリオネ k:1をチョイス。一般的に乗り心地が硬いという評判だが、北のクラシックでも使用するほどフィットするお気に入りのサドルということだろう。
BMCレーシング < BMC Granfondo GF01 >
マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシング)のBMC Granfondo GF01 photo:Makoto.AYANO
BMCレーシングからは献身的なアシストを見せたマークス・ブルグハート(ドイツ)が使用したGranfondo GF01をピックアップ。一見すると変わった点は無いように思われるが、フロントフォークがteammachine SLR01用に差し替えられているのが特徴だ。
北のクラシックでは振動吸収性を高めるためにフロントフォークをソフトなモデルに交換するというケースは過去にあったものの、リジットなモデルへの変更はあまり多くない。恐らく俊敏なハンドリングを求めた結果と思われ、序盤から逃げグループに入ったテイラー・フィニー(アメリカ)やトル・フースホフト(ノルウェー)も同じ仕様のバイクに乗った。なお、2位表彰台を獲得したフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー)はオールラウンドモデルのteammachine SLR01を使用した。
ハンドル周りは3T。73°のステムを使用し理想のポジションを実現する photo:Makoto.AYANO
足回りはシマノ WH-9000-C50-TUにコンチネンタル COMPETITION PRO LTDを組み合わせる photo:Makoto.AYANO
コンポーネント及びホイールはシマノ9070/9000系デュラエース。リムハイトは多くの他チームが35mmを選択した中で50mmハイトをチョイスしている。タイヤは28mm幅のコンチネンタル COMPETITION PRO LTD。ハンドル周りは3Tで、身長が高いブルグハートは73°のステムを使用し理想のポジションを実現している。サドルはチームカラーのブラック/レッドを纏ったフィジークだ。
ユーロップカー < コルナゴ CX-ZERO、M10 >
アレクサンドル・ピショ(フランス、ユーロップカー)のコルナゴ CX-ZERO photo:Makoto.AYANO
ユーロップカーは石畳対策として、昨年のツール・ド・フランス第100回大会を記念した特別カラーを纏ったコルナゴの新型コンフォートモデル「CX-ZERO」を投入し、アレクサンドル・ピショ(フランス)らが使用した。また、ジミー・アングルヴァンやヤニック・マルティネス(共にフランス)は軽量モデルの「M10」をチョイスしている。
コンポーネントはカンパニョーロ SUPER RECORD EPSをメインとし、一部ライダーはコーラスグレードのスプロケットを使用した。パワーメーターはほとんどのバイクが未装着で、使用率はUCIワールドツアーチームの中では最も低いだろう。ホイールもコンポーネントと同じくカンパニョーロで、ハイトの異なるHYPERONとBORA35、BORA ULTRAの3種類を使い分けた。タイヤはスポンサードを受けるハッチンソンであるものの、銘柄は明記されていない。
昨年のツール・ド・フランス第100回大会を記念した特別カラーを使用した photo:Makoto.AYANO
サイクルコンピューターは長年スポンサードを受けるシグマのROX 6.0 photo:Makoto.AYANO
ジミー・アングルヴァンやヤニック・マルティネス(共にフランス)は軽量モデルのM10をチョイス photo:Makoto.AYANO
カンパニョーロ BORA 35にハッチンソンのタイヤを組み合わせる photo:Makoto.AYANO
ハンドル周りはデダ・エレメンティが基本だが、コルナゴオリジナルのシートポストを装着したバイクも見られた。サドルはセライタリアで、黒ベースに白いラインが入ったプロチームカラーとなっている。サイクルコンピューターはブイグテレコム時代から長年に渡ってスポンサードを受けるシグマ。ボトルゲージはタックス TAOを装着している。
アンドローニ・ベネズエラ < ビアンキ Infinito CV、SEMPRE PRO >
マルコ・バンディエラ(イタリア、アンドローニ・ベネズエラ)のビアンキ Infinito CV photo:Makoto.AYANO
クランクは4アーム化されたFSA K-FORCE LIGHT。ペダルはタイムだ photo:Makoto.AYANO
40mmハイトのヴィジョン METRON 40にヴィットリア PAVE EVO CGを組み合わせる photo:Makoto.AYANO
ワイルドカードでの出場となったアンドローニ・ベネズエラはビアンキを使用。普段のレースで使用する「SEMPRE PRO」に加え、ベルキンと同じく振動吸収性にフォーカスしたエンデュランス系ハイエンドモデル「INFINITO CV」をマルコ・バンディエラ(イタリア)ら一部のエース級ライダーに投入した。
コンポーネントはカンパニョーロ SUPER RECORDのメカニカルタイプをベースとし、クランクには4アーム化されたFSA K-FORCE LIGHTを、ブレーキには同じくFSAのK-FORCEを組み合わせる。ホイールはFSAがプロデュースするヴィジョンのMETRONシリーズで、3種類のハイトの中でもっとも低くオールラウンドな40mmがメインに使用された。
普段はメインで使用されるSEMPRE PRO photo:Makoto.AYANO
タイヤは北のクラシックでは定番のヴィットリア PAVE EVO CGで統一。ハンドルやステム、シートポストもFSAで統一される。グレードはK-FORCEやSL-Kなどまちまち。サドルはチームカラーである赤とチェレスで塗り分けられたフィジークをアッセンブルする。その他ペダルはタイム Expressoシリーズ、ボトルケージはエリート CUSTOMだ。
MTNキュベカ < トレック MADONE 7、DOMANE 6 >
ジャコ・ヴェンター(南アフリカ、MTNキュベカ)のトレック MADONE 7 photo:Makoto.AYANO
足周りはジップのホイールにシュワルベ ONEを組み合わせる photo:Makoto.AYANOロンド・ファン・フラーンデレンに初出場を果たした南アフリカ籍のプロコンチネンタルチームのMTNキュベカ。バイクは普段のレースと同じくトレックの「MADONE 7」で、一部ライダーには「DOMANE 6」も投入されたようだ。
コンポーネントはスラム RED22で、クランクにはSRMのパワーメーターを搭載。市販車ではダイレクトマウントのブレーキのみが設定されるが、MTNキュベカのバイクには1本ナットタイプのブレーキが取り付けられていた。足周りはジップ303にシュワルベONEを組み合わせる。ハンドル周りはFSA ENERGY。ボトルケージはエリート CIUSSI GELで、MTNキュベカのバイクの中では唯一北のクラシックを走るバイクらしいポイントと言えよう。
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
キャノンデール < キャノンデール SYNAPSE Hi-Mod >



