2014/03/26(水) - 06:25
冷たい雨に包まれたボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)第2ステージ。多くの選手が悪天候によって体調を崩す中、リーダージャージを着るルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)が開幕2連勝を飾ってみせた。
2級山岳を進むトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)ら photo:Kei Tsuji
スタート前にアームウォーマーを装着する別府史之(トレックファクトリーレーシング) photo:Kei Tsuji地中海沿いのマターロをスタートし、難易度の低いカテゴリー山岳を2つ越えて内陸へ。多くの北米出身選手やオーストラリア人選手が住む街として知られるジローナで第2ステージはフィニッシュを迎える。
オリカ・グリーンエッジやジャイアント・シマノが牽引するメイン集団 photo:Tim de Waeleジローナはフランス国境から60kmの位置にある山間の街。トレーニング向きのバリエーション豊かな地形と比較的温暖な気候により、伝統的に多くの海外選手が居を構えている。しかし、この日は天候が選手に味方しなかった。
クリス・フルーム(イギリス)のために集団前方を固めるチームスカイ photo:Tim de Waele1月のツアー・ダウンアンダー開幕前に鎖骨を骨折したトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)やマキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ)らがレース前半からエスケープ。
雨の中を逃げ続けるトマシュ・マルチンスキー(ポーランド、CCCポルサット)ら photo:Tim de Waele逃げの6名が徐々にリードを広げる中、メイン集団ではリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)やサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)らがバイクを降りた。ティレーノ〜アドリアティコを体調不良によりリタイアし、回復出来ないままカタルーニャに出場したポートは第1ステージですでに3分近く遅れていた。
ゴールスプリントで先頭に立つルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ) photo:Tim de Waeleやがてレース後半に差し掛かると、あたりが暗くなり、大粒の雨が地面を濡らし始める。気温は10度以下まで下がり、選手たちは慌ててレインジャケットを着込んだ。
ゴールスプリントを制したルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ) photo:Tim de Waeleジャイアント・シマノやオリカ・グリーンエッジに加え、エースを安全に走らせるためにチームスカイやティンコフ・サクソ、トレックファクトリーレーシングが集団前方へ。リードを失った逃げグループからはヴォクレールが飛び出し、メイン集団を相手に単騎挑戦する姿勢を見せる。
降りしきる雨に濡れた危険なコースでヴォクレールが奮闘。しかしジローナの街を目前に、ゴールまでおよそ5kmを残してメイン集団に吸収されてしまう。
ジャイアント・シマノやオメガファーマ・クイックステップ、オリカ・グリーンエッジが集団前方を固め、幾つものロータリーをこなしながらジローナに突入。安全にロータリーを抜けるためにアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が残り1kmでアタックを仕掛けるシーンも見られた。
最後はブレット・ランカスターにリードアウトされたリー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が発進。しかし別のラインから飛び出したリーダージャージのメスゲツのスプリントが伸びる。この日もメスゲツの加速を止める者は現れなかった。
「昨日の勝利がまぐれではないことを証明出来てよかったよ」と、ステージ2連勝を飾ったメスゲツ。決して好位置からのスプリントではなかったが、抜群の加速力でライバルたちを蹴散らした。「こんな雨に濡れた日はチームワークが欠かせない。下りで身体が冷えきったのでスプリントに力が入るか自信が無かったけど、一旦スプリントに持ち込んでしまえば何も問題なかったよ」。
メスゲツは2位以下を14秒引き離して総合首位を快走中だが、翌日から始まる山岳ステージでリーダージャージを明け渡す心積もりは出来ている。「明日からは別のレースが始まる。その先にあるチャンスに向けて集中しているよ」。
アシストとしてロベルト・キセロフスキー(クロアチア)に終始寄り添って走った別府史之は、エースと並んでステージ33位でフィニッシュ。「コンディションは良い。スプリントは危険だったためそのままゴールした」とコメントしている。
この日、トレックファクトリーレーシングのダニーロ・ホンド(ドイツ)が発熱によりDNS。アイマル・スベルディア(スペイン)も開幕前からの体調不良により中盤にリタイアした。鎖骨骨折から復活中のジャコモ・ニッツォロ(イタリア)は残り20km地点で落車し、一人大きく遅れてフィニッシュしている。大会2日目にして早くもメンバーが6名に絞られる厳しい展開に。
翌日の第3ステージは、標高1916mの超級山岳クレウエタ峠を越え、標高1725mの1級山岳ラモリーナにフィニッシュする難関山岳ステージ。引き続き雨の予報が出ているが、大会主催者は予定通りのコースでレースを開催すると発表している。山岳の頂上付近は雪が降るとの予報も出ており、サバイバルレースの様相を呈してきた。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2014第2ステージ結果
個人総合成績
山岳賞
ロメン・ルマルシャン(フランス、コフィディス)
スプリント賞
ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)
チーム総合成績
ロット・ベリソル
text:Kei Tsuji
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降りしきる雨に濡れた危険なコースでヴォクレールが奮闘。しかしジローナの街を目前に、ゴールまでおよそ5kmを残してメイン集団に吸収されてしまう。