キャノンデールは全ライダーがE3ハレルベークから投入された新カラーのエンデュランスモデル「SYNAPSE Hi-Mod」を使用した。その中からエースライダーを務めたペーター・サガン(スロバキア)のバイクをピックアップ。ジオメトリーがサガン専用のスペシャルな寸法とされていることが大きな特徴だ。
コンポーネントは、市販品では赤い部分がチームカラーのグリーンに変更されたスラムRED22をメインとし、クランクアームのみSRMが搭載されたキャノンデールオリジナルのホログラムSiSl2にチェンジ。ホイールは40mmハイトのヴィジョン METRON 40で、ロゴがコンポーネント同様にチームカラーとなっている。




タイヤは普段のレースで使用している「ケンダ SC」のロゴがあるものの、トレッドパターンから推察するにベロフレックス Arenbergだと思われる。ハンドル周りはFSAで統一され、ステムの上には勝負どころの位置が記されたメモが貼られていた。サドルはフィジーク ALIANTEで、強度を重視して金属レールを装着。ボトルケージは固定力に優れるエリート CIUSSI GELをアッセンブル。
AG2Rラモンディアール < フォーカス IZALCO MAX、MARES CX >



AG2Rラモンディアールはフォーカス史上最軽量モデルである「IZALCO MAX」と、今年2月に発表されたばかりの新型シクロクロスバイク「MARES CX」の2モデルを投入。今大会ではIZALCO MAXをはじめ、ヒルクライムモデルとして位置づけられる軽量バイクが多い中、あえてCXバイクを投入した点は興味深い。恐らくフレーム単体で895g(56cm)という実用的な軽さがその理由であろう。
コンポーネントはカンパニョーロからサポートを受け、選手によって電動式のSUPER RECORD EPSと機械式のSUPER RECORD RSを使い分ける。一部のライダーはSRMクランクを使用。MARES CXのブレーキにはカンパニョーロオリジナルのカンチブレーキが装着されていた。



ホイールはチームカラーのデカールが貼られた50mmハイトのフルクラム RACING SPEED XLRで統一。タイヤはFMBのPARIS ROUBAIXとPARIS ROUBAIX PRO、そしてシュワルベONEのトレッドにコットンケーシングを組み合わあせたスペシャルモデルの3種類を使用した。ハンドル周りやバーテープ、サドルは全てフィジークで揃えられており、ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア)は数年前に廃盤となったフルカーボン製サドルのアリオネ k:1をチョイス。一般的に乗り心地が硬いという評判だが、北のクラシックでも使用するほどフィットするお気に入りのサドルということだろう。
BMCレーシング < BMC Granfondo GF01 >

BMCレーシングからは献身的なアシストを見せたマークス・ブルグハート(ドイツ)が使用したGranfondo GF01をピックアップ。一見すると変わった点は無いように思われるが、フロントフォークがteammachine SLR01用に差し替えられているのが特徴だ。
北のクラシックでは振動吸収性を高めるためにフロントフォークをソフトなモデルに交換するというケースは過去にあったものの、リジットなモデルへの変更はあまり多くない。恐らく俊敏なハンドリングを求めた結果と思われ、序盤から逃げグループに入ったテイラー・フィニー(アメリカ)やトル・フースホフト(ノルウェー)も同じ仕様のバイクに乗った。なお、2位表彰台を獲得したフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー)はオールラウンドモデルのteammachine SLR01を使用した。


コンポーネント及びホイールはシマノ9070/9000系デュラエース。リムハイトは多くの他チームが35mmを選択した中で50mmハイトをチョイスしている。タイヤは28mm幅のコンチネンタル COMPETITION PRO LTD。ハンドル周りは3Tで、身長が高いブルグハートは73°のステムを使用し理想のポジションを実現している。サドルはチームカラーのブラック/レッドを纏ったフィジークだ。
ユーロップカー < コルナゴ CX-ZERO、M10 >

ユーロップカーは石畳対策として、昨年のツール・ド・フランス第100回大会を記念した特別カラーを纏ったコルナゴの新型コンフォートモデル「CX-ZERO」を投入し、アレクサンドル・ピショ(フランス)らが使用した。また、ジミー・アングルヴァンやヤニック・マルティネス(共にフランス)は軽量モデルの「M10」をチョイスしている。
コンポーネントはカンパニョーロ SUPER RECORD EPSをメインとし、一部ライダーはコーラスグレードのスプロケットを使用した。パワーメーターはほとんどのバイクが未装着で、使用率はUCIワールドツアーチームの中では最も低いだろう。ホイールもコンポーネントと同じくカンパニョーロで、ハイトの異なるHYPERONとBORA35、BORA ULTRAの3種類を使い分けた。タイヤはスポンサードを受けるハッチンソンであるものの、銘柄は明記されていない。




ハンドル周りはデダ・エレメンティが基本だが、コルナゴオリジナルのシートポストを装着したバイクも見られた。サドルはセライタリアで、黒ベースに白いラインが入ったプロチームカラーとなっている。サイクルコンピューターはブイグテレコム時代から長年に渡ってスポンサードを受けるシグマ。ボトルゲージはタックス TAOを装着している。
アンドローニ・ベネズエラ < ビアンキ Infinito CV、SEMPRE PRO >



ワイルドカードでの出場となったアンドローニ・ベネズエラはビアンキを使用。普段のレースで使用する「SEMPRE PRO」に加え、ベルキンと同じく振動吸収性にフォーカスしたエンデュランス系ハイエンドモデル「INFINITO CV」をマルコ・バンディエラ(イタリア)ら一部のエース級ライダーに投入した。
コンポーネントはカンパニョーロ SUPER RECORDのメカニカルタイプをベースとし、クランクには4アーム化されたFSA K-FORCE LIGHTを、ブレーキには同じくFSAのK-FORCEを組み合わせる。ホイールはFSAがプロデュースするヴィジョンのMETRONシリーズで、3種類のハイトの中でもっとも低くオールラウンドな40mmがメインに使用された。

タイヤは北のクラシックでは定番のヴィットリア PAVE EVO CGで統一。ハンドルやステム、シートポストもFSAで統一される。グレードはK-FORCEやSL-Kなどまちまち。サドルはチームカラーである赤とチェレスで塗り分けられたフィジークをアッセンブルする。その他ペダルはタイム Expressoシリーズ、ボトルケージはエリート CUSTOMだ。
MTNキュベカ < トレック MADONE 7、DOMANE 6 >


コンポーネントはスラム RED22で、クランクにはSRMのパワーメーターを搭載。市販車ではダイレクトマウントのブレーキのみが設定されるが、MTNキュベカのバイクには1本ナットタイプのブレーキが取り付けられていた。足周りはジップ303にシュワルベONEを組み合わせる。ハンドル周りはFSA ENERGY。ボトルケージはエリート CIUSSI GELで、MTNキュベカのバイクの中では唯一北のクラシックを走るバイクらしいポイントと言えよう。
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
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