ジャイアント・シマノやオメガファーマ・クイックステップ、オリカ・グリーンエッジが集団前方を固め、幾つものロータリーをこなしながらジローナに突入。安全にロータリーを抜けるためにアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が残り1kmでアタックを仕掛けるシーンも見られた。
最後はブレット・ランカスターにリードアウトされたリー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が発進。しかし別のラインから飛び出したリーダージャージのメスゲツのスプリントが伸びる。この日もメスゲツの加速を止める者は現れなかった。
「昨日の勝利がまぐれではないことを証明出来てよかったよ」と、ステージ2連勝を飾ったメスゲツ。決して好位置からのスプリントではなかったが、抜群の加速力でライバルたちを蹴散らした。「こんな雨に濡れた日はチームワークが欠かせない。下りで身体が冷えきったのでスプリントに力が入るか自信が無かったけど、一旦スプリントに持ち込んでしまえば何も問題なかったよ」。
メスゲツは2位以下を14秒引き離して総合首位を快走中だが、翌日から始まる山岳ステージでリーダージャージを明け渡す心積もりは出来ている。「明日からは別のレースが始まる。その先にあるチャンスに向けて集中しているよ」。
アシストとしてロベルト・キセロフスキー(クロアチア)に終始寄り添って走った別府史之は、エースと並んでステージ33位でフィニッシュ。「コンディションは良い。スプリントは危険だったためそのままゴールした」とコメントしている。
この日、トレックファクトリーレーシングのダニーロ・ホンド(ドイツ)が発熱によりDNS。アイマル・スベルディア(スペイン)も開幕前からの体調不良により中盤にリタイアした。鎖骨骨折から復活中のジャコモ・ニッツォロ(イタリア)は残り20km地点で落車し、一人大きく遅れてフィニッシュしている。大会2日目にして早くもメンバーが6名に絞られる厳しい展開に。
翌日の第3ステージは、標高1916mの超級山岳クレウエタ峠を越え、標高1725mの1級山岳ラモリーナにフィニッシュする難関山岳ステージ。引き続き雨の予報が出ているが、大会主催者は予定通りのコースでレースを開催すると発表している。山岳の頂上付近は雪が降るとの予報も出ており、サバイバルレースの様相を呈してきた。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2014第2ステージ結果
1位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
2位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3位 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール)
4位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシング)
6位 ダヴィデ・ヴィガノ(イタリア、カハルーラル)
7位 ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)
8位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)
33位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
2位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3位 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール)
4位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシング)
6位 ダヴィデ・ヴィガノ(イタリア、カハルーラル)
7位 ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)
8位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)
33位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
3h57'49"
+03"
+03"
個人総合成績
1位 ルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)
2位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール)
6位 ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)
7位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシング)
8位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 ダヴィデ・ヴィガノ(イタリア、カハルーラル)
10位 ミヘル・コッホ(ドイツ、キャノンデール)
2位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3位 リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール)
6位 ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)
7位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシング)
8位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 ダヴィデ・ヴィガノ(イタリア、カハルーラル)
10位 ミヘル・コッホ(ドイツ、キャノンデール)
8h06'42"
+14"
+16"
+18"
+20"
+14"
+16"
+18"
+20"
山岳賞
ロメン・ルマルシャン(フランス、コフィディス)
スプリント賞
ボリス・ファレー(ベルギー、ロット・ベリソル)
チーム総合成績
ロット・ベリソル
text:Kei Tsuji
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